幼少編 ~その4~
さっきから、ずっとジタバタしている。
ジタバタしすぎて疲れてしまったので、いつの間にか寝てしまっていた。
起きたら落ち着いていたので、冷静に考えてみる。
生まれ変わる前の希望を叶えるための結果が、レベル最大というか創造神レベルなんて、とんでもなさ過ぎる。
他人から殺されない能力を望んだばっかりに、鼻をほじって出てきた中身を飛ばしたら、スライムどころか魔王まで倒してしまいそうな能力である。
下手したら、すれ違うだけでモンスターを倒したり、グーパンチで星まで壊しそうな能力というか、逆に砂を集めたら、星まで出来ちゃった(テヘペロ)みたいな能力か。
・・・悩んでいてもしょうがない。今、自分がやれることをやるだけだ。
とは言っても、まだ首が座ってない赤ちゃんの体で出来ることは、ほぼ無い。
まずは、まだボーっとしか見えない視界を補完することから始める。
念じると四角い枠が出てくる。その中の項目を選択して、魔法とか出したり、表示の設定とかしたりするのだが、色々といじっていると、すごく面倒くさい。
前世の学生の頃は、自宅へ帰るなりゲーム機の電源を入れ、夜中まで猿のようにプレイし、毎日、母親に怒られていたが、社会人になったら、ゲームをする時間が取れなくなり、RPGなどの単純なレベル上げとか、苦痛になっていて、パズルとかの単純ですぐ終わるゲームか、爽快なアクションゲームとかを好んでプレイしていた。
なので、直感で操作出来ないか、設定の項目を探してみる。
・・・あった。思考操作補完の直感操作だ。すぐ選択すると、視界がパーーっと開けてきた。表示の設定の効果だと思う。全天球カメラで写したような見え方で、上下左右全部見える。
近くの物は透けて見え、その奥の遠くの物まで見える。情報量が多すぎてパニックになりそうだ。まぶたを閉じても、全然消えてくれない。
まぶたを閉じたら、表示しないように念じたら、周りの景色が消え、真っ暗になった。次に、目で見える範囲だけ表示するようにした。
まぶたを開くと、普通に見える。壁も透けて見えない、窓から景色が見える。
まともに見えるようになったので、この体で何が出来るのか考えてみる。
運動して、体を鍛えるのは、さっきジタバタしたから後回し。この世界でしか出来ない事、そうだ魔法を使ってみよう。
指の先から、ライターの炎のようなものが出ないか、イメージを念じてから右手を上げてみる。
(そうだった、右手の先は無いんだった。腕先の半分以上も持っていかれてるな。あれれ?何か薄く右手が出てきた)
手と、手首から肘までの長さの三分の二は、生まれる時の希望の対価として無くなっている。無くなっている所から、透けていながらも、生えてくるように手が再現されていく。
半透明な右手は、自分の思ったように動くので、人差し指だけ伸ばし、天井に向けて突き出す。
半透明な右手の、つながっている腕の所から、赤い光が流れるように人差し指の先まで動いた瞬間、人差し指の先から「ポッ」と炎が出て、すぐに消えてしまった。
その後、半透明な右手は、指先からゆっくり消えていく。
ちょっと退屈かもしれません。新しい展開を考えてますので、それまでよろしくお願いします。