表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
臆病少女は世界を暗躍す。  作者: 池中織奈


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

179/460

VS宗教団体 ②

 発見した本拠地。そこをさっそくつぶすことにした。リア・アルナスは、やると決めたら即急に行動を始めるような少女である。そして人が死ぬことに怯えもある癖に、敵と定めた相手に関しては容赦がない。その容赦のなさが、リアを《超越者》に至らせた一つの要因であろう。

 ――下手に相手に対して慈悲なんて持ち合わせていれば、いざという時に殺されてしまうのがこの世界である。

 そんなわけでリアがやることと言えば、徹底的に――、もう二度と立ち上がらないぐらいにつぶしつくすことである。此処で見逃すという行為を行えば、後々また復活してくる恐れがある。リアとしてみれば、復活などされては困る。

 いちいち、こうして宗教団体をつぶすのも骨が折れるし、面倒なことは一度で済ませておきたいリアである。

 本拠地の中で偉そうに話していた人物の命を奪った。宗教団体のトップではないが、位が高い人物である。目を見張る信者。何が起こったのか信じられないといった様子の信者。——リアは、彼らに声をあげさせる暇は与えない。

 彼らは神と呼ばれる存在をこの世界に降ろそうとしている。——その降ろしたい神が何であるかというのはリアには分かりかねるが、聞いている限りしょうもないものであるとしか思えない。リアは今の日常を好いている。その日常が壊れるような真似はやってほしくないのである。

 そんなわけでリアは容赦なく、本拠地にいた人々を老若男女問わずに殲滅している。流石にこんな隠された本拠地にまで足を踏み入れている、神を卸すことを賛美している存在に容赦はしない。先にリアは誰かの犠牲を以ってして神を降ろすことを彼らが望んでいるかも調べている。彼らは真にそれこそ正義という思考で凝り固まっていた。そんなわけで殲滅していった。

 リアの頭に容赦するという文字はなく、さっさと殺しつくした。幸いにもというべきかこの本拠地にいるものたちの中には、リアよりもレベルが高いものはいなかった。《超越者》はいなかったので、リアが《何人もその存在を知りえない》を行使すればリアの存在に気付くこともなかったのである。

 残ったのは、大量の死体である。——なんとも地獄絵図である。ちなみにこれらの処理はギルドマスターに頼んである。思いっきり暴れるから対処をよろしくとリアが言えばギルドマスターも頷いたものである。

 本拠地には、宗教団体のトップというのは存在しなかった。今は神官活動で忙しいらしい。神を降ろして、自分が神になろうなんて考えている存在だが、死というものは一瞬で来ると知らないのだろうか?

(大物神官として表舞台でも有名で、裏側でも宗教団体のトップで神を降ろそうとしていて……って、私には絶対無理。それだけ目立てば色々なところで反感を買うだろうし。自分が神になるって思考も多分どこでもちやほやされてきたからこそ出てきた言葉なんだろうけど……うん、私はどれだけ強くなっても慢心しないようにしよう。今まで通りの生活を心掛けないと!! どこに私みたいに実力を隠していて私を殺せる存在がいるかも分からないし)

 リアは一人でうんうんと頷きながらそんなことを考える。

 力を持つということはそれだけ周りから凄い! ともてはやされ、慢心する要素である。ただリアはやはり元々臆病な性格であると同時に、一度死んだ記憶があるので、今まで通りに過ごしていこうと決めていた。

 そんなリアは、宗教団体の本拠地で大暴れした後、トップの所に来ていた。彼は神官としての活動を終えた後、屋敷に戻っていた。屋敷は有名な神官の家にしては質素である。ただしリアの目では分かるが、質素に見せかけてこの家は中々お金がかかっている。しかも地下はびっくりするぐらい煌びやかだった。有名な神官の家だから、護衛として冒険者も雇われているようだ。警備の兵も多い。しかし誰一人リアの侵入には気づかない。

(レベル結構高いのもいたけど、気づかれなくて良かったー!! やっぱりエルフの女王様の所とくらべると侵入しやすくていいよね)

 などと、考えながらリアは屋敷へと侵入する。そして、宗教団体のトップの男の元へと向かう。

 ……ちなみにリアは今回は刃物や魔法で殺すという行為をしないようにしている。この男の評判が良く、明らかに強者が殺しました的な状況にしたくなかったのである。そんなわけで用意しているのは毒だ。リアが以前狩った魔物から手に入れた毒。——少量でも口に含めば、《超越者》はともかく一般人は死に至るだろうと呼ばれている毒である。そんな物騒な毒をリアは何かに使えるかもしれないと常備していた。

 ばっとやって、ばっと命を奪うといった単純な行為の方が好きなリアだが、こういう時はちゃんと考えて行動する。

 毒味役が毒味をこなした後に、リアはこっそりと毒を仕込む。

 ユニークスキルを使っているリアの存在に誰も気づけないので、毒なんて仕込み放題である。リアはやろうと思えば、あらゆる所に毒を仕込むことも可能だろう。面倒なのでやらないが。

 そしてその男が毒物を口に含み、倒れた。

 それを見届けてからリアは、屋敷から抜け出すのである。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] ほんとに容赦ねぇなおい まあ、それがリアの魅力だけど
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ