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臆病少女は世界を暗躍す。  作者: 池中織奈


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繁殖期の本格化と学園について ④

 ギルドマスターの前にうじゃうじゃと列をなす魔物達の姿が映る。

 ――魔物の繁殖期の本格化という今の時期においては珍しくもない光景である。しかし魔物と戦ったこともない一般人たちからしてみれば地獄のような光景ともいえる。

 ギルドマスターにとっては、想像が出来た光景であり、彼は顔色一つ変えない。

 それだけの魔物が学園の周りに出現していること。それは一つの街を壊滅させてもおかしくない。

 ギルドマスターの存在に気付いた魔物達は、襲い掛かっていく。

 ――その魔物達に囲まれても彼は普段と変わらない様子で、魔法を行使した。

 闇がその場を支配する。

 真っ黒な魔力が、魔物たちへと襲い掛かる。

 鳴き声をあげるその魔物たちは、混乱した様子を見せる。闇が魔物を飲み込み、そのまま彼らは消失していく。

 それがたった一人の人間の手によって行われていること。

 その事実は周りにある意味、恐怖を与えるものと言えるだろう。自分たちのことを救ってくれる存在だったとしても、それだけの力を持つというだけで怯えられることはよくある話だ。

 特に今、ギルドマスターの使っている闇の魔法は不気味である。

 ギルドマスターは周りからの評判も、視線も何も気にしない。とはいえ、ギルドマスターという立場だからこそあまり評判は下げない方がいいだろうが。もし仮に周りから「ギルドマスターに相応しくない」などと言う声が高まれば、ギルドマスターはその地位を簡単に辞するだろう。あくまで面白そうだからという理由だけでその地位にとどまっているだけであって、《超越者》であるギルドマスターはどうにでも生きていけるのだから。

 その場に出現する魔物たちを、全て倒しつくしていく。

 それが終われば、ギルドマスターはそのまま学園へと戻った。倒した魔物の中で食材に出来そうなものはきちんと保管している。これらはこれから学園へと避難してくる面々への食事として振る舞う必要があるのだ。

「ギルドマスター、お帰りなさいませ。状況はいかがでしたか?」

「ひとまず出現していた魔物達は全員間引いた。とはいえ、今の状況だとまた湧いて出てくるだろう。これからその数が増えることも考えると念のため、戦闘要員はこの場に集めておいた方がいい」

 ギルドマスターだけが生き残るのであれば、簡単な話である。

 彼はそれだけ強く、万が一のことがなければ死ぬことなどありえない。しかし幾ら圧倒的な強さを持ち合わせていたとしても出来ることと出来ないことは限られている。念のためギルドの要員を集めていた方がいいと判断したのはこれから先、想像が出来ないほどの数の魔物が出現するだろうということが想像出来たからである。

 まだ繁殖期の本格化は始まったばかりであり、これからどのような予想外のことが起こるかは分からない。

 防衛拠点である学園には、一度も魔物と戦ったことがないような一般人たちの多くが避難してくる。彼らが驚くほどに簡単に命を落としてしまうことをギルドマスターは知っている。

「かしこまりました。招集をかけておきます。また他大陸の方でも危機に陥っている箇所があると連絡がきております」

 ギルドの職員たちはある程度戦えるとはいえ、《超越者》たちと比べれば微々たる力しか持たない。今の時期、《超越者》でないと立ち向かえない魔物というものが出現する可能性が高い。そういう魔物が一度現れればそれこそ国単位で滅ぶ可能性だってありえる。

 魔物の繁殖期の本格化した時期は、そういうことも珍しくない。だからこそその場は緊迫した雰囲気が醸し出されている。

 この時期で活躍し、生き残った者はまた英雄として名を馳せることになるだろう。

 ギルドマスターはリアやソラトがこの時期を経て、生き残るだろうということを確信している。この程度のことで死ぬほどか弱くはないと知っている。

 《姿無き英雄》と《炎剣》の知名度はこれからも上がり続けるだろう。

(あいつらのレベルも、繁殖期を終えた後にまた上がっているだろう。俺もまだレベルを越されないように、他が相手に出来ない連中を倒してあげておくか)

 いずれリア・アルナスは自分のレベルを超えていくだろうとギルドマスターは思っている。とはいえ、それはまだ先でありたいとそう考えている。

 この繁殖期でリアもソラトもまたレベルをあげるだろう。特にリアは見たことがない魔物を見つけたら飛び込んでいくことだろう。

 それでも父親としてまだ越されるわけにはいかないと思っているのだ。

 だからこそギルドマスターと言う立場ではあるが、今の時期に表立って魔物を倒していくつもりである。

 ギルドマスターもリアと言う少女を娘にしたことで、それ以前よりもずっとレベルを上げることに意欲的になっているのだ。

(これが終わったら、リアのレベルがどれだけ上がったか確認しておかねぇとな)

 そしてギルドマスターは、そんなことを考えて先のことが楽しみで仕方がないのであった。



 防衛拠点である学園に次々と避難者はそれから増えていく。そしてその避難者たちに一人としてギルドマスターは被害を出さないという結果を出すことになるのだった。




 

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