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ドワーフさんの日常  作者: TK
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プロローグ ~転生前 その3~

 1人になってから、しばらく時間が経ったあと、2つの人物らしき物体が現れた。

 1人はモザイクな美少女メイド風の地球の神様、あともう1人は、何か、すごい黄緑色の何か。

 直視すると、もやみたいな、モザイクみたいな感じになって、まともに見られない。

 補正がかかっているので、おそらく神様だろう。


 目を逸らして見ると、金属フレームで丸い形のレンズのメガネをかけたアマガエルの頭に、全身黄緑色の上下スーツ姿で皮靴も黄緑、大きく黒いサソリの尻尾が付いていて、毒袋の先に曲がった針が付いた尻尾は、地面を引きずるほど長く、針先は、こっちを向いて光っている。

 立っている姿は、紳士的で執事のように背筋がピンとして、左手は真っすぐ伸ばして足に添わせ、右手は胸とお腹の間の真ん中、横隔膜の所に手のひらを持っていくと、挨拶をしてきた。


「はじめまして。『エクスペリメンティア(実験の星)』と言う名の星を管理しています『サカエル』といいます」

「どうも、ついさっき死んだばかりの『伊藤智』の魂です」


 地球の神様よりもツッコミ所満載だけど、あえて質問しないで素直に返事をする。

「あとは、サカエルに任せたから、あたしは帰るで」

「ケケケ、あんた、次の人生はマジ頑張りんよ(頑張りなさいよ)! ケケッ」

 そう自分に言って、おそらくゲスい顔をしているだろう雰囲気で消えていった。


 1人残された神様『サカエル』は、地球の神様の分身体だそうな。

 安直に名前を付けられたらしくて、そこがちょっと不満みたい。

 新しい星が栄えるように『サカエル』と付けられて、容姿は後付でサソリとカエルをくっつけられたとか。


「容姿が容姿なだけに、周りから怖がられるのでは?」

 と、地球の神様に言ったら、

「眩しいほどの宝石を目に入れたげるから、相手をガン見したげりん!(してあげなさい)

 と、言われて、両目を宝石に変えられてしまったらしい。

 相手は、神様以外は補正がかかった状態だから、ハッキリとした姿は見えないので、意味が無かったと後で気付いたが、諦めて眩しくならないメガネをかけているそうな。


 サカエルさんの仕事は、地球で増えすぎて転生できなかった未成熟の魂を、エクスペリメンティアに移し、管理しているだけで、自らは介入しないらしい。地球の神様と同じで傍観者みたいだ。


「さて、あなたは、次の人生をどういう風に過ごしたいですか?

こちらの世界では転生する前に、希望がある程度叶えられるんですよ。

地球みたいに、運命は神様が決める事なく、自分で全部決めるんですけどね」

「そうなんですか。前回は転職ばっかりだったので迷いますね」

「あー、そういう事でしたら、あなたの転生記録を地球の神様が教えてくださってますので聞きますか?参考になると思いますけど」

 と、言いながら細かい説明を長々と聞くのであった。


 自分で簡単にまとめてみると、こんな感じだった。


 伊藤智だった頃の人生よりも前の人生は、同じ転生を3回くらい繰り返しているらしい。

 刀鍛冶の師匠の所に弟子として入って、修行して師匠を超える実力になる。

 そして、殿様に献上するための最高の一口ひとふりが出来たが、自分より実力の劣る兄弟子の妬みにより殺害される。

 兄弟子は、師匠の息子だったので、子供可愛さで、自分の死は病死とされてしまう。

 自分が作った刀は、兄弟子の銘で殿様に献上、喜ばれる。

 殿様は、他の人用に次の刀を注文するも、出来が悪かったので、刀鍛冶に問いただしたら自分の事件が発覚して、怒った殿様が刀鍛冶親子を打ち首にしたという。


 神様は、運命変更で色々と試みたんだけど、器用さは変更出来ないみたいで、内容は、ほぼ一緒だったらしい。

 諦めて伊藤智として転生、職人の仕事に就かせないように飽きっぽい性格にし、近くに職人がいない環境にしたのに、器用さが災いして製造業での仕事をするようになる。

 そして何回も転職し、死ぬまで器用貧乏のまま寂しく世を去るのであった。

 ただ、大器晩成型に運命変更してあったのに、成功を掴む前に死んじゃったので、本当に運が無いみたいだ。

 地球の神様は、もう地球で人生を送っても、ろくな事にならないだろうと思って、サカエルに任せたらしい。

 自分の魂は、丸投げされたのだ。


「さて、これまでの転生記録を聞いて、これからの人生をどうしたいか教えて下さい」

 しばらく考えて、返事をした。

「そうですね、富豪までいかなくても、ある程度儲けて、寿命まで暮らせられたらいいんですがね。記憶に無いですが、刀鍛冶をやっていたみたいだし、何か作る職人にでもなって、楽しく暮らしたいです」

「それでしたら、ドワーフがお薦めですね。物を作るのが得意な種族です」

「まるでRPGロールプレイングゲームですね」

「地球のテレビゲームのRPGをほぼ模倣したような世界になってます」

 それから、その世界の事を色々と聞いてみたが、ドワーフが自分に合っているようだ。


「前世の記憶は、残しておきますか?心機一転で1から始めたい人が多いのですが?」

「前世までの運の悪さの原因が掴めるかもしれないので、覚えておきたいです」

「そうですか。あと生まれ変わる前の希望なのですが、対価が必要でして、あなたが生まれ変わる身体の一部分をいただきたいのです」

能力ちからを得るには、ハンデが必要なんですね?地球と違って案外親切なシステムかもしれませんね」

「そうですか?色々と大変だから、要らないって言う人が多いですよ?」

 またしばらく考えて、返事をする。

「ん~~~・・では、普通に楽しく生活できて、周りから殺されない能力ちからを下さい。対価は、右足のスネから先全部で」

「その希望だと、対価としては、ちょっと足らないですね」

 漠然過ぎて対価が足らないのだろうか?

 いや、器用さが災いしてた人生だったから、手も付け加えたら、対価としては十分なのでは?と、思い

「では、右手の手首から先を付け足します」

「それなら、十分対価として成立しますので、大丈夫ですよ」

 交渉成立である。

「ちょっと、能力の設定しますので、しばらくお待ち下さい」

 サカエルがそう言って、自分の目の前に手を上げて、横に振ると四角いモニターの画面みたいなのが出てきた。

 それを指でタッチするように、操作して何かやっている。


 操作が済んで、画面が消えたあとに、

「あなたの希望した人生が無事に進められるように、案内人ナビゲーターとして妖精を就けさせていただきます。継続的な希望だったもので、何らかの不具合が生じた時の対処の為に、私との連絡にね」

「わかりました」

「お待たせしました。では、新しい人生に行ってらっしゃいませ」

 そう言われて、次第に自分の身体が光りだした。

「そうそう、性別と性格は無作為ランダムに変わりますんで、ご了承ねがいます」

「ええっ!!??」

 ビックリして、変に裏返った声を出した時には、もう周りが真っ白の状態だった。

 最後の最後に不安になるような事を言うなと言いたかった・・・。

 ようやくプロローグが終わりました。

 次からは、幼少編です。

 固有名詞を考えるのが時間が掛かって大変です。もっと簡単にパッと出たら嬉しいんですが。


 2017年4月5日、文章の前に空白を入れました。あと、読みやすいように修正しています。

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