冬休みまで一か月切っている。
学園ではもう二学期は半分以上過ぎている。あと一か月で冬休みが突入する。その日、リア・アルナスは冬休みの予定を立てていた。
何処でかというと、ユニークスキルを行使したまま学園の屋上でだ。学園の屋上は立ち入り禁止エリアになっている。昔落下して死亡した学生がいたらしく、鍵が閉まっている。ただし、《空中歩行》のスキルもちのリアには鍵がかかってようと関係がない話で、普通にそこに存在している。また、何らかの鍵がなくてもここにこれる生徒はそれなりに屋上に来ていたりもする。そういう勝手に入ってきている生徒に関しては落下して死のうが責任は取らないというスタンスである。
(冬休みかぁ。夏休みと違って短いしどうしようかな。ルーンのもとには行くとして、お義父さんとかに仕事入れられそうだしなぁ。レベルもっと上げるための仕事ならいいけど……。エルフの女王様のもとにまた行かされるのはちょっとやだな。あまり強い人に会うと殺されたらどうしようとドキドキするし)
リア、屋上のフェンスの上に立っている。落ちたら危ないが、そこはリアなので落ちても《空中歩行》などで対処が可能である。
ちなみに今は昼休みである。リアは、そこでお弁当を食べた後である。最近エマリス・カルトに絡まれるのもあって、リアは色々な場所に逃げているのだ。
一緒にご飯を食べないかと聞かれる事もあるのだが、リアからしてみれば絶対に阻止したいことである。そもそも極度のコミュ障で、あまり人とつるみたくないリアが人と一緒に食事をとるのを好むはずがない。
(一緒に食事とか、義妹とネアラとか幼馴染のソラトとも全然しないぐらいなのに)
リアはそうも思う。
リアは、前世の頃から人と食事をすることを滅多にしない人間だった。コミュ障の人間が人と食事をするというのはつらい事である。
(はぁ、私が一人でかわいそうとか思っているのかもしれないけれど、一人でいる事を好む人間もいるのだってもっと考えて欲しいよね。まぁでもルーンと一緒に食事とかなら苦痛とかないかもだけどさ、エマリス・カルトとか絶対私に無駄に話しかけてくるよね、想像だけど)
喋るという行為もそもそもあまり好きではないリアである。一々、一緒にご飯を食べないかと聞かれるだけでもうんざりする。
ちなみにリアが冬休みに対して、思いを馳せていたのはある意味エマリス・カルトのせいである。
(散々断っているのに冬休みに遊びにいかないか誘われるとかなぁ)
そう、リアは誘われたのだ。冬休みに出かけないかと。リアにとってみれば拷問のような事である。
ついこの前あったギルド会議でも、それなりの付き合いのある《風音姫》と《竜雷》と食事をすることも拒否しているようなリアである。エマリス・カルトと出かけるはずがない。
(しかもあれ、ティアルク・ルミアネスとかも一緒だろう。絶対やだ。死んでもやだ。私は冬休みは依頼をこなして、ルーンと遊ぶんだもん。年末はお義父さんたちに呼ばれるかもだけど、てか、そういえばルカ姉の恋も少しずつ進展しているみたいだし、冬休み観察したいな)
リア、人を観察するのはすきなので冬休みも義姉のルカの事を観察する気満々である。
(ルーンにも、卒業するまでには勝てるようになりたいな。ルーンに勝てるようになることが目標として、まだ無理だから、力をつけなきゃ)
リアはルーンに会いに行くたびに殺し合いという名の遊びをしているが、全然勝てないのである。
学園に入学して、前よりも鍛錬する時間は減っているが、レベルも順調にあげてきている。学園に在学中に、ルーンに勝てるようになりたいとリアは考えている。
(そうだ、将来の事を思うのなら《調合》ももっと出来るようにならなきゃ。卒業したら調合師か、司書かになりたいし。でも人前に出ないというのなら調合の方がいいかな。そうなるといい成績を収めて、調合師の弟子になれるようにしたいな)
リア、将来の事を考えながらもっと《調合》を鍛えることも考える。
(今の所、《調合》の成績だけはよく見せる事は成功しているはず。なら、このままの継続していって、《調合》は上手く上達している風に見せるとして……うーん、あとはやること冬休みにあるかな?)
リア、のんびりと思考をする。
(獣王とエマリス・カルトの関係も気になるけど、下手に探りいれるとばれるかな? となると、探り入れないほうがいいか。でもティアルク・ルミアネスとその周辺については調べておかないと後々対処しにくい可能性あるしなぁ。お義父さんに聞くのも一つの手だけど、あまり借りを作りたくはないし……)
リア、正直これから何が起こるかわからないので色々情報を集めておきたいと思っているが下手に動くとばれそうで嫌なので悩んでいる。
(うーん、とりあえず獣王に探りを入れるのはしないでいいか。冬休みにはあと……ラウルを見に行くのはするとして、ネアラを鍛えるのも少しはしたいなぁ……)
リアはそんなことを考えた後、時計を見て、もうすぐ昼休みが終わると思い、教室に戻るのであった。




