困った時はお互い様
再度ログインを果たした俺は早速クリア報酬を確認する事にした。
苦労の甲斐があって3000HGと遺物が2つ入手したが、お金の方は既に使い切れない程の金が集まってるな。
後で『サンド街』に戻ってアイテム類買っても良いかもしれない。
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蒼天機兵の蒼炎刀
攻撃力 50
状態異常命中 +30%
蒼天機兵ヴァル=カリバーからドロップする遺物。
蒼く透き通る刀身は機兵の炉心と共鳴しており、魔力を流し込むことで蒼炎を纏う。
その炎は通常の火ではなく、魔力を燃料として燃え続ける蒼き戦火である。
【蒼炎点火】
種類 即座
消費魔力 1毎2
刀身に蒼炎を纏わせるスキル。
蒼炎に命中した敵は火傷状態となる。
火傷状態となった者は攻撃力が20%低下する。
また、蒼炎は常に魔力を消費しなければ維持出来ない。
蒼炎の炉心核
体力 10
魔力 20
自動魔力回復 1毎1
蒼天機兵ヴァル=カリバーからドロップする遺物。
蒼き結晶からは心臓の如く鼓動している。
【蒼炎燃焼】
種類 即座
消費魔力 10
既に対象の敵に付与されている状態異常を1つランダムに解除する。
解除した後、自身の最大体力の40%回復する。
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「凄い優秀だが……迷うな」
まず装飾品、これは余っていた装飾一枠に入れるべきだ。
相手の状態異常を解除してしまう弱点はあるものの、この状態異常特化のビルドなら付与する状態異常の数も自然と多くなる。
これは流石に利点の方が大きいな。
そして武器だが――――
俺の武器枠は埋まってしまっている。
つまり、『血酸嘴砲』か『腐王鴉の嘴短剣』のどちらかを倉庫行きにしてしまうのだ。
『蒼天機兵の蒼炎刀』は魔力を多く消費するものの、攻撃力が驚異の50もある。
多少の火力不足を補う為、どちらかを交換してでも入れて置きたい一品だ。
「……『腐王鴉の嘴短剣』だな」
俺は遠距離武器は欲しいと判断して、一旦『腐王鴉の嘴短剣』を倉庫行きにする事にした。
毒とスキルの回復も強いんだが……単純な攻撃力と火傷が強力なのと、装飾品に回復手段が出来た都合上、出番を終えるしか無いのだ……。
「このまま『ムシムシ密林』の探索に……と言いたい所だが、やっぱ戻るか。回復ポーション買いたいし」
ヴァル=カリバー戦でだいぶ回復ポーションを使ってしまったから、そろそろ補充をしなければならない。
お金も潤沢にある事だし、回復ポーションの他にもアイテムを買っていっても良いのかもしれない。
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「……気の所為じゃないよな」
ここは『カラカラ荒野』であり、『サンド街』ではない。
なのに妙に視線を感じる。
もしや、後でも付けられてるか?
後ろを振り返って『血酸嘴砲』を構える。
「出てこいよ」
静寂が流れる。
それで隠れてるつもりなのか?
バンッ!
俺は岩陰に向かって酸弾を発射した。
「……っ!」
この酸弾には【血腐食霧】が込められている。
着弾地点周囲に霧を散布させ、触れた者に腐食と出血の状態を付与する。
潜伏者は突然の状態異常に驚いたのか、小音の物音を立てた。
「もう一発撃つか?」
「待った待った、オジさんが悪かったっての!」
観念したのか、男性が岩陰から出てきた。
プレイヤーネームは”玩具戦士”。
「……おかっかねぇな、あんちゃん」
玩具戦士は降参とばかりに両手を挙げる。
「一応付けてた理由を聞こうか?」
「お前さん、あのダンジョンから出てきただろ? しかも五体満足で」
「情報が欲しいのか?」
一瞬、玩具戦士の表情に動揺が見えた。
まるで図星を突かれたようだった。
「……話が早いな。実は今、皆あそこをどう攻略しようかで話が持ち切りでね」
つまり、先に攻略した俺から情報をせびる気だな。
悪いがただで情報をくれてやる義理は無い。
仲間でない所か、敵にすら成り得る奴連中なら尚更だろ。
「言っとくが報酬を積まれても情報を落とす気は無いぞ」
「おいおい、困った時はお互い様だろ?」
「それは仲間に対して使うべき台詞だぜ」
一瞬、沈黙が流れる。
次の瞬間――――
「【大震撃】!」
「くっ……!」
俺は【大震撃】を発動した。
玩具戦士は避けきれず、1秒間気絶の状態となる。
「じゃあな玩具戦士! 次に合う時は交渉術を身に着けてから出直して来るんだな!」
「……逃がすか!」
玩具戦士がそう叫ぶが、もう遅い。
俺はこの場を走り去っていた。
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名前 赤月
階級 ランク15
所持金 6240HG
武器 蒼天機兵の蒼炎刀【蒼炎点火】
武器 血酸嘴砲【血腐食霧】
防具 血羽の屍外套【死肉伝播】
装飾 腐王鴉の眼核【死肉の王眼】
装飾 粉砕機兵の圧壊輪【大震撃】
装飾 蒼炎の炉心核【蒼炎燃焼】
ステータス
体力 80
魔力 80
攻撃力 60
防御力 20
自動魔力回復 1毎2
状態異常命中 +60%
状態異常耐性 +40%
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