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臆病少女は世界を暗躍す。  作者: 池中織奈


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エルフの国の王城前にて。

 (さて、どうやって忍び込もうか)

 リアの目の前には巨大な城がある。

 灰色の城壁がそれを覆うかのように存在しており、開いているのは正面の一部だけである。それに加えてその城全体を囲うかのように行く手を阻む結界が存在していた。

 (んー、この結界性能滅茶苦茶いいね。リルア皇国のは破って入ったけど……、此処でそれやったら多分すぐ気づかれるよね)

 知覚できる結界を見て、即座にリアはそう判断する。目の前で展開されている《結界》はリアの目から見ても性能が良いものであった。

 リルア皇国は小国であったし、レベル高位者でなおかつ結界を破る事が得意な人なら誰でも気づかれずに侵入出来るレベルであった。

 一国の中心がそんな警備でいいのかと言われそうだが、これは仕方がない事なのだ。

 そもそもレベル高位者は、一人で国一つ滅ぼせるとまで言われている化け物である。

 そんな存在に攻め入られた場合、弱者は圧倒的武力を前に蹂躙されるしかない。

 レベル高位者と本当の意味でやりあえるのは同じレベル高位者だけである。

 例えばレベル高位者がそんな存在の居ない小国を攻めた場合、彼らに何が出来るかと言えば何も出来ない。抗う事も出来ずにただ滅ぼされるだけである。

 レベル高位者相手に小国が出来る事は怒らせない事の一言に尽きる。

 レベルの低い者達のみで考え、考案した結界などの警備はレベル高位者を前に意味をなさない。

 加えてこの世界、強者に対して寛大である。

 例えばレベル高位者が小国を滅ぼす。その一方的な蹂躙にはレベル高位者を怒らせるだけの要因があった。

 それならば、世界は怒らせた方が悪いという。

 魔物相手でもそうだ。ドラゴンに人が殺されたとする。

 でもその理由がドラゴンの縄張りと知っていながら不用心に入ったというものだったのなら、その人が悪いという結論に至る。

 もちろん、この場合滅ぼされた小国の人々やドラゴンに殺された人を大切に思う存在は怒るかもしれない。

 それでも怒ったからなんだ(・・・・・・・・)、と言えるのが圧倒的な力を手にする者達である。

 レベル高位者が一人いるだけでも周りに大きく影響する。それだけの力を彼らは持ち合わせている。

 強者を優先して、弱者を切り捨てるなんてこの世界ではありふれている。

文句があるなら自分が強者になるか、強者を味方にするかしろっていう話になるのである。

 (流石レベル高位者の多い国っていうか、これだけの性能の結界を維持するとか……、うわー、此処に来てエルフの女王様に手紙届けに行きたくなくなっちゃったよ……)

 城壁の外側で、リアはユニークスキルを使い立っている。

 結界を見て嫌そうな顔を浮かべ、強者の多いエルフの国の城に忍び込むのもやめたい気分になっていた。

 この城に張られている結界はリアの目から見てもレベルが高かった。

 この結界は必要以上に開かない。訪問者が来た場合は兵士達がこの者を入れていいかどうかを判断する。そしていいと判断された場合、結界が開かれて中に入る事が出来る。

 人が来なければ開かない結界という優れ物があれば、兵士も普通は怠けそうなものだが、此処はあのエルフの女王が治めている国だ。

 女王が直々に兵士たちに訓練を課す国だ。

 あんな強者に訓練をつけられている兵士だからこそ、油断をしないのだろう。

 (……まぁ、結界破らなくても忍び込む方法ぐらいあるけど。それでレベル高い連中に見つかったら嫌だな。一番ベストなのは、誰にもバレないでエルフの女王様の居場所までいく事。そしてエルフの女王様にだけ見つかってさっさと帰る事なんだけどなぁ……)

 うーんと顔をしかめて城を見上げる。

 おそらく女王の部屋があるとすれば城の一番上。敵が最も侵入しにくい場所である。

 見るからに壮大なこの城は、地球で言えば十階建てのビルぐらいの巨大さがある。

 天井の高さが高い部屋もあるだろうから、実際に何階まであるかは不明だ。ただ城の面積が広いのもあって、階数が少なかろうが女王の部屋までたどり着くのは大変そうだ。

 この国にレベル高位者が多いのもあって、リルア皇国の皇宮に忍び込んだ時のように結界を破って忍び込むのはなるべくしたくなかった。

 そもそも見つかれば不法侵入者として罪人扱いになるかもしれないのだ。

 事情を話せば釈放されるだろうがそんな面倒な事リアはしたくなかった。

(渡して帰らなきゃお義父さんがどうするかわからないし、やるか……)

 仕方がないという表情をして、リアは侵入する決意をする。

 しかしすぐに入り込むわけではない。リアはしばらく城門の前で誰かが城の中へと入ろうとするのを待った。そして城の中へと入っていく人の後ろを ユニークスキルを使って何食わぬ顔でついていくのであった。




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