第七便「決着、世界滅便へのカウントダウン」
こっそり上げます。
その技の名を聞いたルスウェット(トゲグッソ)が激しく怒りを見せる。
「何が"無腸便製"だ! 」
「腸無くしては便なぞ出ない! 血迷ったか便秘スレイヤー!! ヴヴィヴィヴィヴィヴィイイイイイイ!(爆音)」
そう言うとルスウェットは強大な魔力を屁と共に放出!
そう、いまの彼女の腸は屁だけを精製する天然ガスの宝庫だ!
トゲグッソが巣くう限り一切の便は出て来ない!
「シネエエ! 便秘スレイヤー! 」
ルスウェットの拳や足に魔力が乗る。
非力な攻撃に魔力を乗せる事で、莫大な衝撃パワーをぶつける異世界魔法特有の脳筋戦術だ!
「しゃあああああああ!」
ルスウェットの掛け声と共に、数多くのパンチキックが繰り出される!
「 !? 」
だが……当たらない!
全くと言っていい程に掠りもしない!
便秘スレイヤーの周囲には自身の残像と快便闘気の揺らぎが、まるで蜃気楼の様にルスウェットを錯覚させて攻撃を空ぶらせているのだ。
便秘スレイヤーは言う。
「貴様は今、私の動く快便闘気の流れの内にいる」
「程よい運動と魔力の消費により、驚異的な腸活を受けたのだ」
その言葉を聞いたルスウェットが激しく悶え始める!
……そう、"便意"を催しているのだ!
「馬鹿な! 一体何処から便が作られているのか! 」
「違う! これは……"屁"に変換された便が戻って来ただと! まさか……無腸便製とは! グギギググイイイオオオウウウウウウウ!!! 」
ここで便秘スレイヤーは、涼しい顔をしながら遂に便製の真相を語る!
「そうだ! 便は70%水分で出来ている、貴様がいくら屁に変換出来たとしても水分から再び便に戻してしまえば……」
「「 便製は可能だ!! 」」
強烈な便意によってルスウェットが地面に膝を付く!
そう……トゲグッソの支配が薄れているのだ!
そして映画「エ糞シスコ」のダミ・アアーン! の様な白眼ブリッジを極めると……
蹴ってもコケない犬ロボットの様なテケテケ走りを披露し始める!
「うおおおお! 俺が"押されている(便に)"だと!! 」
腸内で動揺するトゲグッソの声、何故なら彼は"意思ある便秘"である以上、同じ便が腸に現れると肛門からヒリ出される可能性があるからだ!
そして便秘スレイヤーが、ルスウェットに指差して語る。
「自身の脱糞を阻止するために、自分以外の便を屁に変えていたのだ」
「急に自身の真上に便が現れると、さぞかし恐ろしかろう! 」
ガクガクと震えるルスウェット、もうトゲグッソとのリンクも崩壊を起こし、ただただ便意に苦しむ悲しきモンスターと化していたのである。
「お゛う゛えええええ! お゛な゛か゛き゛ち゛いいいいいき゛ち゛いいいの゛おおおお!!(強烈な便意)」
遂に決着の時が来た……
「せめて苦しまずにヒリ出させてやろう……」
便秘スレイヤーが指を突きだし構える!
そう……浣腸の構えだ!
「「 便秘解消拳!! 」」
「「 奥義! 」」
「「 健腸・滴便拳!!! 」」
便秘スレイヤーの構えから強烈な突きが、今……浣腸となって!
ルスウェットの肛門に突き刺さる!
「おおおお!!? ぎゃああおおおおおおうんんべべべべ!!」
ルスウェットの肛門に強大な快便闘気が打ち込まれる!
あまりの勢いに目と鼻と口と耳から、快便闘気の光が吹き出して ルスウェットの身体が激しく震える!!
「捕らえたぞ! トゲグッソ!! 」
便秘スレイヤーが遂に確かな手応えを指先に感じ取った、そしてルスウェットの腹に足をかけると、大物を釣り上げたカジキ釣り師の様に全身全霊の力を使って……トゲグッソをヒリ出す為に胆力を出し切ろうとしているのだ!
ズルリ……ズルリ……
トゲグッソの一部が顔を出す!
その大きさは凄まじく……
ブボボボオ!! ズルルルルベチャベチャベチャ、ブブベベベベボコンボコンボコン!!!……
ケツが三部でクソが七部! といえるほどの対比がある大きさであり、肛門から岩ポ◯モンが引き出される様に見える!
「あぎゃぱぺぶぴあぴゃああ………あああ!!………ぽぽひひふひゅひゅぽぽぽ……んうえええええへへへうぺやええええ……!!」
ルスウェットは白眼を向きながら、気絶と覚醒を繰り返し、今にも真理の扉を開けそうでもある。
対してトゲグッソは諦め悪く、屁で応戦しようとしたが……
「ぐああああ、駄目だ! ヒリ出されてしまううう!!、畜生!! こんな便秘スレイヤーなんかにいいいいいい!! 」
しかし以外にもその勢いが仇となり自爆、その身体の全てが引き出される結果となった。
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「遂に奴を倒したのか……便秘スレイヤー」
ここで現れのは兄ゲリー(爆散済み)だ。
「ああ、この世界最初の便秘退治が終わったよ、正直手強かった……」
全てが終わった、臭い立つ勝利宣言が成される。
そんな中、ヒリ出されて無力となったトゲグッソが、便秘スレイヤーや周囲の人間の脳に直接語りかけてきた!
「残念だったな便秘スレイヤー!……この俺が倒れてもまだヴァリカタヴェン四天王はまだ三人居るのだ!」
「くっ……」
トゲグッソに明らかに苦戦を強いられていた便秘スレイヤー、やはり以前程の力には及ばないようだ。
「必ずしや便の楽土を作る為に、俺の存在なぞ、時間稼ぎに過ぎん! 」
便秘スレイヤーはその言葉に驚く。
「時間稼ぎだと!」
トゲグッソは便の風化が進み語りかける力が失われているようだが、自身の任務の全うを宣言した後、吐き捨てる様に叫ぶ!
「覚えておけ、ヴァリカタヴェン様はついに……」
「肛門括約筋SSSランクの女の便に転便したのだ!! 」
「「 この世界は……終わりだ!!! 」」
「「 フハハハハハハ!! 」」
トゲグッソは水分が無くなり只の糞に成り果て土に帰っていった……