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「イ」 一歩、いっぽ   2014年秋作

70歳になった私は

ふと見た新聞記事で大阪文学学校に入学して

途中で1年休学したが3年間エッセーの勉強をしている

クラスメイトが以前から若いと思っていたが

20歳も年下だとわかって凹んでしまった


53歳の頃

28歳の長女を頭に子供3人とも独身だった

90歳代の一人住まいの実母を時々尋ねて掃除をしたり

80歳代の姑も元気で私達の家に泊まりに来てくれて

一緒に近所のお風呂屋さんに行った

1980年代のバブル景気に踊らされて買った

少し大きめの自宅のローンと

古家を買ってスタジオとして改装した借入金の返済で

夫と共に必死で働いて

それはそれで充実した日々だった


その後長男が結婚して子供が生まれた

2,3ヶ月に一度は

東京で一人で働いている

長女のところに行く事もあった

60歳になった時現実逃避の様に

自分でも想像もしていなかった夜間高校に入学して

4年間元気に通学出来て卒業した


30歳代後半になっていた次男と

40歳代になってしまった長女も結婚出来て

それぞれが親になれた

夫が膵臓に癌が出来たけれど手術して5年を無事に経過

ゲートボールオヤジを満喫している


凹んでいる心にハッパをかけるつもりで

振り返ると私なりに歩んできたと納得できた

これから衰えが増すだろう未来にも

一歩一歩進んで行けそうだ



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