蒼炎、六刀で切り裂く
それはまるで蒼き火達磨が高速移動しているかのようで、熱量のある塊が殺意を持って突撃しているかのようだった。
ガキィィィィィィィンッ!
「なんて速さだ……!」
油断一つで瞬時に焼き切れる戦場。
集中を深め、ヴァル=カリバーの動きに適応する。
これが現状の最適解だった。
「大丈夫ですか?!」
「無問題!」
単純に素早く火力も高い。
猛攻を掻い潜り攻撃を当てた所で、火傷のせいで決定打には成り得ない。
腐食込みでさえ火力が足りないのだ。
――――が、ダメージが無い訳ではない。
ギギッ……ギギッ……。
『腐王鴉の嘴短剣』で何度も斬り込んだ甲斐があり、ヴァル=カリバーの身体には相当な毒が回っている。
それと同時に【血腐食霧】に含まれた出血の状態異常により、毒の効力を底上げされた状態だ。
それでも尚、ヴァル=カリバーは立っている。
「殆ど回復行動の妨害に失敗したとは言えしぶと過ぎるだろ……」
「……それが原因じゃないですか?」
「うるせぇやい、中々タイミングが掴めないんだよ」
理想は【大震撃】で回復行動の妨害出来れば良いんだが、こいつ普通に強すぎて防御に使わざるを得ないんだよ。
そして使う直前に回復モーションを挟まれるのが一種のお家芸になってる気がする。
「つーか回復モーションあるからと言って、ほぼ全回復してそうなあいつ側にも問題が――――っぶねぇ!」
攻防強くて、火傷のデバフ撒いて、自己回復してくるボスなんざ強いに決まってるだろ。
木こりを見ろ、攻撃力下げられて自慢の火力出なくなったから素手で避けてるぞ。
ギギッ……ギギッ……。
ヴァル=カリバーは再度構えを――――
「【大震撃】ッッッ!!!」
回復行動の阻害。
これにより、重複された毒、そのダメージを治す事が不可能となる。
ギギッ……ギギッ……ギギッ……!
その刹那、突如として火柱が身体から放出された。
それは絶命の絶叫に等しく、偉業を成し遂げた者への最大の賛辞でもあった。
[ダンジョンボスを撃破しました]
[蒼天機兵 ヴァル=カリバーを倒しました]
[蒼天機兵の蒼炎刀を入手しました]
[蒼炎の炉心核を入手しました]
[3000HGを入手しました]
[ランク15になりました]
[ダンジョンの入り口まで転送します]
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
『ムシムシ密林』
「つっかれたぁぁぁ〜!」
「やり……ましたね……!」
本当に長く苦しい戦いだった。
分かってはいたが、一番最初に倒したグラウ=レイヴンより苦戦した気がする。
きっとあのボスは、このゲーム史上クソボスオブザイヤーの優勝を飾るだろう。
ヴァル=カリバーよ、お前は正真正銘のクソボスだった。
次に合う時はナーフしてから来てくれ。
「それで……ここ、どこでしょうか?」
いつの間にか、周辺は緑に囲まれていた。
どこを見渡しても緑、緑、緑――――
どっからどう見てもジャングルだった。
「きっとこのダンジョンを攻略したから先のエリアに飛ばされた感じだろ」
後ろの攻略したダンジョンに近づけば、前のエリアに戻るか再度ダンジョンに入るかの二択の選択肢が浮かび上がる。
クリア報酬としてもう一度攻略しなくても、フリーパスでエリア間の移動が可能になったのだ。
「……赤月さん、本当にありがとうございました」
「木こりもお疲れ様だな」
「それと……えっと、今更ですけど、フレンド申請送っても宜しいですか?」
「あ〜そういえばしてなかったな。いいぞ」
[プレイヤー 木こりからフレンド申請を送られました]
[承認/拒否]
俺は承認を押す。
今回は木こりに助けられる事も多かった。
またパーティを組む時があれば大歓迎だ。
その時までに、もっと強くならないとな。
「じゃ、一旦ログアウトするわ。またどこかで会おう」
「はい。またどこかで!」
そうして俺はログアウトしていった。
※リリース二日目です(???????)
RTAでも目指してるの?
この人は……()
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名前 赤月
階級 ランク15
所持金 6240HG
武器 血酸嘴砲【血腐食霧】
武器 腐王鴉の嘴短剣【腐王吸命】
防具 血羽の屍外套【死肉伝播】
装飾 腐王鴉の眼核【死肉の王眼】
装飾 粉砕機兵の圧壊輪【大震撃】
装飾 なし
ステータス
体力 70
魔力 40
攻撃力 40
防御力 20
自動魔力回復 1秒毎1
状態異常命中 +60%
状態異常耐性 +40%
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