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臆病少女は世界を暗躍す。  作者: 池中織奈


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はじめての天空島 2

 さて、リアはユニークスキルを使いながら集落をぶらぶらしていたわけだが、天空島の中で一番大きな島だけではなく、他の小さな島にも行くことにした。

 あと観光客があまりやってこない魔物がいるエリアにもである。

 この天空島、宙に浮いている不思議な島だというのもあり、そこに生息している魔物も地上とは異なるらしい。リアは一応、その魔物達についても調べてきている。当然のことだが、空を飛ぶ魔物が多い。それでいて天空人と同じく、此処で生きていけるように適応している生物たちである。

 それらを見るだけでもリアにとっては、楽しかった。

(見た事がない魔物を沢山見ることが出来てちょっと楽しい、でも流石に息苦しさはある。やっぱり私は地上で生きてきたから、この天空島には適応していない。もっと倒れるぐらいまで此処で過ごし続ければ死にかけながらも適応するかもだけど、それだけの時間なんてない。――ならばどうするか)

 リアは観光地である場所から離れれば、息苦しさを感じていた。

 そもそも標高の高い山に登るだけでも、慣れていない人は体調不良に陥る。この場所はその場所よりもずっと上――天空にうかんだ島だ。地上しか知らないものが体調を崩すのも当たり前のことである。

 リアは魔力を体に纏わせる。そして、この場所で過ごしていけるようにリアは適応させる。

 そしてリアは魔力を纏わせることでなんとなくここで過ごせて行けるようになったことにリアはほくほくとした顔になった。

(魔力消費は激しいけれど、こうして魔力を帯びることでなんとか出来るならいいか。動きにくいと言えば動きにくいけれど、動けるようになったからまだ良い。これだけ動きにくい状況できちんと動けるようになるのならば、どうにでも出来る)

 リアは動きにくさはある。だけれども――少しでも動けるのならば、何も問題がない。リア・アルナスにとって少しの枷にはならない。

 寧ろどんな状況だろうと、生き延びようと動くのがリアである。例えば魔法が使えなかったとしても、動きが鈍かったとしても――その時はその時である。一度死んだ身だからこそ、リアはいきることを諦めることはない。

(ちょっと動きは鈍いけど、肩慣らししようか)

 リアはそう考えて《空中歩行》スキルを使いながらゆっくりと歩いていく。

 そこで見かけた魔物は、風船のような見た目に翼を持つ魔物である。リアは試しに魔法でその魔物を攻撃してみた。そうすると、その魔物は爆発した。

(んー、刺激を与えると爆発して敵もろとも道連れにしようとする感じなのかな? それはそれで少し厄介かも? でもまぁ、遠くから遠距離攻撃出来ればどうにでもなるけれど。というか、これそのまま魔物の破片落ちて行ってるけど、地上まで落ちるのかな。それともその前に喪失するのか。この天空島周辺で何か落ちてきたら天空島から落ちてきたものって可能性もあるのか)

 リアはそんなことを考えながら、空から落ちてきたものが魔物の欠片だったりするのはちょっと嫌だなと思った。

(魔物の強さは……そこまで酷いものじゃない。まぁ、そもそもここの魔物がそれだけ強ければ、天空人たちが此処で生活出来るはずもないか。天空人たちのレベルもそんなに高くはなかったし。でもまぁ、地上の一般の人たちよりは少し高めではあったけど。《超越者》レベルは私が見かけた中ではいなかった。天空人も寿命が人より長いからっていうのもあるだろうけど。私が知っている限り天空人の《超越者》はいない。でも世の中には表に出てないだけど、そうである人はいるのかもしれない)

 リアはそんなことを考えながら天空島の魔物を狩っていく。――姿が見えない相手から、一瞬にして命を奪われる魔物たちは自分がどうやって死んだかも理解しないままに亡くなったことだろう。魔物を狩りながら、上空を見上げる。

(ルーンが言っていたこの人々が天空島と呼んでいる場所よりもずっとずっと上に続いている島々……そこにいけばもしかしたら《超越者》もいるかもしれない。この天空島に住んでいる人たちは行く術も持たず、此処より上があるとは思ってないかもしれない。けれどルーンが言うことは真実だろう。私が見上げた限りじゃ、何処に島があるか分からない。雲に隠れているのか。それとも近づかなければ見えない何かが作用しているのか……。どちらにせよ、この人が住んでいる天空島は今の所、そこまで脅威はないか。……まぁ、全部見たわけじゃないからそのあたりは断言はできないけど。ちょっと一日普通の天空島を見て回ったら登ってみるか)

 ――リアはそんなことを考えながら仮面の下で笑った。

 今日はあくまで肩慣らし。明日からが、ルーンの言っていたもっと上の天空島の探索の始まりである。




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