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臆病少女は世界を暗躍す。  作者: 池中織奈


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リア、卒業後のこととか色々考える。

 リア・アルナスは、その日、フィナスの街をのんびりと歩いていた。とはいえ、当たり前のように《何人もその存在を知りえない》を行使しているわけだが。

 リア・アルナスは街の中を歩きながら、この街にまた新しい人が増えてきたなどと考える。

 アルフィルド学園の入学式が迫っているのもあって、新入生たちはこの街に住まうための準備をするためにもこの街にもう入ってきている。

 (新入生か、私も次は二年生。あと二年で学園生活も終わる。そのあと、どんなふうに平凡に紛れていくか……だよね)

 リア、もう一年経ったのかと考えながらのんびりと歩く。

 (薬師になるとしても、どこの街で過ごすか。この街で過ごすのもありだけど、違う街で薬師として生活するのもいい。とりあえず平凡に行くためにどこかに弟子入りするか。見習い薬師から始める方が自然だろうし)

 リアはそんな風に思考する。

 (でもルーンには会いやすい場所がいい。あと、イランとも時々は会いたいし、やっぱり遊びたいからなぁ。前世の日本みたいなブラック企業は駄目だよそれじゃあ私が楽しい生活を送れない。割と自由な感じで、だけど生活出来るだけのお金は稼げる感じのところを探したい。あと誰かの弟子入りするなら、師になる人は色々と煩くないのがいい)

 リア、考えながら、今後どういう職場に就職するか色々と希望が頭に浮かぶ。

 リアは一人で過ごすことが好きな人間なので、基本的なお喋りな人間と一緒に長時間過ごしたいとは思わない。また、喋ることをあまり好んでいないので接客業とかはやりたくないので、本当に調合だけをする系の薬師の弟子になりたかった。

 (その頃、私の生活も変わってるかな。いや、ほとんど変わってはないだろうな。学園生活をしながらこそこそする、が薬師をしながらこそこそするになるだけだろうし。しかし、多分、私の身長二年後も伸びないだろうし、そのあたり子供に間違えられないようにしたいけど無理かな……)

 リア、早く強くなりたいと思って行動をした結果の身長であるが、学園を卒業して立派な社会人になったとしても子供扱いされるかと思うとうんざりしてしまうものである。

 (というか、十三歳の身長がこれでしょ? この後、私何センチ伸びる予定だったんだろうか。本当の血のつながった親も分からないし、実際の大人の体の私って何センチぐらいになるか分からない……。百五十は超えるだろうけど)

 リア、自分が街を歩く子供と対して変わらない身長な事に何とも言えない表情になる。そうして移動している間にも、リア・アルナスがそこにいることには誰も気づかない。

 (卒業後の就職先は、身長とかにも煩くなくて、私の事情とかにも突っ込みをいれてこなさそうな無口な人の弟子かな。変なところに入らないように今のうちからどこに弟子入りしたいか探しとこう。それが一番良い。あとソラトには就職先はなるべくばれないようにしよう。まぁ、ばれたらついてはくるだろうけど)

 ソラトはきっとリアの就職先を知ったらその周辺で就職しようとするか、同じ場所に就職しようとすることだろう。そのことが容易に想像が出来るリアは、そんなことを思う。

 (……ネアラは、卒業後どうするのか。私が家を出るか出ないかも分からないけど、出たら一人暮らしか。それともお義父さんが私に面倒を見るように言っていたのもあるし、しばらくついてくるのか。分からないからお義父さんに聞いておこう)

 ふと、義理の妹は卒業後どうなるのだろうかとリアは気にした。ネアラは、その年にしては強い少女だ。ギルドで一人で食べていくだけは稼いでいる。だから一人でも生きていけるだろう。しかしリアが卒業する時、ネアラはまだ十三歳である。そのあたりをどうするつもりなのかネアラとギルドマスターに確認しておこうとリアは思考する。

 (ソラトも卒業までにはギルドランク上げそうだし、そうなったらギルド会議にソラトも来るようになったりするか。しそうだな。でもそうなったらソラトはユニークスキルは使えないし、ギルド会議メンバーぐらいには正体知られるかも。そうなると芋づる式に私のことも……とかなったら絶対やだな。その辺も考えておかないと。私の将来、今世では死なない限り本当に長いものになるんだから、その長い人生を私がどうしていくか考えていかなきゃ)

 リアの人生は、長い。

 《超越者》に至っている彼女は、死なない限り長い人生が続いていくことが約束されている。だからこそその長い人生をどのように生きていくか、というのはリアにとっての課題だ。

 (ばれないように、平凡に生きる。それが駄目になった場合も考えとかなきゃ)

 ゆっくりと街を歩き、様々な情報を集めながらもリアはそんなことを考えるのであった。





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