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紅煉のラインベルク  作者: 椋鳥
第21章 聖邪顕現(中)
127/179

127話

***



天幕の内は魔術の光により昼間と見紛うばかりに明るく、揃った面々の表情を細部まで明らかに浮かび上がらせる。


集まっていた者逹は味方同士であるはずだが、場を取り巻く空気は張りつめたままであった。


従卒が入れた珈琲を堪能する者も皆無で、和やかな談義など叶おうはずもない。


「雁首揃えて、戦果は適当な将軍の首だけってか?」


「…そう言う卿は、さぞかし勇名を轟かせたのであろうな?」


ハリスの不平にフェルミが皮肉をもって応じた。


フェルミは先の戦いで紅煉騎士団の重鎮であるミリエラを討ち取っている。


真っ先に反応したのはプジョーで、教導騎士団の幹部たちを睨め回すと揶揄するような口調で挑発を仕返した。


「要塞を相手に戦するのと平地で猿を相手に遊ぶのとじゃ、そりゃあ勝手が違うわな。寧ろ何で倍の戦力で未だに決着を付けられていないのか、不思議でならんぜ」


ディマジオが追従して「わはは」と笑声を上げる。


「<七災厄>の力まで借りておいてよく言えたもんだ。そこまで開き直られると、ある意味格好がいいかもと勘違いしそうになる


「…ルキウス=シェーカー殿。あの化け物を使えと命じたのは貴殿らの主ではなかったか?私個人としては、あのような魔性の輩やそれとつるむ薄汚い一党などとは、今直ぐにでも袂を分かちたい」


「おいおい。それは俺達に喧嘩を吹っ掛けてるのかい?合従軍の総大将が、<七翊守護>のこの俺達に」


ゲルハルトは売られた喧嘩は買うぞと言わんばかりに、発言主のナハトに対して不穏な態度を示した。


何事か言おうとするナハトをにやけた面構えのハリスが制し、鞘に収まった剣を軽く叩いて威嚇する。


「<七翊守護>ってのは弱いモンしか相手にしないと聞いてるがなあ。ヒヒ。自国の吸血鬼すらろくに狩れなかった雑魚が、痩せ犬みてえにキャンキャン吠えてんじゃねえ!」


席を立ったのはゲルハルトとルキウスの二人で、それに釣られる形でハリスとプジョーが立ち上がる。


ここはラルメティ公国軍の本陣の内。


合従軍の軍議が為に皆は集められていた筈であったが、三日を過ぎても紅煉騎士団に敗退の兆しは無く、誰もが苛立ちを隠せないでいる。


「…闘るなら表でどうぞ。埃っぽいのはゴメンよ」


ラティアラは止める素振りもなく無関心を装って忠告する。


ディマジオに至っては「どっちが勝つか、賭ける奴はいないか?」と禿頭を撫でつつ囃し立てる始末であった。


ラルメティ・メルビルのどちらにも与することなく無視を決め込んでいたマグナ=ストラウスも、事ここに至っては流石に見過ごせず、先ずは隣に座るシルドレの顔色を窺った。


シルドレは自身がネヴィルを討ち果たしたことに頓着しておらず、また上っ面だけのこの合従軍において内紛が起きようと当然だと達観している。


表情に何を浮かべるでもなく卓に視線を固定し、マグナの焦燥を気にした風でもなかった。


マグナは主将のそんな態度に諦念を覚え、座を鎮めるために起立しかける。


しかし、それは別の角度から遮られた。


「…諸卿、妙だとは思いませんか?」


腕組みをして座したままのロイがそう言うと、皆が取り敢えずは彼に注目する。


「こちらの戦力は質においても量においても勝っている。だのにこの三日間、敵の応手は守りに偏り過ぎていましょう?」


「…向こうには要塞があります。守りに易いので、それは当然の選択では?」


群青騎士団の幹部騎士がロイの疑問に疑問で返した。


「兵糧切れを狙うのであれば、或いはそうかも知れない。だが諸国は陸続きで輸送にそれほどの難はない。ただ守っていたとて、何れじり貧になると理解出来ない程に奴等は低脳であろうか?」


今この時も大陸中がこの戦争を注視しており、紅煉騎士団の不利が伝われば周辺諸国は勝ち馬に乗ろうと動き始めると思われた。


ロイの指摘はこのあたりを斟酌したもので、守るだけでは延命は出来ても状況の打開には繋がらない。


削られた先に敗北しか望めない情勢下で、せめて戦力がある程度揃っている内に一か八か決戦を挑むのが筋であろうとロイなどは考える。


「でもよ、打って出ようにもやり方は一つだろ?大将首を獲る。これが逆転に一番手っ取り早い。それがこの合従軍にゃあ総大将こそ居れども各軍にも大将が存在する。全ての首を獲るなんざ、まあ不可能だわな」


ディマジオは紅煉騎士団の立場で物を考えて発言した。


「…確かに。元筆頭騎士の蓮はいるようだが、彼女とてそこまでの武威はあるまい」


ロイが首肯する。


「このまま終わるならそれに越したことはない。…だがセトメ将軍の言う通り、私も敵の守勢に何らかの意図を感じているのは事実だ」


ナハトがそう言うと、ロイやディマジオ、ラティアラらの瞳に興趣の光が点された。


ナハトは先を続ける。


「強いて挙げるならば、長期戦を見越した力の入れ具合ではない。あれでは十日と待たずに兵の気力が萎える。我々に背後を取らせない為の二重の布陣もそう。アビスワールドはやらせないという意思表示に他ならないし、南北の二軍は明らかに戦力の温存を意識している」


「ラインベルクを待っているのさ。他に何がある?」


おもむろにシルドレが口を開いた。


ラインベルクの名を聞いて、ハリスやルキウスもシルドレの話に耳を傾ける。


「始めから分かっていたことだ。ジリアン女王の剣。紅煉騎士団の要。ラインベルクとグラ=マリ王国はイコールなんだ。あの男が駆け付ければ、敵は息を吹き返す。ジリアン女王は、筆頭騎士が不在の間に決戦を挑むような間抜けじゃないということだろう」


マグナは力強く頷き、複雑な心境に無理矢理蓋をして何も考えないよう努める。


血気を鎮めた騎士たちが相次いで着席した。


この場にいる騎士の大半がラインベルクに煮え湯を飲まされた経験を持ち、中でもフェルミやハリスの顔付きからは度を越した憎悪の情が読み取れる。


「情報によれば、あの男と配下の軍は西でトロリー勢を攻めている。対魔騎士団を破ったという<邪蛇>と三姉妹、そう簡単にやれないのではなくて?」


「…ラティアラ=ベル。お前はラインベルクのことを何も知らないんだな。あいつは師匠と<鉄巨人>を倒した時だって平然とした様子で帰って来たんだ。<七災厄>如きに足止め程度でも期待したとて、それは無駄というものだ」


「マグナ=ストラウス、貴方はラインベルクに肩入れが過ぎるのではなくて?奴が現れたとして、まさか寝返ったりはしないでしょうね?」


「…公私の区別は付けられるつもりだ」


マグナの言に納得したのか、ラティアラは追及を止めて髪を払った。


「<七災厄>と言えば、<石榴伯爵>はどうなのだ?」


フェルミの問いにナハトの頬がピクリと反応する。


彼女の催促により投入したはいいが、それを見た味方の騎士たちは複雑な思いを抱いたし、何より謎の炎であっさりと撃退されてしまっていた。


「奴は負傷退場だよ。古代の術式っぽい業火に焼かれちまったからな」


「…ディマジオ殿、業火とは?」


「ああ。要塞上部に突入した<石榴伯爵>を吹き飛ばしてだな、その上地上に落っこちてきて獣みたいに暴れやがった。百騎以上は焼死したわな。あの動きや燃焼のしぶとさは、とても人間業じゃあねえ」


ディマジオの説明にラティアラは黙考し、一つ結論付けるやフェルミへと仮説を提示する。


曰く、要塞には<始源の魔物>か彼の者らが所持した神器に類する古代の魔術道具が存在している。


ラティアラが天涯の杖を掲げてこれも神器の一つだと説明すると、マグナやディマジオは視線で焦がさんばかりに凝視した。


「イリヤとかいう紅煉騎士団の女が<始源の魔物>だ。そいつの仕業か?」


ハリスはリリス=ウィザードから得ていた情報を持ち出してカマをかけるが、驚きを見せたのは群青騎士団の面々だけである。


その様子を観察し、ナハトは教導騎士団の暗部を垣間見た気がした。


(彼ら<七翊守護>は皆フレザント様と同じ水準の知見を有しているのだ。<七災厄>と取引しているだけでなく、<始源の魔物>とも何かしらの関係があることはもはや疑いない。…では一体何を企む?ただグラ=マリ王国を滅ぼしたいだけなのか。彼等に力を貸す我らこそ、魔物の跋扈を黙認し助長させていることにはならないか…)



***



紅煉騎士団の各陣は疲労の極みにあった。


要塞では主将のブリジットからして負傷し、女王までもが臥せっている。


第1軍は参謀・ネヴィル=アルケミス少将を失い、グリプス=カレンティナ中佐が重傷を負った。


第3軍に至ってはラインベルクの信頼も厚かった主将のミリエラ=オービット准将が戦死している。


三日が経って戦線こそ維持されていたが、騎士たちの士気は危険水域にまで低下していた。


それでも参謀長たるイリヤからの回状には「各陣堅守」という変わらぬ指示が記されていた。


誰も口に出すことは憚られたが、「策などないのではないか?」という疑惑が士官たちの思考を支配しかけている。


ワイバーンやカノッサ、唯と言った残された主力メンバーが必死に部隊を鼓舞して回るが、その効果にも限界があった。


ちょうどその頃、闇に潜んで書状を眺める騎士が一人。


室内は狭く粗末な造りで、明かりはか細い蝋燭の作り出す淡い赤光だけ。


ぼろぼろのソファに身を埋めた騎士は何度も読み返した書状を床に放り捨てた。


つまらなそうに鼻で笑うが、騎士の手は休むことなく剣の柄を撫で回している。


「紅煉騎士団がこれで終わる…か」


騎士の呟きには自嘲が混じり、胸中にはさまざまな思いが渦巻いていた。



さらに同時刻。


ヒースローは馬を駆って単騎で東部要塞を目指していた。


彼は騎士団を離れて単独任務にあったのだが、首尾は兎も角やれるだけのことはやった。


一日あれば要塞に到達するであろう距離まで来て、彼と同様に密命を受けた同僚のことを思いやる。


(ジョッシュは…上手くやれたかな?)


人探しを命じられたジョシュアは、僅かで不確かな情報を頼りに単騎で国を飛び出していた。


ヒースローは修練と実戦の積み重ねで培った己の剣腕に自信を持っていたし、実際にその実力は神威分隊にあっては並ぶ者のない領域に達している。


一方のジョシュアは騎士としての研鑽はまだまだで、同じ特殊任務を命じられた身としてヒースローは彼の動向を案じていた。


出掛けにイリヤから明かされた作戦主旨は単純で、ヒースローやジョシュアにとって受け入れ易い内容であった。


(ラインベルク中将の戻りを待ち、全ての戦力をその機に投じて反抗に出る。…確かにそれしかない。あんなにも暴力的な大軍を相手にして、やはり彼でなくては勝ちは望めない)


しかし、とヒースローならずとも作戦を知った主要騎士の大半に思うところがあった。


果たしてラインベルクは<邪蛇>を倒せるのか。


倒せたと仮定して、第2軍の戦力は残るのか。


更に言えば、帰還が間に合うのか。


何も確証がない中で、イリヤの考えに全面的に賛同の意を示したのはジリアンと蓮の二人であった。


後は守備に徹するも戦力の温存が可能なのかという点と、どれほどの増援を頼めるのかという点。


戦場では各軍の粘りに期待する他になく、新たな戦力の投下に至っては、イリヤはタレーランとカタリナが汗をかく対外工作の成果をも最大限計算に入れていると明言した。


不確定要素がどれも自分たちに有利に働くという奇蹟が起きねば、これ程の国難を切り抜ける事など出来ないのだと言わんばかりである。


(何にしても…ここから自分に出来ることは、目の前の敵を一人でも多く倒すことだけ。短い期間であれ<幻月の騎士>と<竜殺し>に師事したこの剣、今こそ世に知らしめるチャンスだ!)


ヒースローは戦況をあれこれ考えることを止めた。


ここからは紅煉騎士団の一騎士としてただひたすらに剣を振るうと己に誓う。


ふとした拍子にヒースローが思い浮かべたのはラインベルクの知己たちのことで、今この瞬間も最前線にいるであろう彼らの顔が頭の中で浮かんでは消えた。


(ゼノアさんや唯さんは壮健なんだろうか…?)



***



唯は泣き崩れたままであった。


紅煉騎士団第3軍の受けた被害は数字以上に大きなもので、所属する騎士で悲しみと落胆を覚えぬ者はない。


ミリエラ=オービットの死は突然に訪れた。


乱戦下で遭遇した教導騎士団大将のフェルミと斬り合いになり、力及ばず討たれたのである。


第6軍の援護防御もあって全軍としてはどうにか持ちこたえたのだが、帰陣して後の威勢は散々なものと言えた。


「オービット将軍…うっ…うぅ…。ごめん…ライン…」


そう繰り返すばかりの唯はアラガンらの慰めにも耳をかさず、引き取られたミリエラの遺体に寄り添って片時も離れないでいる。


サイクス、アラガン、ディス=カンタスの三者は以後の指揮系統を確認したかったのだが、幕舎において会議が開かれることはなかった。


「邪魔するよ」


そこにベルサリウスが顔を出す。


入るなり、つかつかと内部を横切って唯の下へと歩み寄った。


「あ、おい…」


アラガンが咎める間もなく、ベルサリウスは唯の襟首を掴み腕力だけで立ち上がらせる。


唯は恨みがましい視線をぶつけるが、ベルサリウスは意に介した風もない。


「今も夜襲の危険はあるんだ。こんな時こそ指揮官がしゃんとしてなきゃ駄目だ」


「…無理。もう無理!オービット准将がいなきゃ、教導騎士団となんて戦えない…」


「そんなにこいつらに信用が置けないか?激戦を三日も耐え抜いたんだ。十二分な猛者たちとしか、俺の目には映らんがね」


ベルサリウスは三人の士官を指し示して言った。


急に話を振られたアラガンらが姿勢を正す。


「…オービット将軍は特別。ラインから預かった騎士団に必要な才能を、こんなところで…うぅ…」


「戦場に出て来ているんだ。指揮官も務めていた以上、彼女とて覚悟はしていただろう。ラインベルク将軍にだってその位の理屈は分かる筈だ。彼は伯を責めはしない。彼女の死を無駄にせず今後の方針を定める方が、余程彼女の供養にもなるだろう」


ベルサリウスは優しく諭して聞かせる。


彼は唯が敬愛するラインベルクに対して申し訳無く感じているのだと理解しており、その点のケアを怠らなかった。


ベルサリウスは唯をミリエラの前から押し退けると屈んで目を瞑り、祈りの言葉を捧げる。


ミース巫女王座の大神官としての祈りは、形式だけでなく威厳や神秘性をも備えており、見る者たちにミリエラの死をより厳粛なものとして受け止めさせた。


サイクス中佐からして目の周りを真っ赤にし、唯の止まらぬ涙に貰い泣きを誘われている。


やがて祈りを終えたベルサリウスは、幹部一同を見回して直言した。


「明日からはなおのこと辛くなる。守るにせよ攻めるにせよ、大胆な指揮が必要となろうよ」


「…左様。差し当たっては将軍職に代行を充てなければ。こうも不利な以上、軍をまとめるのに精神的支柱は不可欠。これにはカリスマ性が求められるが…」


ディスはアラガンとサイクスを窺うが、二人とも首を横に振って否定の意思を明らかにする。


「自分に人気がない点は承知しておりますから。その代わり、攻撃指揮はお任せください。オービット将軍の分まで敵を掻き回してやります!」


サイクスは言って、鞘に収まったままの剣を掲げて黙祷する。


アラガンも「柄じゃないですから…」と断った上で、防御指揮に全力を尽くす旨約束した。


「となると…こんな老体が大将では若手の士気が上がらんことは請け合い。ここはナノリバース伯にお願いする他ありませんな」


「そういうことだな」


ディスの薦めにベルサリウスも頷きを見せ、頭が混乱して声の出せない唯に将軍代理への就任を促した。


一軍を率いるなどという大役に少しの自信もない唯は大声で反対を訴えたかった。


だが、ここへ入る道中に陣内で見かけた騎士たちの意気消沈ぶりを思い起こすと、ただの感情論で片を付けることには躊躇いを覚える。


「…騎士として実績のない私に皆が付いてくるとは思えない」


「いえ。伯爵閣下は短い期間とはいえ太守としてレイエス領を預かった身です。武官代表のオービット将軍をも従えた身ですから、とても実績無しなどとは言わせません」


「カンタス大佐…私は輸送部隊以外を率いた試しがないんです。ましてや一軍なんて、無理に決まってます!」


「作戦立案は私、実戦指揮はサイクス、アラガンの両名が行います。伯には第3軍の象徴となっていただきたいのです」


「象徴…?」


「はい。伯はラインベルク将軍と長く行動を共にされいましたよね?市中で<五人組>と謳われているのを御存知ですか?」


「ええ。まあ…」


「ラインベルク将軍はグラ=マリの筆頭騎士で、国民の間で人気も高い。彼の側近であった伯もまた、騎士たちの間では英雄視されています。望む望まざるに関わらず、実際そうなのですよ。だからその名を利用させていただきたい。勇将倒れども、第3軍には<五人組>の唯=ナノリバース伯爵が健在だと」


「いいんじゃないか?伯は見映えも良いし、騎士たちも死ぬ気で将軍代行を守ろうとするだろうよ」


カンタスの強引な論法をベルサリウスが支持し、サイクスやアラガンに至るまで何ら疑問を感じた様子もない。


(嘘でしょ?私が第3軍の将軍代行だなんて…そんなこと、あっちゃいけない!)


この夜、第3軍の陣から劣勢にそぐわない力強い歓声が上がったことは、程なくして教導騎士団本陣にも報告された。


「ミリエラ=オービットが討たれたというのに、どういうことか…?」


将が没したにも関わらず意気が失われないという不思議な事態に直面し、フェルミの攻め気が些か削がれたことは否めなかった。


彼女の用兵が微かにでも慎重へと傾いたことは、後の戦況に少なからず影響を及ぼす結果となる。


諸国合従軍と紅煉騎士団の戦いは、こうして互いに決め手を欠いたまま中盤戦へと移行していくのであった。



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