プロローグ ~転生前 その1~
初めて書く小説です。
何もかも全く素人で、右も左も分からない人間です。
行き当たりばったりで進んでいくので、更新もめちゃくちゃです。
それでも、よろしくお願いします。
なんで、自分は刀を構えているんだろう・・・
家にいても、仕事中でも、集中力が切れてボーっとしている、ほんの数秒に出てくるイメージだ。
今年で4回目の歳男、48になった『伊藤智』は、ここ最近良く見るイメージの刀は日本刀であったので、白髪のお爺さんが、お供を連れて悪者退治しながら、諸国漫遊する時代劇の再放送番組の視過ぎかと思っていた。
めずらしく定時で帰宅できた金曜日。
朝のテレビの天気予報で、週末は今年最大規模の寒波がやって来ると言っていたので、普段はシャワーで、体を洗う事しかしなかったバスルームの飾りとしての湯船をふと眺めて、明日は休みだし、3年ぶりに熱いお風呂にでも入ろうかと、お湯を貯めている。
脱衣所は風が吹いていない分ましだが、外と変わらないくらい寒い。
服を脱いでいくと、だんだん体が震えてくる。
全裸で浴室に入る時には、歯までガチガチと言っていた。
浴室に入ると、丁度良い感じにお湯が貯まっていたので、洗面器でかき混ぜてお湯の温度を確認、お湯の温度も良い感じなので、足に軽く掛け湯をして湯船にドボンと入り、足先から痺れる感覚を感じながら肩まで浸かっていく。
長い溜め息のあと湯船にもたれて瞼を閉じる。
手足の先は、急激に暖められて、熱いのか冷たいのか分からない感覚から、ピリピリと無数の針先で突かれる感覚へ。
それから、水圧と血圧の上昇に苦しさを感じていた体は、湯船のあたたかさと混ざり合い、心地良い感覚に変わっていった。
ふわふわと浮遊感に気持ち良さを感じながら、そろそろ体でも洗おうかと瞳を開くと、真下に自分が湯船に浸かっているのが見える。
ビックリしてバタバタしてみると、半透明の体の状態で浮いている事が分かった。
どうやら、魂が体から離れて、幽体離脱の状態みたいだ。
湯船に浸かっている体と、浮いている体と間に、おへそから、コードのようなものでつながっている。
まだ体と魂がつながっているみたいなので、まだ死んではいないみたいだけど、この魂のみの半透明な体は、物質をすり抜けるみたいで、個体、液体、気体全部、抵抗感が全く無く、無重力で真空状態の自分では体験した事は無いけど、例えるなら宇宙空間にいる感じがぴったりだと思った。
もしかしたら、自分は死んでしまうのでは? という危機感を感じて、魂だけの半透明な体から、出ているコードを手で掴もうと持ってみると感触があり、しっかりと掴める事が出来たので、ゆっくり引っ張ってみる。
少しずつではあるが、魂の抜けた本体に近づいていってるので、コードを手繰り寄せる感じで引っ張っていく。
ただ、魂の抜けた本体には近づいていってるのだが、本体の方からコードが出てきてるみたいで、コードだけが長くなってきた。
何メーターか引っ張り出した時に、黄色い印が付いた部分が出てきたので、気にはなったのだが、後もう少しで本体に到着しそうなので、もう少し引っ張り出してみる。
今度は、赤い印が付いた部分が出てきて、それ以上は引っ張ってもコードは動かないみたいだ。
魂の抜けた本体から、コードの赤い印が付いてる所までが、だいたい50センチくらい。両手でコードを持ち、ゆっくりと本体に近づく。
コードの赤い印を超えて、あと少しで本体という所まで近付いたときに、焦って手に力が入ってしまったみたいで、ぐっとコードを引っ張った感触を感じた瞬間に「ブチン!」と音を立てて、コードが切れてしまった。
私は切れたコードの先を見て、「あっ」と声を出してみるも、最早どうすることも出来ず、呆然としたまま、上から降り注ぐ光に導かれる(あるいは吸い込まれる)ように飛ばされるのであった。
転生前のプロローグのお話は、あと2話続きます。
2017年4月5日に修正しました。文章の前に空白を入れるのと、読みやすいように、句読点の修正をしています。