表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
臆病少女は世界を暗躍す。  作者: 池中織奈


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

99/460

アルナス家の集い

 リア・アルナスは、ギルドマスターの養子である。血のつながった家族は生きているかもどうかも分からない。そんなリア・アルナスには、義理の父親、義理の姉、義理の妹が存在する。もしかしたらギルドマスターが新しい家族を作る(これは養子を作るという意味)可能性もあるから増える可能性もあるわけだが。

 さて、血がつながらない家族である彼らだが、全員が揃う事はあまりない。ギルドマスターは自分の名前を公表しておらず、実娘のルカに関しては知られているが、他二人は義理の娘であることが知られていない。

 そちらの方が面白いというギルドマスターの意向もある。加えてネアラに関しては養子になったばかりだというのもあって知られていないのは当然である。そしてリア・アルナスに関して全力で目立たないようにするために力を注いでいる。ばれてしまったら、どれだけ注目されてしまうのかと考えてしまうだけでリア・アルナスはうんざりしてしまうほどである。

 アルナス家の次女のリア・アルナスは個人行動を好む人間であり、そういう集まりも好まない。ギルドマスターとも、義姉とも、……同じところで暮らしているはずのネアラとさえも会わない人間である。

 さて、そんな感じであまり揃わないアルナス家の四人であるが、その日は珍しく揃っていた。

 「ネアラ、リアとの生活はどうだ?」

 「……ええっと、リア姉はあまり私の前に姿を現さないのですが、昔とは考えられない生活が出来ていて充実しています」

 ちなみに、ネアラはギルドマスターとも義姉のルカとも、時々しか会わず、ネアラの中ではまだ『家族』という枠組みに自分がアルナス家の一員であるという実感がそこまでない。祖国から出て、《姿無き英雄》の義妹になり、ギルドでランクを上げながら強くなろうとしている。そういう生活に徐々に慣れてきているものの、ギルドマスターが『父』であるとはいまだに実感がわきにくいものである。

 リアと一緒に暮らしているのもあり、ほとんどあっていないとはいえ、リアの事を『姉』という感覚を持ち始めている程度だ。

 「でしょうね……。リアは本当に、人とかかわる事が嫌いですものね」

 「というか、お前の話しているんだから話に入ってこいよ」

 「……」

 ルカとギルドマスターの言葉に対しても、リアは無表情のまま無言である。リアとしてみればこうして家族と集う事に対してもそこまで関心はない。リアの中で家族はそれなりに大切に思っているが、それでも四人で集えなくてさびしいなどという感情は特になく、会う時に会えればいいと思っている。

 「……リア、ネアラと一緒に住んでいるんだからもう少し仲良くしてあげてね」

 「ん」

 ルカに言われてとりあえず頷くリアである。本当にそうするかは不明である。

 「リア姉が……寧ろ私に構いだしたらびっくりします」

 「ああ……それはそうだろう。こいつが好き好んで人に構うわけがない。そもそも人前にも出ないからな」

 「リアだものね……。学園では普通に姿は現しているだろうけれども、卒業したら本当に姿を見なくなりそうだわ」

 「……いや、薬師とかやるから、姿は現す」

 上からネアラ、ギルドマスター、ルカ、リアの言葉である。三人の言葉からも、リアが周りにどう見られているか一目瞭然である。

 「……リア姉、ずっと隠すの?」

 「……当たり前」

 「……ずっとは、無理じゃない?」

 「出来るだけ」

 何度も何度も言われている言葉である。いつかばれるだろうから、もうばらしてしまえばいいのにとネアラは思ってしまう。

 (……まぁ姿が変わらないから、いつかは、本当ばれるかもだけど。でも、隠せる限りは隠しておきたい。ばれたら目立つし。怖いし。それにしてもネアラもなじんできている。皇女らしさちょっとなくなってきた。そういえばあのリルア皇国どうなっているか見にいっていない。今度見にいこう)

 リアはそんな事を考えながらネアラの事を見ている。

 まだ一年も経っていない。だというのに、ネアラはもう皇女としてではなく、ネアラ・アルナスとしてなじんできているとリアは思った。

 (それ考えると面白い。ギルドマスター、ギルドマスターの実娘、私、元皇女。よく考えると面白い組み合わせ)

 リア、ネアラをじーっと見ている。

 「リ、リア姉何?」

 「ん、なんでもない。それより、お義父さん、何で私ら、集めた?」

 リアはネアラの問いかけにきちんと答えず、ギルドマスターの方を向く。集まってそれなりに時間がたっているが、リアは何故集められたのかさっぱり分からなかった。

 「ああ。そうだ。家族旅行でも行くか? と思いついてな」

 「え、やだ」

 「よく考えたらそういうのいったことないからな」

 「嫌だよ! ギルドマスターとかかわりあるとかばれたくないし」

 「どうせそういうだろうとは分かっているから、別にユニークスキル使ってていいし、ネアラも俺の養子ってばれない方が面白いから別行動でいいから」

 「……それ、家族旅行?」

 リア、ギルドマスターからの提案に対して、呆れた顔で突込みをいれる。

 「まぁ、普通の家族旅行ではないけれど、だからこそ俺達らしいだろう」

 「……ユニークスキル使っていいならいく。その場合、皆別行動で、同じ場所に行く?」

 「そんな感じだな」

 それは家族旅行ではなく、ただ同じ場所で遭遇しただけだろうと思える提案である。

 ネアラも同じことを思っているのか、何とも言えない顔をしている。

 ルカは面白そうな表情で笑っている。

 リアは、無表情のままだ。

 さてそんな三人娘と、ギルドマスターはそれは家族旅行? と疑いたくなるようなものに行く事になるのであった。




 

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ