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臆病少女は世界を暗躍す。  作者: 池中織奈


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課外実習1

 さて、そんなわけで課外実習である。

 三日間、カザエイラの森で実習が行われる。このカザエイラの森、リアがいつもレベル上げのために遊んでいる場所である。リアにとって、自分の庭ともいえるようなそんな場所であり、正直準備もなにも必要ない。

 が、《アイテムボックス》持ちだと知られたくないリアは、リュックを背負っている。

 (……面倒。せめて何か面白い事起きないかな)

 ここで魔物を狩るなんて事はリアがいつもやっていることである。ギルドマスターに見つかる以前から魔物狩りをして野宿とかも余裕でしていたリアなので、正直三日間自力で生き延びるという実習は楽勝である。

 まぁ、目立つのが大嫌いなのもあり、そんな素振りを見せる気は一切ないが。

 森の中をジューヤ・ノリスを含む先輩たちは、どんどん進んでいく。リアはあえて一番後ろを必死についてきている風を装っている。

 こういう時でも《空中歩行》のスキルを行使して、スキルを使用し続けているリアは考えなしにどんどん進んでいく前を歩く先輩たちを見ながら思考する。

 (あれだけどんどん進んでいくってことはよっぽど自信はあるんだろうけれど、警戒心が足りないかな。今まで課外実習でここに何度も来た事があるからこその余裕だろうけれど何が起こるかわからないこの世界で余裕ってある意味凄い)

 リア、そんな風に考えてる。

 そうしながらあたりを警戒する。

 (今の所そこまで魔物はいないか。課外実習が霊榠山だったら私は凄く楽しかったんだけどな。でもそれだけ生きていける人も少ないし、仕方ないか)

 リア、そんなことを考えながらついていく。

 「リア・アルナス!! 遅い!!」

 ジューヤ・ノリスが振り向いてリアに向かって声を上げる。彼女としては最高成績でこれをクリアしたいのである。そんな中で後ろをゆっくりと歩くリアは邪魔である。

 「そんなに軟弱でこの学園の生徒とは……っ」

 「……」

 リア、特に反応を示しもしない。顔色も変えない。正直先輩に何を言われても特にどうでもいいリアである。

 こういうプライドの高い生徒がリアの通う学園には少なからずいる。学園に入学するだけでも凄い事であるというのが一般常識であり、ジューヤ・ノリスのように自分たちは選ばれたものみたいな考え方を持つものも多いのである。

 リアとしてみればそんな考えは欠片もないので、面倒な考えの人だなとしか思っていない。

 (面倒な人。強くもない癖にいきがっててうざい。でも手は出してこないからまだいいか。痛くはないけど暴力は面倒)

 リアがきつく言われているのを見てエマリス・カルトは心配そうにリアを見ているが、それも特にリアは興味がない。

 「何も言わないなんて、不気味な奴」

 「……はぁ、なんでこんなのと一緒の班なんだ」

 「最悪だ」

 などとジューヤ・ノリス以外の三人もほざいているが、やっぱりリアは無反応である。

 「……ア、アルナス大丈夫か」

 エマリス・カルトの心配の声にも頷く以外の反応を示さない。

 (戦い甲斐のある魔物とか襲撃してきたら面白いのだけど、来ないかな?)

 物騒な事を考えながら、黙々とただ最後尾をついてくる。

 エマリス・カルトに関しては、

 (心配そうに私の方振り向かなくていいから、前だけ向いててくれないかな)

 と特にそういう感情しかない。

 

 初日の野営場所をジューヤ・ノリスが決めた。



 食事を調達にいくことが決められる。

 リアと組みたいものなどエマリス以外いないので二人で食材調達をする。

 色々なものに経験から詳しいリアは、歩きながらキノコとかを集めていく。

 「ま、まて、アルナス。それは毒キノコじゃないか?」

 一見毒キノコと似た外見だが、実はおいしいキノコなので、毒キノコではない。ただエマリス・カルトが間違っているだけである。しかしリアは教えるのが面倒であった。

 首を振る。

 「それ、《アガダケ》だよな、でも」

 首を振る。

 「違う? じゃあなんだ」

 リア、面倒そうに口を開く。

 「《アンダダケ》」

 「え、それは……食べられるのか」

 こくりと頷く。

 相変わらずコミュニケーションをとる気がリアは全くない。

 それから色々なものを集めて野営地に戻ったら、《アンダダケ》を《アガダケ》と勘違いして先輩たちも叫んだりした。それの説明はエマリス・カルトがしてくれたものの、リアはこの班面倒だななどと考えて仕方がなかった。

 さて夜になった。

 リアとエマリスは魔物を狩らなかったが、先輩たちが狩っているので班としての評価はそこまで悪くはならないだろうし、リアは班の中で魔物狩りに参加する気はない。

 ただ、自分のレベル上げのために動くことはする。

 皆が寝静まった中でテントの外に出て、川へ向かう。顔を洗う。一応起きた事がばれて騒がれても厄介なのであたりを警戒する。

 寝静まっているので、ちょっとだけでも魔物を狩ろうと《アイテムボックス》の中からいつものローブと仮面を取り出し、ユニークスキルを発動させる。

 そして十分ほどでいくつもの魔物の命を奪い、それは全て《アイテムボックス》に放り込む。

 返り血一つもついていない。そんなへまをリアはしない。

 服の上から水を浴びてそれが乾かす。

 それが終わればテントに戻る。しかし横になってもリアは眠らない。

 いつも寝るときはユニークスキルと結界を行使して眠るリアである。こんなところで無防備に寝れるわけもなく、リアの中で課外実習中は三日間の徹夜が決定しているのであった。




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