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プロローグじゃすっとこどっこいがあああっ!

月と小さな光を輝かす星が薄らと見え、太陽は日が暮れ沈み行き、眩しい夕暮れの光が廃墟の中に居る男を照らす。


「……は、ぶち殺すとか何とかほざいて結局このざまかよおい不良さん等」


男の周りに居る百人ぐらいの集団に話しかけるが全員がボロボロになり床に倒れてる。男が無傷なのにたいして百人の全員が見るも無残に完膚なきまでボロボロというこの異常な光景を誰かが見ればこの男がやっただろうと皆は半信半疑(・・・・)に思うだろう。それは何故か、とてもそんな事ができるとはあまり考えられない容姿だからだろう。

私服から見えるその体はまだ十代後半の少年の様で男とは思えない女性のように綺麗で細くか弱く見え、その顔は魅力的な中世で美形であり本人が男だと言えば美少年、女と言えば美少女と周りは言うだろうが大抵の人は女だと思うだろう。

だがその男の美顔は今では常人が睨まれば怖気づきその場から逃げ去りたいと思い込ませる鋭い目つきと落胆と怒りと不機嫌で複雑な表情で周りの不良と呼ばれた集団を睨みつける。


(またかよ畜生っ、一体何処に俺を楽しませてくれるのがあんだよこのつまんない世界。いっそ愉しむ為死ぬ為この世界に喧嘩売るか?くっそ)


男はギリっと歯を食いしばり思考する、何でこの楽しくない愉しくない面白くもない世界に産まれてこの現代では不必要で摩訶不思議な()を持ったのだろうかと何でこの世界ではなく別の世界に産まれなかったのかと。


(……はぁまたアホらしい事考えちまった、中々諦めきれねーな。この力がこの世界で発揮する事なんて死ぬ時しかに無いのに…あっ忘れてたこいつ等全員気絶してるの。まあ、これっぽっちもつまんなかったがちょっと暇つぶしになったしこのまま放っておくのも何だし|携帯で救急車呼びますかね、はぁ)


そう男が溜息をこぼしてポケットから携帯を取り出す、が取り出した瞬間――真っ二つ(・・・・)になり携帯の上部分が床に落ちる。


「はぁ?」


別に壊れ欠けていたとかそんなので綺麗に真っ二つになったのではない、男は見えていた。誰かが取り出したあの瞬間に自分にも気付かれず(・・・・・・・・・)に携帯を真っ二つにした事に絶句し暫し唖然、そして急速に加速する思考と久しぶりに感じる、否、人生至上初めての吹雪のように冷たい悪寒。


「っ!、誰だ!このすっとこどっこいが!俺の携帯を真っ二つにしたのは!」

「君の後ろに居るが」


男の後ろから綺麗な声音が聞こえるのと同時にほっぺに手が触れる、気付いたと同時に一気に後ろに居る者に左足を床に小さいクレーター(・・・・・・・・)が出来る程踏み切り脚にし右足を腹部分だろう場所に全力の蹴りを放つ。


「ほいっと」

「なっ!?」


だがその男の蹴りをまるで子供の蹴りを読み避けるかの様に軽く声をだし横に軽く跳んで避ける。男の蹴りは空振りに終わるかと思いきや風を切った蹴りから常人ではありえない衝撃波(・・・)を生み出し廃墟の壁を轟音と共にブチ壊す。

その壊れた壁を男は一切気にせず無視し後ろに居ただろう人物を警戒し久しぶりに感じる冷や汗を流しながら見る、しかし姿は体全体を覆い深く被られたローブからでは全く男性なのか女性なのか分からないが声からして女性だろうと男は内心さらに驚く。


(おいおい何なんだこいつ…っ!?。さっきの真っ二つといい、気配を全く感じさせなかったといい、反射神経のいい奴でも避けられない筈の俺の全力の蹴りをかわすとか!?)


男は力を出そうかと言う時に女性と思われる人物から声をかけられる。


「おいおい幾ら廃墟でも此処は日本と言う国だよ?器物破損だよ君?まあ私はどうでいいけどね」


あはははっと軽い調子で笑う女性。その様子に男はまたも唖然とするがすぐにまた気を引き締め警戒する。女性は男がまだ警戒してるのかと悟ったのか、肩を竦め声をかける。



「もうそんなに警戒しないでよ。まあいずれ警察って言う奴が来るし邪魔されず落ち着ける所に行きますか――鬼の血を受け継ぐ最(・・・・・・・・・)凶にしてこの世界で(・・・・・・・・・)最後の亜人(・・・・・)君」

 

 



暗い意識の中、体の全体に吹き抜ける涼しい風と木々の自然の匂いが気持ち良く全身を(くすぐ)る感覚と心地の良い寒気で意識が徐々に覚醒する。

そして徐々に覚醒すると同時に、何故自分が(・・・・・)生きているのか(・・・・・・・)すぐさま疑問に思いすぐに意識を覚醒し体を起こし目を見開き、その目に映る風景に思わず息を呑む。


今まで見てきたどの水よりも綺麗で透き通るマーブル色の湖、その湖から日の光を程よく塞ぎ緑豊かな木々が立ちよくその周辺を目を凝らして見れば湖の中に花が咲き乱れる。

見た事もない美しい幻想的な風景にしばらく惚け目を離せず、心の底から綺麗だと思う懐かしき感動を感じながら今居るのはどんな所かと周辺を見渡し確認する。どうやら木の、否、大樹の根の真下に人工ではない天然の空間の様な場所に居て木の根が絡まった天然の床、その床かの隙間から見える下は軽く降りても大丈夫な距離に湖がある、まるで秘密基地の様だ。


「…あれ?何か忘れてる様な気が、うん?」


つい独り言を言ってしまったが何だか声音が妙に高く綺麗で女ぽっい様な、あと何だかさっきから額と髪に違和感がと言うより何か生えた様な長くなった様な、あと胸が重いなどうなってるんだと下を見ると――そこには男には無い筈のモノがあって、女にある筈のモノがあるのが見える。

一瞬理解できず固まり理解した後一気に青ざめた。


「えっ」


一度その下に有るモノを幻だろうかと恐る恐る触ると現実だと思い知りさらに追い討ちに忘れてた疑問をも思い出してしまう。


(どういうことだ一体!?俺は確かに死んだ(・・・)筈だ!何で死んだのかの原因は思い出せるし何であれ、あの時死んでしまった。それは確かに覚えてるんだが、今はそんな事は心底どうでもいいな、問題なのは)



「『男』の俺が『女』になってしかも全裸で森っと言うより樹海の中………ふっ何じゃそりゃぁぁぁぁぁあああああああああああああああああああああああああああああああああああ嗚呼ーーッ!!!???」



――幻想的な樹海のその先まで聞こえそうで綺麗な咆哮(おおごえ)で叫ぶ元男、夜桜(よざくら) (まぼろし)未知なる異世界(ニューワールド)に何時の間にか招かれ何故か女体化したのだった――

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