第3章 依頼を受けよう
-第 3 章 依頼を受けようー
GM「で、キスィメン邸に行くわけですね。
キスィメン邸は四方を3mほどの外壁に覆われ、広い庭、馬小屋、倉庫、工房、そして2階建ての立派な屋敷が立ち並んでいる。」
ラン「相変わらずすごい豪邸だな。中に入るのは初めてだけどな。」
GM「で、呼び鈴……じゃなくって、あのゴンゴンって叩くやつを叩くと、メイドらしき人が出てきます。
『どちら様ですか?』」
ラン「おう、ミソカツ亭で依頼を受けてきたんだけどな。」
メイド「あ、ギルドの冒険者の方たちですね。ではこちらへどうぞ。」
GM「で、門を開いてくれる。君たちは門をくぐり広い庭を横切って屋敷へと案内される。
観音開きの豪華な玄関扉をくぐって1階にある応接室に通されます。
『旦那様を読んでまいりますので、ここでしばらくお待ちください。』
フカフカのソファーに腰を掛けて待つのかな、君たちは。」
ラン「ドン(ふんぞり返るしぐさ)って感じかな(笑)」
GM「とてもフカフカだ。さすが金持ちだ。」
ラン「稼いでいる奴は違うな、やっぱり。」
GM「で、しばらくするといかにも職人さんって感じの男の人が現れます。
『うむ、お前たちがギルドがよこした冒険者か。ここに来たという事は、依頼を受ける気があるという事だな?』」
シャチホコ「そうだよ。」
ラン「内容にもよるが、と。」
キスィメン4世「今回の依頼は秘密厳守だ。依頼中見聞きしたことはすべて忘れてもらうことが条件だ。この条件を飲むんだったらこの契約書にサインをしてもらおう。」
シャチホコ「書き書き書き書き……。」
ラン「ちょっと待てお前。そんなんで、もう受ける気なのか?
秘密主義っていうのも分からなくはないが、怪しすぎねえか?」
メアリー「私もそう思います。」
シャチホコ「あー、確かに。」
キスィメン4世「取引するモノはかなり高価なモノでな。
あまりそれが噂になってしまうと危険だと判断したのだ。」
ラン「最近物騒なのはあんたも知っているだろう?
その状態で品物がわからないっていうのはな……。」
キスィメン4世「高価な品……とだけ言っておこう。お前たちでは買う事すらできぬだろう。」
ラン「ふん、まぁ気に入らねえがしかたねえ。こっちも金が必要なんでな。
メアリーの方を見て、お前はどうなんだ? 降りるなら今のうちだぜ?」
メアリー「最近の物騒なこととは、どんなことですか?」
ラン「じゃ、雇い主の方をちらっと見て、俺から話していいのかわかんねえ。
雇い主も知っているからそいつに聞くのが一番だと思うけどな。どこまで話してくれるかわからないけどな。」
キスィメン4世「最近街中でモンスターが現れるという事件があってな。いつ何時モンスターが現れるかわからん。」
ラン「じゃ、それを聞いて普通にしゃべってくれているという事はそれに関係しない仕事なんだなと納得していよう。」
GM「じゃ、やるというなら誓約書にサインを。
ちなみに誓約書には
『私たちはここで見聞きしたことを他言したり、依頼内容の詮索は一切いたしません。万一他言した場合、違約金10000cを支払うとともにどんな処罰も受けることとします。』
と書かれています。キスィメンさんが『どうだ、受けるか?』と言って君たちを見るよ。」
シャチホコ「……怪しすぎる。」
キスィメン4世「なぁに、お前たちがすべてを忘れてくれれば何の問題もないんだ。」
メアリー「どうしますか?」
ラン「まぁ、やばいことになってもしょうがないわな。とりあえず名前書く。」
シャチホコ「書き書き書き、偽名を書く。」
GM「トモリも名前を書くよ。」
メアリー「私も名前を書いておきます。」
ラン「これでいいんだろ?」
キスィメン4世「ああ、では詳細を話そう。明後日の晩ある人物から品が届く。
先ずはその取引の護衛だ。その後、荷物を屋敷の倉庫に運び込んでもらう。
そのあと1週間。主に夜間、その荷物の警備をしてもらう。
日中はわしの私設自警隊が警護を担当するが、連絡要員としてお前たちの内1人は起きていることが条件だ。ただし倉庫の中には立ち入りはできん。
あくまで倉庫の外で警護についてもらう。どうだ、わかったか?」
ラン「ああ、わかったよ。」
キスィメン4世「荷物に関しての詮索は無しだ。誓約書にも書いてあったろ?
お前たちは荷物の安全を確保すればいいんだ。わかったら明後日の昼に出直してこい。その時に前金の500cを払おう。話は以上だ。」
ラン「ああ、じゃ明後日の昼、荷物をまとめてまたここに来ればいいんだな?」
キスィメン4世「そうだ。」
ラン「じゃ、失礼するよ。」
***予備知識***
依頼料、当然冒険者を雇うので依頼料が発生します。
このゲームの依頼料の目安は、1パーティへの総額がパーティの平均Lv×500c+1000cが相場です。
依頼料の3分の1程度が前金となります。依頼が成功すれば、残りの金額を手に入れることができます。
依頼に失敗してしまった場合は、前金のみと言うのが一般的です。
これとは別に、依頼あっせん料として、依頼料の1割程度が依頼者からギルドに収められています。
この世界の通貨cは金貨です。
1cは大体1000円程度と思っていただければいいかと思います。
1500cとは、150万円相当となります。
今回は4人パーティですので、1人当たり375c。
つまり37万5千円程度の仕事となります。
ちょっと高い気もしますが、冒険者装備品の物価は少し高めに設定してあること、命の危険があることからこれくらいの値段が相場となります。
もちろん、パーティ人数が増えれば増えるほど、1人当たりの報酬額は減っていきます。
通常は5人パーティを想定している金額です。
また、ギルドへの依頼も早々しょっちゅうあるわけでもありませんし、ましてや自分たちのLvにあった依頼が来るとも限りません。
ギルドも依頼内容によって、あっせんする冒険者のパーティLvを決めるので、誰にでも依頼を回すというわけではないのです。
一般人の月収は250cですのでいかに冒険者の収入が大きいかが分かります。
***予備知識終了***