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第1話 vsリリス③ 絶体絶命

今回の話は金的攻撃のシーンがあります。

苦手な人は注意してください。

館に近づくにつれ、おそらくリリスの物と思われる強大な反応を徐々に感じていた。

そして館の中に入ると、居場所を特定できるくらいにまで反応を捉えられるようになった。


ウイッグ装着により悪魔を感知できるようになるという神様の言葉を思い出し、

「やっぱ、凄い能力だぜ」

と改めて驚いた。


そして罠を警戒して歩きつつ、リリスのいる部屋に着いた。




入り口の扉をノックをした。目的はコータローの救出で、闘う必要は無いからだ。


「どうぞ」

という中の声に対し、扉を開けて中に入ると、部屋の奥のソファにネグリジェ姿の女性が横たわっていた。


見た目は30代後半から40台前半で、一見すると普通の女性だ。


「どちら様でしょうか?」

というリリスの質問に対し、

「私は・・・」

と名乗りかけたところで、一瞬間が空いた。


(ヤバい、ヤバい、今の名前考えてない。どうしよう)

あまり時間をおくと怪しまれてしまう。


頭の中をフル回転させて、思いついたのは、

「ユーリア!」

と今読んでいる小説のヒロインの名前を名乗り、

「この館に迷い込んだ男の子を捜しに来ました」と続けた。


「あー、男の子なら確かに遊びに来ているわ。ちょっと長居し過ぎたから、明日には一旦帰ってもらおうと思っていたところなのよ」


その言葉を聞いてユーリアは安心したのも束の間、何者かに背後から両足首を引っ張られ前のめりに転倒した。


慌てて仰向けに体勢を立て直すも、今度は右脚にしがみつかれてしまった。


そしてユーリアはしがみついている人間を見て愕然とする。

(コータロー!)


正気を失っている眼を見て、ユーリアは神様の“リリスは男を意のままに操ることができる”という言葉を思い出した。


「放せっ!」

ユーリアは自分の右脚を自由にしようと、コータローの腕を引っ張るが、強く抱きついているため離れない。


ユーリアがコータローと格闘しているのに夢中になっていると、今度は両手首をつかまれ後ろに倒された。


「しまった・・・」

いつの間にかリリスが後ろに回りこんでいた。


「私のコレクションを奪おうとするヤツは許さない」

リリスは怒りの表情で両手でユーリアの両手首を頭の上で床に固定した。


(動けない)

ユーリアは必死に腕を動かすもびくともしない。


腕に気を取られていると、今度はコータローが脚を抱え込んで持ち上げた。

ユーリアは両手と両脚を固定されていたが、眼の力は失われていなかった。


「その眼つきといい気に入らないわね。ちょっとおしおきしてあげる」

とリリスが勝ち誇った顔で言うと、コータローはスカートをめくる。

タイツ姿の下半身が剥き出しになり、ユーリアは羞恥を感じた。


コータローは左腕でユーリアの脚を抱きかかえたまま、立ち位置を180度反転してユーリアのお腹の上を跨いだ。

そして右掌をユーリアのお尻に力いっぱい叩きつける。


「くっ」

ユーリアは一瞬声を漏らしたが、神様の力が宿ったタイツのおかげかスパンキングに痛みは感じない。


だがスパンキングという行為、およびそれを実行しているのが自分の親友であることに屈辱を感じていた。


二発目、三発目と叩かれる度に屈辱は増し、怒りの眼差しでリリスを睨み付ける。


十発ほど叩いたところでリリスが

「やめやめ。あまり効いていないみたい」

と言うとコータローは両腕をユーリアの脚に巻き付けて右手で左足首を、

左手で右足首を掴んで左右に開脚させようとした。


だがユーリアは内股に力を入れて、開脚を阻止する。

ユーリアとコータローとの間のパワーバランスは互角だが、コータローにリリスが加勢する。


「なかなか強情ね。じゃあ、これはどうかしら?」

ユーリアの両手首を固定した両腕を固定しつつ、体をユーリアの方に伸ばす。

舌を出しながら、ユーリアの顔に近づこうとする。


「ひぃー!、止めろー!」

ユーリアは首を左に回転させて抵抗する。


だが首の可動域にも限界があり、ついにリリスの舌がユーリアの右耳を捕らえる。

「ひゃあうん」

初めて味わうくすぐったいような、気持ち良いような感触に思わず力が抜けてしまう。


それにより懸命にガードしていた股間が開放されてしまった。


コータローはユーリアの股間に足の裏を当て、タバコの火を踏み消すようにグリグリと左右に動かした。


タイツは外からの攻撃に対しての衝撃は吸収する。

だが股の下に目立たないよう隠してある男性器に対して圧力を加えることは防ぐことはできない。


「あああああーーーーーっ!」

ユーリアは男性器を押しつぶされるという想像を絶する痛みに思わず悲鳴を上げた。


「あらあら、そんな大声を上げちゃって。ガードが固いから清楚なお嬢様かと思ったら、とんだアバズレね。それともマゾかしら?」

とリリスが嘲笑している間もコータローは足を左右に動かし続けた。


さらに続く痛みによりユーリアは口からだらしなくよだれを垂らし、目は涙で潤んで力が抜けてしまった。


やがて数十秒もするとユーリアは声も出せなくなり、ぐったりしてしまった。


「さて、ようやくおとなしくなったようね。それではメインイベントを始めますか」

というリリスの言葉とともに、コータローは足を離して机に向かった。


机の引き出しから取り出した物はデジカメと男性器をかたどった性玩具だった。

性玩具で辱めを受けているユーリアの様子を撮影するつもりだ。


コータローが徐々に近づきながら玩具を試運転させる。

不気味に左右に動くのを確認すると、デジカメと玩具を床に置く。


まずは大腿部のタイツを掴み引き裂こうとするも、破ることはできなかった。

続いてハサミを取ってきて切り裂こうとするも、傷一つ付かなかった。


「なんなの、これ」

リリスは常識では考えられない衣類に驚きを隠せないものの、冷静に次の指示を出した。


「仕方が無いから、脱がしてしまいなさい」

コータローはユーリアの両足首を掴んで脚を折りたたむことで、仰向けになったカエルのような姿勢にする。


そして、腕で膝の裏をおさえながら腰に手を伸ばしてタイツを掴む。

汗でタイツが肌に張り付いていることもあって、擦り下げるスピードはゆっくりとしたものだった。


5cmほど擦り下げられたところで、ユーリアは我に返った。

気が付いたら自分の秘密が暴かれようとしていることに混乱した。

だが戸惑っている暇は無く、すぐに気持ちを切り替えた。


そして、この危機的状況の脱出方法をすぐに考え付くやいなや、

左脚を素早く振り抜き、リリスにオーバーヘッドキックを喰らわす。


リリスにとってはユーリアの柔軟性は想定外だったため、まともに喰らってしまう。


リリスがダメージを負った事で、操られているコータローの両手もタイツを離し、

ユーリアの両手の拘束も解けた。


すかさず起き上がり、左手に力を込める。

「これで、終わりっ!」

とリリスの左胸に光の剣を突き刺す。


「きゃあああああ」

という叫びとともにリリスは消え去った。

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