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第1話 初めての冒険

皆さんこんにちは。


この話に目を通そうとしてくださってありがとうございます。


この話は現在作成中のTRPG【こんなリアルなファンタジーは僕は嫌だ!!】のテストプレイのリプレイとなっております。


舞台は、数百年後の地球。


魔素まそ』の暴走により、地上が焼き払われてから200年後の世界です。


魔素の暴走は人為的に起こされ、そして文明は灰と化しました。


そこから200年。


魔素の力を使いながら、文明を立て直している最中の世界です。


魔素の暴走の影響を受けた生物は全てがモンスター化し、『文明を破壊する』と言う目的を持ってしまいました。


そんな世界での冒険譚です。


是非お楽しみください。

序章【こんなリアルなファンタジーは僕は嫌だ!!】TRPGの世界


今世紀末、地球は増えすぎた人口を支えきれないほどにまで深刻な事態に陥っていた。


そんな中、地球は人類の新たなる生存圏を獲得するべく、火星探査を本格化するための計画を画策していた。


まず、火星へ向かうための拠点となる円筒型の宇宙コロニーの建造を行うことが国際条約として締結されたのだ。各国が費用分担を行い、25万人を収容できる巨大コロニー。

そこには自給自足を可能とする技術もつぎ込まれることになる。


そのため各国は宇宙開拓への技術を開発、研究していった。


そして月日は流れ、今まで火星まで行くには3年半かかる片道切符であったロケットエンジンの技術に革新的革命がおこる。


火星への到達まで数か月と言う短期間で行い、なおかつ往復が可能なエンジンが発明されたのであった。

この革新的エンジンは火星移民計画への弾みとなったことは間違いない。

各国はこぞって宇宙開拓にまい進するようになった。


しかしその一方で、足元の自国民の貧困問題も深刻化していた。

各地でテロや暴動が起こり、国力の格差への不満も募っていったのである。

革新的エンジンの実用化にめどがついたころ、コロニー建設の計画も現実味を帯びてきた。


そして、国際協定から半世紀。宇宙コロニーの建造が始まったのである。


国際協定での費用負担率は国力ごとに決められていた。

しかし宇宙へ資材を運べる技術は一部の国しか保有しておらず、資材運搬には多大な費用が掛かり、国際協定で決められた費用負担以上の費用負担を強いられる国と、資材運搬費により、潤う国とが生まれていたことも事実である。


コロニー建造開始から10年の月日が流れた。

このころになるとコロニーは大分形になり、完成までの工程に過度な遅れは見られなかった。


火星と地球を中継する巨大円筒型コロニー。

この夢のようなプロジェクトは現実のものとなりつつあったのである。


コロニー建造開始から30年が経った。

ついにコロニーはほぼ完成し、生活に必要な物資が運び込まれる。


もちろんこのころになると、革新的エンジンの実用化もなされており、各国が自国でコロニーにロケットを打ち上げることができるようになっていた。

しかしそれは、長距離弾道ミサイルを各国が所有できるという危険な側面を持つことでもある。


コロニーの完成が待たれる中、火星への移民が現実味を帯びることとなる。


そのころ、地球では増えすぎた人口と食糧難がさらに深刻化していた。

各国首脳は早期火星への移民を模索、コロニーへの移住を前倒しすることを決定した。

しかし、コロニー移住を行えるのは、一部の富豪と権力者、研究者たちだけ。

100億を超えた地球人口の0.0025%にしか過ぎなかったのである。


これには一部の富豪や権力者たちからも不満の声が出てきた。

国際協定も前倒しを余儀なくされたのである。


そして、コロニーが完成。

火星への探索が開始された頃、地球ではある歴史的発見がなされていた。


それは、今まで科学では証明できなかった超常現象を引き起こす’力’の発見だった。


この力は、目に見えず、触れることもできないがある条件がそろえば超常現象を起こすことが確認されたのである。


この発見により、科学で解明できない現象を人為的に作り出す研究が始まった。研究初期段階では、この発見に疑問を持ち研究のための資金援助をする個人や団体は数えるほどしかいなかった。

確かに超常現象を起こせるまるで魔法のような力。そう、魔法にちなんでこの’力’は’魔素まそ’と名づけられた、この力の存在を疑問視する科学者が大半を占めていたからだ。


しかし研究が進むにつれ、空想上の生き物とされていた人魚や獣人の誕生。また、超常現象に迫る成果が現れると一気に注目を浴びだしたのだ。

国から予算が組まれ、富豪は自前の研究所を構えて、研究が行われた。

火星移民計画にもこの’魔素’の活用が検討されるようになっていったのである。


さらに月日が流れ、火星への探査が行われる頃、地球では魔素の研究も急速に進んでいた。

ある条件がそろえば、その力を発揮する’魔素’。

その条件がかなり特定されてきたのである。


そして、リングと呼ばれる指輪型の魔具が提唱された。


これは、リングにあらかじめ超常現象を起こす条件をそろえておき、最後の一押しをすることにより超常現象を起こすという文字通り魔法の道具……魔具である。


まだどの程度の力が引き出せるかが分からないため、指輪のような小さな形状で、本来宝石がはまっている部分に、超常現象を起こす条件を満たす物質をはめ込んだものだ。


そんなリングの研究とは別に国の予算は別の研究に注がれていった。


それは、来るべき世界大戦に向けての兵器開発である。

現在、地上での最大抑止力となっているモノは、2世紀も前から変わらず’核’である。


長距離弾道ミサイルの技術が各国に流れ、核保有国はもはや脅威とは言えない状況にあったのである。


核不拡散条約は、条約に参加していない核保有国により、形骸化し貧困問題を抱える各国は火星への移住権の主権を主張し始めていたのである。そう、核の使用も辞さない構えで。


すでに世界戦争へのカウントダウンは始まっていたのだ。


そんな中で1つ問題がある。


核を使えば、確かに戦争を有利に運べるだろう。

しかし、放射能問題により国土は疲弊し戦争に勝利してもお互い放射能汚染と言う根本的な問題から抜け出せないのだ。


国力のある国は来たるべき核戦争に備え、大規模な地下核シェルターを建造するなど、戦争の準備を進めている。

しかし、国力のない国は核兵器を輸入し、隣国へのけん制を行っているという一触即発の事態を招いている。


どうしても国力のない国は国際社会……火星開発プロジェクトへの発言権が乏しく、国力のある国が利権を争っている構図になっているのだ。


先に述べた国際協定ももはや形骸化しつつあるのであった。


そんな世界戦争がいつ起こってもいい状況の中で、発見された魔素の技術は、核に変わる大きな期待が寄せられたのである。

放射能汚染を起こさず、戦争に勝利するための兵器開発と言う点で……。


そして運命の日。


この日は後の世にその名を刻みこむ日になったのだ。

その日はいつも通り、とある研究機関で、ある実験が行われていた。

のどかで平穏な日であるはずだった。

その日行われた実験と言うのは、不老不死になるための実験であった。


ある国の伝承に、人魚の血肉を食らうと不老不死になるという伝承があったのだ。


その研究機関はとある富豪の個人的な研究機関で、その伝承を再現するべく研究を重ねていた。


そして、それは起こった。


人魚を人柱として、不老不死の実験が行われたのである。

人柱となった人魚の意志は、予想以上に魔素を刺激したのだ。


想定外の魔素の反応に、実験そのものが人の手にあまり、魔素は人柱の人魚の意志を取り込み暴走を始めたのだ。

魔素の暴走は、人柱の意志により次々に伝播でんぱし、地上を飲みこんでしまったのである。


これがのちの世に’大破壊’と呼ばれた日の出来事であった。


この魔素の暴走により、地上の施設はことごとく破壊され、地下に逃れたわずかな人類、生物を除いて地上のほとんどの生物が命を落としたのである。

魔素の暴走は、奪われた命の無念さに同調しさらに強く暴走を引き起こした。


結果的に魔素の暴走は7日間続くことになった。


核戦争を想定していた各国は、地下核シェルターがこんなことに役立つとは思いもしなかったであろう。

地球の人口の実に8割以上が死滅したのである。


しかし、地上でわずかに生き残った生物も存在した。


その生物は負の意志の影響を受けた魔素の影響により、文明と言うものの破壊のためにその容姿を変貌していったのだ。

より強く、より大きく。人間のエゴにより始まった大破壊、その負の感情は人類の文明へと向けられたのである。


一方、地下に逃れたわずかな人類と食糧、各種の生物たちは不安な日々を過ごしていた。


地上では嵐のように風が吹き荒れ、地上の施設はことごとく吹き飛ばされていく中、地下の核シェルター内では、ほかの地域の核シェルターと、無線による情報交換を行っていたのだ。


そして、嵐が収まり1週間が過ぎたころ、大規模な地下核シェルターに異変が起きていた。


生命維持用の発電機に、変わり果てた生物……巨大な昆虫が集まりだしたのである。

昆虫たちは発電システムを食い荒らし、金属を体内に取り込んでいった。

発電システムを持つ大規模なシェルターは、昆虫の襲撃を次々に受けていったのである。


これらの情報は無線を通じて、各シェルターにも連絡が入った。

地下に隠れ潜んでいた人類たちは、シェルターを捨て地上へと出ることを余儀なくされたのである。


そして地上で見たものは、まさに目を疑う光景であった。

まだ、芽吹いたばかりの草原が荒野の上に広がっている。

そんな風景だったのだ。

大破壊から2週間が過ぎていた。地上は、一面植物に覆われ始めていたのだ。

地上に上がった人類は、シェルターに残された道具を使い、田畑を耕し始めた。

そう、地上での生活の準備を始めることになったのだ。


しかし、シェルター内には金属を喰らう昆虫が、いつ襲ってくるとも限らない。


地上に出た人類は、必要最低限の資材をシェルターから運びだし、田畑と住居を作り始めたのだった。

悪いことは重なるもので、地下にとどまっていた者たちとは連絡も取れなくなった。

巨大昆虫に襲われたのだろう。

さらに、昆虫以外にも巨大化し、強靭化した動物も現れだした。


彼らは、電気のあるところを襲うらしく、発電機を動かしていた集落などは次々に襲われていった。


大破壊から半年ほどたったころ。人類はシェルターに貯蔵してあった食糧のほとんどを食べつくしていた。

幸い、地上に出てすぐに田畑を耕し、シェルターに避難させていた家畜などもおり、すぐにパニックになることはなかった。


それでも、それまで科学を支えてきたエネルギーである電気を失ったのは大きな痛手だった。

地上での生活は、まさに縄文時代からの再出発と言えるものだったのだ。


そしてその後、さらなる恐怖が人類に襲いかかる。


それは、大破壊で暴走した魔素の干渉を受けた生物が、文明を破壊するという意思を持ってしまっていたことである。


そして、それを実行するために魔素が進化を加速させていたという事実であった。

幸い、魔素は水と反発する性質があることは知られており、海洋資源への干渉はなかった。

また、生き残った人類の中には魔素の研究に携わった研究者もいたことから、今までの化石燃料、電気、鉄やコンクリートの世界から一転、魔法とセラミックの世界へと文明が進んでいった。


ほぼ失われた魔素の研究資料。

わずかに残った資料を読み解きリングの実用化に成功したのが大きな理由だった。


発電を行えば、巨大化した昆虫などが襲いに来る。

その点、リングの技術が未完成ながらも実用化できたことは、人類の生存にとって大きな一歩となったのだ。


大破壊から10年の月日が流れていた。


リングは生活を支えるためのものから、身を守るためのものまで研究は進んでいた。

生活に欠かせないようなものは、だれでも簡単に使えるように改良され、広まっていった。


しかし、身を守るための強力な武器となりうるリングは、それを扱う技術と知識を必要とし、一部のものしか扱えないようにしたのである。


地上で生活するようになって数年で、森が点在するようになった。

人々は薪を取りに森に入る。


しかし、ここでも恐ろしいことが起こっていたのだ。


森の木々が意志を持っているかのように、人々に襲いかかってくるのである。

根は地にしっかりとはっているため移動こそできないが、枝は間違いなく森への侵入者を拒むように攻撃を仕掛けてきたのである。


そう、植物さえ人類を拒んでいたのであった。

自然はすべて人類の敵となっていたのであった。


そんな中、腕っ節の強い猛者たちが、薪拾いや集落同士の行き来の護衛などを買って出るようになる。

各地に点在していたシェルター、その近くに50人~100人程度の集落が出来上がっているのであった。


大破壊が突然起きたこともあり、シェルターの収容人数をはるかに下回る避難民。

それが地上に出て集落を築くようになっていったのであった。


当初集落間同士の連絡は無線で行っていたが、電力が底をつき徒歩で集落に向かう必要に迫られた。

そんな、移動の護衛も村の猛者たちが武器を持ち行うようになっていった。


こうして、武器を作る職人も生まれてきたのである。

集落間の距離は徒歩で5日程度はかかる。しかしそれでも、身を守る術を持たないものが、身を守る術を持つものに守られながら行き来することができるようになった。


さらに月日が流れる。


各集落の位置がおおよそわかっていき、地図が作られるようになった。

また、集落間を結ぶ街道もお粗末ながらでき始めた。

そんな中、集落ごとにルールが決められることになる。

いわゆる法律のようなものだ。


なかなか溶け込めないものもいる。魔がさすものもいる。


助け合い生きることに必死だったころは、それでも目をつぶってきたが、リングの実用化や他の集落との連絡が取れる中、ルールを決めるだけの余裕ができてきたのだ。

集落内での生活は物々交換や労働力の提供と言った貨幣を必要としない生活もできた。

しかし、集落間となるとそうも言っていられない。

そこで貨幣が生まれることになったのだ。


実に人類が地上に出て半世紀がたったころである。


金属類は昆虫などが食べてしまったり、強力な酸で溶かしてしまったりするため、貨幣は金で作られることになった。


地上に出て半世紀もの間、集落間の連絡が途絶えていたこともあり、各集落は独自の発展をしていた。

その一つが言語である。

各集落は言語体系が異なる発展を遂げていたため、その翻訳には時間が必要だった。


ところがリングの実用化によりそれを解消することに成功。


通称翻訳リングと呼ばれ、話している相手の言葉の意味を理解できるリングが誕生したのだ。

これにより言葉の壁を乗り越え、飛躍的に集落間の交流が盛んになったのである。


人類が地上に出てから100年の月日が流れたころ、人類に敵対しない獣人の集落が発見された。

これは、大破壊以前に実験されていた進化促進の研究の産物であり、比較的知能の高い、犬、猫、鳥、ウサギの4種が確認されている。

獣人と言っても、獣がそのまま2足歩行を行い、物がつかめる手が発達した言語を持つ知性体と人間に獣の特徴の残る、いわゆるコスプレのような種の2種類が存在する。

たとえば犬種。犬が二足歩行をし、言葉をしゃべり道具を使う。もちろん服も着る。

そんな種と、人間に犬の耳、しっぽなどの犬の特徴が残り言葉をしゃべりより人に近い種である。

人類と彼らは同じように、集落を作り生活圏をモンスターと化した自然界の生物たちと奪い合っていたのである。


人類と獣人の交流が始まったのは大破壊から100年ほど過ぎたころ。

まだまだお互い、幼い文明のころだった。

しかし、共通の敵を持ち、もともと強固な肉体を持つ獣人は、自然の脅威に立ち向かう同士として欠かせない存在になっていく。

人類と獣人の交流も深まる中、共通のルールが必要となっていく。


小さないざこざが発展してきた文明の価値観の違いで生まれてきたためである。


このころの集落の秩序は、長老会と呼ばれる集落の代表者数名で集落の催事や決め事、司法などを担っていた。

また、集落を外敵から守るため若者を中心とした自警団も存在していたのである。


獣人との遭遇により、もう一歩踏み込んだルール作りが必要となった。

そのため各集落にギルドと呼ばれる組織が作られることとなったのである。

ギルドとは、今まで集落ごとで行っていた戦闘術やリングの扱い、集落間の移動の護衛などを行い、時に長老会のご意見番となる組織のことである。


そして、村を守る自警団とは別に危険な仕事を請け負う者たちを集め、彼らを冒険者と呼称することにした。

自警団が集落内の問題解決や、自衛を行う組織に対し、薪拾いや自警団の手に余るもめごと、危険な仕事や集落間の移動の護衛、ギルド間の定期連絡の任などを行う者たちを冒険者と呼んだ。


彼らは村の掟や決め事などに窮屈さを感じて、力を持て余している若者たちがほとんどで、ギルドができたことによりそんな彼らの後ろ盾となり戦闘術や、リング魔法の習得、また一部の研究者しか知りえない情報提供をギルドから受けることができる者たちだ。


戦闘技術の基礎を学んだ若者が、その後集落に残り畑仕事を手伝いながら集落を守る自警団に進むのか、はたまた自然の驚異に挑み集落を離れる冒険者になるのかを選ぶことになる。


あの、人類の生活を一変した大破壊から200年の月日が過ぎたころのことである。


人類の文明は、日本で言うなら江戸初期のころ。西洋で言うなら中世のころの文明程度まで回復していた。


もっとも違う点と言えば、大破壊の時の狂乱の魔素の影響を受けた生物は、文明を呪い散っていった生物たちの負の感情を糧に、より凶暴により強固に進化していったことと、鉄とコンクリートの文明から魔法とセラミック主流の文明へと変貌していった点であろう。


そんな時代が、この『こんなリアルなファンタジーは僕は嫌だ!!』の世界だ。


PCは人間もしくは獣人を演じ、モンスター化した世界を舞台に冒険を繰り広げます。


まだ、国と言うシステムは出来上がっていませんが、ギルドが中心となり国づくりを始めています。


また、旧日本の地には東にトキオ、西にオサカ、そしてほぼ真ん中にダイナゴヤと言う1000人規模の都市が存在します。


旧日本の街道はこの3都市を中心に広がっています。


-第 1 章 自己紹介-


GM 「では、今回の舞台になるところを説明しますね。


名前はダイナゴヤ、東のトキオ、西のオサカの中間に位置する都市、直径10Kmほどの円形状の都市です。


人口は1000人ほどの商業都市。


都市を囲うように5mほどの煉瓦造りの外壁があります。


外壁の外には堀が掘られていて水が張ってあります。


門は東西南北の4つあり、上げ下げができる橋が架かっていてダイナゴヤの若者で作る自警団が都市への入出のチェック、門番を行っています。


ダイナゴヤの中心には城があります。


木造ではなくこれもレンガ造りのモノですが、その上には金のシャチホコが飾ってあります。


城を取り囲むように広場が広がっています。


広場には市場が軒を連ねていて、ダイナゴヤでは一番活気があるところですね。


また、広場から門に向けて大通りが通っていて都市を4つの区画に別けています。


富裕層の住む北東地区、煉瓦造りの立派な屋敷が立ち並んでいます。


北西地区は自警団やギルドなど公共性の高い施設が立ち並んでいます。


ギルドの経営する宿屋兼酒場、ミソカツ亭もこの地区にあります。


南西地区は一転して田畑が広がり畜産もおこなわれています。


このダイナゴヤの食料を賄っている地区ですね。


南東地区は一般の人たちの住む地区となっています。


一般的な集落が数十人~百人規模であるのに対してダイナゴヤがいかに大きな都市であるかがわかります。


また、ダイナゴヤの北東徒歩2日のところには成熟した森オースーがあります。


この森には主が存在すると言われており、人々はめったに足を踏み入れません。


事実街道はこの森を避けるように通っています。


まぁ、大体今回の舞台としてはこんなところかな。


では、まずそれぞれ自己紹介をしてもらおうかな? 


ではまずMPC(えむぴーしー、マスタープレイヤーキャラクターの略。まぁノンプレーヤーキャラクターと大差はないんですが、マスターがPCと一緒にキャラクターを演じて一緒に冒険し、成長するキャラクターのことをこのゲームでは、あえてMPCと言います)の方から自己紹介をするね。


名前はトモリ。


人間の女の子、年齢は15歳。


で、Lvは1です。


まぁ簡単に言えば回復役。魔法は回復と転倒を持っています。


多分この中で鎧が一番硬いんじゃないかな? 


あ、2番目か。


厚手の服なんだけどね。


一応武器としては短剣とショートボウを持っています。


持っているだけで技能はありません。


技能は魔法と知識系技能ですね。気絶蘇生を持っています。



***予備知識***


魔法、この世界の魔法はリングと呼ばれる魔具を扱うことを意味します。


魔法技能はこのリングを扱うための知識や技術の習得度合を表します。


リングは、第1章で説明したとおり、ある現象を起こすための条件をそろえてある魔具です。


これに生命力(HP)を注ぐことにより、決められた現象が起こります。


そのため、多種の魔法を使うためにはその数の分だけリングが必要になります。


また、リングにもLvがあります。


Lvが高いほど強力な効果が得られますが、必要な生命力(Hp)も多くなります。


もちろんリングもLvごとに違いますので、同じ魔法でも1Lvと2Lvのリングは別物です。


リングの材料はギルドで買うことができます。材料があれば、知識系技能の【現代装置知識】と言う技があるのですがその知識でリングを作ることもできます。


もちろんギルドに頼んでリングを作ることもできます。有料ですが。


所持できるリングには制限があり、リングのLvの合計が能力値の【知識力】×【魔法技能Lv】までです。


また、扱えるリングのLvの上限は、【魔法技能Lv】までに限られます。


***予備知識終了***


では次、プレーヤー1、自己紹介をどうぞ。」


プレーヤー1「……人型……人に羽の生えている方の翼人で……。」


プレーヤー2「まず名前は?」


プレーヤー1「名前はメアリー。」


プレーヤー2「性別は?」


メアリー「女です。」


プレーヤー2「年齢は?」


メアリー「23歳です。えと、魔法で攻撃します。」


プレーヤー2「魔法系ね。」


メアリー「武器が片手剣で技能が……ないです。魔法が燃焼と冷却1Lv。」



***予備知識***


翼人……獣人の中の1種。人間の背中に翼を持ったような容姿をしています。もちろんその羽を使って空を飛ぶこともできます。


時速20Km(6m/s)で飛ぶことができます。


あと視力がよいです。視力5.0で、20m先の人物の顔が判別できるくらいです。


鳥目ではなく、夜間も人間同程度の視界を持っています。


メアリーは純白の羽を持っている種族だそうです。


***予備知識終了***


プレーヤー2「熱と冷やすか。えっと、じゃあ今度は私ですね。


名前はラン・ウェイク・イックリーです。女性の18歳。」


メアリー「18?」


ラン「そうです。」


メアリー「年齢って、私が一番上?」


ラン「そうかもしれない、MPCの年齢って?」


GM「15だよ。」


ラン「一番若い(苦笑)。」


GM「ラン・ウェイク・イックリー?」


ラン「そう、ランでいいよ。」


プレーヤー3「クリって呼ぶわ(笑)」


ラン「……イックリーだから?」


プレーヤー3「そう(笑)」


ラン「クリでも何でもいいよ。」


GM「Hpっていくつ?」


ラン「15」


メアリー「……クイック……。」


ラン「(苦笑)。で、種族が犬の獣だから完全に犬だね。


2足歩行の犬。


屋内技能を持っています。


後は武闘服を着てヌンチャク持っているから武闘系だね見た目。


でも武闘服って言っても柔道とかの武闘服のイメージを持たないでね。


そういうイメージじゃないから。まだイメージ固まっていないけど。」


GM「メインがヌンチャクなの?」


ラン「うん、てか、それしか持ってない。」


GM「Lvは? 2?」


ラン「PCLv1でしょ?」


GM「いや、ヌンチャクのLv。」


ラン「武器習得Lvね。2だよ。」



***予備知識***


犬種……獣人の1種。


犬が2足歩行をして服を着て前足が手のように器用になっている獣人です。


この種はもともと毛皮で覆われており、防御力が備わっています。


その上鎧を着ることができるので、前衛にはもってこいの種族ですね。


また、このゲームは武器の種類ごとに習得Lvがあり、PCのLvとは別に、経験点を消費して技能を習得していきます。


初期経験点は200点。技能Lv1は50点。技能Lv2は100点。


0Lv→2Lvにするには50+100=150点を消費します。


ランは、武器(軽武術)Lvを2と屋内系技能を1Lv習得したようですね。


***予備知識終了***


GM「じゃ次、プレーヤー3お願いします。」


プレーヤー3「え~と、通称金のシャチホコ。性別男。種族翼人。年齢20歳。」


ラン「唯一の男か。」


GM「え? そう?」


ラン「そうだよ。」


シャチホコ「武器は超重量剣。武器習得Lv1。鎧は服。


え~と、技能は野外系技能1Lv、クラフトマン技能1Lv。刀術1Lv習得。」


GM「そうすると、経験点残り50点じゃない? 


まえ、刀術とっていたけど刀持ってないでしょ?」


シャチホコ「え? 刀術まだ持ってるけど」


ラン「刀持ってないのに刀術持っていても意味ないでしょう。


屋内系技能も持っているみたいだけど……あ、野外系か。でも七つ道具持ってない……。」


メアリー「七つ道具持ってないとあまり意味ない……」


シャチホコ「うん、意味ないよ。」


GM「野外だったらそうでもないよ。専門でないのもあるから。」


ラン「ああ、そうか。専門じゃないのもあるか、でも専門もあるから七つ道具ないと……。剣術は2Lv?」


シャチホコ「いや、1Lv。」


ラン「じゃ、経験点50点余るんじゃ?」


シャチホコ「クラフトマン技能。」


ラン「あ、クラフトマン技能もあるんだ。全部で4つなのね。」


シャチホコ「もし刀を買った時の為。」


ラン「その時とればいいじゃん」


シャチホコ「え? その時なければ困るもん。」


ラン「変な経験値の使い方……。」


GM「じゃ、始めるよ?」



***予備知識***


金のシャチホコ、メアリーと同じ翼人ですね。


鎧は服と薄手。その割に超重量剣。しかもLvは1。


あまり前衛には向いていないチョイスですね。


超重量剣は、当たればダメージが大きいですが、扱いづらいため命中率は低いです。


その他にも、刀術を持っています。


刀を持っていないのに刀術の技能を持っていても意味はないと言えます。


あと野外系技能をLv1習得しています。


七つ道具とは、屋外系、屋内系、知識系、クラフトマンの技能に必要な道具が入ったモノのことです。


これを使用すると判定の達成値にボーナスが付きます。


また、七つ道具がないと判定できない状況もあります。


金のシャチホコの技能習得の仕方はちょっともったいない気がしますね。


***予備知識終了***



-第 2 章 さて、パーティを組もう-


GM「舞台はさっき言ったダイナゴヤ。


地面は石畳。建物は煉瓦造り。


街の外周は5mのほどの石垣が作られており、さらにその外側に堀が掘られています。


この街に入ろうとすると東西南北の4つの門からしか入ることはできません。


都市の中央にはダイナゴヤの象徴となるお城があります。


そのお城の屋根には大破壊で残った金のシャチホコが飾ってあります。」


シャチホコ「お~同じ名前だ(笑)」


GM「その城を囲むように円形に広場が広がっています。


その広場には日中市場が軒を連ねています。


広場から門にかけて大通りが走っていて、4つの区画に別れています。


北東地区は富裕層の地区、北西の地区は公共性の高い施設があります。


ギルドが経営している宿屋兼酒場、ミソカツ亭もここにあります。


南西地区は一転田畑が広がっています。


ここで都市の食料を作っています。


南東地区は一般の人たちの住む地区です。


この街は日本の大動脈に面しているため、旅人も多く立ち寄っています。


そのためこの街の若者で作る自警団により入出のチェックが行われています。


さらにこの街から北東に徒歩2日ほどのところに成熟した森があります。


森の名前はオースー。この森は成熟した森の為主がいると言われています。


そのため冒険者でもよほどのことがない限り近づきません。


そんな街です。まぁ、植物もモンスターだからね。


だから森の中に入るという事はモンスターの巣窟に入ることと同じことだから。」


ラン「森の中に入って、木を目印に歩くと迷うよ(笑)。木も歩くから。」


GM「いや、このゲームの植物は歩かないよ。」


ラン「え? 歩かないの?」


GM「このゲーム、木は歩かないよ。まぁ、そんな感じです。


で、君たちは新品の……一部中古もあるけど装備に身を包んでこの街にいます。


この街の出身者いるかな?」


ラン「間違いなく(シャチホコを指さし)ここそうでしょう。


だって金のシャチホコって呼ばれているんだもん。」


シャチホコ「違うよ。違うけど。以外にびっくりだけど(笑)」


GM「みんなはこの街にいてもらはないと困るんだけど、この街の出身者はいるかな?」


ラン「まぁ、この街の出身でいいよ。」


シャチホコ「いない。無理無理僕は。僕は散歩できた。散歩で来れるか?」


ラン「隣町から来たとか?」


シャチホコ「ううん、違うよ。遠いよ。」


GM「集落と集落の間は歩いて5日ぐらいかかる。


結構遠いと思うよ。では、みんなはどこにいるかな?」


シャチホコ「散歩で近くに来ている。」


ラン「地元だからな。盗賊ギルドみたいなところはあるの?」


GM「ギルドは1つにまとまっているよ。わかれていない。」


ラン「宿屋も兼ねているんだっけ?」


GM「うん、宿屋兼酒場も経営しているよ。」


ラン「じゃ、そこにいる。」


シャチホコ「今武器屋確認中。」



***予備知識***


このゲームの特徴の一つ、中古の武具を買うことができます。


中古の武器は新品の武器の4割引きと言う値段で販売しています。


もちろん新品と同じような性能ではなく、一部性能が落ちているものです。


ランのメインの武器であるヌンチャクは中古の品です。


***予備知識終了***



ラン「仕事を探しに来た、みたいな。生活費が底ついているんだよきっと(笑)」


GM「金のシャチホコは? 何しているの?」


シャチホコ「武器屋を見ているの。毎日の……毎日武器屋を見る習慣があるから(笑)。


どんな習慣やって。」


ラン「ウィンドウショッピングが日課なんだね。」


シャチホコ「うん。買わないけどね。」


ラン「メアリーはどこだ?」


メアリー「え~と、春日……。」


GM「あの~このダイナゴヤにいてほしい。」


ラン「ダイナゴヤに着いたばかりなのか……」


シャチホコ「着いてすぐ武器屋に行ったとか(笑)」


メアリー「居酒屋にいる。」


ラン「居酒屋……居酒屋っていうと宿屋になるよ。たぶん、ギルドがある。」


GM「ミソカツ亭があるね。冒険者とか旅人が集まる場所だね。」


メアリー「じゃ、そこでお酒飲んでる。」


ラン「昼間っからお酒かい!! 昼間だよね今、どう考えても。」


GM「まぁ、昼間だね。」


メアリー「(苦笑)」


GM「君たちは一応顔は知っているという事にしておいてね。


で、知り合いって言う人いる?」


ラン「顔は知っているけど、まだパーティも組んでないってことね。」


GM「そうだね。


あ、ダイナゴヤ出身のランはここ1か月の間に2件深夜モンスターが街の中に現れたという事件を知っているね。


では、一人だけ違うシャチホコ。


武器屋のおじさんが『毎日毎日飽きんな』と言っているよ。」


シャチホコ「うん、武器好きだから。」


武器屋のおやじ「そんなに武器を見ていたってしょうがないだろう。


先ずは金もうけをしたらどうだ?」


シャチホコ「あ~、それもいいかもね。」


武器屋のおやじ「ギルドの経営しているミソカツ亭で仕事のあっせんをしているぜ。


お前みたいな新米もいるだろうから、一緒に冒険にでも行って一儲けしてきたらどうだ?」


シャチホコ「じゃ、そうしよう。ちょっと行ってくる。と言って飛んで行った(笑)」


GM「では、酒場の方です。酒場の方ではいろんな人たちがいるね。


にぎわっているよ。ところでランの方はどうする? 酒場の中で。」


ラン「金シャチと親しい仲でいいか?」


シャチホコ「ノーノ―。」


ラン「え~、からかってやろうと思ったのに。


じゃ、カウンターで軽く食事しながら、そろそろ生活やばいんで仕事回してくださいと頼んでいる。」


酒場のおやじ「そうか、そいつは良かった。ちょうどいい仕事があるんだがやってみる気はあるか?」


ラン「やばい仕事じゃないよね。」


酒場のおやじ「まぁ、やばいという事はないと思うが……。」


ラン「とりあえず話を聞きたいところだが、メンバーが俺1人なんだが……、俺でもできるか?」


酒場のおやじ「1人では無理だな。パーティでも組まなけりゃ危険だぞ。」


ラン「そうだよな。手ごろなパーティでもないかな? と言って周りを見渡してみる。」


GM「そうすると、同じように新品の装備に身を固めたのが、1人でお酒飲んでいるね。


それでちょうどその時、入り口から入ってきたこれも新品の装備に身を固めた新米冒険者らしき人が入ってくるね。しかも武器は超重量剣だ。」


ラン「う~ん、あの武器扱えるのかな~と思って見ながら……酒飲んでる方はどんな感じなの? 


見た目。かなりやばい雰囲気で飲んでいるとか? 


こう、フードかぶった怪しげなやつがちびちびちびちび飲んでいるとか? 


しかも羽生えているんでしょ?」


メアリー「見た目は結構……白い羽」


ラン「見た目は? 身長は? 髪は? 髪は長くてすぐ女だってわかる感じ?」


メアリー「髪は肩ぐらいまで……。」


ラン「肩ぐらいまで。身長もかなり高い?」


メアリー「身長はそんなに高くない。」


ラン「顔は童顔とかじゃないよね? それなりの年齢の顔立ちしている?」


メアリー「年相応……。」


ラン「じゃ、未成年が酒飲んでるという風には見えないのね。その二人だけなんだよね? 


冒険者らしき人は。他にも客いる?」


GM「うん、客はいる。昼時だしね。


ただ冒険者らしき人たちっていうのは、後はLvの高そうな人たちばかりで相手にされそうにない。


後、ランは最近この街の入出審査が厳しくなっているという事を知っているね。


あの、モンスター騒ぎの後ね。またギルドの冒険者も駆り出されているという事も聞いているね。」


ラン「それは怪しいやつじゃないんだ。」


GM「それから最近流れ着いた商人ファナシーっていうのがいるんだけど、ファナシーのお抱え冒険者として君たちの先輩冒険者パーティのフィソニコミと言う冒険者パーティがいるね。


まぁ、ファナシーが来てからだから1か月ぐらい前からかな? 


お抱え冒険者になったのは。で、その冒険者パーティはすごい羽振りがいいね。」


ラン「なるほど、それより仕事内容を見せてもらおうかな?」


酒場のおやじ「仕事内容かい? 仕事内容は護衛だな。う~んと……。」


ラン「いいよそれくらいで。護衛でしょ? 


パーティバランスが大事だなと言うのがわかるわけだ。


じゃ、とりあえず今入ってきたやつに聞いてみようか? 


入ってきたやつどこ座るの?」


シャチホコ「メアリーの隣。ちょっかい出してる。」


メアリー「寝てるよ。」


シャチホコ「うん、だからつついて起こし中。」


ラン「酒に酔って寝てるの? 


じゃ、今入ってきたやつがメアリーの隣に座るんだと。


そこへトコトコ歩いて行って隣に座るよ。おいお前……」


シャチホコ「な~に~?」


ラン「お前さ~、仕事しね~?」


シャチホコ「うんするする。今こいつ起こしている。(メアリーに向かって)つんつん。」


メアリー「つくだけじゃ起きないよ。」


ラン「ちょっとまて、仕事するって言ってこいつ(メアリーを指して)起こしてるって、知り合いかよ!!」


シャチホコ「お~い仕事あるってよ。つんつん。」


ラン「巻き込んだ(笑)。わざわざこいつ(メアリー)に声かけずにお前に声かけたのに。」


メアリー「つつくだけじゃ起きない。」


シャチホコ「じゃ、バコ、ぎゅ~(笑)」


ラン「知らないやつにそこまでする? 


ふつう。ちゃんと考えて行動しろよ。無作法物なのか?」


シャチホコ「うん、そうなの。」


ラン「とりあえず、お前その剣扱えるんだろうな?」


シャチホコ「扱えるよ。」


ラン「だったらこの護衛一緒にやらね?」


シャチホコ「うん。バコ(メアリーを殴る)」


メアリー「やめて。」


ラン「ただ、お前と俺だけじゃな~。


心もとないんだけど……さっきからそいつつついているけど仲間なのか?」


シャチホコ「ううん。ただ、1回見ただけの何にもない関係。」


メアリー「赤の他人」


ラン「赤の他人にそこまでするやつを俺は誘っているのか~って思いつつ、やっぱやめよっかな~って。


じゃこの話はなかったことにしてくれって言って席を立とうとするんだけど。」


酒場のおやじ「こんなところで騒ぎを起こしてほしくはないな。」


ラン「そうだよね。」


酒場のおやじ「お前たち新顔みたいだからパーティでも組んでみたらどうだ?」


ラン「いや~パーティ組もうと思ったんだけどな。


おやじ……たださこいつら知り合いでもないのにどつき合っているから、こんな無作法物と仕事できねぇよ。仲間として信頼できるかどうか怪しいぜ?」


酒場のおやじ「まぁ、そういわずに組んでみたらどうだ? 


一度組んでみてからでも遅くはないぞ。」


ラン「まぁ、しゃーないな。俺はこれ(依頼)を受ける気だが、お前たちは受けるのか?」


シャチホコ「うん、受けるよ。軽いノリ♪」


ラン「じゃ、そいつ起こしてやるか。おいお前……」


メアリー「……」


ラン「こいつそんなに酒飲んでいるのか? おやじ。」


酒場のおやじ「そんなには飲んでないと思うんだがな。」


ラン「起きねんだよ、酔ってて。」


GM「じゃ、お~いトモリ。起こしてやってくれ、と。


酒場のおやじがウェイトレスさんの方に言うと。


ウェイトレスさんはコップに水をついで、ばしゃっと(笑)」


ラン「それでその起き方として、う~ん(艶っぽく)と言う起き方なのか、何するんじゃと言う起き方なのか?」


メアリー「う~んと……間ぐらい?」


ラン「さっきウエイトレスさんトモリって呼ばれていたよね?」


GM「うん。」


ラン「トモリさん申し訳ないがタオルを一枚いただけないか?」


トモリ「どうぞ。と言って渡してくれる」


ラン「悪りいな、と言って(メアリーの)頭を拭くよ。ゴシゴシゴシゴシ拭きながら、悪りいけど少し話を聞いてくれないか?」


メアリー「……自分で拭く。」


ラン「あ~、悪りぃ悪りぃ。と言ってタオルを渡すよ。


護衛の仕事があるんだけどよ、俺一人じゃどうにもできそうにないんだ。かといって金は欲しいし。


お前一緒にやらねぇか?」


トモリ「私も一緒にやりましょうか? と、割って入るよ。」


ラン「お前……ウェイトレスじゃねえのか? 


おやじいいのかよ。ウェイトレスまで仕事やるって言ってるぜ。」


酒場のおやじ「まぁ、もともと冒険者でな。」


ラン「え~、こいつがか!!」


酒場のおやじ「持ち金がなくて今バイト中なんだ。」


ラン「まぁ、で、お前何ができるんだよ?」


トモリ「回復なら何とか。」


ラン「ぜひ入ってくれ!! 


どうせこのメンバー回復役いそうにねえしな、と。そうだろ? 


と言って髪を拭いている奴に向かってそういえば名前聞いてなかっよな。


お前どんなことができるんだ?」


メアリー「魔法の攻撃ができます。」


ラン「名前は?」


メアリー「メアリーです。」


ラン「俺はラン・ウェイク・イックリー。ランでいいよ。


こう見えても女だぜ。だからな、間違えんなよ。」


シャチホコ「クリって呼んでいい?」


ラン「どうでも好きなように呼んでくれ。


お前はその剣を持っているところを見ると戦士だろ? 


これでパーティバランスもいいんじゃないか? 


おやじ、じゃ悪いがこの4人で頼むわ。」


酒場のおやじ「うむ、わかった。」


メアリー「まだ、了解していないんですけど……」


ラン「え? なに? お前やるんじゃねえの?」


メアリー「……やります。」


ラン「ならいいじゃねーか。と言うわけで問題はなさそうだおやじ。」


酒場のおやじ「そうか、少し心もとないがいいだろう。」


ラン「心もとないってどういう意味だよ。メンバーが足りないってことか?」


酒場のおやじ「いや、そうじゃない。先行きがちと不安かな。」


ラン「それは俺も言いてえよ。」


酒場のおやじ「じゃ、依頼の話だ。お前たちキスィメン4世のことを知っているか?」


シャチホコ「知らない。」


GM「え~と、ランは知っているね。この街の富豪の一人だ。」


ラン「ああ、知っているぜ。例の富豪だろ?」


酒場のおやじ「そうだ、陶芸家で有名な奴だ。


依頼人はそのキスィメン4世だ。


依頼内容は荷物の護衛と屋敷の護衛という事だ。まぁ最近物騒だからな。


街中とはいえ安心できないんだろうよ。


期間は一週間で報酬は1500だそうだ。まぁ悪くない話だと思うぜ。」


ラン「まぁな。」


酒場のおやじ「詳しい話はそいつを持って、直接会いに行ってきな。


と言って依頼用紙を渡してくれる。」


ラン「ま、富豪の護衛となると商売の関係だろうな。俺はこの街出身だからな。


この街のことなら何でも聞いてくれ。と、とりあえずみんなに握手して回ろうかな。」


メアリー&トモリ「じゃ、よろしくお願いします。」


ラン「おう。」



***予備知識***


キスィメン4世。このダイナゴヤに住む有名な陶芸家の4代目。典型的な職人で有名。


その反面、キスィメン4世の妻は浪費家でも有名。


子供は娘が2人いて、キスィメン4世は溺愛しており、娘たちの頼み事は断れないというくらい、甘やかしている。


長女のミヤは12歳、次女のクアレは10歳、甘やかされているので手の付けようのないくらいわがままであることでも有名である。


***予備知識終了***



-第 3 章 依頼を受けようー


GM「で、キスィメン邸に行くわけですね。


キスィメン邸は四方を3mほどの外壁に覆われ、広い庭、馬小屋、倉庫、工房、そして2階建ての立派な屋敷が立ち並んでいる。」


ラン「相変わらずすごい豪邸だな。中に入るのは初めてだけどな。」


GM「で、呼び鈴……じゃなくって、あのゴンゴンって叩くやつを叩くと、メイドらしき人が出てきます。


『どちら様ですか?』」


ラン「おう、ミソカツ亭で依頼を受けてきたんだけどな。」


メイド「あ、ギルドの冒険者の方たちですね。ではこちらへどうぞ。」


GM「で、門を開いてくれる。君たちは門をくぐり広い庭を横切って屋敷へと案内される。


観音開きの豪華な玄関扉をくぐって1階にある応接室に通されます。


『旦那様を読んでまいりますので、ここでしばらくお待ちください。』


フカフカのソファーに腰を掛けて待つのかな、君たちは。」


ラン「ドン(ふんぞり返るしぐさ)って感じかな(笑)」


GM「とてもフカフカだ。さすが金持ちだ。」


ラン「稼いでいる奴は違うな、やっぱり。」


GM「で、しばらくするといかにも職人さんって感じの男の人が現れます。


『うむ、お前たちがギルドがよこした冒険者か。ここに来たという事は、依頼を受ける気があるという事だな?』」


シャチホコ「そうだよ。」


ラン「内容にもよるが、と。」


キスィメン4世「今回の依頼は秘密厳守だ。依頼中見聞きしたことはすべて忘れてもらうことが条件だ。この条件を飲むんだったらこの契約書にサインをしてもらおう。」


シャチホコ「書き書き書き書き……。」


ラン「ちょっと待てお前。そんなんで、もう受ける気なのか? 


秘密主義っていうのも分からなくはないが、怪しすぎねえか?」


メアリー「私もそう思います。」


シャチホコ「あー、確かに。」


キスィメン4世「取引するモノはかなり高価なモノでな。


あまりそれが噂になってしまうと危険だと判断したのだ。」


ラン「最近物騒なのはあんたも知っているだろう? 


その状態で品物がわからないっていうのはな……。」


キスィメン4世「高価な品……とだけ言っておこう。お前たちでは買う事すらできぬだろう。」


ラン「ふん、まぁ気に入らねえがしかたねえ。こっちも金が必要なんでな。


メアリーの方を見て、お前はどうなんだ? 降りるなら今のうちだぜ?」


メアリー「最近の物騒なこととは、どんなことですか?」


ラン「じゃ、雇い主の方をちらっと見て、俺から話していいのかわかんねえ。


雇い主も知っているからそいつに聞くのが一番だと思うけどな。どこまで話してくれるかわからないけどな。」


キスィメン4世「最近街中でモンスターが現れるという事件があってな。いつ何時モンスターが現れるかわからん。」


ラン「じゃ、それを聞いて普通にしゃべってくれているという事はそれに関係しない仕事なんだなと納得していよう。」


GM「じゃ、やるというなら誓約書にサインを。


ちなみに誓約書には


『私たちはここで見聞きしたことを他言したり、依頼内容の詮索は一切いたしません。万一他言した場合、違約金10000cを支払うとともにどんな処罰も受けることとします。』


と書かれています。キスィメンさんが『どうだ、受けるか?』と言って君たちを見るよ。」


シャチホコ「……怪しすぎる。」


キスィメン4世「なぁに、お前たちがすべてを忘れてくれれば何の問題もないんだ。」


メアリー「どうしますか?」


ラン「まぁ、やばいことになってもしょうがないわな。とりあえず名前書く。」


シャチホコ「書き書き書き、偽名を書く。」


GM「トモリも名前を書くよ。」


メアリー「私も名前を書いておきます。」


ラン「これでいいんだろ?」


キスィメン4世「ああ、では詳細を話そう。明後日の晩ある人物から品が届く。


先ずはその取引の護衛だ。その後、荷物を屋敷の倉庫に運び込んでもらう。


そのあと1週間。主に夜間、その荷物の警備をしてもらう。


日中はわしの私設自警隊が警護を担当するが、連絡要員としてお前たちの内1人は起きていることが条件だ。ただし倉庫の中には立ち入りはできん。


あくまで倉庫の外で警護についてもらう。どうだ、わかったか?」


ラン「ああ、わかったよ。」


キスィメン4世「荷物に関しての詮索は無しだ。誓約書にも書いてあったろ? 


お前たちは荷物の安全を確保すればいいんだ。わかったら明後日の昼に出直してこい。その時に前金の500cを払おう。話は以上だ。」


ラン「ああ、じゃ明後日の昼、荷物をまとめてまたここに来ればいいんだな?」


キスィメン4世「そうだ。」


ラン「じゃ、失礼するよ。」



***予備知識***


依頼料、当然冒険者を雇うので依頼料が発生します。


このゲームの依頼料の目安は、1パーティへの総額がパーティの平均Lv×500クレジット+1000cが相場です。


依頼料の3分の1程度が前金となります。依頼が成功すれば、残りの金額を手に入れることができます。

依頼に失敗してしまった場合は、前金のみと言うのが一般的です。


これとは別に、依頼あっせん料として、依頼料の1割程度が依頼者からギルドに収められています。

この世界の通貨cクレジットは金貨です。


1cは大体1000円程度と思っていただければいいかと思います。


1500cとは、150万円相当となります。


今回は4人パーティですので、1人当たり375c。


つまり37万5千円程度の仕事となります。


ちょっと高い気もしますが、冒険者装備品の物価は少し高めに設定してあること、命の危険があることからこれくらいの値段が相場となります。


もちろん、パーティ人数が増えれば増えるほど、1人当たりの報酬額は減っていきます。

通常は5人パーティを想定している金額です。


また、ギルドへの依頼も早々しょっちゅうあるわけでもありませんし、ましてや自分たちのLvにあった依頼が来るとも限りません。


ギルドも依頼内容によって、あっせんする冒険者のパーティLvを決めるので、誰にでも依頼を回すというわけではないのです。


一般人の月収は250cですのでいかに冒険者の収入が大きいかが分かります。


***予備知識終了***



- 第 4 章 いざ、護衛 -


GM「と言うわけで君たちは、依頼主の話を聞いた後キスィメン邸を後にする。さて君たちはこれからのことを話し合うためにミソカツ亭に向かう。日はすでに傾き……っていうか、ミソカツ亭でいいの?」


ラン「うん。いいよ。明後日までお前らどうするつもりだ?」


トモリ「私はここでバイトです。服を着替えてウエイトレスやっています。」


ラン「一応前金500c貰っているけどよ。必要なモノなんかあるのかよお前ら……。そういえば聞くの忘れた。1週間なんでしょう。その間の食事とかの必要経費とかどうなるのかな? 聞くの忘れた(笑)」


GM「聞くの忘れたね(苦笑)。」


ラン「うっかりしていたよ。」


シャチホコ「いざとなったら僕がこの瓶詰を分けてあげるよ。(瓶詰100個所持している)」


ラン「は?」


メアリー「そんなに買ってるの?」


ラン「ま、いいや。特にやることはねえだろ。」


シャチホコ「うん。」


GM「あと何かすることある?」


ラン「いやない。明後日までは自由行動でいいんじゃないの?」


シャチホコ「そうだね。」



***予備知識***


ここでランは一つ勘違いをしています。


まだ前金を受け取っていないということを失念していたようです。


話をしながら進めていくTRPGでは、しばしばこういう勘違いなどが起こります。しかし、その場の雰囲気を優先させますので、あえてGMが見過ごすこともあるのです。


今回はGMも気づいていましたが、なにがしかの買い物を行うつもりなら訂正をすることにしていました。


結局、PCたちは買い物を行わなかったので、訂正の機会を逃したわけです。


まぁ、この発言はなかったことになり話は進んでいきます。


***予備知識終了***



GM「ちなみに、今は夕食時。その中でも大声で騒いでいる一団がいるけど。先輩冒険者パーティのフィソニコミたちね。その中にでっぷりとした商人風の男がいる。多分それがファナシーだろう。」


シャチホコ「聞き耳しよう。でも技能持ってないよ。」


GM「まぁ、でかい声で話しているからね。技能は必要ないよ。聞いてみるなら、『ぼろい商売だよな~、また馬鹿みたいに引っかかっているぜ、ハハハ』そうするとリーダーらしき人が『おい、口が過ぎるぞ、黙れお前ら。』といっているね。で、街の人たちもいるんだけど、街の人たちは『おい、またあいつらだぜ。』『いったい何やって儲けているんだろうな?』『あいつらも昔はまっとうな冒険者だったのに今では……。』『雰囲気悪いよな。』『あいつに会うまではまじめだったのにな……。』などと言っているのが聞こえるよ。何もなければ時間は過ぎていくけど。」


ラン「何もないよ。することないよ。秘密厳守って言われてるし、特に情報があるわけでもないし。」


GM「じゃ、いよいよ依頼当日だ。君たちは早めの昼食を済ませてキスィメン邸に向かう。2度目の訪問

だけあってメイドもすんなりあの豪華な応接室に通してくれる。キスィメン4世の来るまでの間、窓の外を眺めていると娘と思われる少女たちが遊んでいるのが目に入る。その遊び方は花壇を荒らしたり、追いかけっこをしたり……執事が困った顔をしてたしなめているように見える。まぁ、そんなのを見ていると、キスィメン4世が入ってくるよ。」


キスィメン4世「うむそろったようだな。先ずは前金だ。確認してくれ。と言って金貨の入った袋を渡すよ。」


ラン「前回聞き忘れたんだけどよ。」


キスィメン4世「ん? なんだ?」


ラン「この1週間の食費などの必要経費とかはどうなるんだ?」


キスィメン4世「うむ、警護中のお前たちの部屋を用意させた。もちろん食事も付きだ。何か用があればお前たち専属のメイド、リユに何なりと言ってくれ。リユ、後でこの者たちを部屋に案内するように。後聞きたいことはあるか?」


ラン「その場所はどこだ?」


キスィメン4世「それは後で案内させる。」


ラン「屋敷の地図とかは? 警備のために屋敷内の地図が欲しいんだが、と。」


キスィメン4世「屋敷内の地図か。ちょっと待っておれ。(と言って獣皮紙に、敷地内の簡単な地図を描き始める)。」


ラン「で、警護は俺たちだけなのか? と」


キスィメン4世「前にも話したが、私設自警隊がおる。昼間はそいつらが護衛の任を受け持つ……。」


ラン「そいつらと一緒の部屋なのか?」


キスィメン4世「お前たちとは部屋は別だ。」


ラン「秘密厳守っていうからには、俺たちの役割ってのがあるんだろう? 他に警護に当たる奴らもいるみたいだし、俺たちはどういう警護をすればいいんだ? どの辺を見て回ればいい?」


GM「(敷地内の地図を描いて渡す)まぁ、簡単にこんな感じね。門があり四方は塀に囲まれている。広い中庭があり、東側に馬小屋、馬車置き場、倉庫が並んでいる。で、南に2階建ての屋敷があり、屋敷の西側1階部分に君たちの部屋が用意されているよ。」


ラン「で、取引はここでやるのか?」


キスィメン4世「いや、別の場所だ。今夜北西地区にある、倉庫にわしと同行してもらう。もちろん警護の為でもある。お前たちは倉庫の外で警護をしてもらう。取引が成立したらお前たちを呼ぶから、それまで倉庫の周辺に怪しいやつがいないか警備をしてもらう。その後、受け取った品を屋敷の倉庫に運んでもらう。もちろんその間も怪しいやつが追ってきていないか、細心の注意を払うように。また、運ぶ荷物も高価なものだからな。慎重に扱うように。無事屋敷の倉庫にその品を運び終えたら、屋敷……荷物の警護に当たってくれ。警護について具体的にどうするかはお前たちに任せるが、昼間はわしの私設自警隊が警護を行う。お前たちは主に夜の警護についてもらう。かといって何かあると困るので、昼間1人は警護についてもらう。それを1週間行う。その間に何もなければよし、何かあればお前たちで対処してくれ。1週間後何事もなければ、後金を払おう。もちろん契約通りここでのことは全て忘れてもらう。他に質問はあるか?」


ラン「いや。」


キスィメン4世「では、リユ。彼らを部屋に案内して差し上げなさい。」


リユ「かしこまりました。どうぞ、こちらです。と言って案内してくれるよ。」


GM「で、君たちは部屋に案内されるよ。部屋には4つのベットがあって、豪華なソファーがあるよ。まぁ、閑散としているかな。必要最低限のモノしかないという感じ。『滞在中のお世話は私が行います。御用がありましたらこのベルでおよびください。』と、リユは大きなベルを渡してくれるよ。『滞在中の食事もこの部屋に運ばせます。この部屋には、表に出る扉がありますのでそちらをお使いください。屋敷の中への立ち入りはご遠慮くださいね。入浴の際もお呼びください。ご案内いたしますので。その他、御用の際はいつでも私を呼んでいただいて構いません。』という、感じだね。大きな窓があり中庭が一望できる。で、夕食までの3時間は自由に行動していいという事だけど……。」


ラン「じゃ、入浴。」


トモリ「じゃ、私も行きます。とトモリも言うよ。」


GM「他の2人はどうする?」


ラン「メアリーはどうする?」


メアリー「食事が来るのを待つ。」


GM「3時間あるよ?」


シャチホコ「時間まではいろんなことやってる。」


GM「シャチホコはなんかよくわからないことやっているけどね(笑)」


メアリー「……じゃ、金シャチと話をしている。」


シャチホコ「ペラペラペラペラ(笑)」


GM「じゃ、それぞれ時間が過ぎていきます。そして夕食を済ませて、夜中の11時を回ったころです。キスィメン4世がアタッシュケースを持って君たちの部屋に現れます。『準備は良いか? そろそろ出かけたいのだが。』と。君たちにそう告げるよ。」


ラン「じゃ、行先ぐらい教えてくれよ。」


キスィメン4世「北西の倉庫街だ。わしが道案内をする。」


ラン「すぐの場所か?」


GM「すぐの場所じゃないな。歩いて1時間くらいかかるかな? じゃ、行くわけだね。君たちはキスィメン4世の後をついていきます。深夜1時、目的の場所に到着したみたいです。北西地区のほぼ中央にある広い倉庫。途中巡回中のギルドの冒険者に会い職務質問を受けたけど、対応はキスィメン4世が行い事なきを得た。君たちは目的地と思われる倉庫に到着しました。」


ラン「はい。」


GM「キスィメン4世は周りを警戒しながら君たちに言うよ『お前たちはここで見張っていろ。』というと、キスィメン4世はその倉庫の勝手口(?)の方へ行って、ノックをして何やら話をしている。」


ラン「ってことは相手はもう先に来ているわけだ。」


GM「まぁ、そういう事だろうね。で、その後扉が開いてキスィメン4世は倉庫の中に入る。キスィメン4世が倉庫の中に入るときちらっと、でっぷりとした男の姿が見えます。」


ラン「キスィメンが倉庫に入る前に、何かやり取りしているでしょう? それって聞き耳できるか?」


GM「聞き耳するのね。いいよ。聞き耳判定してみて。」


ラン「じゃ、屋内系1Lv、聞き耳1Lv、7つ道具あり。知識プラス知覚ね。3、3だから6ね。6D振ればいいんだね。(コロコロ)ダイス値は2か。2にLvの2を足してさらに7つ道具があるから達成値に2だったよね? 屋内系技能Lv1、聞き耳Lv1、7つ道具で+2、ダイスの値が2で合計6でいいんだよね?」


GM「うん。6か。6なら十分聞こえるね。どうやら合言葉みたいだ。」


ラン「合言葉か。じゃ、特になんか名前が聞こえるとか取引の品が何か聞けるとかいう事じゃないのね?」


GM「うん、そうだね。」



***予備知識***


このゲームの判定方法は、7種類ある能力値のうち、その判定に最適と思われる2種類の能力値の合計値分のサイコロを振ります。


サイコロは出目の数値を使うのではなく、出目が5、または6の出たサイコロの個数がダイスの値となります。


それに、必要と思われる技能Lvと技Lv、さらに加算できる要素(今回は7つ道具)の値を足した合計値が判定の達成値になります。


その達成値が、GMの定めた行為の難しさを表す難易度に本来GMの振るダイスの代わりに3を足した値を目標値として、達成値が目標値以上であればその行為は成功となります。


今回ランが行った判定は、屋内系技能の技、聞き耳の判定です。


屋内系技能Lv+聞き耳Lv+7つ道具のボーナス:2+知識力と知覚力の合計値分のサイコロの値で判定を行いました。


今回の判定はGMが目標値をあえて伏せておくことにしています。


7種類の能力値は下記の7つです。


器用度、敏捷力、知識力、知覚力、精神力、体力、筋力の7つです。


その行為に必要と思われる2種類の能力値を判定に使用します。


***予備知識終了***



ラン「で、その倉庫から結構離れている? 待っていろって言われた場所って。」


GM「倉庫自体が9m×9mの倉庫ね。で、倉庫の前1mぐらいのところで待っていろと言われて、勝手口が倉庫の真ん中だとすると、君たちから見て6m位のところだね。」


ラン「倉庫の周りは他に、誰かいる?」


GM「がらんとしていて誰もいないね。で、3m以上離れているかな、そこには四方に塀があるよ。」


ラン「倉庫の前まで行って聞き耳した方がいいと思う人? 俺的にはしたくない(笑)」


メアリー「倉庫のそばまで行ったら危険……。」


ラン「うん。だから行きたくないって言ってんじゃん。でもしろって言うならするけど。」


メアリー「でも、危険を冒してもやりたいって言うのならその人がやればいい……。」


ラン「とりあえず合言葉で入って行ったよっていうことはみんなに伝える。特に相手先がどんな人か、どんな商品を扱っているかはわからんかったよっていう話をする。もっと詳しい話が聞きてぇってんなら行くけどよ。って。ただこれ以上首突っ込んで見つかったらやべぇぞ。と、釘はさしておく。」


メアリー「それは聞きたいな。行ってらっしゃい……。」


シャチホコ「聞き耳0。」


ラン「まぁ、このやり方で取引してればかなりヤバそうだけどな。」


シャチホコ「うんうん。やばそうだから行ってみて。」


メアリー「行ってみてって……(シャチホコに向かって)君が行きなさい。」


シャチホコ「無理だよ。」


GM「君たちがそんなことをしているとだね。30分ほどして……。」


ラン「出てくると思うよ(笑)」


GM「倉庫の勝手口から黒いコートに身を包んだ7人の人物が出てくる。そのうちの一人はキスィメン4世が持っていたアタッシュケースを持っている。で、7人はそのまま闇の中に消えていく。」

シャチホコ「見たことある人?」


ラン「わからんと思うよ。」


GM「顔はフード深くをかぶっているからわからないね。体型は……1人はでっぷりとした男みたいだ。後は多分護衛と思われる。剣とかチラリと見えるから。」


シャチホコ「まさか……。」


GM「しばらくしてから、キスィメン4世が姿を現す。『何もなかったか? では荷物を運び出してくれ』」


ラン「ああ。」


GM「で、キスィメン4世が倉庫の大きな扉の南京錠を外すと、扉を開けるように君たちに指示を出す。で、君たちが開けると、中には藁が天井に着きそうなくらい積まれた荷車が置いてある。もちろん、馬はいないよ。キスィメン4世はその荷車を外に出すよう君たちに指示を出す。」


シャチホコ「うんしょ、こらしょ、どっこいしょ(笑)」


GM「その間も周りには気を配っているみたいだね。」


ラン「じゃ、その倉庫の中、ほかに何か落ちてないか見る。」


GM「特に無いかな、藁が少し散らばっているくらい。で、聞き耳できる人はここで聞き耳判定をしてください。」


ラン「はい。(コロコロ)8。」


GM「そうすると、獣の寝息のようなものが聞こえる。……荷物から。」


ラン「やばい荷物を預かっちまったな、と思いながら。ま、これは今ここで話すと聞かれるとまずいんで、後から話すとしよう。」


GM「で、後荷車を持ってくれる人。荷車を運んでくれって言ってるけど」


ラン「一番の力持ちはここ(シャチホコ)だろ。男だし。一人で運べるもんなの?」


GM「運べるよ。」


シャチホコ「じゃ、剣持ってて。」


ラン「お前の剣持ったらこっち歩けんは、ボケ(笑)」


メアリー「なんかさ、3人とも剣持てない。重量的に。」


GM「と言うわけですね、キスィメン邸の方に向かいます。」


ラン「じゃ、こっち(シャチホコ)が前持って、俺は後ろ押してくよ。」


シャチホコ「うん。」


GM「OK。そうするとやはり獣のような匂いがするよ。」


ラン「ああ、やっぱりね。で、俺より後ろって誰かいる?」


GM「いや、いないよ。」


メアリー「じゃ、私もランと一緒に後ろから押している。」


ラン「じゃ、後ろ押しながら藁をこう、そうっと分けて中覗く。」


GM「じゃ、覗くんだね? そうすると中には檻があって獣がいるみたいだ。」


ラン「どんな獣がいるか判別できる?」


GM「そこまでは無理だね。大々的に見るなら別だけど。」


ラン「そうだよね。じゃ、メアリーと言ってコショコショと声をかける。いいか今から言うことを黙って聞けよ。この中には獣がいる。この取引からしてかなりやばい獣だろう。用心した方がいい。と。ここ最近モンスターによる被害があるといわれているくらいだ。もしかしたらこいつが関係している可能性もかなり高い。もうちょっと詳しい状況を調べなければわからねぇが、とりあえず今言えるのはこれくらいだ。後でみんな揃ったところで話をする。と言う話をこそこそっとしてる。」


GM「ちなみにキスィメン4世は、取引前よりそわそわしてるね。おびえているような感じだ。」


ラン「じゃ、キスィメン4世のそのしぐさを見て確信するだろうね。多分。」


GM「じゃ、キスィメン邸に荷車を運んで、倉庫に荷車をしまった。で、丈夫な扉を閉めてこれまた丈夫な南京錠で鍵をかける。『では、荷物の警護を頼んだぞ。』と言い残してキスィメン4世は屋敷に入っていった。で、この夜だけど、君たちは警護をするわけだけど何をする?」


メアリー「警備する順番とか……。」


ラン「いや、みんなで警備しないといけないから。昼間は交代だけど。うちらだけなんだよね? 夜の警護は。」


GM「うん、そう。」


ラン「じゃ、それぞれ屋敷の周りで警護をしないといけないんだが……。」


シャチホコ「グーグー、もうテントで寝ている(笑)」


ラン「夜は警備しろって言われただろ!!」


シャチホコ「う~ん、起こされた。」


メアリー「寝るんなら、夜が明けてから。」


シャチホコ「しょうがないな。起きた。」


ラン「まぁ、なんかあるとすれば、屋敷の正面門から入ってくることはないだろう。馬小屋周りを警備していればいいだろう。他に警備したいところあるか、お前ら?」


GM「馬小屋じゃないよ、倉庫だよ。警備対象は。馬小屋警備しても……。」


ラン「そうか、そうだ。ごめん倉庫だ(苦笑)。でもこれ倉庫って読めなかったもん字が汚くて。」


GM「悪かったな。」


ラン「じゃ、おれ倉庫の裏側を警備するよ。お前らはどこを警備するんだ?」


メアリー「金シャチさんはどこを警備するんですか?」


シャチホコ「グーグーグー(笑)。もうテント組み立ててあった。」


ラン「テントじゃなくて控室がある、ちゃんと。ふざけてないでしっかりやれ!」


シャチホコ「わかった。終い終い。」


GM「トモリの方は表通り近くを……馬小屋との中間あたりかな? そっちの方を警備するよ。」


ラン「ここがラン。で、ここらへんにトモリ。で、お前らは?」


メアリー「じゃ、ここ私。」


シャチホコ「倉庫の正面。」


ラン「ここ? 中はだめだぞ。」


メアリー「だからここ。」


ラン「このあたり?」


メアリー「あとはこのあたり……。」


ラン「つまりうろうろしているってこと?」


メアリー「うろうろっていうか……。ここら辺を警戒している。」


ラン「じゃ、この辺に立っているってことね。こっちも見えるしこっちも見えるしこっちも見える。」


メアリー「あと、金シャチさんは?」


シャチホコ「正面」


ラン「正面って倉庫の正面てこと? それともこっちの正面?」


シャチホコ「ここ。」


ラン「門?」


メアリー「金シャチさんここ見えるといいんだけど。」


ラン「ここに立っててくれると、トモリも見えるしこっちの通路も見えるんだが。」


シャチホコ「ならここでいいよ。」


GM「ちなみにこの倉庫は3m超えの高さがあって、明り取り用と思われる窓が天井付近にあるね。普通の倉庫よりかなり頑丈な作りになっている。」


シャチホコ「窓からなんか見えないかな?」


ラン「ごめん、登坂あるけど登れるかな? Lvがないんだよ。習得してないから。」


シャチホコ「ん? ばっさばっさばっさ……(シャチホコは翼人です)」


メアリー「え? 扉開けるの?」


GM「技なしで判定できるよ?」


ラン「冒険者ならだれでもできるんじゃない?」



***予備知識***


結局トモリは正面玄関のわきにある馬小屋と塀の間。


ランは倉庫と塀の間。メアリーは倉庫を挟んでランの反対側。


シャチホコは一人離れた正面門の左側に待機している。


***予備知識終了***



シャチホコ「ばっさばっさ、飛んだ。」


メアリー「警備途中で飛びながら……」


シャチホコ「行く前に窓を見た。」


ラン「ただ登坂だと、とっかかりがないと無理なんだけど。」


GM「七つ道具あれば登れるよ。カギヅメで。」


ラン「それモロバレじゃない?」


GM「まぁそうだね。」


ラン「倉庫の中に誰かいるの? 入っていったの見てる?」


GM「誰もいないよ。」


ラン「この時間起きているのも誰もいなさそう?」


GM「まぁ、私設自警隊の人たちが1人2人巡回しているね。」


ラン「でしょ、いるでしょ。そんなところをごそごそしていたら怪しいじゃん。なのでしないよ。」


GM「じゃ、普通に見張りをしているんだね? そうするとまぁ、今夜は何事もなく夜が明けるよ。」


ラン「で、午前中と午後の昼間の警備どうするの? 交代制でしょ?」


GM「昼間は私設自警隊が受け持つよ。」


ラン「でも1人は起きてないといけないんでしょ?」


GM「うん。最低でも1日6時間の休息をとればペナルティはないよ。」


シャチホコ「グーグーグー、もう寝ています。」


ラン「じゃ、前半。」


GM「じゃ、トモリ後半でいいよ。」


ラン「(シャチホコとトモリを指さし)後半後半、(自分とメアリーを指さし)前半前半? だってなんか起きたとき2人いる方がいいでしょ。」


メアリー「戦力的にもバランスを考えた方がいい……。」


ラン「バランスを考えるとそうなるの。」


GM「じゃ、前半組。朝7時ころかな? 牛一頭分の肉が倉庫に運ばれていくのを見るよ。」


ラン「うん。それは理解しているよ。動物だから食べるだろうって。でも、食べる量がめちゃめちゃ多いな。」


シャチホコ「でかいな~。」


メアリー「それだけの食料を食べる動物がいるってことだ……。」


ラン「それ言ったら口ふさぐよ。詮索はよせって言われているだろう?」


シャチホコ「心の中で……」


GM「で、何事もなく昼になります。交代の時間だね。」


ラン「じゃ、交代の時間に、昨日の夜何が運ばれていたか告げるよ。他の人に、この中に運ばれたモノはこういう獣だ、と。で、食べる量からしても最近のモンスター事件のこともある。モンスターの可能性もあるから気を付けておけよ。」


トモリ「うん、わかった。」


GM「じゃ、何事もなく時間は過ぎていって夜だね。君たちの警護の時間帯だ。メアリーは確か飛んで警

戒しているんだよね?」


メアリー「空飛んで上空から見ている。」


GM「監視しているんだよね。そうすると、人影が見えるよ。明らかに屋敷を囲う塀を乗り越えて入ろうとしている。のがわかる。」


ラン「さぁどうする。一番近いのは俺だ。」


メアリー「じゃ、ランに身振り手振りで……。」


ラン「じゃ、お前は他の奴に知らせてこい、と。で、どの辺から登ろうとしているの?」


GM「倉庫の近く。」


ラン「じゃ、その下で待ち構えていようかな? その間に2人に連絡を。」


シャチホコ「飛んでる僕には見えない?」


GM「ちょうど死角になるね。」


メアリー「じゃ、トモリに先に……。」


シャチホコ「ああ、トモリだと見えるからね。」


トモリ「じゃ、私はどうしたらいいんですか?」


ラン「とりあえずランはこの下で待機しているよ。いつ入ってきてもいいように。で、ランの方に向か

えって言うのか、それとも裏からまわれって言うのか? それともここで待機していろって言うのか自由です(笑)」


シャチホコ「じゃ、メアリーがトモリのところに行ったので近寄っていく。飛んで。」


メアリー「判断は君たちに任せる。」


ラン「任せるって……それじゃバラバラに行動しちゃうぞ、みんな。」


トモリ「じゃ、そちらに向かいます。」


シャチホコ「それじゃ僕は上で待機している。」


メアリー「上でって?」


シャチホコ「塀の上で。」


メアリー「いや、バレない方がいいんだけど……」


GM「とりあえずそこに行く人、隠密行動のチェックをしてください。」


ラン「え? 俺も?」


GM「もちろん。野外系技能Lv足す隠密行動Lvに敏捷力と体力ね。」


メアリー「ダイスいくつ?」


GM「敏捷力と体力足すといくつ?」


メアリー「5。」


GM「じゃ、振れるダイスは5個だよ。」


メアリー「(コロコロ)2。」


GM「5Dの値が2だね。で、技能とかある?」


メアリー「ない。」


GM「ない? じゃ、達成値は2だね。」


全員ダイスを振る(コロコロ)。



***予備知識***


ダイスを振ってその値(ダイスの出目が5、または6の個数)が5個以上ある場合はクリティカル(完全成功)となります。


また、振れるダイスが4個以下の場合、全てのダイスの出目が5、または6であった場合もクリティカルとなります。逆に、振ったダイスの値(出目が5、または6の個数)が0で、なおかつダイスの出目が1のダイスが3個以上あるとファンブル(自動失敗)となります。


***予備知識終了***


ラン「1。」


シャチホコ「5。」


GM「という事は気づいたのはシャチホコだけ。その者は……」


ラン「姿を見たら速効追いかける。」


GM「え~と、入ろうとしたところで踵を返して入らずにそのまま……。」


ラン「逃走しようとするんでしょ。じゃ、あわてて追っかけるよ。」


GM「塀の外だよ。」


ラン「登ろうとしたんでしょ?」


GM「登って中を覗いて……。」


ラン「中覗いたんでしょ?」


GM「で、気づいてそのまま逃げていくよ。」


ラン「姿が見えたらすぐ追っかけるんだけど。」


GM「じゃ、追っかけてください。登坂、判定は1回でいいよ。」


ラン「敏捷と体力ね、7。」


GM「基本LTいくつ?」


ラン「基本LTは1。」


GM「1ね。登坂にかかる時間は3mだから……2sくらいか。という事は3sくらいか。」



***予備知識***


基本LT、LTについて。1sと言うのは1秒のこと。


このゲームは一定の時間で区切るラウンド制ではなく行動の時間で動くカウント制を使用しています。


基本LTとは、目撃、または判断してから行動に移すまでの時間をあらわし、行動には行動に必要な時間(LT)をGMが決定します。今回の場合、3mの壁を登るのには2s(2秒)かかるとしました。


基本LT(行動を起こそうと考えて)から行動を終了するまでが、その行動にかかる時間となります。


つまり基本LT:1sに行動にかかる時間:2sを足した3sが今回塀を登る時間となります。


***予備知識終了***



ラン「3sね。ダイスの値が3、屋内技能が1で、7つ道具がある。そうすると6?」


GM「6だね。そうすると君が追っかけようとしたころにはもう姿が見えない。」


ラン「どっちに向かったかもわからないのね。」


GM「うん。少なくとも素人でないのは確かだろうね、あの動きは。」


ラン「じゃ、登った形跡とかは残っている? 例えばカギヅメが残っているとか?」


GM「まぁ、明るいところで見ればわかるんじゃないかな?」


ラン「じゃ、松明灯してみても判る?」


GM「う~ん、わかるけど、たぶんカギヅメの跡だろうという事ぐらいしか……。」


ラン「跡があるだけね。カギヅメは残ってないのね。」


GM「そりゃそうだよ。」


メアリー「逃げたのって見える?」


GM「見え……あ、いや、残念ながらメアリーは気づかなかった。その人物には。」


ラン「容姿はとらえているんだよね。みんな。フードかぶっているとか。」


GM「いや、実際いるのに気が付いたのはメアリーが気が付いただけ。で、その後報告して、こっちの方角トモリに来たよね。で、戻った時にはもういなかった。で、ランの方は人影がちらっと見えただけですぐに追いかけようとしたけどそのまま撒かれた。」


ラン「ここが最初の目撃場所でしょ? ここ目撃した姿ってわからないの?」


GM「姿か~。そうね。中肉中背のちょっと身軽そうねってくらいで……。」


ラン「取引相手にそういうやつがいたかもわからん? それっぽいのがいたなとか。」


GM「それはないな。どこにでもいそうだけどね。」


ラン「それをみんなに報告するのはメアリーしだい。ランはみんなに言うよ、こういう怪しいやつが昇っ

てこようとしたけど逃げられちまった、と。ただ容姿も見ていないからどんな奴かもわかんねぇぞ。ただ、素人の身のこなしじゃなかったな。」


メアリー「じゃ、あの~姿なら見ています。って言ってその特徴をみんなに話します。」

トモリ「じゃ、キスィメン4世さんに知らせなくちゃ。」


ラン「だな。と言うわけで屋敷のチャイムをピンポーンと。」


GM「そうすると執事さんが、『何事ですかな?』」


ラン「今倉庫の方の壁から怪しいやつが登ってきた。ただ、待ち構えているところを逃げられちまったけどな、と。」


執事「そうですか。旦那様にすぐに知らせます。」


GM「そうするとあわててキスィメン4世さんがやってきて『何かが来たのか!』」


ラン「ああ、怪しいやつが塀を登って敷地内に侵入しようとした。」


キスィメン4世「なに?」


ラン「ただ、追いかける間もなく逃げちまったんでな。」


キスィメン4世「何をしていたんだお前たちは!!」


ラン「何をしていたかって? とりあえず倉庫を守っていただけだが、と。」

キスィメン4世「いいな今度そいつが現れたら必ず捕まえるんだ。絶対に逃がすんじゃない。」


シャチホコ「了解!」


ラン「まぁ、できる限りのことはするよ。今回ちょっと油断したがな。」


キスィメン4世「期待しているぞ。と言ってかなり怯えながら屋敷に戻っていくよ。」


シャチホコ「テントを張ってそこに寝る。」


GM「さて、その日はそれ以降何もなく、朝また牛1頭分の肉が倉庫に運ばれていく。そうするとキスィメン4世の娘。これはこの街の出身者のランなら知っていることだけど、キスィメン4世は娘を溺愛している。娘の頼みは断れないというくらい溺愛している。で、その娘たちは、来たときには花壇を荒らしてやりたい放題。もう甘やかしっぱなしって感じかな。好き放題している。その娘たちが倉庫に入っていくのが見える。執事さんも一緒に入っていくんだけど困った顔をしているね。で、日中は他に何事もなく過ぎていく。夕方5時ころまで娘たちは倉庫に籠りっきりだったね。とってもはしゃいで屋敷に入っていったよ。で、夜7時ころまた牛1頭分の肉が倉庫に運ばれていく。と言うわけで、夜です。」


シャチホコ「テントで……」


ラン「テントは必要ない。」


シャチホコ「え? テントで……」


GM「え~、昨晩のこともあるので私設自警隊が増員されているよ。まぁ街の腕っ節の強いやつみたいなものだけどね。とりあえず人手を増やしたという感じかな?」


メアリー「では、気を引き締めて……。」


シャチホコ「じゃこっちは塀のギリギリでこっちは待ってる。侵入されそうになった塀のギリギリ見えな

いところ。」


ラン「屋敷の外を警戒。」


メアリー「屋敷の外?」


ラン「屋敷の外の外壁の周囲」


GM「外壁の外? 外壁の中?」


ラン「外壁の外。」


GM「うん。OK、そうすると今度は深夜2時ころ。ドカンと言う大きな音破壊音がするね。音源は結構近いところだ。キスィメン邸の中ではない。この住宅街のどこかでかなり近い場所だ。みんな聞こえるよ。トモリはあわてて駆け出すね。その音の方に。」


ラン「駆け出すよそっちの方に。」


メアリー「じゃ、私は屋敷内で警備を……。」


ラン「続ける?」


シャチホコ「うん、もしものことがあった時の為。ランは自分の身は自分で守ってねって。」


ラン「誘導作戦かもしれんしな。」


GM「じゃ、残る人はだれ?」


シャチホコ&メアリー「はい。」


GM「残る人2人ね。で、行く人はトモリとランね。で、行くとですね、トモリとランは見るんだけど、とある屋敷の外壁が破壊されていて、そこには大きなイノシシがいます。で、イノシシのすぐ近く、3m位の位置に怪我をして倒れている冒険者らしき人がいます。それから、5m位離れているところに剣を構えている冒険者らしき人がいる。そんな状況です。ランとトモリは……夜中なんで、松明の炎だけか明りは……じゃ、10m離れたところでその光景を目にします。」


ラン「じゃ、ヌンチャク構えて、トモリ悪りぃ、残りの2人を呼んできてくれ。あ~でも、誘導作戦だと困るんで2人いっぺんに来られても困るか。その間に昨夜の侵入者が入ってきても困るんでな。」


シャチホコ「こっちまだ侵入者いないの?」


メアリー「ちょうどいいかもしれない、2人2人で。」


GM「(シャチホコに向かって)うん、侵入者はいないよ。」


シャチホコ「なら、気になるんで行ってくる。」



- 第5章 いざ、初陣 -


メアリー「しばらく様子を見た方が良いと思いますが……」


シャチホコ「ここの警備お願いね。だ~(走るしぐさ)」


GM「で、結局残るのはメアリーだけね?」


メアリー「はい。」


GM「じゃ、最初の確認だけど先ずイノシシ。見た段階で知名度判定ができます。やってください。」



***予備知識***


知名度判定:目にした生物(主にモンスター)のことを知っているかの判定。

外見は見たままではあるのだが、モンスターの能力値や攻撃手段特殊能力などのデータを知っているかの判定。


一度判定に成功すれば同じモンスターと遭遇したときに再度判定する必要はない。

この判定に成功すればモンスターのデータをプレーヤーに全て公開することになる。


***予備知識終了***



ラン「野外系の生物知識でしょ? 素人判定だよ。能力値は……知識力と知覚力か。そうするとダイスの値だけか。(コロコロ)2。」


GM「大きなイノシシだ(笑)」


ラン「大きなイノシシだ(笑)」


GM「え~っと、ランは基本LTいくつ?」


ラン「1、基本LTは。」


GM「1ね。で、シャチホコは向かうんだね?」


シャチホコ「うん。」


GM「じゃ、向うんだったら2s遅れで到着という事にしますね。じゃ行きます。カウント0は現状ですね。あ、トモリは基本LT:0か。でも何もできないな。待機宣言だな。他は誰もないな。ではカウント1でランの宣言。ランはどうする?」


ラン「ヌンチャクの通常攻撃。」


GM「え~距離は10m離れている。」


ラン「まずは接敵だな。」


GM「全力移動?」


ラン「全力移動で。え~と……。」


GM「敏捷力×2m。」


ラン「敏捷力4。という事は8m?」


GM「そう、8mという事は、1s。で近接戦闘範囲内(2m以内)に入れるから、基本LTが1sだから2sで接敵だね。という事はカウント3でイノシシに接敵できる。」



***予備知識***


このゲームは一定の時間で区切るラウンド制でなく、行動の時間を積み上げていくカウント制を採用しています。


つまり、時間経過ごとに各プレーヤーの行動が処理されるのです。

また、通常接近戦闘範囲は2m(武器により最大5m)なので、接近戦を挑もうとしたランはまず移動を行う必要があります。


戦闘時の通常移動は2m/s。全力移動は敏捷力×2mです。

ランの場合、10m離れたイノシシに、全力移動8m/sで近づけるので、接近戦闘範囲内の2m以内に近づくには全力移動1sで済みます。


これに、基本LT(行動を起こすという判断の時間)を足した2sが移動にかかる時間となります。


***予備知識終了***



ラン「じゃ仕方ない。走りながら剣構えている奴に何が起こった? と聞こう。いやそっちじゃない、トモリだな。トモリ悪い、倒れている奴を頼む、と。そっちが先だろ、順番的には。」


トモリ「わかりました。」


GM「じゃ、ランは移動中と。今度は……カウント2でモンスターの方は剣を構えている方、仮に1としましょう。そっちに攻撃しに行こうとするよ。今度は、トモリが回復コロコロ。そうすると怪我をしていた冒険者が回復します。で、シャチホコも到着。そうすると今3mほどのイノシシが剣を構えている戦士風の男に向かっていこうとしているかな。で、イノシシの近くに倒れている人が1人。そっから10m離れているのがトモリ。でランは走って(イノシシを)攻撃しようとしている。で、シャチホコの基本LTが2?」


GM「ランは接敵。攻撃だよね?」


ラン「攻撃LT3だよ。」


GM「そうか。とりあえず移動は終わったわけだね。」


ラン「移動は終わって、剣構えている奴に何があったんだ? と。」


NPC1「大きな音がしたから駆けつけてきたらこんな状態だった。」


GM「シャチホコは何する? 戦闘開始から3s目。」


シャチホコ「攻撃できる?」


GM「近づけば攻撃できるよ。イノシシまでは10m離れている。移動でいいの?」


シャチホコ「うん。」


GM「飛行の移動だから、1sで6mか。そういえばシャチホコは超重量剣だったよね。射程は4mだから移動は1sか。」


ラン「基本LTは足さないの?」


GM「足すよ。だから……」


ラン「シャチホコの基本LTは2だよ。」



***予備知識***


NPCとは?


ノンプレーヤーキャラクターの略。


プレーヤーは1人につき1キャラクターを演じますが、物語には様々なキャラクターが登場します。

そんなキャラクターはNPCと呼ばれ、GMが演じることになるわけです。

特に重要なNPCは、PC同様データがありますが、一般市民や情報屋など、特にデータを必要としないNPCもいます。


先にも述べましたが『トモリ』はMPCマスタープレーヤーキャラクターとして、PCとともに行動し成長するNPCの一種です。


***予備知識終了***



GM「という事は、移動に3sかかるね。じゃ次のカウントか。カウント4で行動できるのは、トモリは待機宣言しているし、ランは今攻撃の予備動作中、シャチホコは移動中、NPC1は攻撃か。(コロコロ)命中と、ダメージが11点と。で、イノシシのダメージ減少が6だからダメージは5点、っと。これでこのカウントの行動処理は終了だね。宣言は……イノシシはNPC1に攻撃準備中。NPC1は再び攻撃。NPC2は次で起き上がりか。ランはイノシシ攻撃だから……トモリは……待機か。シャチホコは移動中と。で、次のカウント5だね。先ず処理から、ランは攻撃予備動作中、トモリは待機、シャチホコはイノシシに接敵。NPC1は攻撃の予備動作中、NPC2は起き上がり、イノシシはNPC1に攻撃の予備動作中っと。宣言はイノシシはそのまま攻撃予備動作中、NPC1は攻撃予備動作中、NPC2はイノシシに攻撃をするよ。ランは次のカウントで攻撃だね。トモリは待機、シャチホコは攻撃準備中だね。で、次のカウント6だよ。先ず処理から。ラン攻撃できるよ。」



***予備知識***


このゲームはカウント制です。


同じカウント内の処理は、まず行動処理をPC、NPC、モンスターの順で行います。

その後、次の行動の宣言を、モンスター、NPC、PCの順で行います。

最後に、持続性の毒や持続性のダメージ魔法のダメージ処理を行いカウントの処理は終了します。

本文中『予備動作』と言う言葉を使っていますが、これは宣言から行動処理までの間の時間(例えば、カウント2で攻撃宣言して、カウント5で攻撃ができるキャラクターの場合、そのキャラクターはカウント2~5の間は、ただ停まっているわけでなく、攻撃を行う行動を起こしているはずですよね。

それを『予備動作』と呼んでいるのです。


***予備知識終了***



ラン「え~っと、器用と体力は7、7Dに命中値の1を足せばいいの?」


GM「うん。」


ラン「(コロコロ)4。」


GM「4? (コロコロ)回避された。」


ラン「回避された? マジで?」


メアリー「GM、バトルって参加しなくても経験点手に入るの?」


GM「戦闘の経験値は入らないけど、シナリオ経験値は手に入るよ。どうする?」


メアリー「じゃ、そろそろ向かおうかな?」


GM「トモリは待機か。シャチホコは攻撃予備動作中、NPC1の攻撃コロコロあ、当たった。ダメージ減少で……3点ダメージか。イノシシはまだ攻撃できないな。次宣言……」


メアリー「じゃ移動します。」


GM「お、メアリー移動ね。じゃカウント8で到着ね。でランは何をする?」


ラン「通常攻撃。」


GM「通常攻撃ね。攻撃LTは?」


ラン「強打する。」


GM「そうするといくつになるLT?」


ラン「+1だから4sになる。」


GM「4sね。了解。でトモリは待機しかないな、シャチホコは予備動作中、メアリーは移動開始、NPC1は攻撃宣言、NPC2も同じく攻撃宣言中っと。」


 

***予備知識***


強打。これは武器技能にある技の一つ。


ランは『軽武術』という、軽量武器の技能を習得しています(サバイバルナイフ・サイ・トンファー・ヌンチャクを操る技能)。


その軽武術の技能には、いくつもの技があります。


もちろん1つの技を習得するにはギルドにお金を払って1週間ほどの訓練が必要になりますが。

この技にもLvがあり、技のLvが上がれば効果も上がっていきます。

軽武術の技能は、経験点を消費してLvを上げていくのに対し、技はお金を払って習得していくのです。

軽武術などの武器技能のLvは、命中値やダメージに関係してきます。

つまり技能の習得Lvはその武器の扱いにどれだけ修練しているか?

と言うことを意味します。


対して技は、その武器の能力に合わせ、武器の力をうまく使うための術と言うことになります。

このゲームは、PCLv(今まで得た累積経験値で決まります。要は他人から見たPCの信頼度の指標になります)と、技能Lv(武器、魔法、野外系、屋内系、知識系、クラフトマン)その方面の技術や知識にどれくらい精通しているか?


と言う指標です。


そして、技Lv(それぞれの技能を生かした術)の3段階のLvでゲームを進めていきます。

技能(野外系、屋内系、知識系)に関しては、専門的な技術もあるため、技を習得していないと判定を行うことができない場合もあります。


***予備知識終了***



GM「じゃこのカウント終了ね。次カウント7だね。先ず処理から、え~とPCは……特に変わりなし。NPC2が攻撃か。(コロコロ)。で、回避が(コロコロ)外れ。イノシシは宣言実行中と。じゃ次宣言、イノシシはそのまま攻撃しようとしている。NPC1は攻撃宣言中、NPC2も攻撃宣言。ランも攻撃宣言中、トモリは……待機か。シャチホコは攻撃宣言中、メアリーは移動中だね。」


ラン「ちょっと質問NPC1も攻撃をしているんだよね。そのNPC1の攻撃を受けることはできる?」


GM「NPC1の攻撃を受ける?」


ラン「技の受け止めで。宣言即実行だけど。」


GM「ならできるよ。何をしたいのかよくわからないけど……」


ラン「要はNPC1が倒れないように、攻撃を代りにうける。」


GM「イノシシの攻撃を受け止めるの?」


ラン「そうそう、イノシシの攻撃をNPC1との間に入って受け止めるの。」


GM「ああ、それはできない。それをするなら『かばう』を宣言して、かばうに専念する必要がある。」



***予備知識***


『かばう』…特殊戦闘で対象1人を『かばう』ことができる。ただし『かばう』を宣言した者は対象から近距離戦闘範囲内(2m以内)にいて、『かばう』ことに専念することが必要。

『かばう』の対象者に向けた攻撃は、『かばう』を宣言した者が受けることになる。この時相手の攻撃はファンブル以外命中となる。自分の身を挺して対象を『かばう』行動である。


***予備知識終了***



GM「え~と、カウント8だね。メアリー到着しました。ランもシャチホコも攻撃宣言中。トモリは待機中。NPC1は攻撃っと、(コロコロ)。で、回避コロコロ外れ。NPC2は攻撃宣言中。イノシシの攻撃は(コロコロ)で、NPC1の回避コロコロ外れ。今、目の前には2人か。どっちにするかな?(コロコロ)よし、イノシシはランに攻撃目標を定めたよ。NPC1、2は、相変わらずイノシシに攻撃。ラン、シャチホコは攻撃宣言中、トモリは待機。メアリーはどうする?」


メアリー「燃焼……」


ラン「周りを巻き込むんじゃない?」


GM「燃焼って範囲攻撃じゃなかったっけ? そうすると接敵しているNPC2人とランが巻き込まれるよ。」


ラン「ほら、ほらなった(笑)」


メアリー「魔法範囲攻撃ばっかりだし……。」


シャチホコ「いいよ、僕は。」


ラン「避けようはないんだよね? 魔法は。」


GM「いや、回避はできるよ。でも回避しても燃焼の場合半分はダメージ来るよ。」


ラン「いいよ。撃ち込んでも。避ける自信はある。」



***予備知識***


燃焼。これは魔法の1つ。空気中の可燃物を燃焼させダメージを与える魔法。魔法の効果範囲は直径6m。


メアリーの燃焼のLvは1なので、術者であるメアリーから10m以内の地点なら、任意の地点にこの現象を起こすことができる。


もちろん武器攻撃同様、魔法の命中判定がある。

このゲームのダメージ魔法の範囲魔法の場合、範囲内の者が魔法の回避に成功しても、ダメージの半分を受ける魔法がほとんど。なおかつ、魔法には属性がありこの『燃焼』の属性が炎。

炎の属性は、ほかの属性より破壊力が強い魔法なのである。

また、モンスターや人間には、耐性属性と弱点属性がある。

耐性属性とは、その名の通りその属性に対して耐性がある。

ゲーム的には、ダメージ減少が2倍になるのだ。


また、弱点属性の場合、弱点属性の攻撃を受けるとダメージ減少が0として扱われる。

もちろん魔法も武器と同じく回避は可能なので、回避をすれば上記のように範囲魔法ならダメージは半分、範囲魔法でなければダメージを受けずに済みます。


***予備知識終了***



メアリー「敏捷……完璧に避けることできる? 冷却の方がいいかな?」


ラン「冷却も似たようなもんだろ?」


メアリー「冷却は完ぺきに避けることができる……だったっかな?」


GM「いや、どっちも同じだよ。」


メアリー「じゃ、燃焼で……どうやってやるの?」


GM「まずここ見て、(PCシートの魔法欄を指さす)知識と精神でしょ? 知識と精神足していくつ?」


メアリー「4と4だから8。」


GM「8でしょ。だから振るダイスは8D。それにこの魔法攻撃値を足すんだけど……足すんだけど、その前に魔法LTっていくつ?」


メアリー「魔法攻撃LT?」


GM「そう。」


メアリー「魔法攻撃LTは2。」


GM「じゃ、2s後にしか攻撃できない。宣言は聞いておくよ。じゃ次のカウントだね。カウント9、先ず処理から……トモリは待機で他は攻撃宣言中か、NPC2は攻撃コロコロ、イノシシの回避コロコロ外れ。次宣言、イノシシはそのままランを標的にしているよ。NPC1、2はイノシシに攻撃、ラン、シャチホコは攻撃宣言中、トモリは待機か。メアリーは魔法だね。燃焼だっけ、次のカウントで攻撃できるよ。」


メアリー「はい。」


GM「次のカウント、カウント10。先ず処理からランお待たせ攻撃できるよ。」


ラン「命中修正-1で、7D。軽武術が2Lvの強打が2Lv。(コロコロ)0。」


GM「0? (コロコロ)それは外れている。」



***予備知識***


武器攻撃・魔法攻撃などで命中値がマイナスになることは珍しくありません。ただし、判定後の達成値が0以下になった場合、相手の回避判定をするまでもなく攻撃は外れとなります。


***予備知識終了***



ラン「そうだよね。」


GM「トモリは待機とシャチホコは攻撃だったよね。どうぞ」


シャチホコ「うん。超重量剣で攻撃コロコロ、攻撃値は-1だから……」


ラン「6Dの値が2だから1だな。」


GM「1? (コロコロ)うん回避した。」


シャチホコ「ブンッ」


GM「次メアリー、攻撃できるよ。」


メアリー「はい。(コロコロ)え~と……」


GM「え~と、先ずいくつだった? 今」


メアリー「3つ」


GM「ダイスの値は3でしょ。それに魔法の命中値があるでしょ? これね。で足すといくつ?」


メアリー「4。」


GM「じゃ、回避判定するね。先ずイノシシ(コロコロ)避けた。え~と、でダメージは求める。半分だったもんね?」


メアリー「え~と……」


GM「燃焼でしょ? 知識力と精神力を足すといくつ?」


メアリー「知識4……精神4。」


GM「と言うと8でしょ。で、ダイスの出目はいくつだった?」


メアリー「5。」


GM「という事は、1Dの値は1だよね。燃焼のダメージは(知識+精神)×(2+1D)だから、知識+精神が8で、1Dの値が1だから合計3だよね? つまり?」


メアリー「24。」


GM「24のダメージね。え~と、とりあえずイノシシは半分のダメージを喰らうから12だよね。え~、終わった(苦笑)」


一同「終わった?」


GM「え~っとこれからなんだよな。先ずNPC1は(コロコロ)ダメだ避けれない。ダメージ減少判定コロコロダメだ。生死判定コロコロダメだ、死んだ。NPC2は(コロコロ)何とか避けた。ダメージ減少コロコロ何とか生きている。ランは?」


シャチホコ「僕は受けないの?」


GM「あ、そうか。じゃ回避判定してください。」


シャチホコ「どうやるの?」


GM「回避判定は先ず、敏捷と知覚はいくつ?」


シャチホコ「敏捷2、知覚が3。」


GM「ってことは振るダイスは5Dだね? それを振ってその値に回避値を足すと?」


シャチホコ「1……3……1!」


GM「ダイスの値は1だね? それにこの回避値1を足すと2だよね。それでメアリーの命中値は4だから。あたり。で、鎧防御。」


シャチホコ「1D! (コロコロ)……」


GM「残念、PCLvの1しか引けない。で魔法のダメージは24。24から1引くと23。23点ダメージ。そうするとマイナスになっちゃうから生死判定を行います。生死判定は精神と体力で判定します。いくつ?」


シャチホコ「精神、体力7。」


GM「じゃ、7Dだね。7D振って2以上だったら生きてる。」


シャチホコ「ちょっと分けて振ってみる。1、2、3、4……。」


GM「あと一個出れば生きているよ。」


シャチホコ「5の……」


GM「あ、これで2だね。生きているよ。」


シャチホコ「とりあえず生きてる。」


メアリー「生きててよかった(笑)」


GM「魔法はこれだけ恐ろしいんだ。」



***予備知識***


生死判定、これはキャラクターの生命力(HP)が0以下になった時、そのキャラクターは生死をさまよいます。


その結果、生きているのか死んでしまったかを判定するのが生死判定です。

精神力+体力の値のサイコロを振りその値が2以上であれば、瀕死の状態(HP:0)で生きていることになります。


この状態で放置すると1時間ごとに生死判定を行う必要があります。

かといって、通常の回復方法(回復魔法やポーションなど)では回復できません。

気絶蘇生を行う必要があるからです。


気絶蘇生は、知識系技能の技にありますが、蘇生処置には600s(10分)かかります。

もしくは、気絶蘇生ポーションを使えば、すぐに気絶蘇生ができます。

また、病院での治療でも回復できます。


病院以外の気絶蘇生の場合、Hp:0からHp:1にまで回復します。

Hpが1以上であれば、通常回復が可能となります。


また、生死判定で失敗した場合はそのキャラクターは死亡します。

現状、死亡したキャラクターを生き返らす手段はありません。


***予備知識終了***



メアリー「特に私の魔法は強いから当たったら強力なダメージ喰らうから。」


GM「後、ランも回避振って。目標値は4」


ラン「回避値は1。でダイスが7つ。(コロコロ)回避値1の出目が2……つまり3?」


GM「じゃあたり。だからダメージ減少して?」


ラン「24? ダメージ減少って鎧とかのだよね。先ずLvが1その他で4の計5点。」


GM「ってことは?」


ラン「19……落ちたよ(笑)」


GM「じゃ、精神と体力で生死判定して。」


メアリー「わ~味方いちころ(苦笑)。うわ~味方4人中3人が犠牲になってるし(苦笑)」


ラン「2……じゃなくて1。」


GM「1? それじゃ死亡」


ラン「チャラリー……」


メアリー「マジ……」


GM「この後どうする? とりあえずモンスターも倒したけど2人ほど死んでいるよ。」


メアリー「病院に搬送する。」


GM「いや、病院に搬送しても死んでるから。」


シャチホコ「こっち。」


GM「あ~、怪我はトモリが治してくれるよ。」


シャチホコ「生きていれば治してくれる。」



***予備知識***


今回のプレーヤーは初心者2人と、初級者1人。


メアリーのプレーヤーは、初心者。


強力な範囲魔法を使えば、味方を巻き込むこと、また強力なダメージ魔法であったことは予想できたはずです。


しかし、初心者であるがゆえにその惨状を理解できなかった結果と言えましょう。

決して、キャラクターをただの駒のように思っているわけではないのですが、初心者にはよくある行動です。


今回、ランやNPCは運がなかったという以外はありません。

これを教訓に、メアリーのプレーヤーも今後魔法の使いどころや、新しく取得する魔法を考えてくれることでしょう。


こういった失敗を繰り返しながらプレーヤーも成長していくのがTRPGの醍醐味でもあるのです。


***予備知識終了***



GM「1人呆然としてる戦士がいるけど……。」


メアリー「どうしよう……まず、誤る。魔法すみません。」


GM「『謝られてもなぁ』って肩を落としているよ。『魔法は使うときには周りに気を付けるんだぞ』と肩を落としながら死体を抱えて去っていくよ。何かほかに聞きたいことある? なければ戦闘は終了になるけど。」


メアリー&シャチホコ「……どうしよう。」


トモリ「とりあえず、ギルドに報告しましょう。ランさんも弔ってあげなければなりませんし。」


GM「トモリはそう言って、ランの亡骸を担いでギルドに向かうよ。『皆さんは護衛の任に戻っていてください。何かあるといけませんので。』」


シャチホコ&メアリー「……わかりました。」


GM「こうして、街中で強力な魔法をぶっ放した結果、標的以外に巻き込まれるというのがわかったでしょ。気をつけようね。」


メアリー「はい……」


GM「では、トモリは今夜は帰ってこないよ。君たちはキスィメン邸の護衛を続行するわけだね。」


シャチホコ「あ、戦利品は?」


GM「戦利品はモンスターを解体して部位をとるんだよ。冒険者なら習っているよ。でも、そんなことできる状況じゃないね。しばらくすれば騒ぎを聞きつけてギルドや自警団が来るよ。」


メアリー「とりあえずここを離れます。」


GM「OK。君たちは逃げるようにキスィメン邸に戻るわけだね。」



- 第6章 そして…… -


GM「さて、ランの亡骸を担いでトモリはギルドの本部の方ね、そっちに向かいます。もちろん、あの時一緒に戦った冒険者も亡骸を担いで一緒にギルドの本部に行きます。


シャチホコとメアリーはトモリの言うとおり警護の仕事があるのでキスィメン邸に戻るわけだね。


で、まず、ギルドの本部の方から処理しようか。ミソカツ亭じゃないよ、本部の方ね。そこでトモリは事情を話すことになります。


もちろんもう一人の当事者である冒険者も一緒に。事情聴取みたいなもんだね。トモリは何とか『これは事故だったんですよ。』みたいなことで弁護するよ。


で、戦士の方は戦士の方で『まぁ、やむを得ないと言えなくもない……』みたいな報告をして、ギルドとしても街中で魔法を使用したことに関しては、まぁモンスターも現れたことを考慮して、それには目をつむろう、と。


ただ、そんな仲間を巻き込むような使い方に関しては、やはり何らかの対策を打たなければいけないという事で呼ばれたのがランの姉?」


プレーヤー2「はい。」


GM「……と、え~と……」


プレーヤー2「ユーリー」


GM「ユーリーね。


で、ギルドの方はユーリーにその魔法を使ったメアリーという新米冒険者であるが故の判断ミスであるとして、そのお目付け役としてメアリーを監視するように、また同じことが再発しないように、止めに入るようにという任を与えて、まぁ今回のことはこれで決着をつけた、と。


で、ランの亡骸に関しては、火葬とお墓のお金として合計で100c必要になります。


それでトモリは前金の500cからギルドに100c支払います。そして火葬と埋葬をお願いして、ユーリーともにキスィメン邸に戻ります。」


ユーリー「って言うと、姉だってバレているのね? みんなに。」


GM「いや、まだみんなに紹介も何もしていないよ。知っているのはトモリだけだよ。」


ユーリー「ああ、トモリだけなのね。はい。」


GM「では、さて一方キスィメン邸の方。あの事件? 事件か? まぁいいや、事故? から2時間ほどたったくらいかな? キスィメン邸に戻ってくると、キスィメン4世が屋敷の扉の前で待ち構えています。


『お前たち一体何をしていた? 何があったんだ?』と。」


メアリー&シャチホコ「……」


ユーリー「さ、どう報告する?」


シャチホコ「えっと、大きな音がしてそっちに行ったらイノシシがいた。」


メアリー「大きな爆発音がして、そこに敵がいた……。」


ユーリー「なんか濁しているよ、みんな(苦笑)」


キスィメン4世「何? またモンスターが現れたのか?」


シャチホコ「ええ、でも倒しました。」


キスィメン4世「なるほど、他に……お前たち以外にその場を目撃した者はいないのか?」


ユーリー「自警団がいたねぇ。」


GM「自警団じゃなくって冒険者だよ。」


ユーリー「あ、冒険者か。」


メアリー&シャチホコ「冒険者が2人……」


キスィメン4世「何? ギルドの冒険者が!!」



***予備知識***


ギルドと冒険者の関係。


冒険者はその性質上あちこちの集落や都市を巡ることが多いです。


そのため、冒険者は集落やギルドに滞在するためにはギルドの許可が必要となります。


これは、仕事のあっせんなどのサービスもそうですが、何よりその集落、都市での後ろ盾となってくれるからです。


滞在許可を得ている冒険者は、ギルドからのお墨付きをもらっているのと同義です。


そのため、冒険者は必ず訪れた集落や都市のギルドに滞在許可を得ているのです。


***予備知識終了***



キスィメン4世「という事は、ギルドの連中と一緒にいたのか?」


シャチホコ「ばったり会って……。」


ユーリー「いや、駆け付けたころにはもういたという事でしょう。」


シャチホコ「うん。」


キスィメン4世「ところで2人ほど見当たらないがどうした?」


シャチホコ「あ~、イノシシに殺られてしまいました。」


メアリー「いろいろあって……」


シャチホコ「一人はイノシシに殺られてしまいました。もう一人は遺体を埋葬しに行きました。」


メアリー「ギルドに報告しに行きました……。」


キスィメン4世「何ギルドに? 他に変わったことはなかったか?」


メアリー「大きなイノシシが大暴れしていたって言う。」


シャチホコ「それ以外には……なかった……。」


キスィメン4世「わかった。詳しくは明朝お前たちがそろってから話を聞こう。今夜は特に気を引き締めて警護をするように。」


メアリー&シャチホコ「はい。」


GM「と言って、屋敷の中に入っていくキスィメン4世。その後は何事もなく時間は過ぎていき朝方になります。早朝ですね。


トモリとユーリーがキスィメン邸に到着します。」


ユーリー「トモリからはランの死んだ原因とか聞いてるの?」


GM「トモリに聞けば教えてくれるよ。


それにギルドの報告の時にも魔法に巻き込まれたっていう話をしているから。


ユーリーの任務は、ギルドからで、その魔法を使ったメアリーの監視。」


ユーリー「監視と言ってもどういうことをしろ、と?」


GM「だから、同じような過ちを犯さないように……。」


ユーリー「気を付けておけってこと?」


GM「そう、お目付け役として。という事で、朝方その2人がやってくる。


で、まずは君たち(メアリー&シャチホコを指して)の方に来ます。


で、トモリが来て


『えっと……まず、自己紹介をしますね。私はトモリです。


回復の魔法を使うヒーラーを目指しています。


で、こちらがシャチホコさん。金のシャチホコさんと呼ばれているらしいです。


私たちのパーティのメンバーです。こんな重い剣を振り回している主戦力? の方です。』」


ユーリー「とりあえずじろじろ見ていようか。紹介されるたびに。」


トモリ「そしてこちらが……え~と……と、言いにくそうにしながらメアリーさんです。


魔法使いで強力な魔法を使う方です。」


ユーリー「じゃ、遠いまなざしで見ていようかな? 睨むような感じの。」


トモリ「で、ユーリーさん自己紹介の方お願いできますか?」


ユーリー「ん~、どこまで話すかな? ユーリーです。で終わりかな? ここは。ユーリーです。


よろしくと言って握手を……しないな、手も出さないです。」


トモリ「え~と、ユーリーさんは今回の件もありまして、ギルドの方から補充要因として私たちのパーティに加わることになりました。みなさん仲良くしてくださいね。」


シャチホコ「は~い。」


トモリ「じゃ、今度はキスィメン4世さんのところに、紹介しに行かなければならないので行ってきますね。ユーリーさん行きましょう。」


ユーリー「はい。」


GM「2人はいったん庭に出て、屋敷の玄関をノックする。


するとメイドさんが出てきて応接室に通される。


しばらくすると、こういかにも職人さんと言う男の人……キスィメン4世さんなんだけどね。


そんな人が入ってくるよ。そして、ユーリーの顔を見ると少し驚いたような顔をして、すぐに表情は戻るけど平静を装い『で、何の用だ?』と言うと、トモリの方が『昨夜モンスターが街中に現れました。


で、私たちが駆け付けた時には冒険者の方々が戦っていました。それで私たちも加勢に入りました。


その際に、モンスターは何とか退治することができましたが、運悪く犠牲者が出ました。


私たちの中からはランさん。そしてもう一人戦士の方が犠牲になりました。


その件もありまして、ギルドの方に報告に行ってきました。その際ギルドの方でいろいろありまして、ランさんの代わりの補充要員としてこのユーリーさんが私たちのパーティに加わることになりました。


ですから、この依頼は私たち4人で引き継ぐことになります。ユーリーさん自己紹介をお願いします。』」


ユーリー「じゃ、改めましてユーリーと言います。前回のメンバーに何があったか知りませんが、仕事を引き継がさせていただきたいと思います。


私が来たからには任務を遂行しようと思いますので、よろしくお願いします。」


キスィメン4世「うむ。期待しているぞ。時にユーリーとやら、何かギルドから聞いているかな?」


ユーリー「いえ、何も聞いておりませんが。この仕事を引き継ぐように聞いておりますが。」


キスィメン4世「そうか。と言って安堵の表情を見せるよ。」


ユーリー「ところでこの依頼と言うのはどういった内容だったのでしょう?」


キスィメン4世「実はだな、とある商人より高価なものを譲り受けてな。その品を狙っている者がいるという疑惑があるのだ。」


ユーリー「そういった輩に心当たりはありますか?」


キスィメン4世「いや、今のところ確証はないのだ。ただ念のため1週間様子を見る。そのための警護を頼んでいる。残り3日だがよろしく頼む。」


ユーリー「なるほど。」


キスィメン4世「君たちの警護は主に夜中だ。昼間はわしの私設警護隊が警護をしている。ただ何かあるといけないので君たちの内1人は昼間起きていることが条件だ。」


ユーリー「そういった高価なものを手に入れておきながら1週間の警護でいいのですか? その後も狙われる可能性はないのですか?」


キスィメン4世「確かに君の言う通りだ。この依頼が終了するまでに何か動きがあれば、警護の延長と言うのも考えている。


今のところ、未遂ではあるがこの敷地に忍び込もうとした者がいるという報告は受けている。つまり目的は分からぬが、屋敷に忍び込もうとしている者がいるという事だ。


できればその者の正体も突き止めて欲しいものだがな。」


ユーリー「では、その者の正体も分かっていないのですね? と。」


キスィメン4世「うむ。そうだ。」


ユーリー「わかりました。後の詳しい話はメンバーから聞こうと思います。よろしいですね?」


キスィメン4世「うむ。それで構わない。では頼んだぞ。」


ユーリー「わかりました。」


GM「で、話をしていたキスィメンさんの印象としては、どこかちょっとそわそわしているって感じかな? 早く話を切り上げたがっているという感じ。」


ユーリー「ふ~ん。」


GM「で、それでまたみんなのところに戻ってきて、トモリがみんなに『キスィメンさんに紹介してきたよ』と話していると、コンコンと扉がノックされる。


『よろしいでしょうか?』とメイドさんの声が聞こえるね。」


ユーリー「どうぞ、と言ってドアを開けようかな?」


GM「ではそこにいたのは君たちの専属メイドのリユさん。リユさんは『メアリー様、金のシャチホコ様、そしてトモリ様少々お時間をいただけないでしょうか?』」


ユーリー「私以外ね。」


GM「そう、とリユが言っているけど。」


メアリー&シャチホコ「はい。」


GM「トモリも『はい。』と、『ではこちらの方へ。え~とユーリー様でしたね。』」


ユーリー「はい。」


リユ「ユーリー様はしばらくお待ちください。と言い残して3人を連れて別の応接室につれていくよ。そこにはキスィメン4世がいるよ。」


キスィメン4世「うむ、待っていたぞ。お前たち新しく入ってきたあのユーリーという者、あのものはギルドとは関係が深いのか? と聞くけど。」


シャチホコ「わかりません。」


ユーリー「名前しか名乗ってないしね(笑)」


キスィメン4世「そうか、まぁいい。当初の依頼内容を覚えているだろうな? ここでのことは忘れてもらう。


あのユーリーという者も例外ではない。


今までの情報などの扱いには十分注意するように。特にあのユーリーという者に軽はずみな発言をするでないぞ。


もしギルドの方に知れ渡ってしまうと……いや、なんでもない。気を引き締めて任務にあたってくれ。」


メアリー&シャチホコ&トモリ「はい。」


キスィメン4世「では、リユ。この者たちをもとの部屋に案内して差し上げなさい。」


リユ「かしこまりました。では、こちらにどうぞ。」


ユーリー「じゃ、そういった話をしている間、外を散歩しているね。」


GM「で、3人は元の部屋に戻っていくよ。


『どうしたんでしょうね? キスィメン4世さん。あんな話をするなんて。』とトモリが言うよ。


『相当警戒しているように思いますね。』」


シャチホコ「確かに。」


トモリ「じゃ、改めまして見張りの順番を決めましょうか? ユーリーさんを呼んできますね。


で、外に出てユーリーを呼びに行くよ。」


ユーリー「うん、じゃ戻るよ。」


GM「あ、そうそう。ユーリーの方は外で待っている間に、牛1頭分の肉があの倉庫に運ばれていくのが見える。


で、それからすぐにキスィメンさんの娘かな? 


姉妹……10歳前後と思われる姉妹2人が倉庫の中に入っていくよ。はしゃぎながらね。


それを困った顔をして追いかける執事さんも倉庫に入っていくよ。そういう光景を見かけるよ。」


ユーリー「で、トモリが呼びに来るんだよね?」


GM「うん。」


ユーリー「じゃトモリに依頼内容なですが……あそこの倉庫にいるのがそうなのですか?」


トモリ「あ、はい。あそこの倉庫の中に依頼品があります。……依頼品?」


ユーリー「依頼品ではないと思いますよ。どう見ても生き物を飼っているとしか思えないですが。」


トモリ「そういう詮索は無しにしていただきたいとのことですが……。依頼の条件では詮索は無しという事になっていますが……。」


ユーリー「それは聞いていますが、それにしても死者が出たんでしょ? ある程度知っておくのは悪くないと思いますが。」


トモリ「……確かに、ユーリーさんの言う通りかもしれません。生き物の可能性はあります。


とにかく私たちの任務はあの倉庫の中身を守るという事です。


えっと、見張りの順番も決めたいのでお部屋の方にお越しいただけますか?」


ユーリー「それは構わないですが。」


GM「では、トモリはユーリーを連れて戻ってくるよ。


それでトモリは『今まではランさんがメアリーさんと一緒に、私と金のシャチホコさんが一緒に日中は午前と午後に別れて警護をしていました。』」


ユーリー「では、前任者のランの代わりに穴埋めとして入ったわけです。


そこに入れてもらって構いません。」


トモリ「わかりました。まぁあんなこともあった後ですからあまり気落ちをしないようにお願いしますね。」


ユーリー「私は気落ちはしていません。と。」


トモリ「メアリーさんも気を付けてくださいね。いろんな意味で(笑)」


ユーリー「大丈夫だトモリ。私はそのようなことをさせはしません。」


メアリー「イノシシの件以来ちょっと落ち込んでいます。」


GM「まぁ、少しは学習してくれ。魔法と言うのがどのくらい強力かという事と、人を巻き込むことがどういう事かという事を。」


ユーリー「まぁ、初心者プレーヤーには、よくあるパターンです(苦笑)」


GM「まぁね。」


ユーリー「昔は私もよくやったよ。」


GM「さて、という事で日中午前中は何もありません。で、交代の時間。


夕方前位にキスィメン邸に来訪者が来たよ。」


ユーリー「キスィメン4世さんに?」


GM「そう、キスィメン4世さんに、会いに来た。どうやらギルドの人みたいですね。


今回は冒険者ではなくてギルドの幹部の人だ。」


ユーリー「お~。」


GM「幹部が直々に訪れてきた。もちろん冒険者を2人引き連れてね。


一応、トモリと金のシャチホコはそれを遠巻きに見ているかな? 呼ばれているわけでもないので。


来訪者の3人はメイドさんに連れられておそらく応接室に通されたと思われる。そして2時間ほどしてから3人はキスィメン邸を後にするよ。で、夕方。夕食前、ユーリーとメアリーが起きる時間だね。


トモリの方から『夕方にこんなことがありましたよ。』って、報告がある。」


ユーリー「なるほど、どういった話だったかは分からなかったのか?」


トモリ「あ、いえ。私たちは見ていただけなので。」


ユーリー「キスィメン4世さんから呼ばれて何か聞かれてはいないのですか?」


トモリ「はい、呼ばれてもいませんし何も聞かされていません。」


ユーリー「で、食事はこの部屋?」


GM「うん、この部屋に運ばれてくるよ。それまでに何かしたい人いる?」


メアリー「護衛って何日目?」


GM「これで護衛初めて5日目になる。」


ユーリー「前回の侵入者はどこから入ってきたんです?」


GM「この辺から入ってこようとしていました。」


メアリー「あ、こっちからだよ。」


GM「そうだっけ(笑)。じゃ、こっち。そこから入ってこようとした人物がいましたよと言う。」


ユーリー「じゃ、それぞれどこを見張るとか決めているのですか?」


トモリ「今まで見張っていたのは、こことこことこことここ……。」


シャチホコ「じゃ、今夜はここを見張ろうかな? (侵入者が入ろうとした場所を指さす)」


メアリー「今まで通りでいいんじゃない?」


ユーリー「前と同じでいいの?」


シャチホコ「ううん。ここで(笑)」


ユーリー「じゃ、私は外を巡回させてもらいたいのですが。敷地の中はあなたたちで巡回してもらってもいいでしょうか? と言うけど?」


メアリー「どこを巡回?」


ユーリー「外、塀の外を巡回させてほしいと提案するけど?」


トモリ「お二人(メアリー&金シャチ)がよろしければ、私は構いませんが。」


ユーリー「要は別行動させてくれってこと。だからある意味仲間内でも怪しいやつがいるなぁって思ってもらえばいい(笑)」


メアリー「じゃ、ご飯食べる前にお風呂入りに行って……2日も入っていなかったから……。」


GM「入ってなかったのか(笑)。と言うわけで、それぞれの場所で巡回するんだね? 


ユーリーさんに『気を付けてくださいね。何かあるかわかりませんし。またモンスターが現れでもしたら……。』」


ユーリー「いや、モンスターは問題ないんじゃないかな? どちらかって言うと……と言ってメアリーの方を見るけど(笑)」


メアリー「今お風呂に行っています。」


ユーリー「あ、いないの? じゃ、どちらかと言うと。で止まって(笑)。」


GM「トモリはユーリーがランの姉であるってことを知って良いの?」


ユーリー「知ってて良いよ。だって葬儀も一緒に出ているんでしょ?」


GM「葬儀? 葬儀はしてないけどね。」


ユーリー「あ、そうか。でも、ギルドから聞かされていてもおかしくないでしょ。」


トモリ「じゃ、ランさんも自信過剰でしたけれど、ユーリーさんも気を付けてくださいね。と。」


ユーリー「あの子は自信過剰があったかもしれないけれど……っと、これはやめておこう。


だって金シャチがいるんでしょ? 


ここに。メアリーがいないだけなんだよね? だったらあえて何も言わない。」


GM「ではその夜だ。その夜君たちはそれぞれの場所で巡回をしている。


え~モンスター騒ぎもあったし、侵入者騒ぎもあったので夜中の私設自警隊の人数も増えているね。


5人ほどいるかな? 敷地内を見回っているかな。」


ユーリー「外もいるの?」


GM「外はいない。門番はいるけどね。それ以外の人はみんな敷地内で警備しているよ。まぁ、塀で囲われているしね。」


ユーリー「うん。」


GM「で、この日は何事もなく夜が明けるよ。


『どうでしたユーリーさん。外に何か変わったことありましたか?』とトモリが聞いてくるよ。」


ユーリー「いや、異常があったら呼びに来る。私一人ではどうしようもないしね。」


トモリ「私たちの方も、何事もありませんでした。」


GM「まぁ、そういう報告をして『じゃ、午前中の見張りをお願いしますね。』と言ってトモリは眠りにつくよ。」


ユーリー「すぐなんかあるとも思えないし、こんなもんでしょう。」


GM「朝方メアリーとユーリー、何かすることありますか?」


ユーリー「娘さんたちはいつも執事さんが付いて回っているんでしょ?」


GM「そうそう、朝はまた7時くらいかな。牛1頭分の肉が倉庫の中に運ばれていくよ。


あ、昨日の夜7時ころにも牛1頭分の肉が倉庫に運ばれていくのを見るよ。」


ユーリー「娘さんたちが入っていった後って、倉庫の入り口とかって誰か立ってるの?」


GM「いや、誰も立ってないよ。」


ユーリー「じゃ、倉庫の周りを警護しているふりして、その辺をうろうろしているよ。


で、娘さんたちが出てきたところで何か娘さん同士で何喋っているか聞き耳を立てている。」


GM「出てくる頃か。お昼ご飯のころには出てくるね。」


ユーリー「『早かったね~』『怖かったね~』とかそういう話をしてない?」


GM「うん、そんな話だね。『食べっぷりいいよね~。やっぱり。』『お父さんにお願いしてよかったわ~。』」


ユーリー「やっぱり娘の頼みごとか、と。」


GM「と言うわけで、お昼挟んで今度はトモリとシャチホコの番だね。


まぁ何事もなく時間は過ぎていくよ。さぁ、夜何かする人? 


あ、そうだ。昼間にチョットしておきたいことがあった。」


ユーリー「何?」


GM「え~と、トモリの方からの提案なんだけれど。


『前金が500c先に頂いていました。その内、ランさんの火葬とお墓代で100c使いました。』と言う報告をしたうえで、『それで提案なんですけれど、あの時重症の人を蘇生させるために私は気絶蘇生ポーションを使いました。


そしてもう一人息があった人を、技能を使って蘇生を行いました。


で、それで、今気絶蘇生ポーションは手元にありません。誰か持っていますか?』」


ユーリー「持ってないよ。」


メアリー&シャチホコ「持っていない。」


トモリ「で、あるならば、一応念のために買っておいた方がいいと思うんですけれど、いかがでしょう?」


ユーリー「必要経費だと思うから、買ってもらって構わないと思います。」


GM「気絶蘇生ポーション高いんだよ(苦笑)。100cだから。」


ユーリー「だよね。高いよね。またいつ何時メンバーが殺られるかわかりませんからね。」


トモリ「他の二人はいかがですか?」


ユーリー「メアリーさんに拒否する権利はないんじゃないですか? と(笑)」


シャチホコ「メアリーさんに買わせるという方法もありますけどね。メアリーに買わせる方を勧める(笑)」


GM「あの~生死判定したってことは、相当ヤバい状態で1分1秒を争う状態なのね。


それで、知識系技能の気絶蘇生を習得しているトモリは先ず息のある人を助けようとしたわけです。


そうしたら、4人の内2人はまだ息があった。で、一人を蘇生処置するためには最低でも10分かかる。


で、10分間放置しておけば一般的に死ぬ確率も高くなる。ゲームのルール上では関係ないけどね。


でもこの辺のことは現実問題として考えてみてね。


そういう状況だったので気絶蘇生ポーションを使って1人を気絶蘇生して、もう一人は技能で気絶蘇生処置を施した。という事。」


ユーリー「心停止した人が、すぐに心臓マッサージされれば生存確率が高くなるけど時間をおくと、助かる確率が低くなるでしょう? それと一緒ね。」


シャチホコ「それを起こした人に買わせるのはいかがでしょうか? と言う。提案をするよ。」


メアリー「誰が買いに行く?」


ユーリー「誰が買いに行くとかいう事じゃなくて、そのお金(前金の残り400c)で買いませんか? という事なんだけど。」


トモリ「前金の残りはあと400cあるんですけど。」


シャチホコ「だから、それを起こしたメアリーに買わせたらどうかって……。」


ユーリー「ああ、みんなの自己負担でお金出すんじゃなくて、こっちに一人で負担させようだって。金シャチが。」


シャチホコ「200c分」


トモリ「今回はたまたまメアリーさんがそんな状態を引き起こしたかもしれませんが、いつ何時誰がどんな状況で生死の狭間をさまようことになるかわかりませんよ。


(金のシャチホコに向き直って)必ずしも魔法の巻き込みという事だけではないんですからね。」


ユーリー「トモリ。あんたたちこんなメンバーでチーム組んでいたのですか?」


トモリ「ええ、まぁ。成り行き上(苦笑)」


ユーリー「これじゃ、犠牲者が出てもなぁ。とぶつぶつ言っている(笑)」


トモリ「それでどうしましょう?」


メアリー「賛成です。」


トモリ「シャチホコさんは?」


シャチホコ「賛成です。」


トモリ「ユーリーさんは?」


ユーリー「いや、間違いなく賛成なんだけど。」


トモリ「では、400c残っています。何本買いましょう? 最大4本までですが。」


GM「中古は売ってないので(笑)」


ユーリー「だよね。そんなんで中古売ってたら怖いわ、逆に(笑)。3本と、Hpポーション系とかを買っておいたら?」


GM「Hpポーションならトモリが10本持っているよ。」


メアリー「私も10本持っています。」


ユーリー「ええ? そんなに持っているの? よく買えるねそんなに(笑)」


GM「気絶蘇生ポーション1本分だよ。Hpポーション10本は。」


メアリー「Hpポーションは10本買っても所持金565c。」


GM「そんなにお金持っているのか?」


ユーリー「でら、金持ち(笑)」


GM「で、どうする? 3本にするのか4本にするのか?」


ユーリー「トモリが生き残ってないと(技能が)使えないから、誰か一人生き残っていればそれが使えるわけでしょ? 


としたら、全滅したら使えないわけだから、それを考えると4人メンバーだから3本あれば十分じゃない? 


4本持っていて4人とも死んじゃって4本使うなんてことできないでしょ?」


GM「確かにね。」


シャチホコ「4人が1本ずつ持っておくって……。」


メアリー「2本で十分じゃない? もし、3人が気絶してしまった場合、あと一人は技能で処置してもらえば……。」


ユーリー「トモリが気絶しちゃったら、意味ないんだよ。その場合は。もし、この3人(メアリーを除く3人)が気絶しちゃったらどうするの? 気絶蘇生(技能の処置)できないから……。」


GM「気絶蘇生で回復する生命力(Hp)は1だけだから、回復魔法が使えないんだよ。


(トモリの回復魔法に必要な生命力は2点です)」


シャチホコ「3つ買っておいた方がいいんじゃない?」


GM「まぁ、Hpポーション使えば良いっちゃぁ良いんだけど……。」


シャチホコ「それでこうやって(トモリを除く3人を指さし)持たせておけば、そうしたら……。」


ユーリー「そこに自警団の人たちが加わると、もっと本数無いとって話になるけど、とりあえず無駄遣いする必要もないから3本あればいいかなぁって思ったんだけど。」


シャチホコ「3本あって、こっちの3人(トモリを除く3人)が持っていようよって。」


この後、いろいろ話し合った結果、気絶蘇生ポーションを3本購入。


ユーリーは、自分は前衛だからと、所有することを辞退して結局メアリー、金のシャチホコ、トモリが持つことになった。これで前金の500cの残りは100cになりました。



- 第7章 それぞれの思い -


GM「そういえばずっと言い忘れていたけど、トモリってこのダイナゴヤ出身だからね。」


ユーリー「そうなの?」


GM「ダイナゴヤに病気のおばあちゃんと一緒に住んでいる。で、自分が冒険者だってことはおばあちゃんにも内緒。で両親は行商しています。で、年に何回かしか戻ってこない。」


ユーリー「なんかすごい話が出てきた(笑)」


メアリー「すごい貧しそう。」


ユーリー「まぁ、それ言うんだったらユーリーはこのダイナゴヤに住んでいて。


小さいころ父親に連れられてミソカツ亭によく顔だしていたからミソカツ亭のおやじとは顔なじみと言う(笑)。って言う設定を作っていたんだけどミソカツ亭の話がなかったから(笑)」


GM「ミソカツ亭のおやじさんと顔なじみなら、トモリとも面識あるんじゃない? バイトしてるし。」


ユーリー「え~、でも最近でしょ? トモリがバイトしているのって。小っちゃいころに顔だしていただけだもんこっちは。だからご無沙汰しているんだよ。」


GM「トモリはバイトし始めたのは、訓練が終了したのが2か月くらい前だから、それから……。」


ユーリー「じゃ、擦れ違いじゃん、完全に。まぁそういう設定は良しとして……。」


GM「さて、夜になります。みなさんそれぞれの配置について警戒しているんだよね? 


え~と、(ユーリーに視線を向けて)塀の外にいるんだよね? 


え~と、見張りの位置は昨夜と同じで良いんだよね? じゃ、危険感知を皆さんしてください。」


シャチホコ「え~と、野外系技能だったよね? 確か。」


ユーリー「野外系の危険感知だよね? 素人でも可になっている。知識と知覚。」


メアリー&金のシャチホコ「知識と知覚」


ユーリー「低いんですよこれ。」


メアリー「8D……。」


ユーリー「8D? あ、なるほどね。魔法系だからその辺が高いわけですね。」


シャチホコ「3と3で6。」


ユーリー「1。」


シャチホコ「3と3で6で良いんだよね?」


ユーリー「そう。」


シャチホコ「で、さらにこれ(野外系技能Lv1)」


ユーリー「6Dに+1をする。だよね? 野外系技能Lv1ってことは、6Dの値に+1ってことだよね?」


GM「そうそう。」


メアリー「値3。」


GM「技能ある?」


メアリー「ない。」


GM「じゃ、3だね。」


ユーリー「(シャチホコに向かって)七つ道具もないよね? 2。」


シャチホコ「2で、3。」


GM「3? てことは、3が一番高いんだね? え~という事は……ちょっと待ってね。」


ユーリー「3が2人の1が1人か。(メアリーに向かって)すごい出目良いね、ある意味。」



***予備知識***


危険感知、これは野外系技能の技の一つ。


自分の身に危険が迫っているのを察知する技のことです。


ただし、専門性がなく素人でも判定だけはできます。


もちろんこの場合、技能Lv、技Lvは0。


能力値の『知識力』と『知覚力』のサイコロのみで判定と言うことになります。


今回は野外系技能を、金のシャチホコが1Lv習得していました。


彼以外は、みんな素人判定となります。


金のシャチホコは野外系の技能1Lvを持っているだけで、危険感知の技を習得していないため、サイコロの値に加算できるのは、技能Lvの1だけ。


通常野外系の7つ道具を持っていれば、野外系技能の判定にさらに+2されたのですが、今回のような場合、7つ道具を使用する暇がないので7つ道具は使えません。


もっとも金のシャチホコは持っていませんでしたが。


結果、サイコロの目が良かったメアリーと同値となりました。


***予備知識終了***



GM「(コロコロ)え~と、特に怪しい人影もなく……(泣)。」


一同「(笑)」


ユーリー「ヤバいね~、これは(笑)」


GM「え~と、ですね。いつも通り見張っている感じですね。え~っと、ですね。どうしたろうかな?」


ユーリー「相手は相当高かったのか?」


GM「いや、運が良かっただけだよ。え~っとですね、その夜は何事もなく……過ぎていくんですが、明け方、倉庫の周りを見ていたらですね、倉庫の正面の鍵が開いているのに気付きました。」


ユーリー「誰が?」


GM「この場合誰にしようかな? 1~4なら君たち、5~6なら私設自警隊ね。(コロコロ)1。


君たちだね。が、気づいたよ。南京錠だけどね。それが開けられているのに気付いた。」


ユーリー「じゃ、中身を詮索するなと言われているから戦えるユーリーと金シャチは、残った方が良い。で、万が一の怪我を考えるとトモリの回復役がほしい。


だからいた方がいいからメアリーにキスィメン4世さんに鍵が開いているから、中を確認していいかって言うのを聞いてきてほしいんだけど、と。」


メアリー「わかりました。」


ユーリー「見た感じ中にいるのは生き物っぽかったし、食事の量からすると凶暴だといけない。逃げてもらっても困るモノだろうから、と。」


メアリー「わかりましたっと。」


シャチホコ「南京錠って掛けたりとかしないんですか? と」


ユーリー「南京錠はもいっぺんつけれる状態なの? それとも完全に壊れて使い物にならない状態なの?」


GM「いや、壊れているわけじゃないよ。開けられているだけだから。」


ユーリー「いや、その開けられた南京錠はどこかに隠されているとか、そのままついているのか?」

GM「そのまま付いているよ。」


ユーリー「じゃ、もいっぺん閉めようとすれば閉めれるの?」


GM「閉めれるよ。」


ユーリー「でも、中が逃げているかどうかも判別できないんでしょ?」


GM「うん。まぁするんだったら……。」


シャチホコ「聞き耳ってできない?」


GM「聞き耳でもいいし、え~と……。」


ユーリー「とりあえずメアリーに呼んできてもらっている間に聞き耳しようか?」


GM「鍵開けのアナログの方で……。」


ユーリー「アナログなのね。」


GM「うん。南京錠はアナログだから。で、まぁこう、無理にこじ開けたのかどうかはわかるよ。」



***予備知識***


鍵開け(アナログ)、これは屋内系技能の技の1つ。


専門性の高い技能です。


そのため技を持っていないと判定することができません。


南京錠のような機械式の鍵を開けたり閉めたりする技能です。


もちろん今回の場合は、この南京錠が無理やりこじ開けられたものかどうかを判別するという使い方をしています。


無理にこじ開けようとすると、鍵穴に傷がついたりしますので、こじ開けたのか?


鍵を使って開けたのか?


を判別することができるわけです。


この判定にも屋内系の7つ道具を使用することができますので、道具を持っていれば達成値に+2をすることができます。


ユーリーは屋内系技能1Lv、鍵開け(アナログ)1Lvを習得しており、7つ道具も持っています。


鍵開けにはもう一つ、認証システムや暗証番号入力によるデジタル式の鍵も存在します。


これはまた別の技、鍵開け(デジタル)が必要で、7つ道具がないと判定をすることもできません。


***予備知識終了***



ユーリー「じゃ、一応こじ開けたかどうか見る。判定すればいい?」


GM「うん。」


ユーリー「とりあえず、こじ開けてないかの確認をして、その後逃げてないかの聞き耳かな? 


誰か起きていてうちら以外に近くにいる?」


GM「え~と、私設自警隊の人たちが5人ほど巡回しているから……。」


ユーリー「中は入ったらバレそうですね。」


GM「そうだね。」


ユーリー「じゃ、とりあえず鍵が、こじ開けられたかの確認。」


GM「後、扉が開かれたかどうかの確認をするなら、野外系技能の追跡で判定できるよ。」


ユーリー「野外系習得していない。」


シャチホコ「は~い。野外系習得しています。追跡? え~と、追跡は……。」


ユーリー「(コロコロ)6。鍵を調べるの。」


GM「6? え~とね、こじ開けたんじゃなくって……え~鍵で開けたんじゃなくって……。」


ユーリー「ピッキング?」


GM「そう、それ。ピッキング。しかもかなり手練れがやったようだね。ほとんどその痕跡が残っていない。」



***予備知識***


追跡、これは野外系技能の技の1つ。


本来は、足跡や糞などで獲物の痕跡を追跡したりする技のこと。


専門性の高いモノではないので素人でも判定はできます。


今回は、埃やその場所の状態を総合的に判断して、この扉が開かれたかを判定するという使い方をしました。


もちろん野外系の7つ道具があれば、達成値に+2できるのですが、金のシャチホコは7つ道具を持っていません。


サイコロの値に野外技能の1Lvが加算できるだけです。


***予備知識終了***



シャチホコ「扉調べるけど、何で?」


GM「追跡で判定だよ。知識と知覚。」


シャチホコ「知識と知覚か……。え……と野外系の知識と知覚……知識と知覚6Dだね。(コロコロ)3。


それに野外系技能1Lvを足して4。」


GM「そうすると扉が開けられた形跡があるね。つい最近って言うか昨夜の内だね。」


シャチホコ「それを知らせるみんなに。」


GM「一応確認のために言っとくね。荷物を運びこんで以降、この扉は一度も開かれていないはず。


それが、昨夜開かれた痕跡がある、と。」


ユーリー「そう言えばさ、そんなきれいな開け方なら鍵をかけ忘れたって考えるのが自然だよね。


だったらまず鍵閉める。」


GM「閉める?」


シャチホコ「昨夜扉を開けた痕跡があったよ。」


ユーリー「聞き耳もするよ。まだ中にいたら逃げ出すと困るから鍵閉めるよ。」


GM「聞き耳ね。どうぞ。」


ユーリー「確認だけどさ。屋内系技能が1Lvで、聞き耳が1Lvある時は(サイコロの値に)足すのは1でしょ?」


GM「いや違うよ、屋内系1Lvと聞き耳Lv1の計2を足すんだよ。」


ユーリー「あ、じゃさっき7だ。達成値。まぁどっちにしろ成功していたからいいけどね(苦笑)。


で、知識と知覚で2づつで4Dでしょ。で、屋内技能と聞き耳で2を足すでしょ。


さらに(7つ道具)で+2でしょ。じゃ、少なくとも4はあるってことか。(コロコロ)2で6。」


GM「6? え~と、中で獣の寝息が聞こえるかな?」


ユーリー「じゃ、出てきちゃ困るから鍵閉めるよ。」


GM「で、メアリーってキスィメン4世を呼びに行かせるの?」


ユーリー「う~ん、それも考えたんだけどこの場合バレるとヤバいので伏せる。隠ぺいする(苦笑)」


GM「ひど、じゃ、メアリーは呼びに行かなかったのね。」


ユーリー「どう考えても夜中に侵入者がいるってことは、鍵のかけ忘れってことは考えられないから……で、鍵を閉めたいんだけれど判定いる?」


GM「いらないよ。南京錠だもん。カチャリと閉めるだけだよ。」


ユーリー「だよね(笑)」


GM「さて、また朝7時ころ牛1頭分の肉が倉庫に運ばれていくのが見える。で、しばらくして娘たちが入っていく。で、執事さんが困ったような顔してついていくよ。」


ユーリー「じゃ、普通の日常でバレてないのね?」


GM「今のところはね。」


一同(笑)


GM「で、お昼頃娘たちが出てくるんだけど、それもいつもと変わりはないね。昼食をとって見張り交代だね。


トモリと金のシャチホコだね。特にこの日は……この日、この日ね~。」


ユーリー「困ってる困ってる(笑)」


GM「いいや、夕方。まだユーリーとメアリーが寝ている時間帯ね。」


ユーリー「寝てなきゃダメ?」


GM「交代で睡眠とるんじゃなかったの?」


ユーリー「ふと思い出してね。ギルドの方に行きたいなと思って。


そうしたら警護警護でって、行っている暇ないんだよ(笑)。寝る時間削らないと。」


GM「ちなみに睡眠に関してのルールは、


『冒険には無理がつきものです。時には徹夜をすることもあるでしょう。


ここでは徹夜と休息についての説明します。徹夜については48時間、2日ね。は問題なく通常通りの行動できます。


で、48時間以降は-1のペナルティが全ての行動に課せられます。


さらに24時間たつごとに-1のペナルティが増えていきます。


例えば3日間不眠不休の場合、PCの全行動に-1のペナルティが課せられます。


また4日間不眠不休の場合は-2のペナルティが課せられます。


さらに不眠不休の行動は5日間。120時間が限度です。


これ以上は冒険者と言えど休息が必要となります。6時間以上の睡眠、連続じゃなくてもOKです。


を、とるとペナルティはなくなります。』


と言うルールがあります。で、ギルドの方に行くのね? 


じゃ、ユーリーはみんなに何か言ってから行くの? それとも黙っていくの?」


ユーリー「何も言わずに行くよ(笑)。あえて怪しい行動をとるよ。


寝たかな~と思ったらいない。みたいな(笑)」


GM「トモリと金のシャチホコは外で警護しているので気が付きません。メアリーは寝てるの?」


メアリー「はい。」


GM「じゃ、気づかない。じゃ、ギルドの方。本部の方に行くの?」


ユーリー「うん、キスィメン邸を訪ねた理由を聞きにきた。3人で夕方か何かに来ているでしょ?」


GM「ああ、来てるね。『例の事故の件で、なぜあの時間帯に冒険者たちがいたのか?』」


ユーリー「ああ、キスィメン邸に?」


GM「うん。そう。『そうだ。その理由を聞きに行った。』と。」


ユーリー「で、キスィメン4世はどう答えたの?」


ギルド幹部「屋敷の警護のためだと言っていた。しかし、その割に警護の人数が多かったような気がするという印象を受けた。」


ユーリー「その辺を深く追及しなかったのですか?」


GM「『それ以外に……。』と君の方を見て考え込むよ。それから『これは内々にしてほしいのだが……』」


ユーリー「もちろん。」


ギルド幹部「君も知っての通り、現在この街でモンスターが現れるという事件が多発している。


この1か月間で3件起きている。そして、今我々はキスィメン邸を内偵している。


理由はとある商人と接触のあった人物を片っ端から内偵捜査をしている。


その内の1人であったからだ。」


ユーリー「じゃ、妹が巻き込まれた事件にも、関与していたんですね?」


ギルド幹部「(悩みながら)富裕層の中ではモンスターをペットにするという風潮があると街で噂になっている。


それがどうやら現実味を帯びてきているのだ。


そしてそのペットの販売を行っているのが、とある商人であるらしい。まだ確たる証拠がないため、その商人と接点のある人物を内偵捜査中だ。


そしてその内の一人にキスィメン4世がいたのだ。まぁ、君だから言っておこう。キスィメン4世は黒だ。」


ユーリー「では、こちらからギルドに情報を流した場合ギルドからの謝礼はあるのですか?」


ギルド幹部「もちろんだ。それなりの報酬は払おう。」


ユーリー「では、こちらもこれは内密にしてもらいたいのですが……間違いなくキスィメン邸には、牛1頭を軽く平らげてしまうような動物がいます。」


ギルド幹部「やはりな。」


ユーリー「キスィメン邸のこの場所(倉庫の位置を教える)にいます。さらに昨夜何者かの手により、鍵が開けられておりいつでも逃げられるような状態になっておりました。


そういうことがあったから街中で暴れていたのでしょう。モンスターが。」


ギルド幹部「なるほど。それは貴重な情報だ。」


ユーリー「私も依頼を受け続けているフリをして警備を続けます。


また、情報が入り次第こちらに報告に参ります。その代り報酬の方をお願いします。」


ギルド幹部「貴重な情報をありがとう。今回の情報料だ。と言って、金貨100枚を渡してくれるよ。


で、本日の夜中、深夜1時にギルドのメンバーを向かわせる。」


ユーリー「その際の私の身の保証はしていただけますか? 


こちらも情報を流した件でキスィメン4世に知れたら無事ではすみません。


キスィメン4世から依頼を受ける際、秘密厳守の誓約書を書かされましたので。


それをギルドに情報を流したとなれば私の身も危ういので。」


ギルド幹部「うむ、わかった。それは考慮しよう。ガサ入れの決行は今夜……深夜1時だ。それまでにこちらも体制を整える。」


ユーリー「わかりました。」


ギルド幹部「ユーリー、君の身の安全は保障する。念のため聞いておきたいのだが、何も聞かされていないのだな?」


ユーリー「私たちは警護をしろと言う依頼で、警護対象については詮索不可と言われています。ではよろしくお願いします。で、みんなにバレないように戻るけど。」


GM「バレ無いようにして? じゃ、隠密行動(笑)」


ユーリー「だって情報を流したって疑われたくないので。」


GM「金のシャチホコは危険感知ね。メアリーは寝ているからできないよ。」


シャチホコ「どうするの?」


GM「知識と知覚。」


ユーリー「それに野外系技能が1Lvあるから、サイコロの値に+1だね。」


GM「危険感知だったね。トモリは(コロコロ)」


ユーリー「なんだかめちゃくちゃ高い人がいるんですけど(苦笑)」


GM「(ユーリーに向かって)隠密達成値いくつ?」


ユーリー「2(苦笑)」


GM「2? それって私設自警隊の人も気が付いているよ(笑)」


ユーリー「本人だけは気づいていないだろうって(苦笑)」


GM「え~、トモリは確実に気づいている。あれ~、なんで寝ているはずのユーリーさんが? 


って思っているけどあえて見ないフリをするよ。


シャチホコは? 3? それなら気づいている。金のシャチホコはどうする?」


ユーリー「寝ているはずの人が、こっそりと帰ってきたんだけれど。」


シャチホコ「隠密の練習しているのかなと思っている。」


GM「じゃ、自警隊の人たちはユーリーの方に行くよ。『おい、こら』」


ユーリー「なんでしょう?」


GM「なんだその怪しい行動は?」


ユーリー「必要なものを買って帰ってきただけですが。じゃ見てみます?」


自警隊員「うむ、見せてみろ。」


ユーリー「怪しい人物が侵入してこないかを見張るために双眼鏡を買ってきました。


と言って双眼鏡を見せるよ(笑)」


メアリー「双眼鏡持っているの?」


ユーリー「もともと持っているよ(笑)」


自警隊員「うむ、まぁいいだろう。」


ユーリー「ただ中古で買ったので多少傷がついていますけど……。」


GM「じゃ、そんな感じでユーリーが返ってきます。」


ユーリー「いかにも警戒していますよみたいな(笑)」


GM「では、夜になります。いつも通り夜7時ころに牛1頭分の肉が倉庫に運ばれていきます。」


ユーリー「じゃ、自警隊員の目を盗んでみんなに言うよ。今夜ギルドの冒険者がガサ入に入るから、と。」


トモリ「え? どういう事でしょうか?」


ユーリー「言ったまでのことですけど。やましいことがあるならキスィメン4世が困るだけでしょ。」


トモリ「確かにそうですが……。」


ユーリー「ギルド幹部がこの屋敷に訪れたのは知っているでしょ? 


その時どんな会話がなされていたのか聞きに行ったまでです。」


トモリ「そうなんですか。」


ユーリー「一応仕事の一部ですから。それでギルドから仕入れてきた情報は今夜、ギルドの冒険者でガサ入れが行われるという事です。それをあなたたちにも報告をと思いまして。」


GM「トモリは何も言わず金のシャチホコとメアリーの方を見るよ。2人はどんな反応している?」


メアリー「……そうしたら、私たちの身が危ないのでは?」


ユーリー「いや、ギルドは私たちの身の安全は保障すると言っていました。


私たちが護衛している、あの依頼品については何も聞かされていないのですから、と。


それともあなたは、依頼品について何か聞かされていたのですか?」


シャチホコ「危ないものだとは思っていたが……。」


ユーリー「その程度のことなら大丈夫でしょう。


きっと。まぁ、キスィメン4世のせいと言っても過言ではありませんから、彼女が死んだのは……。


ぼそっと言います。あんな依頼を受けなければ、彼女は……と、心の中で思っています。」


トモリ「それは何時ころなのですか?」


ユーリー「深夜の1時と聞いています。」


メアリー「……深夜1時……。」


GM「じゃ、あと何かすることがなければ時間が過ぎていくよ。何かする?」


ユーリー「後は少しでも寝ていようとします。」


GM「他は? ない? じゃ、深夜です。」




















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