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紅煉のラインベルク  作者: 椋鳥
第24章 愚神礼賛
148/179

148話

***



紅煉騎士団第1軍と第4軍は丸一日にも及んだ魔物との戦闘で疲弊し、負傷者は多数。


おまけに補給部隊が全滅したため当座の物資までもが不足していた。


紅煉騎士団からの申し入れにより、剣皇国から補給が受けられることにはなったが、それでも手近な軍事拠点まで最短で一日半はかかる。


ミレディに戻るのにさらに三日、アビスワールドや東部要塞へ向かうとなれば、加えて一週間がかかる見込みとなる。


「補給と休息を考慮に入れて、ざっと二週間はかかる計算か…」


イリヤやリンネ、トリスタンらの死を悼む暇すら与えられず、ラインベルクは卓上の地図を睨み付けた。


特使の話では、教導騎士団の電撃戦にシルバリエの第5軍は大敗を喫したとのことで、ラルメティに駐屯中の第2軍とムーンシェイドの第3軍が東部要塞付近に防衛線を張るべく動き出していると言う。


(ゼノアがやられたというのであれば、本腰を入れてきたのだろう…ニーザ!)


ラインベルクに出来ることは少なく、単騎帰国し何れかの軍に合流して、第1・第4両軍の戻りを待つのが常道と思われた。


それを聞いてワイバーンとグリプスの両大佐も首肯する。


「将軍におかれましては、真っ直ぐお戻りになられるのが宜しいかと。我らは戦況に応じて、進路を要塞からアビスワールドまで柔軟に変えていきます」


「ワイバーン大佐の言う通りです。補給が済んだ端から出発させますので」


「…頼む。敵の別動隊が邪魔に入る怖れもある。キルスティンとリーゼロッテは置いていくから、不慮の事態には使ってくれ」


大粒の雨が天幕を叩き、夜間会議は騒々しい中で進行していく。


ラインベルクがリーゼロッテを置いていく決断を下したのは単純に彼女の消耗具合を考慮したからで、キルスティンこそが第1軍と第4軍を守護させる本命であった。


「しかしそれでは…将軍を補佐する者が…」


グリプスが言い切る前に、巨大な影がずいと卓を覆った。


「俺がラインベルク将軍と共に行こう。異存はないな?グフフ」


「カノッサ殿…かたじけない」


「カレンティナ大佐殿、ここが正念場のようだ。互いに全力で責務を果たそうぞ。グフフ」


豪快に笑うカノッサへと、ラインベルクは表情に困惑を浮かべて警鐘を鳴らした。


「…カノッサ。ニーザとは間違いなく命の取り合いになる。いいんだな?」


「グフフ。俺はもう自分を紅煉騎士団の一員と認識している。遠慮など不要!」


「…私もノインと行こう。ニーザや咒黄が相手ということならば、望むところだ」


天幕の隅に収まっていたフュハがそう表明する。


ワイバーンは地図の上に置かれた駒の配置を手慣れた様子で動かし、一同に状況の説明を始めた。


「…このように、一時的に北と西だけでなく南への抑えも失われる。当然、今ここにいる樹林王国や剣皇国の部隊の動きにも注意を払わねばならない」


グリプスが思案顔で頷いて見せる。


「確かに…彼等との同盟が正式に成ったわけではない以上、教導騎士団に総力をぶつけるのであれば、背後を突かれるくらいの覚悟は必要でしょう」


士官たちは皆押し黙り、合従軍戦に続くまたの苦境を思い描いては溜め息をつく。


「…今ここで、あの二軍を討てばいい」


フュハが呟いたその一言に、ラインベルクとカノッサを除く全員がぎょっとした表情を見せる。


「グフフ…それしかあるまい。後顧の憂いを断つのであれば」


「待たれよ!それでは信義にもとる。共に大陸の敵と戦った友軍を裏切るような真似をしては、ニーザ=シンクレインの悪逆を断ずる資格そのものが無くなろう」


ワイバーンはそう言ってカノッサやフュハの危険な発言を牽制した。


彼は指導者へと公正を求める点にギュストらしからぬ拘りを持つ。


無論のこと、今ここで第1・第4の二軍をもって当たれば樹林王国の部隊と剣皇国軍には競り勝てると分かっていた。


率先してたしなめるべき立場のラインベルクが発言を控えているのは、政治的には二人の主張する策が望ましくもあり、グレーではあるが国家法規にも則っているという判断なのかと類推する。


(しかし、節度は曲げられん!ここで義を失えば、大陸統一の志など儚き夢となろう…)


「…難しいところですな。確かに今なら戦力比で圧倒出来る。ただし、金輪際我らと共闘しようなどという騎士団も現れまい」


「圧倒出来るですって、グリプス=カレンティナ?寝言もいいところね」


「えっ…?」


紅煉騎士団の面々の視線が、天幕入口から顔を見せた久遠アリシアへと集中する。


アリシアに続いてプライムやベルサリウスらミースの二人、さらにはカイゼルにリリーナまでもが姿を現したものだから、場の空気は穏やかではなくなった。


「…どこから入ってきたのだ?衛士はどうした?」


ワイバーンが敵意のこもった目でアリシアらを睨み付けた。


「倒した」


「貴様!」


ワイバーンが剣を抜きかけたところをグリプスが慌てて止める。


「止せ!彼女には勝てん!…あの<堕天>だぞ」


「…やってみなければ、分からん」


「冗談よ。中々に好戦的じゃない、ワイバーン大佐?私は呼ばれたから来ただけだもの」


「呼ばれた?」


ワイバーンとグリプスは同時に疑問を発した。


「そ。彼に、ね。私の立場は樹林王国の客員騎士。古巣と言えど、礼儀は弁えてるつもり。無理矢理押し入ったりはしない」


話を振られたラインベルクが頷きそれと認める。


「おれが呼んだ。…フュハが提示したプランを実行に移すかどうか、ここではっきりさせようと思ってな」


「何ですと…?」


グリプスは驚きのあまりラインベルクとアリシアを交互に窺ったが、二人とも酷く冷静で、表情には不敵さすら湛えている。


カノッサが「そういうことか。ならば話は早い」と、入ってきた騎士たちへと剣を向けた。


そしてフュハまでもがそれに倣う。


「まさか、ここにきて宣戦布告を受けるなんてね…」


樹林王国部隊の長であるプライムがアリシアの横に並ぶと、同じく剣皇国軍を率いるカイゼルもその隣へと進み出た。


「脅しに屈する我々だと思ったか、ラインベルク?」


ワイバーンはこの場に集まりし騎士の力関係を瞬時に比較し、自軍が相対的不利だと結論付ける。


ミースの二人は立場が不明ではあったが、元々樹林王国の部隊と共に参戦している手前、よくて中立と考えられた。


<堕天>と<暗黒騎士>という二強の相手を出来るとすれば、ラインベルクと自分以外に無いとワイバーンは断定し、残る面子でプライムの超魔術をどうにか出来るものかと問うたものの、答えを導き出せていない。


(フュハ=シュリンフェアとカノッサ、グリプス=カレンティナの三名でアルシェイド伯とリリーナ=ウルカオスを制圧出来れば、或いは…。しかし、巫女王座の二人が向こうに荷担したのならこの想定は引っくり返る。不確定な要素があまりに大きいか…)


「メルビル勢と決着を付ける前の小事だ。カイゼルよ、けりをつけよう。キルスティンとリーゼロッテを陣中に散らしてある。ここから合図を送れば、その時が作戦開始というわけだ」


この場にいない二人の傑物の名が出され、カイゼルやリリーナは眉をひそめた。


ラインベルクの物言いはどこか投げ槍にも見えたが、アリシアやカイゼルは彼の発する闘気からその発言を本意と受け取っている。


ラインベルクは本気で、樹林王国と剣皇国の軍勢を今ここで片付けるつもりがあるということであった。


「…補給はどうする気?」


プライムが怒りを抑え気味に問い掛ける。


「近隣の町村と帰路で徴収して回る」


「あんた、今まで積み上げた名声を地に落とす気?仲間が死んで気でも違えたんじゃないの?」


「正気さ。ニーザを倒すことが第一だ。それ以外は些事でしかない。どうせ後で敵対するのなら、ここで始末しておく方が遥かに効率的だろう?」


「馬鹿が!何が効率的よ。私も久遠アリシアも分かっているぞ!お前は全ての責を自分で背負って、この後ニーザと刺し違えるつもりだ。ここで我々を除いて裏切者の汚名を甘んじて受けようとも、お前の目的は完遂される。そう…お前の命や名誉と引き換えにした、ジリアン女王の治世の安定が、だ」


「…安いものだ。その程度の交換条件で大陸が治まるのであれば、な」


ラインベルクはゆっくりとした動作で席を立ち、腰に差した聖剣アルテミスの柄に手を伸ばす。


それを皮切りに、カイゼルとリリーナも腰元の剣を手にした。


天幕内の空気が一気に尖鋭化し、グリプスは自身も剣を構えながらに、心中に暗雲が垂れ込めていく様を自覚する。


(そんな…この闘いは仕方のないものなのか?元筆頭騎士の久遠アリシアや、共に魔物を相手とした高名な騎士たちを前に、このような結末…)



***



ゼノアは無策で応戦したわけもなく、守りつつ引くスタンスで教導騎士団を足止めし、最終的に北の方角に撤退するつもりでいた。


さすればラインベルクの帰還時に、南方はラルメティに控える第2軍とも謀って三方より迎撃出来ると踏んだのである。


実際にその試みは上手くいきかけていたのだが、シルバリエからじりじりと後退していた第5軍に、北東方面から教導騎士団の新手が寄せてきた。


これはルキウス=シェーカーの統べるイチイバル占領軍で、グレイプニルで強制徴用した元群青騎士団の騎士を取り込んだことで、ゼノアの軍の三倍近い規模に膨らんでいた。


都合五倍に近い敵兵を前にしては流石のゼノアも支えきれず、予定経路を大幅に変更して軍を自主的に解散させていた。


それは見た目には全軍崩壊と映ったかもしれないが、決して全滅と同義ではない。


「ゼノア大佐、残騎は三十四です!」


「…一個小隊にも満たず、か。ご苦労。全騎このまま西に向かって、イリードス子爵の館を目指すぞ」


「はっ!…他部隊の捜索を優先させないでも宜しいので?」


「いい。下手に多勢化すれば目立つだろうし、何より三十騎では人手も足らない。まずは我等の補給を頼まねばな」


一千を数えた第5軍の内、ゼノアの直接指揮の下にあるのは僅かに三十四で、この惨状がそのまま王都アビスワールドを経由してグラ=マリ王国各地へと伝播した。


しかし、ゼノアは撤退の渦中に信頼のおける中隊長や小隊長に個別の指揮権を付与していたので、実質どれほどの戦力が残存しているのかは彼を含めて誰にも把握出来ていない。


ゼノアは期待するでもなしに傍らの騎士に訊ねた。


「誰か、ヒースロー中尉の行方は知っていたか?」


「いえ…誰も見ていないとのことでした」


「そうか」


教導騎士団に攻め立てられし中、ヒースローの働きはまさしく獅子奮迅といった様相で、手当たり次第に敵を斬って回っていた。


かの<七翊守護>がロイ=セトメの挑戦をすら応戦してこれを押し返し、敗色の濃い第5軍にあってヒースローの活躍は目立って輝いていたのである。


彼が最前線に身を投じていたため、ゼノアはその動静を把握しきれなかった。


(あいつの剣才…ラインベルク将軍が目をつけただけのことはある。<七翊守護>に競り勝つあたり、既に紅煉騎士団でも最上位にあるのは間違いないぞ。それをこんな前哨戦で失うわけにはいかない…!)


ゼノアが対教導騎士団戦で懸念しているのがまさに個の力であり、ニーザ=シンクレインの陣営に綺羅星の如く強騎士が集められている以上、ヒースローのような有望株は温存することが是と考えられた。


ニーザや<七翊守護>が強力なことは元より承知の上であったが、ゼノアは東から現れた教導騎士団本隊の中にこれまた稀なる勇者を見出だしてもいる。


剣さばきは決して派手ではないのだが、熟練した技と重みのある剣で、身なりからは傭兵のように思われた。


ただ者ではないだろうと疑うも、ゼノアの職分は一介の敵騎士の素性に注目し続けることを許さず、彼の動向はそれきりとなる。


だが実はゼノアは彼を見知っており、記憶を掘り起こせば名前まで辿れた筈であるのだが、この時はそうはならなかった。


(夜明けまでにはイリードス入りせねば。…待っていろ、ニーザ=シンクレイン!やられたままでは済まさぬからな)



***



「このまま東部要塞を落とすのですか?」


「馬鹿な。それではいつぞやの失敗と変わらぬ。あんなものは捨て置く」


ラティアラ=ベルはニーザの返答に我が意を得たりと、とっておきの回答を披露する。


「狙いはアビスワールド一択ですね」


「そうだ。この際だからラインベルクを討つも一興だが、目的は唯の一つ。紅煉石をこの手にする」


ニーザはそうとだけ述べると、軍事上の懸案事項を幾つか指示してラティアラを下がらせた。


シルバリエの仮宿は旧帝国の宮殿を活用しており、久方ぶりに風の通されたらしきそこはカビ臭さが抜けきっておらず、教導騎士団の幹部たちを辟易とさせた。


こちらも長らく使われていなかったであろう貴賓室のソファに身を置いたニーザは、何者もいない埃っぽいだけの空間に声を掛けた。


「レウ=レウル」


その呼び声に応じて、無から空間を切り開くようにしてレウが姿を現す。


これこそが彼の<小門>の能力の一端であった。


「なんでしょう?シンクレイン様」


焦茶色のローブの裾をひらりと舞わせ、レウは綺麗に着地して見せた。


その表情は、先程<名無し>の敗退を報せにきた時と変わらずに微笑みを貼り付けたままで、この者には他の感情表現が無いものかとニーザですら不思議に思う。


「もう一度訊く。<門>を抉じ開けたとて、<名無し>とやら以上の魔物を呼び寄せることは叶わないのだな?」


「はい。あくまで確率論となりますが、あれほどの力を有した存在が世界を渡り歩いたケースは聞いたことがありません。<幻竜>や<邪蛇>といった魔物も、結局は他の世界を追われた敗者に過ぎないのです。<反し>の技で元居た世界に戻されたであろう<邪蛇>などは、きっと向こうでより強大な敵に捕食されたことでしょう」


「…つまり、紅煉石を限界まで行使しようとも、この大陸を滅ぼせるだけの力は得られない、と」


「それは違います。前にもお話しましたが、紅煉石のイレギュラーな力は<門>に作用するだけに止まりません。人魔融合の禁断の果実…と言いませんでしたっけ?」


ニーザはレウの瞳がぎらついたのを見逃さなかった。


成る程この道化は、自分が魔物と融合するよう誘導しているのだなとニーザは悟った上で、レウとの問答を続けることにする。


「紅煉石は人の願望を成就させる。人間と魔物を融合させることも、それは可能なのだろう。だがそれが何になる?所詮はひ弱な人間と低級な魔物が合わさっただけ。完成物は虫酸が走るような醜い半人半魔となろう?」


「それは<天使>の行った所業を指しておいでですね?あるいはそれを真似たアーリーシティの狂人のことかと。どちらも不完全な知識と技術に基づいたただの遊びのようなもの。例えば、シドやガフ、マハノンといった元英傑たる彼らは、異界の風によって魔物に近い肉体を得ました。それは膨大な魔力を制御出来、その上で人間としての自我すら持ち得ていた。七罰さえ無ければ、大陸に覇を唱え無敵の存在と成った筈です」


「…紅煉石なら、それを任意に再現出来ると?」


「恐らくは」


「それを知る貴様は何者だ?私を焚き付けて、狙いは一体何なのだ?」


「純粋な興味…ではいけませんか?僕は見てみたいだけです。この狭い大陸を駆けずり回って、果たしてどれほどの異能が誕生するのかを。<名無し>は確かに強かった。ですが<門>の先にはそれこそあれをも上回る王者帝者が多数控えているのです。その者らは始めから強くあった。何か努力をしたこともなければ、力を望んだこともない。ただ、強者としてそこに生まれた。そんな至高の存在たちを凌駕するとしたら…。僕は思うのです。この大陸のようなちっぽけで歴史もない世界に息づいた弱き者。その中から足掻いて強者足らんとする<強欲>を備えた傑物こそが、下剋上の如くのし上がって覇を唱える。それが一番相応しいと。そして美しいと」


レウの演説にニーザの心が動かされることはなかったが、一先ず猜疑の情は取り下げた。


用は済んだとばかりに顎で退出を促したニーザに、レウが別角度からの議題を提示する。


「法王猊下は如何致します?偽りの神が墜ちたと聞いて、精神に失調を来たさんばかりに憔悴されておりますが」


「捨て置け。聖職者に何か出来る段階は、とうに終わった」


「御意。猊下の末の娘、僕の手元に置いても宜しいですか?あの一族では彼女だけがまともに神官の素養を受け継いでいます」


「…好きにしろ。去れ」


恭しく頭を垂れて、レウは室内から消え失せた。


風が起こるでもなく、元からそこにいなかったかのように一瞬で立ち去ったのである。


フェルミ亡き今教導騎士団本隊の指揮はラティアラがとっており、イチイバルから出陣してきたルキウス隊と合わせて四千超の数が動員されていた。


ニーザはメルビルに国家総動員の体制を敷くことで騎士の補充や兵站を整え、ルキウスにはイチイバルを徹底して締め付けさせることで反抗心を摘み取らせた。


そうして集めた四千は、緒戦を見た限りでは予想以上に機能している。


(フェルミがいたならば、私は石の奪取に専念できたものを…)


ニーザは個人の能力で突出しているも、独力でグラ=マリの王宮をどうにか出来るものではないと、二十年近くの時間を対決に費やして思い知らされていた。


だからこそ合従軍に続いての大軍による遠征に踏み切ったわけだが、いざ戦争となれば彼にも一定以上の部隊運用の力量が要求される。


ニーザは自身の指揮能力を過信しておらず、それがラインベルクに及ばないであろうことも承知していた。


ラティアラの軍事に関する技能は並程度と把握しており、過不足なく指揮はとれようが、対紅煉騎士団戦の全てを任せられるとは考えていない。


キルスティン、ファルート、フェルミという戦上手を欠いた今、ニーザは己や側近の持ち前の武力を前面に出すことで勝利を掴みとらんとしている。


そこに再度思い至り、ニーザはレウの言っていたことを頭の中で反芻した。


(至高の存在を凌駕か。軍事に頼る必要がないというのであれば…敢えてレウ=レウルの挑発に乗ってみるという選択肢もあるのかもしれん。それが我が欲を充たすに近道というのであれば!)




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