表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
臆病少女は世界を暗躍す。  作者: 池中織奈


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

422/460

リアは検証をしながら、魔物を倒していく ⑧

 その山の空洞から去ったリアは、先ほどの一件について木の枝の上に立ったまま思考する。

(あれ、なんで気づけたんだろう? 私のユニークスキルをああいう風に気づかせるのは中々出来ないと思うんだけどな。地球でいうセンサー的なもの? そんな仕組みがこの世界にあるの?)

 この世界で十数年生きてきて、そういう仕組みは見たことがなかった。だからリアはこの世界にそんな仕組みがあることを不思議に思ってしまう。

 ユニークスキルを行使して、彼女は色んな場所に侵入している。しかしそのどれよりもあの人型の魔物たちの拠点に入ろうとしたらその場にいることを認識されてしまった。

 リアはそれが不思議だった。

 それでいてその入り口にどういった力が使われているのかさっぱり分からなかった。

(色々検証してみるのもあり? 入口の場所は分かったから、まずはあの魔物たちがどれだけの数がいるかを調べつつ、狩っていくか)

 完全に撤退する気はリアにはなかった。そもそもこのまま彼らを放っておけばこの周辺で魔力の渦を発生させたり、魔物を強化したりといった困ったことを起こすことは想像がついたから。

 どういう目的で、何のためにそんな行動を起こしているのかリアには分からない。彼らはただ渦に関して検証をしているのか、それとも恐ろしい魔物を生み出して人種を滅ぼそうと思っているのか。そうしなければ生きていけない習性でもあるのか。

 彼女がその拠点の入り口に戻れば、声をあげながら周りを警戒している魔物の姿が映った。

 当然、《何人もその存在を知り得ない》というユニークスキルを使用している彼女に気づくことはない。

(やっぱり単体だと気づく気配がない。となると、やはり入り口に何かしてある?)

 彼らにとってもこんな場所まで追跡されたことはなかったのだろう。知能のある魔物である彼らは、今まで自分たちの思い通りになるのが当たり前だったのかもしれない。

 だからこそ、その魔物たちは焦りを見せている。

 姿の見えない侵入者。それが自分たちの脅威になるかもしれないと、そう正しく理解している。それを排除しなければいけないと思っている彼らは、一生懸命、彼女の姿を探している。

(私を排除するために拠点から沢山魔物が出てきている。結構な数。知能ある魔物がこれだけまとまって存在しているって中々厄介だよね。んー、やっぱり全部潰した方が良いかな? それで世界にどういう影響があるかは分からないけれど、繁殖期で暗躍する魔物って正直言って邪魔だしなぁ)

 彼らにとっての不幸は、彼女に見つかってしまったことだろう。

 彼らがどれだけこの世界で生きているか、リアは知らない。しかし渦を発生させたときの手際を見るに、過去のこの時期にも誰にも知られることなく暗躍していたのではないかというのは想像が出来る。彼らは今のように狩られる側の恐怖というのを味わったことがなかったのかもしれない。

(襲われることに慣れていないのは、それだけ自分たちより強者の存在に関わることなく生きてきたからかな。知能があるならまずルーンとかみたいな存在には手を出そうとはしないだろうし。うん、そうやって賢く生きてきたからこそ、私を認識できるような何かも整えられているってことかな? ひとまず……)

 リアは地面に落ちていた石を手に取って、思いっきり投げる。石の音を聞いて彼らはそちらに何かがいると、慌てて武器を手に音のした方へと向かう。

 その一瞬があれば、もう彼らの運命は決まったようなものだ。

 リアに背を向けていた二匹ほどの首が切られる。

 血液が飛ぶ。その魔物の血は、緑色だった。さて、いきなり仲間が二匹死んだ事実に、周りにいた魔物はざわめきだす。

 どこにいるか分からないからこそ、虚空に向かって武器を振るうものもいる。やはりその場に居る魔物たちは、リアの存在に気づけないようだ。長生きしているのならば彼女の存在に気づけるだけのレベルに達している者もいてもおかしくないが――、気配察知能力が彼らの種族は優れていないのかもしれない。

(先ほど入り口で自分の存在を認識されたことは焦ったけれど、入り口まで入り込まなければ私のユニークスキルを解くことは出来なさそう。それにしても全部の個体がこれぐらいの強さかな? それとも、特別な個体とかもいたりする? 拠点の奥にどれだけの数がいるかにもよるけれど……、この空洞の先にはどんな空間が広がっているんだろう?)

 少しずつ数を減らしていく。

 派手には動かず、彼らが油断したところを狩る。

 そうすれば少しずつ拠点から魔物が出てくる。今の所は同じ程度の強さを持つ個体ばかりだ。彼らは少しずつ仲間が消えていくことに恐ろしいのか声をあげている。その中で今の所、人語を話す個体はいない。話せないのか、それとも魔物たちしかいないから話さないのか。それに関してはリアには分からない。

 さて、そうやって狩りを繰り返していると別個体がようやく拠点から出てきた。




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ