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闘病詩  作者: 速水貴帆
6/13

その五「比較」

「比較」


自分と他人を比べるものじゃない


そんな言葉

嫌ってくらい聞いてきた


だけど今は

病室にいて実感する


私より軽そうに見えたとしても

その人にとってはすごく大変なことなんだって


その人の環境、

気持ちの浮き沈み


そういうことで大きく変わる

手術時間の長さなんて関係ない


みんな大変なんだ

だから比較する必要なんてないんだ


ようやくそう思えたことにも感謝



「こころ」


病気になって

今までと違う体験をして

人の痛みもたくさん知ったはずのこころ


優しくなりたい

優しさで恩返しをしたいと思っているこころ


それなのに

人の目ばかりを気にして


あの娘はキレイと

あの白い肌を

さらさら流れる黒髪を


羨んで妬んで

わたしのこころは

前よりももっと醜くなった

優しい思いを

労る思いを

愛する思いを抱え込むため

わたしのこころは

まだひらがな

旅の途中のかけらなこころ



「リハビリ」


「よく毎日休まず続けてるね、すごいね」


そう言われることがある

でもそれは違う


プロのリハビリの先生ではないから

どれだけ先が大変か

私は知らなかったから


毎日の治療と

その日のリハビリをするので精一杯で

先のことなど考えられず

1日1日過ごすことしか

出来なかったから


強いわけでも

頑張っているわけでもなく1日を悔いなく過ごしたいから


ただそれだけ

全然すごくなんてない


だけど、それだけなのに

「ご本人のやる気と努力の結果」と言われた時、

抑え切れない感情が溢れ、涙をこらえた


ただただ

嬉しかった


ろうそくの炎のような

リハビリだった



「誰と何を」


比較しないように

ずっと自分に言い聞かせてきた

落ち込んで惨めになるだけだから


そしたら思った

自分と比べればいいと

他人とダメな所を比較するのではなく


前の自分

出来なかった所を比較すると世界が変わる

なんと明るくなるのだろう


今のわたしは

これだけ変わった


そう胸を張って生きていけるように

未来のわたしに言い聞かせよう


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