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臆病少女は世界を暗躍す。  作者: 池中織奈


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冬休みの予定を立てる

 リア・アルナスはその日、学園の図書館に来ていた。

 というのももうすぐやってくる冬休みの日程をたてようと考えたからである。

(二度目の冬休み。何をするかちゃんと決めないと)

 図書館にはそれなりに生徒たちがいるので、リアは注目を浴びないようにひっそりと端の方にいた。

 リアが持っている本は天空島についてや、魔物の繁殖期について、そして精霊についての本である。リアが今、興味を持っているそれらの項目の本も、この図書館にはあった。

 この前読んだのとは別の天空島についての本も手にしている。中には絵本のようなものもあった。それは天空島の伝承に関するものらしい。

(絵本って不思議なものだよね。でも不思議なものだったとしても、絵本の元になった物語があるんじゃないかな)

 リアはそんなことを思いながら、その絵本を読む。その絵本に描かれているのは、天空島の成り立ちについてである。――ある時、地上に存在していた島が、天空に上った。それは何故なのかというのは解明されていないことである。

(……天空島が空に浮いた原因は魔力の影響かな? なんだかファンタジーの世界だからこそ色んな理由が考えられるだろうけれど、どういうことだろう?)

 リアはその天空島の絵本が気に入ったので、もし本屋で見かけたら購入してみようなどと考えた。

 天空島のことを調べながらリアは、天空島に興味津々で仕方がない。

(でも天空島に関して分かることは少ない。この学園でも分からないことがある。なので、是非とも行ってみようとリアは思考している。

(天空島のずっと上まで行かないと。そしたらもっときっと楽しい)

 リアは天空島のことを調べてもまだまだ満足が出来ないので現地に行くことは決めた。

(……精霊についてはやっぱりほぼないか。精霊に好かれている人は強大な力を持つ、自然あふれる地に強い精霊が居るっては言われているけど。ヤシェさんみたいなのがいるってことだよね? でもヤシェさんのような強い精霊が大量にいることは考えられないけれど、それでも私は精霊が怖い。高位の精霊は難しくても少なくとも低位の精霊の存在が分かるようになれないと)

 リアはそう思うものの、精霊の伝承は沢山あっても精霊自体と戦うことを想定した書物というのはほぼない。――そもそも精霊というのは、人が戦うものではないのだ。人が戦うことを想定していない。

 リアはそれが嫌だと思う。

 他の誰が、精霊のことを敵対するものではない――といったとしてもリアは精霊を倒すための手段が欲しかった。それを求めて書物を読みあさる。

(でもないか。そもそも精霊はどういう存在なのか。魔力の塊? 何で見える人と見えない人の差があるのか。見える人と見えない私の差は? この世界だとゲームの世界だしスキルの差があるかもしれないけれど、生まれつきの人は何でだろう? 精霊への検証に関してはヤシェさんが手伝ってくれるかもしれない。でも人側の検証は……女王様に頼む? ああ、でも自由に検証するならもっと近場に検証できる存在が欲しいな。そのためにどうしたらいいんだろうか)

 リアはひたすら考えている。

 ――どのように精霊に関する検証をしたらよいだろうか。ただそれだけを。

 精霊と戦おう、精霊に勝とうなどという無謀なことをリアが考えているなんてその図書館にいる生徒も職員たちも誰一人考えていないことだろう。それは人々にとっては異端な、特殊な思考であると言えるだろう。

(……なんか捕まえる? もちろん不当に集めるのは嫌だけど。でも必要とはいえ、ややこしいやりとりは面倒くさいから、奴隷とかにすべき? んー。悩む。そのあたりは考えておかないとね)

 リアは精霊への対応方法を学ぶために、何か検証が出来る人を手に入れようなどと決意していた。書物だけでは、一度戦っただけでは、精霊への対抗手段を手に入れることは出来ない。――ならば手に入れるために、行動をするべきである。

(よし、ひとまず精霊関係はそういう方向で。あとはヤシェさんの所で戦いにも行く。で、魔物の繁殖期は、んー、魔物であるルーンから聞いたのと一緒か、でも魔物側での認識まではこっちでは分かってなさそう? まぁ、繁殖期に抗えるのはルーンぐらい強い魔物だけみたいだし。それにしても繁殖期になると、人は絶望に陥る……ねぇ。まぁ、一般の人たちはレベルが低いからか。私にとって狩り放題のパラダイスだし、幾らでも魔物湧くとか、レベル上げれそうで幸せなんだけど……まぁ、仕方ないか。ハーレム主人公も繁殖期の時は色々起こしそうだしなー。私を目立たせずに、ハーレム主人公とイルバネスを目立たせる。あとネアラとかも。それにしても竜種も出やすくなるのかー。それはそれでよい経験になりそう。死なないように頑張らなきゃな)

 リアは繁殖期のことを調べても、結局そういう思考に陥るのであった。




これで六十万字突破です。

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