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状態異常使い、敵を溶かす。~状態異常ビルドのVRMMO~  作者: MEはCat
【第一章】状態異常使い、爆誕
11/12

迷える子羊よ

『巨壁回廊(1F)』


 ダンジョンの中は冷たい静寂が広がっていた。

 壁にかけられた松明のみが照明変わりとなり、それ以外は真っ暗な闇が包みこんでいた。


「暗いですね〜」


「暗いな〜」


 地面は大理石が敷き詰められており、一歩足を進める毎に心地良い音を鳴らす。

 荒地のような暖かさは無く、ただ涼しげな風が通っていくのみだった。


「何でしょう、これ」


 木こりが何かの()()を発見した。

 そこには羊の群れに背を向ける孤独な羊が描かれており、その上には意味深な文字が刻まれていた。


『迷える子羊よ、もう群れの中に飛び込む事なかれ。何も無い暗闇に旅立ち、一つの灯火を求め、二つの灯火を追いかけ、そして何も無い暗闇に帰るのだ』


「何かのヒントっぽいが……今の所何を指してるのかまるで分からんな」


「赤月さん」


 木こりがそう言うと、バトルアックスを構える。

 その暗闇の奥には赤い光がこちらを覗かせる。


「ピピッ」


 ふと何かの機械音が鳴った。

 その次の瞬間――――


「チィッ……!」


 俺は銃弾を腐王鴉の嘴短剣で弾いた。


「【処刑】!」


 木こりは瞬時に戦闘態勢に入り、バトルアックスを振りかざした。


 ガギィィィィィン!


 轟音を掻き鳴らしながら両断されたそれは、まるで()()のような見た目だった。


[守護機兵を倒しました]

[50HGを入手しました]


「……ありがとうございます! お怪我ありませんか?」


「問題無い。にしてもゴーレムか……こういうのも出てくるんだな」


 今まではモンスターはモンスターでも生き物を相手にしてきたが、無機物との戦闘経験は全く無い。

 これを機に行動パターンを覚えるのも良いかもしれんな。


「赤月さん……あれ!」


「……へぇ」


 木こりが示した方向には同じ守護機兵が立っていた。

 ――――いや、1体だけじゃない。

 2体、3体、4体……10体以上居る気がするな。


「全く、ソロで挑まなくて正解だったな」


 俺は血酸嘴砲を構える。

 物量攻めで俺達を倒せると思ったら大間違いだ。


「はい。2人なら余裕で倒せます!」


 どうせなら、もっと数を持ってこい。

 その程度では勝てない事を教えてやる!


◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇


 暗闇の奥から、ドしどしと重厚な足音が回廊を響き渡る。

 強固な壁に囲まれた回廊は侵入者を防ぐ為、常に守護機兵を生成し続けていた。


「ピピッ」


 守護機兵の一体が何かに反応した。

 侵入者だ。

 手元に構えるは鉛玉を発射する筒。


 その筒を見知らぬ侵入者に向け――――

 

「【処刑】ッ!」

「【腐王吸命】ッ!」


[守護機兵を倒しました]

[50HGを入手しました]

[ランク12になりました]


「どーなってんだこのダンジョンは! いくら何でも敵が多過ぎんだろ!」


 どこに向かっても守護機兵だらけ、あの『腐れ鴉穴』でもここまで敵の数多くないぞ!

 確かに「もっと数を持ってこい」って思ったけど、ここまで持ってくるとは誰が予想したよ!

 だが育成の甲斐があって敵が柔らかいのは救いだ。

 これで血将鴉みたいな耐久力があったら、確実に苦戦を強いられていただろう。


「そろそろ次の階層に行っても良さそうですけどね……」


 ここまで駆け回って階段一つ無いのは流石におかしい。

 となると――――ギミックか?


「木こり、先行っててくれ! 後で合流する!」


「えっ?! はい! 分かりました!」


 気になる事がある。

 何故か周囲の景色がまるで変わらないんだ。

 俺達は大きく移動しているはずなのに、同じような景色ばかりなんて事、ゲームデザイン的にあり得るのか?


 ……確信は無い。

 だが俺の予想が正しければ――――


「わっ! 赤月さん?!」


 突然、俺の()()から木こりが現れた。

 疑問が確信へと変わる。


「これあれだ、正解の道行かないと最初から戻されるタイプのギミックだろ」


「…………あ〜!」


 大量の守護機兵は気を逸らせる為のブラフ。

 本命は正しい道を歩まないと出られない脱出ゲームだ。

 俺とした事が気付くのに遅れるとは……!


「そういうのって、何かヒントがあるはずですよね!」


「ヒント……あれか?」


 確かにダンジョンに入る時、意味深な壁画を見た。

 これが抜け出す為のヒントになっている可能性が高い。


「迷える子羊よ。もう群れの中に飛び込む事なかれ。何も無い暗闇に旅立ち、一つの灯火を求め、二つの灯火を追いかけ、そして何も無い暗闇に帰るのだ……」


 何も無い、一つ、二つ、何も無い――――

 暗闇、焔、灯火、暗闇――――


「これ松明の事じゃね?」


 俺の予想が正しければ……まず松明の無い道に行き、次に一つだけ壁掛けてある松明の方に行き、二つ壁掛けてる松明の方に行って、最後には松明の無い道に行けば――――


「よし階段来た!」


「やっと1階層突破ですね!」


 パズル系のダンジョンはもうこりごりだ。

 次の階層はもっと単純なので頼むぜ!


 俺達は2階へと進む階段を駆け上がったのだった。


◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆


名前 赤月

階級 ランク12

所持金 3240HG

武器 血酸嘴砲【血腐食霧】

武器 腐王鴉の嘴短剣【腐王吸命】

防具 血羽の屍外套【死肉伝播】

装飾 腐王鴉の眼核【死肉の王眼】

装飾 なし

装飾 なし


ステータス

体力 60

魔力 40

攻撃力 30

防御力 20

自動魔力回復 1秒毎1

状態異常命中 +30%

状態異常耐性 +40%


◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

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