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状態異常使い、敵を溶かす。~状態異常ビルドのVRMMO~  作者: MEはCat
【第一章】状態異常使い、爆誕
5/16

血肉を喰らう者、降臨

[血染め鴉を倒しました]

[50HGを入手しました]

[ランク8になりました]


「どうしたどうした! もっと俺を楽しませろ!」


 血酸嘴砲の威力たるや、血染めの鴉が2発で消し飛ぶ様子を見てると爽快感があって気持ちが良い。

 ただ魔力の消費が激しいのがネックだ。

 最大魔力が30に対して、一発撃つのに5も魔力を持っていかれてしまう。

 それ故に【捕食葬送】で魔力を回復しなければならない。


「街で魔力ポーション買っとくべきだったかな」


 きっと街に行ったら回復させる為のポーションが売られていたのかもしれない。

 だが俺はそんな事を気にせずに飛び出してきた為、回復手段を【捕食葬送】に頼るしかないのだ。


「これは……上り坂か?」


 今居る場所は腐れ穴鴉の地下1階。

 とすれば、この上はダンジョンの1階に繋がっているに違いない。

 一体どこまで続くのかは分からないが、序盤のダンジョンをそこまで長く続けさせるとは思えない。


「――――殺気!」


 ふと上り坂の奥から殺気を感じた。

 渓谷で感じたのと同じような感覚。


「居るな……ボスが」


 これは確信だ。

 この先にダンジョンが構えている。

 初めてのボス戦、どうせなら初見討伐を果たしたい。


「体力良し、魔力良し、武器良し、防具良し……行くか」


 一歩、また一歩と坂を登る。

 殺気が一層深くなったのを感じる。

 カァカァと喧騒が耳元を支配し、先には光が漏れ出す。


『腐れ鴉穴(1F)』


「「「カァ! カァ! カァ!」」」


 そこは広大なドームだった。

 周囲には赤と黒の鴉が声を上げ、挑戦者を歓迎する。

 その中央に鎮座するは、空を覆い尽くさんと巨大な体躯を持つ大鳥であった。


「カァ……!」


 大鳥はゆっくりと首を動かし、俺を見下ろした。

 濁った黄金色の瞳により、重厚な殺気が放たれる。

 翼がゆっくりと広がった。

 ドームの天井を覆い尽くす血色の翼が広がった。

 その羽がばたく度に赤い羽が舞い、腐臭が空間を満たす。


[ダンジョンボスを発見しました]

[血翼の腐王鴉 グラウ=レイヴン] 


「……へぇ」


 思わず笑みが零れる。

 俺は血酸嘴砲を構えた。


「狩られる側がどっちか、教えてやるよ!」


 俺がそう宣告した瞬間、血酸嘴砲から酸弾が放たれる。

 酸弾がグラウ=レイヴンに当たり、腐食と出血によって身体を蝕む。

 だがグラウ=レイヴンは気にする素振りすら見せず、口から紫色の毒酸弾を放った。


「一体どこに撃って……そういう事か!」


 その毒酸弾は非常に遅い弾だ。

 だがその真髄は着弾地点に毒酸を()()事。

 足場を制限させ、獲物を追い詰める戦い方だ。


「させるか!」


 再度グラウ=レイヴンが毒酸弾を発射する瞬間、俺は殺気を放つ瞳に向かって酸弾を放った。

 グラウ=レイヴンは大きく仰け反ったが、翼から深紅の羽が飛び出してきた。


「……っ! 出血か!」


 出血は状態異常を補助する為の状態だ。

 となれば、尚更あの毒酸弾に当たる訳には行かない。


 ガキンッ!


「もう当たるかよ!」


 俺は飛来する深紅の羽を黒羽のダガーで弾く。

 ドームの壁面を蹴り、地面を滑るように駆ける。

 縦横無尽に駆け回り、酸弾を発射する手を止めない。

 【血腐食霧】と【死肉伝播】の合わせ技。

 これにより、多くのダメージを与えるに至る。


「「「カァ! カァ! カァ!」」」


 それを見た周囲の観客は焦ったのかドームの中に乱入し始める。

 啄み鴉、血塗れ鴉、そして血将鴉までもが俺に向かって攻撃を始めた。


「言っとくが烏合の衆だぞ」


 俺は鴉の大群の中に酸弾を打ち込んだ。

 腐食は霧状に散布し、互いが溶け合う惨状を引き起こす。

 そして、その影響はグラウ=レイヴンにも届く。


「カァ?!」


 奴は知らないだろう。

 【死肉伝播】は状態異常の者が倒されると周囲に()()する事を。


「【捕食葬送】ッ!」


 黒羽のダガーの【捕食葬送】により一体ずつ雑魚を処理。

 それと同時に体力回復と魔力を回復させる。


「はっは! 必勝法が生まれちまったぜ!」


 俺にとって、鴉共は回復ポーションと同義よ。

 回復した魔力を血酸嘴砲の魔力として使い、消費した魔力は鴉を攻撃して回復する。

 グラウ=レイヴンよ、いつまで耐えられるか見物だな。


「カァァァァァァァァァッ!!!!」


「……何だ?!」


 突如、ドーム全体が震えた。

 グラウ=レイヴンの巨体が大きく仰け反り、天井を揺らすほどの絶叫を放つ。


 その声は怒り――――

 否、飢えた怪物の咆哮のようだった。

 次の瞬間、周囲の鴉の身体がガタガタと震え始めた。


「……おいおい」


 思わず声が漏れる。

 鴉達が、吸い寄せられている。

 全ての観客がグラウ=レイヴンによって捕食された。

 骨が砕ける音、肉が潰れる音、湿った音を掻き鳴らしながら、更に禍々しい姿へと変貌していく。


「カァ……!」


 片翼の赤い羽が、ボキボキと不気味な音を立てて折れた。

 代わりに突き出したのは――――

 無数の骨で構成された翼。

 肋骨に、指骨に、脊椎。

 それらが歪な形で組み上がり、巨大な骨翼となって広がっていく。


 もう片方の翼は変わらぬ血に濡れた深紅の羽。

 だがその羽の隙間から、腐肉が鎧のように盛り上がる。

 身体中に張り付いた死体が、まるで生きているかのように蠢いていた。


[第二形態へ移行]


「カァァァァァァ!!!!」


 骨翼と血翼が同時に広がった。

 さっきまでの巨体が、今では死体の山そのものに見えた。

 腐肉が鎧となり、骨が翼となり、酸が血となる。

 まさしく、死肉の王と形容するに相応しい。


「第二ラウンドって訳だ」


 気付けばニヤリと笑みが零れていた。

 血酸嘴砲を構え直し、怪物と目が合う。


「上等!」


 俺は地面を蹴った。


ボスには第二形態が付き物なのだ……え、そんな事無い?


◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆


名前 赤月

階級 ランク8

所持金 790HG

武器 血酸嘴砲【血腐食霧】

武器 黒羽のダガー【捕食葬送】

防具 血羽の屍外套【死肉伝播】

装飾 なし

装飾 なし

装飾 なし


ステータス

体力 50

魔力 30

攻撃力 30

防御力 20

状態異常耐性 +40%


◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

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