表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
25/35

25 戦いの後

 あの戦いから数日後。

 ケンシンの軍が去った地に少人数の人間が到着した。

 

 槿花四天王が一人、マサトヨだ。

 

 「おかしい…。

 情報では30の先遣部隊がいるはずだが…」

 

 さらに不可解なのはなぜ数千の兵が国境沿いに集まっているだけで攻め入って来ないのか…。

 そしてこれだ。

 予想ではあの目の前に見える山に陣を構築していると踏んだのだが。

 それが無い。

 

 「マサトヨ様!!」

 

 馬が駆けつけとある報告をした。

 その報は先遣部隊が引き返し、更には国境沿いの兵達も解散した、というものだった。

 

 「どういう事だ!?

 それでは、ただ資金を無駄に…いや…ただシンゲン様を誘き出す為の策だったのか…?」

 

 だが、そうとは思えない。

 あのケンシンだ。

 そんな生ぬるい事はするまい。

 分からない…。

 

 とにかく、情報がいる。

 

 「辺りの村々を回り情報を集める付いてこい」

 「「はっ!!」」

 

 …

 

 馬が駆けていく足音が遠くで聞こえる。

 

 とある3人組はトボトボと歩き、困ったと言う顔でまた再びこの地におとずれていた。

 

 「なぁ、やっぱやめようぜ。

 確かに金貨はほしいんだけどよ。

 命あってのもんだろ? な?」

 「うるさい! 

 なら付いてくるな。

 私が決めた事だ。

 それに…塩むすびを村人に頼んで出来るだけ沢山、作って貰ったから大丈夫よ。

 あの子の大好物なんだから」

 「たくよぉ、確かにあの蜘蛛共を従えた子鬼は友好的だったかもしれねぇけどよぉ」

 

 陰陽師、アオイとイタズキそしてハナノはもう入らないと決めた山に向かっていた。

 

 平原を行き、山を登り始める。

 もうここは、妖魔の土地。

 下手をすれば命は無い。

 山を中腹まで踏破した時、何か気配を感じた。

 

 カサカサ…

 

 それは取り囲む様に周りを動いている。

 

 「あのー、やばくないですか?」

 「ああ、やばいな…」

 「いやでもルークちゃんの名前を出せばなんとか…」

 

 一行は立ち止まらずそのまま山の奥へ奥へと獣道を進んでいく。

 小川を越え険わしい斜面を登った。

 それでも、周りから何かの気配はついてくるばかり。

 山頂付近に来てそれはようやく姿を表した。

 それは蜘蛛では無く人だった。

 それも一人二人では無い。

 少なく見積もって10人はいる。

 

 「この先に、なにかごようですか?

 人間の方…」

 

 言葉を話した。

 それで一行は緊張していた糸が完全に切れ、山を休まず少し慌てて登った疲れが一気に出た。

 

 「はぁ、なんだ人か…びびったぜ…」

 「でもなんでこんな所に人が…」

 

 それに服装にしても変だ。

 全員が白い見た事もない服(白衣)を着ている。

 不思議だなぁーと眺めていると最初に話した女性が近くに歩み寄った。

 

 「我々は人ではありませんよ?」

 

 女性の体は異様な物だった。

 上半身は女性その物なのだが下半身が蜘蛛だった。

 

 「いっ!?」

 

 絡新婦じょろうぐもそれは妖魔の亜人種だ。

 蜘蛛糸を操る事を得意とし、それは美しい女性の姿だと言う。

 

 そして男の方…中には女性もいたが…。

 背に蜘蛛の足が4本生えており明らかにおかしかった。

 土蜘蛛だ、中には変わりに腕が6本の個体もいるらしい。

 蜘蛛糸は使わないがその力は凄まじくその上、スピードもある。

 

 このあまりの状況に陰陽師の一行はもう諦め思考を停止した。

 

 「それで…ご要件はどの様なものなのでしょう?」

 

 ✿❀✿❀✿

 

 「はぁ…はぁ…」

 

 全身が痛む。

 ここは…?

 起き上がろうとするが起き上がれない。

 ふとあたりを見るとそこは瓦礫の中だった。

 

 「ふっ!」

 

 痛みを無視し力を入れ自分の上に乗っている柱を慎重にどける。

 他の瓦礫が崩れてこない様にする為だ。

 

 ズシン!バキバキ…

 

 抜け出しその柱を下ろすとバランスを崩した瓦礫の山が崩壊した。

 自分で無ければきっとここで見動きも取れず死んでいただろう。

 

 辺りを見渡すと瓦礫しかない。

 変わり果てた不楽の姿があった。

 

 「蛍丸…」

 

 そんな中に一つ…光り輝く刀が落ちている。

 その刀を拾い上げホタルは鞘に納め歩き出す。

 あの化物を放置はできない。

 誰かがやらねば。

 

 それに…この先に…化物が進んでいた進行方向先の町にある道場。

 そこで教えていた子供達の安否が気になる。

 

 今はすでに朝となり太陽の光が山より現れ空を照らし始めている。

 あれからどれ程、眠っていたのかは分からないがまだ…間に合うかも知れない。

 

 息も絶え絶えに不楽を離れようと歩き始める。

 

 「ホタルさん! 

 ご無事でしたか!?」

 

 救助活動をしている人達。

 全員がボロボロだがなんとか、生き延びたらしい。

 

 「あいつは何処に向かった?」

 「それは…その…」

 

 反応で分かる。

 聞くまでも無かった…。

 あのまま進路変更せず突き進んだのだろう。

 

 「ホタルさん、治療を」

 「そんな、時間はない!

 今すぐ…行かないと…」

 

 そう言ったが体勢が崩れ倒れそうになる。

 骨がいくつかやられているらしい。

 血も出しすぎた。

 

 「いや、そんな体じゃ無理です。

 治療を受けて下さい」

 

 体が意思と反して力がぬけ、肩を借りねば歩くのもやっとだ。

 

 「おい!

 やばいぞ、大蜘蛛共だ!

 この忙しい時に出てきやがった!!」

 

 通常ならば対処できる敵も今の不楽では守り切れない。

 

 「うわぁああああ!来るな!来るな!」

 「蛍火……爽昧」

 

 大蜘蛛の群れに光の斬撃が飛び大蜘蛛を一刀両断していく。

 

 「はぁ…はぁ…」

 「ホタルさん!

 無茶です!

 不楽から今すぐ離れましょう!」

 

 妖魔が神の見捨てた大地より現れた為、この場で増援を待つ事も出来ない。

 生き残った者達で出来るだけの生存者を連れこの不楽から離れる事しかできなかった。

 読んでいただきありがとうございます     m(_ _)m

【ブックマーク】や【評価】をしていただけると幸いです。


 少しでも面白い、続きが見たい!と思ってくださいましたら。

  

 広告の下 ↓に星をつける評価があります

 ☆☆☆☆☆を★★★★★

 ブックマークと評価は作者の励みになります!

 是非お願いします

     ↓↓↓

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ