懺悔
「何度見てもジメジメしてんな」
ここ『のこ丘』で活動しているからか、もう茸まみれの景色は見慣れてしまった。
味変として、綺麗で清々しい景色を観たい。
例えるならそう、北の『ゴールド林』とかな。
あそこは壮観だった。
心底あぁいう明るい景色を求めて――――
『やみ森』
「…………………………」
『やみ森』に足を踏み入れた瞬間、世界から色が抜け落ちたように感じた。
頭上を覆う木々は空を完全に閉ざし、昼夜の区別すら曖昧になっていく。
どこを見渡しても深い闇が沈み込み、遠くの景色は輪郭さえ定かではない。
視界の先にあるのは、黒よりなお濃い静寂だけだった。
「俺が求めてたのは明るい景色のはずだ。その対極のエリア出てくるとか嫌がらせか?」
闇の中で、唯一の光が漂っていた。
あれは、蛍だ。
湿った空気の中を淡い青緑の光が飛び回っている。
その光は次の瞬間には消えて、そして別の場所で灯る。
群れとなって瞬く度に森の奥にぼんやりと道のようなものを浮かび上がらせていた。
「光源は蛍だけ……流石に暗過ぎるぞ。『埋葬庭園』より暗いんじゃないか?」
文字通りの暗闇が視界を塞ぐ。
この状態で奇襲でもされたら対処は困難だ。
何か光源になるものは――――
あったわ。
「こういう時の為の『導きの電灯』だよな〜」
俺は『導きの電灯』を付けて前方を照らす。
すると、正面に誰かが居た。
――――いや、見間違えだ。
誰かが居た訳じゃ無い。
「ビックリした……何だ地蔵か」
そこには地蔵がずらりと並べられていた。
その全てが両手を合わせており、まるで何かに祈りを捧げているようだった。
「……ん?」
ふと、地蔵の前に手紙落ちていた。
誰かが置き忘れていったものだろうか。
『旧王陛下へ』
この手紙を、貴方が読むことはないのかもしれません。
けれど、どうしても書かずにはいられませんでした。
貴方が魔神をその身に封じられてから、狂乱はひとまず鎮まりました。
ですが、モンスターたちは完全には従わず、各地で牙を剥き続けています。
街も、村も、もうかつてのようには戻りません。
人々は怯え、疲れ果て、遂にはこの星を去る道を選びました。
空へ昇っていく舟を見送りながら、私はずっと同じことを考えていました。
本来、あの封印の器となるべきは、貴方ではなく私だったのではないかと。
あの時、私は恐れました。
自分の身がどうなるのか、封じた後に何が残るのか、何もかもが怖かったのです。
そして私は、引き受けるべき役目から目を背けました。
その結果、貴方がその身を差し出し、この国は王を失い、多くの民は故郷を捨てることになった。
この惨状の前では、どのような言葉も言い訳にしかなりません。
私はずっと、貴方の決断に救われた者のひとりでした。
それなのに最後の最後で、貴方を救う側に立てなかった。
ただ守られるばかりで、何ひとつ返せなかったことが、悔やんでも悔やみきれません。
去っていく者たちの中には、貴方の名を口にして泣く者もいました。
この地に残る者たちもまた、明日を信じきれずにいます。
貴方がその身で繋ぎ止めた静けさは、あまりにも大きな犠牲の上にあるものです。
その重みを思うたび、胸が裂かれるようです。
もし時を戻せるのなら、今度こそ私は逃げません。
恐れようと、砕けようと、あの器になるべきは私だったと、今ならはっきり言えます。
けれど、もうそれは叶いません。
だからせめて、貴方が背負った罪と痛みを、忘れぬ者として生きようと思います。
どうかお許しください、とは申しません。
許されるべきではないことを、私自身がよく知っているからです。
ただ、貴方の眠りが少しでも穏やかであることを。
そして、貴方が守ろうとしたこの星の記憶が、完全には失われないことを、祈っています。
ティターニア
「ティターニア……どっかで聞いた事ある気がするな」
この感じからして、きっとNPCが書いたものだろう。
俺が出会ったNPCに、ティターニアって名前の奴――――
「”妖精の長 ティターニア”……『ピクシー村』で出会ったお礼言ってた妖精か」
だいぶ前の事だからか、ぱっと思い浮かばなかったな。
この手紙、あの人が置いてったのか。
「旧王陛下……魔神……狂乱……」
この文章から察するに、前にも一度狂乱のモンスターが蔓延った事があるな。
そんで、旧王って奴が自分自身に魔神とやらを封印したから狂乱化が収まった。
収まったは良いものの、モンスターが野生化したせいで、大多数が他の星に移住していったって歴史か。
「本来ならティターニアが封印される予定だったのか」
そもそも他人を封印の器として使うなよってツッコミは一旦置いておくとしてだ。
ティターニア自身は封印拒否した影響で狂乱化の騒動が起きたって思っていて、それを後悔している。
だから、移住にもついて行かなかったんだろう。
「大体の話の流れは読めて来た。狂乱も魔神って奴が引き起こしてる事もな」
封印つっても、騒動の真っ最中での封印だろうし、当時は完璧な封印なんて施せなかったはずだ。
年月が進み封印が緩んで、狂乱化したモンスターが出てくるようになるのは時間の問題だったんだろう。
「狂乱化は「これからレイドボス出てくるぞ〜」って予兆だったんだな。凄ぇ納得」
となれば、魔神が封印されてる場所見つけ出してカチコミかける必要があるな。
中々面白くなってきたじゃねぇか。
敵が強大であればある程燃えるのがゲーマーの性だぜ。
「よし決めた。魔神は俺がぶっ倒す。何故なら、俺が「ぶっ倒したい」って思ったからだ」
だが――――
まず狂乱化に慣れないと話にならない。
あれさえマトモに倒せないようでは、魔神には届かないだろうからな。
俺はもっと強くなれる。
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名前 『赤月の夜』赤月
階級 ランク34
所持金 55800HG(1700BP)
武器 魂縫双銃【魂吸収弾】
武器 魂縫双銃【魂吸収弾】
防具 縫魂礼装【魂枯渇転化】(紅砂のガンマン)
装飾 腐王鴉の眼核【死肉の王眼】
装飾 毒蜜女王の毒腺輪【紫蜜ノ血】
装飾 嵐角雷環【嵐角誘雷】
ステータス
体力 290
魔力 185
攻撃力 100
防御力 30
素早さ 50
毒効力 1毎3(+1)
吸収効力 1毎2
麻痺効力 10%
自動魔力回復 1秒毎4(+1)
状態異常命中 +140%
状態異常耐性 +30%
職業
遺物調薬師 熟練度5
【遺物調薬図鑑】【脆弱化】【遺物調薬観察眼】【高純化】【調薬合成】
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