表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/86

序章(中)

この度は当方初投稿作『バッドボーイ&ロンリーウイッチ』を閲覧して頂きまして誠にありがとうございます。

この作品の作者の能村倅吉と申します。どうぞ宜しくお願いします。


この話は前話からの続きとなります。この話から読んでも展開が分からない場合がありますので、良ければ前の話からお読み頂ければ幸いです。


今回も読んで頂いた読者の皆様の心、精神、感情、センスといった部分の何らかの琴線に少しでも触れられれば幸甚と存じます。


長いプロローグを有す本作ではありますが、それではどうぞお楽しみ下さいませ。

今日は何故だか終始イラつきが止まらなかった。さっき転がした連中を相手にして多少は気が晴れたかと思ったが、どうにも今日はイラつきが続く。


バカ共と喧嘩の相手をした後、俺はどこか不完全燃焼気味なイラつきに任せながら路地裏から繁華街の表通りに出て、ちょっと歩いた場所に建つ雑居ビルの影にあるコインパーキングに停めた愛用のバイク…型落ちのZR‐7sを取りに戻った。


バイクのステア部分に吊り掛けたゴーグル付きのハーフヘルメットを乱暴に被ってエンジンを掛けると、今もなお心の奥底から滾々(こんこん)と湧き出す苛立ちの衝動に任せ、煌びやかなネオンの明かりが彩る夜の街へとそのまま出奔した。


車通りの多い夜の繁華街の目抜き通りを駆け抜け、しばらく夜の道を走っているとその途中で大きな交差点で赤信号に捕まった。このままこの交差点を左に曲がれば俺の住んでいる団地までは10分と掛からない。


だが、どうにも今日はイラつきが治まらなかった俺はまっすぐ家には向かわずに、このまましばらくツーリングに興じることに決めて、信号が青へと変わった瞬間にバイクのステアを右に傾けた。


これは、俺がイラついた時にたまにやっている気休め程度のルーティンワークだ。イラついた時にバイクで適当に路肩を流していればその内イラつきは治まるはず…なんだが、今日はどうにも虫の居所が最悪なのか、今回のこのイラつきはなかなか治まる気配を見せなかった。


その原因に思い当たる節はあった。多分、喧嘩終わりに下手な感傷に耽って自分の今までの人生を回想したのが悪かったんだと思う。


もっと言えば、普段は思い起こさないようにしているあのクソ親父のことを絡めて思い返したのが最悪手だったんだろう。


俺の人生の全てを狂わせたあのクソ親父…今じゃどこかの愛人の家に転がり込んでロクに家にも帰って来やしないあんな超絶ダメ人間に対する家族愛なんてモンは、ガキの時分にお袋が家を出て行った時に枯れ果てて、当の昔に微塵も残ってない。


ひと月に一度は家に戻って来ているらしいが、それも必要最低限の生活費と家賃を団地の部屋の投函口から投げ入れているだけだ。礼儀として俺に直接渡すのならばまだしも、これなら別に郵便業者で構わないだろうと毎度思う。


正直なところ、あのクソ親父からもらう物なんてモンは、それが例え金だとしても受け取りたくないってのが俺の本心だ。


俺が住んでいる団地の家賃や学校の授業料は親の扶養義務の内だと思って已む無く受け取っているが、それ以外の余った金は近所の神社の賽銭箱にぶち込んでいる。


それ以外の俺の生活に掛かる公共料金や食費とかはもっぱら日雇いのバイトをして日銭を稼ぎながらなんとか食い繋ぎ、極力親父の力を借りないで生活しているのが今の俺の現状だ。


あんな超絶ダメ人間から与えられた物なんてのは、この命と親父譲りの凶悪じみた鋭い三白眼だけで充分だ。


もっとも、この親父譲りの鋭い目つきの三白眼が原因で俺の人生に多大な悪影響を及ぼしているから、結論から言えばどちらかというと充分を下振れしてマイナスに寄っているとも言える。マジで…どこまで疫病神体質な親なんだろうか…。


そんなことを考えながら道を流していると、イラつきが蓄積される感覚を覚えた。俺の記憶の中に僅かに残っているあのクソ親父の所作、言動、存在といった全てがバイクに跨る俺にイラつきを与えてくる。


「………チッ!あぁっ、かったりぃなぁ…!」


熱い炎にも似た苛立ちが自分の心身に沸々と積もり重なっていくのを感じながら、俺はそのイラつきを拭い去るようにバイクのスピードを僅かに上げた。


本当に面倒な話だが、もう少しバイクを走らせればこのイラつきも多少は治まりを見せるかも知れない。確証はないが、バイク以外の趣味が一つも無い俺にとっちゃこれだけが唯一気を紛らわせられる手段だ。


既に日も暮れた夜の幹線道路。途中で見かけた電光掲示板に表示されていた時刻は既に20時半を過ぎ、擦れ違う車も徐々に少なくなって来たその中を滑るようにしてバイクを走らせる。


雑に被ったハーフヘルメットの縁から出たシャギーの入った髪の毛先が向かい風で激しく揺れるほどバイクのスピードを上げても俺の中に燻る熱い炎(イラつき)は解消されず、むしろバイクの速度と比例するようにその熱さを募らせていった。


(あー、今日は多分アレだ…きっと何をやっても上手くいかねぇって日なんだろう。クソがッ、マジでかったりぃなぁッ…!!)


普段なら心地よく感じられるバイクの激しいエンジン音や耳に届く風を切る音も、今の俺の耳には鼓膜を直でガナリ立てる雑音のように聞こえた。今回のイラつきがここまで尾を引くってことは、俺の心身もかなりキてるって証拠だろう。


記憶から思い起こされたクソ親父の存在が、俺の精神(こころ)に暗い影を及ぼしているのを気にしないように努めながら、俺はただ夢中で無心でバイクを走らせた。


けれど、無心になってバイクを走らせる俺の心のどこかでは、この悋気の発生源が歯痛のような小さなイラつきを常に発し、夜の道を駆ける俺の心身を蝕んでいた。

ここまで読んで下さり、本当にありがとうございます。


一つ思ったんですが、序章の前と中を一緒に纏めたら良くね?

昔の私は何を思ってこんな風な段取りを打ったんでしょうか?

プロローグも無駄に長すぎますし、改稿すればするほど謎は深まるばかりです。


じゃあ早くしろや、お前が打った段取りだろが、お前が一番の謎だよという正論が聞こえてくるようです。ですが、ちょっとでも良いなと思って下さったのならば、また是非読みに来て下さい。


また、誤字脱字、表記揺れ、設定の矛盾、感想等を頂けますと嬉しいです。

…それと、いいねボタンを押して頂けると私のモチベーションが上がりますので、きまぐれにでも押してやって下さい。


今後とも『バッドボーイ&ロンリーウイッチ』をよろしくお願いします。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ