「と」 同級生マサヒロ 2014年1月
知らない女性から寒中はがきが来た
1行目を読んで
小学校の同級生のマーちゃんの姉ちゃんだとわかった
去年の夏マーちゃんが病気で亡くなったとの知らせ
勉強はよくできて女先生にはヒイキされていて
姉ちゃんやお母ちゃんにいつも甘えていた
優しくて男子にはよく泣かされていた
私たち女子もオトコオンナで気持ち悪いと
みんなで悪口を言っていた
マーちゃんが大学を卒業した昭和37年春
私の職場近くのご飯屋さんでバッタリ出会った
近くの広告代理店の新入社員だったマーちゃんは
優しいままの線の細さ
私は社会人7年目の古株女子事務員
昭和30年から50年代は
神武景気とかイザナギ景気とか言われて
男性は何もかも忘れて夜昼構わず仕事をする
そんなことが当たり前だった
それで日本は飛躍的に高度経済成長を遂げ
日本を世界に知らしめた
広告業界は成長が著しい業種だった
40歳頃の同窓会で再会したマーちゃんは
独身のまま会社を辞めて母の介護をしていた
同じ町に住んでいる女性同級生たちは
スーパーなどで見かけるマーちゃんが
自分たちの夫と違い
家事などが似合いすぎているので
哀れに見えて目をそらすという
けれど女先生は昔と変わらずマーちゃんに接していた
それからまた20年後の還暦同窓会
白髪頭のマーちゃんは
80歳を過ぎた女先生と並んで写真に収まった
私は
この頃
やっと
知識として性同一性障害を知った
マーちゃんは理解を示してくれた
女先生のところに行った




