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第2話 vsヴァンパイア① ユーリア再出動

夕食の片づけを終え、チヒロは音楽を聴きながら読書という至福の時を迎えた。

しかも今日は金曜日で明日は休みというのが、さらに幸せな気分を増幅させる。


両親は4月から海外赴任中のため、チヒロは一人暮らしをしている。

チヒロの父親は少し変わっていて、日本に一人残るという選択も与えた。

高校生なら一人で暮らしていくことくらいできるという考えからだ。


一人で身の回りのことをしなければいけないので部活に入っている余裕が無いのを残念に思っているが、

それでもこの一人暮らしをそれなりに楽しんでいる。




音楽をかけベッドに横たわり本を読もうとしたその時、携帯が鳴った。

非通知だが何度かコールしているので出てみると、

「チヒロくーん。私ですう」

神様の声だ。


いきなりの電話に驚くとともに

「何で携帯の番号知ってるんですか」

と強い口調で言うと

「だって神様ですから」

という当たり前の回答にチヒロは拍子抜けした。


「早速ですが、チヒロ君にお願いがあります」

と神様の唐突な依頼に、チヒロは即座に

「お断りします」

と拒否をした。


先の悪魔退治で危険な目に遭った嫌な思い出がよみがえる。

「でもチヒロ君が動かないと、コータロー君みたいな被害者が増えてしまいますよお」

「うっ」

チヒロの気持ちが揺らいだ。


「それに今回は絶対チヒロ君の力が必要なんです」

チヒロは頼られると弱い。


「今回で最後ですよ」

チヒロはしぶしぶ了承した。


チヒロは神様が待ち合わせ場所に指定したレンタル倉庫で合流した。

そして死角になる場所に移動して

「それでは始めます」

という神様の声とともにチヒロは光に包まれた。


光が収束するとチヒロはリリスを退治した時と同じ、メイド服姿の女の子の扮装になっていた。

「またこの格好ですか?」

と不満をもらした。


「ほら、前はこれで上手くいったので、これでいきましょう」

神様の説明は納得いかないものだったが、何を言っても無駄と悟った。


「それで、どんな悪魔なの?」

これからユーリアとして闘う悪魔の特徴について尋ねた。


「悪魔というよりも、ヴァンパイアという魔物です」

「ヴァンパイアというと吸血鬼?」

よく知っている名前に少々不安げに聞いた。


「はい。年老いたヴァンパイアは人間の血を吸って若返ろうとしています」

「ちょっと待って。ヴァンパイアって年を取るの?」

話をさえぎって、疑問をぶつけた。


「元は普通の人間でしたが、老いを克服するためにヴァンパイアの力を借りたことで、

身も心もヴァンパイアになってしまいました」

神様の真剣な話に、同じように聞き入る。


すると神様はすぐに柔和な表情になって、

「でも安心してください。チヒロ君だったら絶対に負けませんから」

神様のその言葉を気休めに感じつつ、ヴァンパイアが潜んでいる場所へと向かった。

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