一人称は大切
パーマに思いっきり違和感を感じつつ
正直似合わないとか絶対言えないけど、言ってあげたほうが
良いのかと悩みながら、しばらく過ぎ去ったころ
再び彼女に変化が起きた。
「ただいまー」
『おかえり~。見て見て、また進化した~』
水槽の中で手足をバタバタさせている彼女を見ると
パーマが無くなり若干髪の毛が伸びていた。やや茶髪だ。
グレたわこの子。
さらに、服装もやや派手めになっている。
服とか毎日違うのだが、彼女は一体どうやって
これらの服を手に入れているのか?
さっぱりわからないことだらけなのだが
この際、気にしないことにする。
『どう?』
「うん、いいと思うよ。かわいい」
『キャハ。ありがと~』
赤い顔をしながら水槽の中の彼女は微笑んだ。
『でも、オイラ・・・あたし、もう少し進化できる気がする』
「・・・まだ変わるの?」
『うん。技とか覚える気がする』
「・・・技ですか」
『ビームとかキックとか使えたほうが格好良い気がする』
「・・・ビームとかキックとかですか。
しかも進化の基準が格好良いかどうか?ですか・・・」
セクシーになりたいはずなのに、ビームとかキック。小学生か!
しかも一人称がオイラ・・・。小学生か!
そこら辺も色々含めてどうなんでしょうか。
おまえ、何者なんだ。
『ほむほむ!えへへ』