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臆病少女は世界を暗躍す。  作者: 池中織奈


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ソラトとネアラとリア

 「リアちゃんが連れて帰った男って誰だよ。あー、もう苛々する」

 その日、ソラト・マネリはリアの家の中で憤慨していた。話を聞いているのは、ネアラである。

 ネアラは基本的にソラトに面倒を見てもらったり、同年代の子供と遊んだりしながら日々を過ごしている。ギルド登録しているものの、自分から冒険に出たりは今の所していない。

 ただ、最近仲良くなった友人の何人かがギルド登録したらしく、一緒に依頼をこなさないか誘われている。リアにその許可をもらってから冒険に行こうと思っており、リアが次いつ姿を現すかなと待っている状態である。

 そんな中、いつものようにリアの家の中へとやってきたソラトは、憤慨していた。

 「何かあったの、ソラ兄」

 「リアちゃんが! あのリアちゃんが! 男を連れて帰ったらしいんだよ!! あのリアちゃんがだよ!? しかもギルマスの知り合いでもないって、そんな初対面の存在をリアちゃんが連れて帰るなんてありえない!! まさか、リアちゃんが一目ぼれしたとか。うわあああ。そんなの、俺は嫌だぁあああ」

 ソラト、乱心している。

 「……えーっと、事情はわからないけれど、正直リア姉が恋ってありえないと思う」

 そういいながらネアラはリアの事を考える。

 基本的に無表情で、強くなることに貪欲で、寧ろそれ以外考えていない義姉。強くなること、自分を鍛えること、それを趣味にしていて、敵に一切の容赦がない。誰よりも臆病であるが故に、誰よりも強くなろうとする。

 ―――そんな、義姉が恋をする。

 考えてみようとしても、想像さえもできない事である。寧ろ意味がわからない。あのリアが誰かの前で恋する乙女であることが理解できない。

 そもそも恋愛感情なんてリアは持ったことないのではないかと思う。

 「それもそうだけど、リアちゃんが連れ帰るなんてっ」

 「うーん、どうなんだろう?」

 「リアちゃんに聞きたいのに、リアちゃんがいない!! しかもギルマスが、その男の事褒めてたらしいし。あー、リアちゃぁあああん」

 「ソラ兄、煩い」

 ネアラは面倒そうに耳をふさぐ。ソラトは短い付き合いのネアラの目から見ても、リアの事が大好きでたまらない。第一、ソラトが力をつけた理由がリアにおいていかれたくないというのだ。

 リアの理由は殺されたくないであるし、二人とも一般的に考えて色々おかしいのである。

 強くなりたい、その理由は人それぞれだろう。ただその思いが折れないほど太ければ太いほど、あきらめずに人は強くなろうとするものであろう。この世界は努力をして、死ななければレベルは上がる。尤も寿命には人は勝てないが。

 「でも、リア姉が連れて帰った人って気になるなぁ」

 「だろ! あぁああ、もうやだ。リアちゃんが男と親しいとか、絶対やだああああ」

 「……はぁ、ソラ兄、そんな騒いでたらリア姉が帰ってきた時に怒られるよ?」

 リアは気づけば家に帰ってきているという、そういう存在なのだ。もしかしたらこういう会話をしているうちに横にいたりするかもしれない。

 「リアちゃん、かえってきているからって話に確実にまざってくるわけでもないし、今もいるけど会話に混ざるの面倒なだけかもだろうが」

 「あー……」

 ソラトのリアの事を理解している風な発言に何とも言えない気持ちになるネアラである。

 リアのユニークスキルは何処までも特殊である。そして本人が強ければ強いほど、周りに悟られる事はまずない。リアのユニークスキルの存在を知らずにユニークスキルを行使しているリアの存在に気付ける人はそうはいないだろう。

 そしてどんな些細な会話だろうが、リアには聞かれている恐れがある。目立つのが嫌だと告げているリアは基本的にいつでもユニークスキルを行使して、人の話を聞いたり、様々な出来事を見たりして遊んでいる。

 リアもソラトもできうる限り、使える限りスキルを使い続けているという。

 魔力がなくなればぶっ倒れるが、それはそれなのだという。まぁ、リアはスキルを行使していてもぶっ倒れないほどには魔力量はあるが。

 休むことなく、強さを求め、行動する。

 言葉にすれば簡単だけど、実際にやってみると難しい事をひたすらに続けてきたからこその強さが、《姿無き英雄》、リア・アルナスの強さなのだ。

 ネアラもなるべくスキルを使うようにしているが、中々リアのようには出来ない。

 「リアちゃーん、聞いてたら、あの男誰か教えてー」

 「………昔の友人」

 「おっ、本当にいた!!」

 ソラトの言葉にこたえる声があった。実際にリアはユニークスキルを行使して、そこにいたらしい。

 面倒そうに答えるリアを見て、ソラトは嬉しそうだ。

 「昔のっていつのー? ギルマスも知らないんだろ?」

 「ん、お義父さんに会うよりずっと前」

 「大分前なのに、よくそいつだってわかったね」

 「ん、すぐわかる」

 「いつあったの?」

 「………秘密」

 リアは少し考えてそう告げた。リアとソラトは幼馴染で、ソラトはリアの事に詳しいが、流石に転生者であることは知らない。ここがVRMMOの世界だといったところで、ソラトは信じるだろうが、それが何か説明するのが面倒だとリアは思った。

 リアの解答になんで教えてくれないのと少しソラトは不機嫌になる。が、そんなソラトを放置してリアはまた消えて行った。

 リアが消えて行ったあと、「絶対、リアちゃんにとってなんなのか探ってやる」とソラトは気合いを入れるのであった。



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