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第二話

実は私、転生者なんだ。


前世では持病で学校に行けず、いつも病院のベッドの上で過ごしてた。


そんな私が唯一の楽しみにしてたのは小説。

恋愛ものだけではなく、色んなジャンルの小説も読んだ。

その中で私が憧れたのは恋人と友達。

まぁ簡単に言うと青春だ。

学校に行けなかった私は青春に憧れた。


前世の親はいつも仲良しで愛し合っていた。

いつも親が出会った話を聞かされる。

弟は陽気な男の子だった。

いわゆるクラスの人気者だった。

いつも学校の事や友達の話を聞かされる。


私は羨ましかった。


(なんでそんな話するの?嫌味?)

そう思ってしまった。


でも家族はただ生きる希望を与えようとして話してたのだ。

持病に勝って、楽しい人生を歩めるようにと…

だって私が青春に憧れてるのを知ってたから。


親は私を産んで恥だろうに、毎日仕事ある日も欠かさずお見舞いに来てくれた。

弟も友達と一緒に遊びたい年頃なのに、毎日欠かさずお見舞いに来てくれた。

こんな病弱な私でも家族は愛してくれたのだ。


私は嬉しかった。

こんな家族を持てて幸せだなって…



でも私は死んでしまった。

憧れた青春出来ないで…



だから私は死ぬ前に願った。


家族が幸せに生きていけますようにと。


そして今度生まれ変わったら、丈夫な体で青春を楽しみたいと…



________________________________________


それから現在に至る。


(現実って残酷ね…)


もう色んな感情が湧き出過ぎて、もう無であった。


信じてきたものを裏切られるなんてこんなに痛いのね…

前世の小説の通りだわ…

世の中簡単にうまくいかないわね…


(さて、これからどうしようかしら?)


私は前世の記憶もあり、貴族が嫌いだった。

その理由は自由がないとこだ。

貴族は感情より利益を考えるもの。

貴族=国の品格である。


なので自由に表情や行動を表すことが出来ない。

やっと丈夫な体で生まれる事ができた私としては辛い事だった。


あと、恋愛もそうだ。

貴族として政略結婚なんて当たり前。

お互いの利益の為に結婚する。

なので夫婦の間に恋愛感情ないなんて普通だ。

外で愛人を作る事は珍しくない。


ルイスとの婚約もお互いの家の事業の為の婚約だ。


だが私の今世の両親は政略結婚であったが、ちゃんと愛し合っている。

今でも両親は仲良しだ。


自由の恋愛は出来ないが、ちゃんと信頼しあい、両親のように愛し合える仲になりたくて歩み寄ってきたつもりだ。


だから私はルイスに言った。

愛し合える家庭を作りたいと。

彼もその事に同意してくれて約束してくれた。

「一緒にいい家庭を作ろう」と。

だが、彼は約束を守らなかった。


アイリーンは私にとって心から許せる親友だった。

お母様の学園の先輩の子として紹介された女の子。

貴族でちょっと浮いてた私に積極的に話しかけてきてくれて、いつも会った時は一緒に遊んでた。

お互い読書が好きだったので、よく本を勧めあったり、本の感想を話し合ったりした。

ちょっとした悩みでもいつも真っ先にお互いに話し合いに行った。

彼女は唯一の信頼出来る女友達だった。

信頼してたのは私だけみたいだけど…



彼らは私を裏切っていた。

あの言葉は嘘だった。

もう彼らを信用する事ができない。




(よし婚約破棄しよう!)




政略結婚するなら、侯爵家のアイリーンの方が利益が高いのかもしれない。



婚約破棄しても、親達は納得出来るだろうか心配だけど、説得してみせる!





そう決心してベランダから出ようとした時…


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