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二話 鬼人VS巨人前編

巨大な顔がギロリッとその大きな眼球を動かし視点は幻を見詰めてる気がした。

見詰められてる幻にとっては自分よりも大きな巨大な威圧のある目に睨まれたかと錯覚し一歩、二歩と後退りする。


(やっべぇよ俺、ていうか今気がついたが何でこんなデッカイ顔が俺の地面の下から出てくるんだ?ファンタジー異世界だからか?ってあーもう、んな事は今どうでもいいだろ俺!)


喝を入れるかの様にドンッと左足を前に強く踏み込み衝撃で地面が(へこ)み石粒や砂粒が舞い上がる。


(重要なのは――)


巨大な顔は再び爆音の叫び声を上げるのだろうか、息を吸う仕草をし人など小さき命ある者をその大きな牙の様な歯と口で忽ち一瞬で噛み砕き死滅し血肉の塊が出来上がるだろうその口が開く。


(――こいつと死合いする(たのしむ)事だろうがっ!!)

「――ッガァッァァァァァァアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアァァァァァッ嗚呼ッ!!!!!」


先ほどの叫びとは比べ物にならない轟爆音の超咆哮が大地を震撼させ亀裂が奔り瞬く間に砕き破壊し、大地の残骸は岩石流となり超大型台風を思わせる嵐の風に巻き込まれ巨大な濁流と嵐が幻を襲い掛かる。


「―――ッ!!」


強大な轟爆音の咆哮の声で幻の声は掻き消されるが確かに声を上げ、腰に力を入れる様に体を回転し右の、脚に、足に、指に、ありったけの筋力を振り絞り何かを右足に練り込(・・・・・・・・・)む様に纏い(・・・・・)、強大な濁流と嵐が大地に巨大なクレーターを造る鬼人の全力の蹴りに、衝突。


轟音と衝撃波が辺りに拡散、激しい強大な力同士のぶつかり合いは――引き分けに終わった。


「おわっ!?」


衝突した強大な力はどちらも譲らず互いが一直線にぶつかっていたせいで溜りに溜り行き場を失いついに膨大なエネルギーが暴発した。

例えるなら空気入りの風船を左右両方から圧力を加えてパンクさせる感じだが勿論そんなのとは比べ物にならないエネルギーだ。

その暴発したエネルギーに耐えられずさらに砕けた大地と共に吹き飛ばされる幻。

強大なクレーターはさらに規模を増やし侵食破壊が進みあの幻想的な樹海が一瞬で半崩壊し破壊と無の世界えと変え粉塵や土煙が辺り一帯を支配する。


「ガァアアアアアアアッ」


土煙が晴れ現れた強大な顔はあの暴発したエネルギーを効いてないのか何とも無かったのか傷や汚れ一切見当たらない。

その強大な顔が急にムズムズと顔を動かす仕草をする。

すると顔の左横の大地に亀裂が奔りバガンッ!と大地を破壊する轟音を上げこれまた強大な顔と同じく巨大な左腕が出現、左腕の次は強大な右腕が同じく出現。

強大な両腕が大地を力強く掴み――


「グゥッガァァァアアアアアアアアアアアアアアッ!!!」


力むかの様に吼え崩壊しきっていた大地がさらに崩壊しそこから強大で頑丈そうな刺々しい黒い甲殻の鎧に覆われた体を大地から引っ張りだす。

その姿は正しく巨人。


「……おいおい頭でっかちな顔だけじゃなかったのかお前」


土石の山から声がした瞬間、土石の山が衝撃で吹っ飛びそこから幻が現れ巨人と同じく無傷、ではなく血だらけでボロボロの傷だらけになり一番酷いのは肉を突き破りあらぬ方向に折れた右足、見ている方も痛々しく感じてしまう。

あまりの激痛で狂い発狂しかねない重症の大怪我をとても平気で立てるとは思えないが。


「あはは、アハハハはははハハハハハははハハはアははハハはハハアははハハハハハハッ!!!おいおい何時から俺はやられキャラになったんだ!あいつに殺されるわムカつくほど余計な女体化させられるわ今このデカブツに大怪我を負わせられるわ!こんな貴重な体験中々出来ねーぞ普通!てか居る訳ねーかこんな体験のある人生を送った奴!人生長生きするもんだな!あっ俺人生じゃなくて鬼生だわ多分あははははは!」


その顔の表情はあの不良の時の鋭い不機嫌な表情をした人物とは思えない歳相応の遊びを楽しむ様な笑みを浮かべ心の底から喜び笑い声をあげる幻。


「さあデカブツの巨人さんよぉ!あの馬鹿デカイ叫び声が本気な訳ねーよな!もっとあれ以上の力をこの俺!夜桜幻に見せてみろ!」


言い終えた瞬間、瞬く間に紫色の炎のように揺らめく膨大な何かが幻を体を丸く覆い纏い一瞬で体に溶け込む。

するとさっきまで血だらけ傷だらけだった体が全て傷一つ無くなり血が付いた髪は艶のある髪に戻り傷だらけだった肌は綺麗な肌に戻りあの酷かった右足も万全だった時の状態になっている。


「良いねーここまで妖気(ようき)を使わせたのはあいつという例外を除いてお前で一番目だ、さらに俺異世界初バトル。さあ、サービス満天に()りあおうぜ!」

 

先程の獰猛な笑顔がよりさらに危ういまさに愉しむ鬼の笑顔になり瞳は純粋に狂喜に輝かせる。

対する巨人は危険な匂いを漂わせる幻を危険と本能か知性かあるいは両方共に判断したのか、その強靭で巨大な両腕で襲い掛かる。


第二ラウンド、開始。

編集ミスってやり直しはキツイですね(泣)

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