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三話 鬼人VS巨人後編 完

迫る巨大な両腕を避け、死角から来る砕けた岩石を避ける、巨大な胴体にまで跳ぶ、その間時間にして数秒の事。


「ゴワッ!?」


幻の視認できないあまりの速さに始めて咆哮や雄叫び以外の驚愕の声をあげる巨人、驚愕で出来た隙を見逃すほど幻は甘くはなく。


「【鬼弾砲掌破(きだんほうしょうは)】!!」


技名と共に腕を突き出し平手の掌を胴体の中心にモロ直撃、凄まじい衝撃が巨人を襲い胴を後方に僅かに移動、ガコンッ!と鉄を撃った鈍い音が辺りに拡散しながら巨人の甲殻のような分厚い鎧の胸は大きく貫かれ砕かれており砕かれた鎧の破片はそのまま下に落下する、巨人の大きな瞳はやはり驚愕の二文字に染まり見え破片を見詰める。   


「ぼうっとしてる暇はねーぞデカブツ!!」


またも衝撃が巨人を襲う、連続で突き出された音を置き去りにする両腕が何十何百も見え残像の影ができた連打の掌撃が甲殻の鎧をさらに削り取る。

次々に音速を超え砕かれる鎧に痛みを感じるのか巨人は、ガァァアッ!と堪らず呻き声を上げる。


「オラオラ!懐かしき知る人ぞ知るムシキ○グのヒャクレツケン!の平手バージョンアップ版【千裂掌(センレツショウ)】だぜ!さらに大サービスにスマ○ラの魔神拳の鬼バージョン版!」


【千裂掌】を撃ち切り幻は砕かれた鎧の穴を土台にして巨人の顔にまで横回転しながら跳び上がり。


「必殺【鬼神拳】!!」


回転力と全筋肉をフルに使った拳撃の腕から紫の炎が膨大に炎柱を噴き上がらせブーストにし腕の覆う、巨人の腕には劣るものの大きな炎腕を作り顔面に――


「――ッガッァ…ッ」


――衝突し()り込み、次に顔の中心が燃え尽き消失、顔に焼け道を作り突き破った。


「――ッ!?」


突如幻の背中を爆撃が襲い地上に吹っ飛ばされる、が慌てることなく見事な体操選手ビックリの回転着地決める…その顔は誰が見ても明らかなドヤ顔で。


(おっとドヤ顔じゃなかった何で俺は吹っ飛ばされたんだ!?)


すぐにドヤ顔をキリッとした顔に戻し後ろに振り返る、するとそこにはまるで黒い砂のように崩壊するかの巨人の姿があった。


(……ぇ?)


一瞬ばかり言葉を失った、そして幻の表情はまだまだ遊び足りなかった子供の表情をする。


(はぁ、異世界生物でもやっぱ顔を消し飛ばすとそれで終いか、腕を消し飛ばせば良かったかな~そしたら暴れ回るーとかなったり第二第三の我が復活する的な感じになってたかもしれないのに、楽しみは最後まで取っとけ的なやつの……少しは満足したけどまだモノ足りねーな。)


はぁぁぁ~~と大きい溜息を吐きながら幻は巨人の山の様な亡骸(すな)まで近付き、スゥーと深く息を吸い息を吹き出す。

ちなみにこの息にはかなりの妖力が含まれており常人が吹き出すモノと同じな筈もなく、亡骸(すな)の山は何時の間にか夕方になった日に目指し見事に遠くの彼方まで塵に返る。


(よしこれで俺の満足度は100の内50が満たされた、後はどうしy……え?)


またしても言葉を失う。

先ほどまであった巨人の砂山に埋もれていたのか砂山を吹き飛ばした場所に――美人な女性が幻と同じように裸になって倒れていた。


(……マジでか?あれか?あのフャンタジーお約束戦ってた奴が的な!?巨人が実はこの女性だとでもいうのか!?)


牛のような太い角を除きというか思考の中にすら入らないのか無視し美人な女性を見る。

ボサッとした黒髪、身長は幻よりも高い180センチ、夕暮れの日差しで煌く褐色肌、幻の胸よりも大きいが形の良い胸部で柔らかくなった西瓜(スイカような爆乳、キュッと肉に無駄が無い引き締まった腰、肉つきの良い美脚、別の意味で幻とは違うある意味違う欲望の固まりの様な美人。

そんな美人の前に幻は。


(いただきます)


おいっ!?とツッコミが出そうなほど直球である意味の食べる事を決意したその顔は、瞳をまるで狙った獲物を食べる獣を想像させ、額を赤く染め口からジュルリと下を巻く、その美少女の姿は妖艶で変態そのもの。


「くぅ~~…」


安らかに眠るその美女に今鬼の手が迫る。




その日の樹海の夜は女の生々しい喘ぐ声が朝日になるまで続き響き渡った。完。

「「何で完結!?」」


と思っている方が居るでしょうが実はこれ元は短編の予定やつでちょっと変更をしてこうなりました、ちなみこれから続ける気は毛ほどありませんので期待していた方、申し訳ありません!。


反省はしてますだが後悔は微塵もありません、寧ろ飽きずに、放棄せず、消去せずに完結したのが清々しいくらいです。


こんな馬鹿な奴ですが次回作も期待してお読みくださって頂けると大変真に心の涙が出る程超嬉しいです。 

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