ザリガニ釣り
『ムシムシ密林』の東側。
そこには一本の小川があった。
穏やかに流れる水、多少濁っていても、逆に風情のある雰囲気を醸し出していた。
ポチャリ。
その小川の縁には、俺とクワバラ料理人が釣り糸を垂らしていた。
「……むっ?」
釣り糸に重みが乗せられたのを感じる。
俺は釣り上げようとするが――――
「あっ、逃げられた?!」
直ぐに逃げられる。
「赤月さん、釣り上げる時はゆっくりやるのがコツですよ」
「……なる程」
こういう時は焦りが禁物。
穏やかな心持ちでやらねばならない。
「いや、なんやこの組み合わせ。情報量多すぎひん?」
ふと、聞き馴染みのある声が後ろから聞こえた。
特徴のあるインテリ系関西人風の喋り方。
俺の知る限り、そんな奴一人しか居ない。
「おや、BANさんではありませんか」
「クワバラ料理人さんやないですか。これはまた奇遇ですなぁ――――この前は、ええ時間をどうも」
どうやら、クワバラ料理人はBANと親交を持っているようだな。
数少ない丁寧な口調同士――――
いや、BANは別に丁寧じゃないか。
「それで……2人でザリガニ釣りですか。君らしい言うたら君らしいけど……趣味なん? それ」
「いや、クエスト消化兼チルタイムみたいな物だな。BANも一緒にやるか?」
「……まぁ、ええですよ。ちょうど手持ち無沙汰やったし、付き合ったりますわ」
BANはそう言うと隣に座って、俺と同じように釣り糸を垂らした。
このザリガニ釣り界の先輩として、ここは1つ揉んでやるとしますかね……。
「――――せやけど、どうせやるなら競いません? 数で勝負。効率の差、はっきりさせときましょか」
……ほう?
「このザリガニ釣りマスターの俺に勝負を挑んで来るとは……良いだろう、受けて立つ」
「おや、ザリガニ釣りマスターですか。肩書きは立派やけど……さっき逃がしてたん、あれはノーカンでええん?」
「……何の話かな。気の所為だよ気の所為」
俺が本気出せばザリガニなんて余裕で――――――
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
[「静寂なる一時にザリガニはいかが?」をクリアしました]
[報酬500HGと遺物強化剤を入手しました]
「5対15――――思ったより差つきましたねぇ。まぁ、こんなもんですわ」
ば、馬鹿な……このザリガニ釣りのマスターである、この俺がぁぁぁぁぁぁ!!!!!
「は? お前チートか何か使ったかお前」
「チート? 随分と都合のええ仮説立てはりますなぁ。負けを外部要因に求めるん、あんまり賢い選択やないで?」
こいつ、意外と手先が器用だ。
ザリガニ釣りのコツを瞬時にマスターしやがる……!
「大体予想は付いていましたが……BANさん、こういうミニゲーム得意ですもんね」
「えぇ、かなり得意でやらせてもろてます。この自称マスターとは年季が違うんですわ」
「こいつ、ここぞとばかりに煽ってきやがる……!」
あ〜もういいや、どうせザリガニ5匹釣れたし別のクエスト行こっと。
何がザリガニ釣りだよ、こんなのガキの遊びじゃねぇか。
「じゃ俺帰る。あ〜やってられるかアホらし」
「……あぁ、不貞腐れはりましたか。まぁ、プライド守るには撤退も戦略のうち、と言いますしねぇ?」
うるせー次会ったら覚えておけよ!
ク ソ ガ キ バ ト ル
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名前 赤月
階級 ランク25
所持金 22340HG
武器 災極双転銃【極性災雷】
武器 災極双転銃【極性災雷】
防具 災雷纏装【極性増幅】
装飾 腐王鴉の眼核【死肉の王眼】
装飾 毒蜜女王の毒腺輪【紫蜜ノ血】
装飾 蜂王の統率環【群体支配】
ステータス
体力 150
魔力 125
攻撃力 50
防御力 50
素早さ 30
毒効力 1毎2
自動魔力回復 1秒毎3
状態異常命中 +100%
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