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臆病少女は世界を暗躍す。  作者: 池中織奈


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ルーンから色んな話を聞く。

 さて、エルフの女王様の頼み事を終えたリアは次の週末にルーンの元へと向かっていた。

 霊榠山を登り、いつも通りルーンとの殺し合い(遊び)を挑んだ。――いつも通り、リアはルーンに勝利することが出来なかった。ルーンに出会ってから、リアはいつもルーンに挑んでいる。だけれども、まだまだルーンに勝利するに至るほどの強さをリアは手にしていない。

「ねぇ、ルーン。この前の《ブラックドラゴン》の子供が乱入してきたんだけど、何処からやってきたんだろう?」

「そうなのか。何処からか……俺達ドラゴンは好きなところで生きて、好きなところで過ごしているからな。何処かは正確には分からないが……。ただ西の山に《ブラックドラゴン》が何体か住んでいると聞いていたからそこからかもな」

「ふーん。そうなんだ?」

 リアは《ブラックドラゴン》が何処に住んでいるかの情報を聞いて是非ともそこに遊びに行こうかなとおもった。ただ《ブラックドラゴン》の成体はもしかしたらルーンと同等なぐらい強い可能性もあるので、そのあたりはちゃんと考えて行動しなければならないだろうが。

「……あとはそうだな。繁殖期も近づいてきているだろう。その影響もあるかもしれない」

「繁殖期もうすぐなの?」

 繁殖期は時折起きるもので、時期というのを正確に把握することは人には出来ない。その兆候を感じて、準備するぐらいしか出来ないのだが……魔物であるルーンにはそれが分かるらしい。

 リアもそういう繁殖期があることは知っているが、繁殖期に実際に遭遇したことはない。繁殖期が起こると思うと、死んだら嫌だなという気持ちはあるが、それよりももっとレベルがあげられるかもとリアはわくわくした。

「そうだな。来年ぐらいには起こりそうな感覚だ。繁殖期が近づくと子を成したくなるし、土地の魔力から魔物が生み出されたりもするからな」

「じゃあルーンもお嫁さんほしくなっているの?」

「少しだけそういう部分が刺激されているだけだ。俺ぐらいになると、そういう影響をはねのけることは出来る。ただその影響で魔物たちは少しずつ増えていくだろうな」

「やった!! 狩り放題!!」

 リアは正直言って狩り放題だと嬉しそうである。

 ネガティブだし、自分が死ぬことを恐れている。とはいえ、リアは基本的に戦闘狂の思考を持ち合わせているので、狩り放題と喜んでいた。

 普通に一般人たちは死ぬ可能性があるので、大変な事なのだが……リアはいつでもマイペースである。

(お義父さんにはいっておこう)

 リアはそう考えながら、狩り放題!! とまるで焼肉食べ放題!! みたいなテンションで思っていた。

「そういえばルーンって天空島いったことある? 何か知っている?」

 次にリアが問いかけたのは天空島のことである。

 長く生きているルーンなら知っているのではないかと思っての問いかけである。

「行ったことはないが……噂は知っているぞ。天空島のまだ人が住んでいるエリアは問題がないが、それより上は神の領域と呼ばれているらしいな」

「……天空島より、上? 人が住んでいるエリアが人が天空島といっているエリアだよね?」

「そうだな。一般的には人にとっての天空島は人が住んでいるエリアだろう。だけど……あそこはもっと上に島が続いているはずだ。他のドラゴンが上まで行ったと聞いたことはあるが、結構戻ってこなかったな。戻ってきた奴は神に出会ったとか言っていたが、詳しくは語らなかった。ただ神と呼ばれるような何かがいるのは確かじゃないか?」

「かえってきたドラゴンがいるってことは、その神様って結構物騒ではないってことだよね? ルーンみたいに、良心的?」

 リアはルーンからのは話を聞いてわくわくしていた。正直そういう存在がいるのは怖いけれど、人がたどり着けないような場所に住んでいる何か……なんて興味があった。

(怖い。きっと私なんて塵と間違われるぐらい簡単に倒されそう。でも……そういう怖い存在だからこそ、知りたい。知って安心したい。そういう上空にいる存在なら基本的にこちらに何かしてくることはないだろうし。……というか、単純にドラゴンが神とか言う存在に会ってみたいこともあるし)

 リアは怖がりだが、変なところで度胸があるので、そんなことを考えていた。

「良心的かはともかくとして、そのドラゴンが言っていることが本当だったらそこにいるのは本当にずっと昔から生きている何かだろうな。……その神にも挑むつもりか?」

「いや、流石にそれはしないかな。挨拶をしたいな。そこに辿り着けるなら。……でも許してくれるなら遊びたいけど」

 リアがそんなことを言うものだから、ルーンは呆れたようにため息を吐くのであった。




 それからしばらく話した後に、またいつも通りリアとルーンは殺し合い(遊び)を行うのであった。



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― 新着の感想 ―
[一言] ほんと矛盾した性格だよなぁ まあ、人間なんて大概そんなもんか
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