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闘病詩  作者: 速水貴帆
13/13

その十二「トンネルの先に」

「トンネルの先に」


絶望の暗闇の中にいる時は

どんな光や希望の言葉も

届かなかった


些細なきっかけで

自分の視点が変わった時

真っ暗闇のトンネルの中の

マッチのような灯火も

ろうそくの炎に見え

やがて大きなたいまつの灯りに

姿を変えた


変わるのだ

暗闇のトンネルの先が

自分自身の心によって

灯りを伴うようになる



「一年前」


一年前のちょうど今頃

私は病気の先にある

希望などが見えずにいた


続けてきたリハビリも

全てが虚しく感じて


けれど今、思う

一年前の私に今の生活を

見せてあげたいと


こんなにも変わる

こんなにも出来ることが増える


今の私が一年前を

思い出す時、たまには

自分を褒めてあげたいと

涙がこみあがる


それだけの変化が

この一年にあったから

ほんの少しだけでも

自分を認めてあげたい



「ナースステーション」


退院後病院に行く時

必ず寄る

ナースステーション

初めは人恋しいだけ

と思っていたけれど

そこで私は病気を

乗り越えられたから

様々な治療を我慢

出来たから


つまり私の中で

自信が芽生えた場所

だから毎回お邪魔して

自分に勇気を与える



「生きるために」


今これを書いているのは

生きるため


病気になって私は更に

卑屈になった

自分が生きていることを

残すため詩を書く


どんなことでもいい

憶えていてくれたら

何も出来ない私は

そうしてまた今日も

文字を綴る

生きていくために

「生きるために」を書いたのが退院から約一年たった頃。

これを区切りとして、一旦詩集「闘病詩」を綴じたいと思います。

今回載せなかった詩、これ以降に書いた詩もたくさんあるので、

また別の詩集として載せていきたいと思います。

よろしければまたお付き合いくださいませ。


ここまで読んで下さり、ありがとうございました。

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