仲間探し②
新人パーティというのは、回転率が高い。
前情報が少ない中でのメンバー募集はとりあえずで参加する奴が多く、すぐに定員まで人が集まるからだ。例外は女性限定パーティぐらいだろう。俺には関係ないが、あれはなかなか人が集まらない。
残念ながら、これという募集が無いなら諦めるだけだ。
行けそうな所が無いなら、自分で立ち上げるしかない。
同じぐらいに冒険者を始めた、これから始めようという連中を集めてパーティを組めばいい。
細かい事は、実際にやってみないと分からない。
だから受付のおっちゃんに話をして、初心者である事を前提に、まずはトランスポート付近でゴブリン対峙を中心に活動する気だと書いた募集用紙の張り出しをお願いした。
この募集用紙は三十日の貼り付けにつき銀貨一枚を持って行かれるが、それぐらいなら必要経費という奴だろう。俺は昨日の稼ぎからお金を支払った。
これからしばらくは、ここに寄って募集があったかどうかの確認作業が必要になるな。
募集中も、ダンジョンに行くのは変わらない。
俺はまだまだ実績が足りないので、もしも同時期に同じような募集があった場合、他に人を持って行かれかねない。
良い人材に出会える確率を高めるには俺の方を優先して応募して貰いたいので、少しでもアピールできるように小鬼を倒しておきたい。
「それにしても、長く使った、武器は成長するとか、聞いてないんだけど!」
俺は前回同様、トランスポート途中までの戦闘を最小限に抑え、まずはすぐに帰れるような場所を抑えた。
今回はがっつり戦う気でいるから、予備の剣も使って稼ごうと思う。
トランスポートの近くでは、最低でも小鬼が四匹以上の集団で現れる。
最初の一匹は落ちている石ころをぶつけて無力化し、残りを剣で斬り殺すようにしている。
余裕があれば殴り殺し、できるだけ剣を消耗させないように注意している。
しかしそんな戦い方をしていると、鍛冶師の親方さんがこんな話をしてくれた。
「ダンジョンで使う武器っていうのは、敵を殺せば殺した分だけ強くなる。
途中で折ったりしなければ、普通の剣よりずっと強くなるんだ。外で使えば研いだ分だけ弱くなる剣が、ダンジョンでは逆に強くなる。
だから剣は丁寧に扱え。無理はさせるな。限界の先を目指してみろ。
剣は必ず、お前に応えてくれる」
本当かどうかは知らない。
親父もお袋もそんな事は教えてくれなかった。
もしかすると、武器屋の親方さんの妄言かもしれない。
ただ、武器を長く使い続ける、雑に扱わないというのは賛成だ。
壊してしまえば次の日から戦えなくなる。
新しい剣を買う余裕も無い。
だからこの剣には、一年二年と頑張って欲しい。
俺も大事にする。
ダンジョンに入るようになって三日目。
この日の稼ぎは銀貨十一枚。
前日までの端数を入れて、銀貨十一枚だ。
武器の修繕費用は銀貨二枚。差し引きで儲けは九枚だ。
たくさん稼いだが、その分、俺は疲労困憊。
明日は休んだ方が良いな、これは。無理をして怪我をすれば目も当てられない。
毎日稼ぐなら、昨日までのペースの方が体力配分の効率が良さそうだぞ。
俺はまだ見ぬ仲間へのアピールと収入と体力配分を考え、一回でがっつりと稼ぐより安定した毎日の稼ぎを大切にする事にした。