幼少編 ~その6~
どこからともなく何かがが飛んできた。
「キンッ!」
「わわっ!」
ブリュタンは、寝ているフリをして、周りを観察する。まぶたを閉じていても、周りを見られるように、設定を変えた。
「何で刺さらないの~?今度は、お腹にっ!」
「キンッ!」
「ええっ!なんで~~??」
ブリュタンを狙ってナイフが飛んでくる。果物ナイフのような小さなナイフの柄に、羽根が生えているように見えたのだが、よく見ると妖精がナイフを抱えている。
いろんな所に向かって、何回もナイフを刺しに来るも、防御魔法に阻まれて、金属音と共に跳ね返されている。
「はぁ、はぁ、はぁ・・・、こんだけやっても刺さんないなんて・・・ほっぺたなんか柔らかそうなのに~」
そう言いながら、ブリュタンのほっぺを突いてきた。
「あ~~、プニプニしててやわらか〜」
左頬だったのが幸いだった。すかさず左手で妖精をつかむと、目を開いて調べてみる。
「わわっ!なんでアタシに触れるワケ?」
その妖精は体長が15センチ弱で、少しウェーブのかかった長くて赤い髪をポニーテールにしているが、纏められなかった髪が、アホ毛になってアンテナのように立っている。
服は、地球の西暦で2000年代前後に、日本で人気だった魔法少女アニメの主人公が変身したような赤いワンピースで、バレエのチュチュのように、スカートの中にソフトチュールを何枚も重ねて作ったパニエで、ふんわりとしたボリュームを出している。
ブリュタンの手から逃れようと激しく動いているので、短いスカートから、ドロワーズの裾が見えてしまう。
「このヤロー!はなせ〜〜!!!」
私は野郎でもないし、放したら、また命狙われるのに、何言ってるんだこの妖精は?と、ジト目で見ているブリュタン。
この妖精のステータスを見ると、名前が『スカーレット』レベルが501で、体力は少ないけど、魔力は結構ある。レベルから見て神級なので、一応神様と同程度の力を持っているのだろう。
「こうなったら、アタシの最大攻撃魔法で、吹き飛ばしてやるぅ〜〜!!!」
ちょっと、この妖精、何トチ狂ってるんだろう?そのレベルで最大攻撃魔法って、家どころか、村まで綺麗に無くなるんじゃないかな。
ブリュタンは、焦って妖精を強く握ってしまった。
「グエッ!」
妖精は、その後、動かなくなってしまった。
投稿遅くなりました。
ちょっと、スランプになっちゃいまして、文章が進まなかったです。
毎週投稿出来るように頑張ります。