第5章 いざ、初陣
メアリー「しばらく様子を見た方が良いと思いますが……」
シャチホコ「ここの警備お願いね。だ~(走るしぐさ)」
GM「で、結局残るのはメアリーだけね?」
メアリー「はい。」
GM「じゃ、最初の確認だけど先ずイノシシ。見た段階で知名度判定ができます。やってください。」
***予備知識***
知名度判定:目にした生物(主にモンスター)のことを知っているかの判定。
外見は見たままではあるのだが、モンスターの能力値や攻撃手段特殊能力などのデータを知っているかの判定。
一度判定に成功すれば同じモンスターと遭遇したときに再度判定する必要はない。
この判定に成功すればモンスターのデータをプレーヤーに全て公開することになる。
***予備知識終了***
ラン「野外系の生物知識でしょ? 素人判定だよ。能力値は……知識力と知覚力か。そうするとダイスの値だけか。(コロコロ)2。」
GM「大きなイノシシだ(笑)」
ラン「大きなイノシシだ(笑)」
GM「え~っと、ランは基本LTいくつ?」
ラン「1、基本LTは。」
GM「1ね。で、シャチホコは向かうんだね?」
シャチホコ「うん。」
GM「じゃ、向うんだったら2s遅れで到着という事にしますね。じゃ行きます。カウント0は現状ですね。あ、トモリは基本LT:0か。でも何もできないな。待機宣言だな。他は誰もないな。ではカウント1でランの宣言。ランはどうする?」
ラン「ヌンチャクの通常攻撃。」
GM「え~距離は10m離れている。」
ラン「まずは接敵だな。」
GM「全力移動?」
ラン「全力移動で。え~と……。」
GM「敏捷力×2m。」
ラン「敏捷力4。という事は8m?」
GM「そう、8mという事は、1s。で近接戦闘範囲内(2m以内)に入れるから、基本LTが1sだから2sで接敵だね。という事はカウント3でイノシシに接敵できる。」
***予備知識***
このゲームは一定の時間で区切るラウンド制でなく、行動の時間を積み上げていくカウント制を採用しています。
つまり、時間経過ごとに各プレーヤーの行動が処理されるのです。
また、通常接近戦闘範囲は2m(武器により最大5m)なので、接近戦を挑もうとしたランはまず移動を行う必要があります。
戦闘時の通常移動は2m/s。全力移動は敏捷力×2mです。
ランの場合、10m離れたイノシシに、全力移動8m/sで近づけるので、接近戦闘範囲内の2m以内に近づくには全力移動1sで済みます。
これに、基本LT(行動を起こすという判断の時間)を足した2sが移動にかかる時間となります。
***予備知識終了***
ラン「じゃ仕方ない。走りながら剣構えている奴に何が起こった? と聞こう。いやそっちじゃない、トモリだな。トモリ悪い、倒れている奴を頼む、と。そっちが先だろ、順番的には。」
トモリ「わかりました。」
GM「じゃ、ランは移動中と。今度は……カウント2でモンスターの方は剣を構えている方、仮に1としましょう。そっちに攻撃しに行こうとするよ。今度は、トモリが回復。そうすると怪我をしていた冒険者が回復します。で、シャチホコも到着。そうすると今3mほどのイノシシが剣を構えている戦士風の男に向かっていこうとしているかな。で、イノシシの近くに倒れている人が1人。そっから10m離れているのがトモリ。でランは走って(イノシシを)攻撃しようとしている。で、シャチホコの基本LTが2?」
GM「ランは接敵。攻撃だよね?」
ラン「攻撃LT3だよ。」
GM「そうか。とりあえず移動は終わったわけだね。」
ラン「移動は終わって、剣構えている奴に何があったんだ? と。」
NPC1「大きな音がしたから駆けつけてきたらこんな状態だった。」
GM「シャチホコは何する? 戦闘開始から3s目。」
シャチホコ「攻撃できる?」
GM「近づけば攻撃できるよ。イノシシまでは10m離れている。移動でいいの?」
シャチホコ「うん。」
GM「飛行の移動だから、1sで6mか。そういえばシャチホコは超重量剣だったよね。射程は4mだから移動は1sか。」
ラン「基本LTは足さないの?」
GM「足すよ。だから……」
ラン「シャチホコの基本LTは2だよ。」
***予備知識***
NPCとは?
ノンプレーヤーキャラクターの略。
プレーヤーは1人につき1キャラクターを演じますが、物語には様々なキャラクターが登場します。
そんなキャラクターはNPCと呼ばれ、GMが演じることになるわけです。
特に重要なNPCは、PC同様データがありますが、一般市民や情報屋など、特にデータを必要としないNPCもいます。
先にも述べましたが『トモリ』はMPCとして、PCとともに行動し成長するNPCの一種です。
***予備知識終了***
GM「という事は、移動に3sかかるね。じゃ次のカウントか。カウント4で行動できるのは、トモリは待機宣言しているし、ランは今攻撃の予備動作中、シャチホコは移動中、NPC1は攻撃か。(コロコロ)命中と、ダメージが11点と。で、イノシシのダメージ減少が6だからダメージは5点、っと。これでこのカウントの行動処理は終了だね。宣言は……イノシシはNPC1に攻撃準備中。NPC1は再び攻撃。NPC2は次で起き上がりか。ランはイノシシ攻撃だから……トモリは……待機か。シャチホコは移動中と。で、次のカウント5だね。先ず処理から、ランは攻撃予備動作中、トモリは待機、シャチホコはイノシシに接敵。NPC1は攻撃の予備動作中、NPC2は起き上がり、イノシシはNPC1に攻撃の予備動作中っと。宣言はイノシシはそのまま攻撃予備動作中、NPC1は攻撃予備動作中、NPC2はイノシシに攻撃をするよ。ランは次のカウントで攻撃だね。トモリは待機、シャチホコは攻撃準備中だね。で、次のカウント6だよ。先ず処理から。ラン攻撃できるよ。」
***予備知識***
このゲームはカウント制です。
同じカウント内の処理は、まず行動処理をPC、NPC、モンスターの順で行います。
その後、次の行動の宣言を、モンスター、NPC、PCの順で行います。
最後に、持続性の毒や持続性のダメージ魔法のダメージ処理を行いカウントの処理は終了します。
本文中『予備動作』と言う言葉を使っていますが、これは宣言から行動処理までの間の時間(例えば、カウント2で攻撃宣言して、カウント5で攻撃ができるキャラクターの場合、そのキャラクターはカウント2~5の間は、ただ停まっているわけでなく、攻撃を行う行動を起こしているはずですよね。
それを『予備動作』と呼んでいるのです。
***予備知識終了***
ラン「え~っと、器用と体力は7、7Dに命中値の1を足せばいいの?」
GM「うん。」
ラン「(コロコロ)4。」
GM「4? (コロコロ)回避された。」
ラン「回避された? マジで?」
メアリー「GM、バトルって参加しなくても経験点手に入るの?」
GM「戦闘の経験値は入らないけど、シナリオ経験値は手に入るよ。どうする?」
メアリー「じゃ、そろそろ向かおうかな?」
GM「トモリは待機か。シャチホコは攻撃予備動作中、NPC1の攻撃あ、当たった。ダメージ減少で……3点ダメージか。イノシシはまだ攻撃できないな。次宣言……」
メアリー「じゃ移動します。」
GM「お、メアリー移動ね。じゃカウント8で到着ね。でランは何をする?」
ラン「通常攻撃。」
GM「通常攻撃ね。攻撃LTは?」
ラン「強打する。」
GM「そうするといくつになるLT?」
ラン「+1だから4sになる。」
GM「4sね。了解。でトモリは待機しかないな、シャチホコは予備動作中、メアリーは移動開始、NPC1は攻撃宣言、NPC2も同じく攻撃宣言中っと。」
***予備知識***
強打。これは武器技能にある技の一つ。
ランは『軽武術』という、軽量武器の技能を習得しています(サバイバルナイフ・サイ・トンファー・ヌンチャクを操る技能)。
その軽武術の技能には、いくつもの技があります。
もちろん1つの技を習得するにはギルドにお金を払って1週間ほどの訓練が必要になりますが。
この技にもLvがあり、技のLvが上がれば効果も上がっていきます。
軽武術の技能は、経験点を消費してLvを上げていくのに対し、技はお金を払って習得していくのです。
軽武術などの武器技能のLvは、命中値やダメージに関係してきます。
つまり技能の習得Lvはその武器の扱いにどれだけ修練しているか?
と言うことを意味します。
対して技は、その武器の能力に合わせ、武器の力をうまく使うための術と言うことになります。
このゲームは、PCLv(今まで得た累積経験値で決まります。要は他人から見たPCの信頼度の指標になります)と、技能Lv(武器、魔法、野外系、屋内系、知識系、クラフトマン)その方面の技術や知識にどれくらい精通しているか?
と言う指標です。
そして、技Lv(それぞれの技能を生かした術)の3段階のLvでゲームを進めていきます。
技能(野外系、屋内系、知識系)に関しては、専門的な技術もあるため、技を習得していないと判定を行うことができない場合もあります。
***予備知識終了***
GM「じゃこのカウント終了ね。次カウント7だね。先ず処理から、え~とPCは……特に変わりなし。NPC2が攻撃か。(コロコロ)。で、回避が(コロコロ)外れ。イノシシは宣言実行中と。じゃ次宣言、イノシシはそのまま攻撃しようとしている。NPC1は攻撃宣言中、NPC2も攻撃宣言。ランも攻撃宣言中、トモリは……待機か。シャチホコは攻撃宣言中、メアリーは移動中だね。」
ラン「ちょっと質問NPC1も攻撃をしているんだよね。そのNPC1の攻撃を受けることはできる?」
GM「NPC1の攻撃を受ける?」
ラン「技の受け止めで。宣言即実行だけど。」
GM「ならできるよ。何をしたいのかよくわからないけど……」
ラン「要はNPC1が倒れないように、攻撃を代りにうける。」
GM「イノシシの攻撃を受け止めるの?」
ラン「そうそう、イノシシの攻撃をNPC1との間に入って受け止めるの。」
GM「ああ、それはできない。それをするなら『かばう』を宣言して、かばうに専念する必要がある。」
***予備知識***
『かばう』…特殊戦闘で対象1人を『かばう』ことができる。ただし『かばう』を宣言した者は対象から近距離戦闘範囲内(2m以内)にいて、『かばう』ことに専念することが必要。
『かばう』の対象者に向けた攻撃は、『かばう』を宣言した者が受けることになる。この時相手の攻撃はファンブル以外命中となる。自分の身を挺して対象を『かばう』行動である。
***予備知識終了***
GM「え~と、カウント8だね。メアリー到着しました。ランもシャチホコも攻撃宣言中。トモリは待機中。NPC1は攻撃っと、(コロコロ)。で、回避外れ。NPC2は攻撃宣言中。イノシシの攻撃は(コロコロ)で、NPC1の回避外れ。今、目の前には2人か。どっちにするかな?(コロコロ)よし、イノシシはランに攻撃目標を定めたよ。NPC1、2は、相変わらずイノシシに攻撃。ラン、シャチホコは攻撃宣言中、トモリは待機。メアリーはどうする?」
メアリー「燃焼……」
ラン「周りを巻き込むんじゃない?」
GM「燃焼って範囲攻撃じゃなかったっけ? そうすると接敵しているNPC2人とランが巻き込まれるよ。」
ラン「ほら、ほらなった(笑)」
メアリー「魔法範囲攻撃ばっかりだし……。」
シャチホコ「いいよ、僕は。」
ラン「避けようはないんだよね? 魔法は。」
GM「いや、回避はできるよ。でも回避しても燃焼の場合半分はダメージ来るよ。」
ラン「いいよ。撃ち込んでも。避ける自信はある。」
***予備知識***
燃焼。これは魔法の1つ。空気中の可燃物を燃焼させダメージを与える魔法。魔法の効果範囲は直径6m。
メアリーの燃焼のLvは1なので、術者であるメアリーから10m以内の地点なら、任意の地点にこの現象を起こすことができる。
もちろん武器攻撃同様、魔法の命中判定がある。
このゲームのダメージ魔法の範囲魔法の場合、範囲内の者が魔法の回避に成功しても、ダメージの半分を受ける魔法がほとんど。なおかつ、魔法には属性がありこの『燃焼』の属性が炎。
炎の属性は、ほかの属性より破壊力が強い魔法なのである。
また、モンスターや人間には、耐性属性と弱点属性がある。
耐性属性とは、その名の通りその属性に対して耐性がある。
ゲーム的には、ダメージ減少が2倍になるのだ。
また、弱点属性の場合、弱点属性の攻撃を受けるとダメージ減少が0として扱われる。
もちろん魔法も武器と同じく回避は可能なので、回避をすれば上記のように範囲魔法ならダメージは半分、範囲魔法でなければダメージを受けずに済みます。
***予備知識終了***
メアリー「敏捷……完璧に避けることできる? 冷却の方がいいかな?」
ラン「冷却も似たようなもんだろ?」
メアリー「冷却は完ぺきに避けることができる……だったっかな?」
GM「いや、どっちも同じだよ。」
メアリー「じゃ、燃焼で……どうやってやるの?」
GM「まずここ見て、(PCシートの魔法欄を指さす)知識と精神でしょ? 知識と精神足していくつ?」
メアリー「4と4だから8。」
GM「8でしょ。だから振るダイスは8D。それにこの魔法攻撃値を足すんだけど……足すんだけど、その前に魔法LTっていくつ?」
メアリー「魔法攻撃LT?」
GM「そう。」
メアリー「魔法攻撃LTは2。」
GM「じゃ、2s後にしか攻撃できない。宣言は聞いておくよ。じゃ次のカウントだね。カウント9、先ず処理から……トモリは待機で他は攻撃宣言中か、NPC2は攻撃、イノシシの回避外れ。次宣言、イノシシはそのままランを標的にしているよ。NPC1、2はイノシシに攻撃、ラン、シャチホコは攻撃宣言中、トモリは待機か。メアリーは魔法だね。燃焼だっけ、次のカウントで攻撃できるよ。」
メアリー「はい。」
GM「次のカウント、カウント10。先ず処理からランお待たせ攻撃できるよ。」
ラン「命中修正-1で、7D。軽武術が2Lvの強打が2Lv。(コロコロ)0。」
GM「0? (コロコロ)それは外れている。」
***予備知識***
武器攻撃・魔法攻撃などで命中値がマイナスになることは珍しくありません。ただし、判定後の達成値が0以下になった場合、相手の回避判定をするまでもなく攻撃は外れとなります。
***予備知識終了***
ラン「そうだよね。」
GM「トモリは待機とシャチホコは攻撃だったよね。どうぞ」
シャチホコ「うん。超重量剣で攻撃、攻撃値は-1だから……」
ラン「6Dの値が2だから1だな。」
GM「1? (コロコロ)うん回避した。」
シャチホコ「ブンッ」
GM「次メアリー、攻撃できるよ。」
メアリー「はい。(コロコロ)え~と……」
GM「え~と、先ずいくつだった? 今」
メアリー「3つ」
GM「ダイスの値は3でしょ。それに魔法の命中値があるでしょ? これね。で足すといくつ?」
メアリー「4。」
GM「じゃ、回避判定するね。先ずイノシシ(コロコロ)避けた。え~と、でダメージは求める。半分だったもんね?」
メアリー「え~と……」
GM「燃焼でしょ? 知識力と精神力を足すといくつ?」
メアリー「知識4……精神4。」
GM「と言うと8でしょ。で、ダイスの出目はいくつだった?」
メアリー「5。」
GM「という事は、1Dの値は1だよね。燃焼のダメージは(知識+精神)×(2+1D)だから、知識+精神が8で、1Dの値が1だから合計3だよね? つまり?」
メアリー「24。」
GM「24のダメージね。え~と、とりあえずイノシシは半分のダメージを喰らうから12だよね。え~、終わった(苦笑)」
一同「終わった?」
GM「え~っとこれからなんだよな。先ずNPC1は(コロコロ)ダメだ避けれない。ダメージ減少判定ダメだ。生死判定ダメだ、死んだ。NPC2は(コロコロ)何とか避けた。ダメージ減少何とか生きている。ランは?」
シャチホコ「僕は受けないの?」
GM「あ、そうか。じゃ回避判定してください。」
シャチホコ「どうやるの?」
GM「回避判定は先ず、敏捷と知覚はいくつ?」
シャチホコ「敏捷2、知覚が3。」
GM「ってことは振るダイスは5Dだね? それを振ってその値に回避値を足すと?」
シャチホコ「1……3……1!」
GM「ダイスの値は1だね? それにこの回避値1を足すと2だよね。それでメアリーの命中値は4だから。あたり。で、鎧防御。」
シャチホコ「1D! (コロコロ)……」
GM「残念、PCLvの1しか引けない。で魔法のダメージは24。24から1引くと23。23点ダメージ。そうするとマイナスになっちゃうから生死判定を行います。生死判定は精神と体力で判定します。いくつ?」
シャチホコ「精神、体力7。」
GM「じゃ、7Dだね。7D振って2以上だったら生きてる。」
シャチホコ「ちょっと分けて振ってみる。1、2、3、4……。」
GM「あと一個出れば生きているよ。」
シャチホコ「5の……」
GM「あ、これで2だね。生きているよ。」
シャチホコ「とりあえず生きてる。」
メアリー「生きててよかった(笑)」
GM「魔法はこれだけ恐ろしいんだ。」
***予備知識***
生死判定、これはキャラクターの生命力(HP)が0以下になった時、そのキャラクターは生死をさまよいます。
その結果、生きているのか死んでしまったかを判定するのが生死判定です。
精神力+体力の値のサイコロを振りその値が2以上であれば、瀕死の状態(HP:0)で生きていることになります。
この状態で放置すると1時間ごとに生死判定を行う必要があります。
かといって、通常の回復方法(回復魔法やポーションなど)では回復できません。
気絶蘇生を行う必要があるからです。
気絶蘇生は、知識系技能の技にありますが、蘇生処置には600s(10分)かかります。
もしくは、気絶蘇生ポーションを使えば、すぐに気絶蘇生ができます。
また、病院での治療でも回復できます。
病院以外の気絶蘇生の場合、Hp:0からHp:1にまで回復します。
Hpが1以上であれば、通常回復が可能となります。
また、生死判定で失敗した場合はそのキャラクターは死亡します。
現状、死亡したキャラクターを生き返らす手段はありません。
***予備知識終了***
メアリー「特に私の魔法は強いから当たったら強力なダメージ喰らうから。」
GM「後、ランも回避振って。目標値は4」
ラン「回避値は1。でダイスが7つ。(コロコロ)回避値1の出目が2……つまり3?」
GM「じゃあたり。だからダメージ減少して?」
ラン「24? ダメージ減少って鎧とかのだよね。先ずLvが1その他で4の計5点。」
GM「ってことは?」
ラン「19……落ちたよ(笑)」
GM「じゃ、精神と体力で生死判定して。」
メアリー「わ~味方いちころ(苦笑)。うわ~味方4人中3人が犠牲になってるし(苦笑)」
ラン「2……じゃなくて1。」
GM「1? それじゃ死亡」
ラン「チャラリー……」
メアリー「マジ……」
GM「この後どうする? とりあえずモンスターも倒したけど2人ほど死んでいるよ。」
メアリー「病院に搬送する。」
GM「いや、病院に搬送しても死んでるから。」
シャチホコ「こっち。」
GM「あ~、怪我はトモリが治してくれるよ。」
シャチホコ「生きていれば治してくれる。」
***予備知識***
今回のプレーヤーは初心者2人と、初級者1人。
メアリーのプレーヤーは、初心者。
強力な範囲魔法を使えば、味方を巻き込むこと、また強力なダメージ魔法であったことは予想できたはずです。
しかし、初心者であるがゆえにその惨状を理解できなかった結果と言えましょう。
決して、キャラクターをただの駒のように思っているわけではないのですが、初心者にはよくある行動です。
今回、ランやNPCは運がなかったという以外はありません。
これを教訓に、メアリーのプレーヤーも今後魔法の使いどころや、新しく取得する魔法を考えてくれることでしょう。
こういった失敗を繰り返しながらプレーヤーも成長していくのがTRPGの醍醐味でもあるのです。
***予備知識終了***
GM「1人呆然としてる戦士がいるけど……。」
メアリー「どうしよう……まず、誤る。魔法すみません。」
GM「『謝られてもなぁ』って肩を落としているよ。『魔法は使うときには周りに気を付けるんだぞ』と肩を落としながら死体を抱えて去っていくよ。何かほかに聞きたいことある? なければ戦闘は終了になるけど。」
メアリー&シャチホコ「……どうしよう。」
トモリ「とりあえず、ギルドに報告しましょう。ランさんも弔ってあげなければなりませんし。」
GM「トモリはそう言って、ランの亡骸を担いでギルドに向かうよ。『皆さんは護衛の任に戻っていてください。何かあるといけませんので。』」
シャチホコ&メアリー「……わかりました。」
GM「こうして、街中で強力な魔法をぶっ放した結果、標的以外に巻き込まれるというのがわかったでしょ。気をつけようね。」
メアリー「はい……」
GM「では、トモリは今夜は帰ってこないよ。君たちはキスィメン邸の護衛を続行するわけだね。」
シャチホコ「あ、戦利品は?」
GM「戦利品はモンスターを解体して部位をとるんだよ。冒険者なら習っているよ。でも、そんなことできる状況じゃないね。しばらくすれば騒ぎを聞きつけてギルドや自警団が来るよ。」
メアリー「とりあえずここを離れます。」
GM「OK。君たちは逃げるようにキスィメン邸に戻るわけだね。」