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【拡散希望】  作者: 飴矢


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3/6

3日目

【拡散希望】沢北市内の女子高校生が行方不明

 10月17日の夕方頃を最後に行方が分かりません。

 島崎県立沢北高校三年■郷■■

 身長15$(cm 痩せ型で制服に■■■■色のカーディガン   連絡先はこちら


 ◇――◇――◇――◇――◇


 スマートフォンのアラームが鳴っている。大丈夫、スヌーズにしているから、後三回までに起きれば遅刻しない。

 薄っすらと目を開ければ枕元には白い流行りのキャラクターのぬいぐるみ。壁側には雑に掛けたせいで、ハンガーからずれ落ちそうなオーバーサイズのカーディガン。

 ……絶望しかない。



 ――しばらく、視界がぼやけて揺れているので落ち着くのをじっと待つ。



 部屋の様子は変わらない。ぼんやりとしたままそのまま自室にいた。

 どれくらい時間が経ったのか、気が付いたらヘリコプターの音がしていることにハッとする。

 スマートフォンには高校からの連絡。

「本日は臨時休校となります。再開については決定次第……」

 冒頭だけを見て階下のリビングへ向かう。よかった、テレビも付いている。


「速報です。県立沢北高校の前にて女子生徒が刺傷される事件が発生しました。登校時間帯ということもあり、辺りは騒然としていましたが……」


 違う。私のことではないんだ。


 どうなっているんだろう、こんなにも続けてうちの高校から?何で?

 スマートフォンを見ると……


 ❖──❖──❖──❖──❖

 

「刺されたのは2年生らしい」

「また沢北高校?」

「犯人は高校生。詳しくはこちら→」


 ❖──❖──❖──❖──❖


 ずっと、現実味がない。リビングは日に日に荒れている。洗っていない食器はシンクに溜まって、食べきれなかったのだろう惣菜のパックがいくつか転がっている。


「…北高校では先週から女子生徒が行方不明となっていることから、…の二つに…連はないかを」

 ?たまに音が途切れている。

茜嶺(あかね)、茜嶺無事でいて……」

 お母さんが呼んでいる。

「お母さん!私はここにいるよ?お母さんってば」

 どれだけ叫んでも聞こえてはいないし、手を伸ばしても触れない。


「お父さん!私は……!私は……」

 声に、ならない。

 同じ高校の女子生徒が刺された。私はその前から行方不明。

 最悪の結果が過ぎり始めたのだろう、両親の憔悴がひどい。


 私を、殺したのは誰ですか?


 誰、誰、誰!!!


「沢北高校 犯人」

 これで検索。登校時間帯だったと言っていた。

 誰かが撮っているはずだ、犯人を。


 ❖──❖──❖──❖──❖

 

「間違ったとかお前のせいで人殺しになったとか叫んでてやばかった…」

「■■高のd@'j er■6g最近学校きてない」

「■■高の制服の人だった。誰かは知らない。めっちゃ怖かった」

「犯人の卒アルの情報を求めています」

「□□、無事でいてお願い」


 ❖──❖──❖──❖──❖


 肝心なところは読めない。他の人のコメントはあるから、私にだけ見えない?

 県内の高校で休校しているところはないかを今度は探す。


「あ……」

 県内屈指の進学校の、ホームページ。見覚えのある制服。

 あの日、私に話しかけてきた人の制服。知らない声だったけれど、私の名前だから振り返った。

 顔は、覚えていない。ただすごく怖かったことだけは覚えている。怒鳴られたから。

 怖くて声も出なくて、逃げようとした私は――……そのまま頭に衝撃があった。


 

 

「島崎県で少年が女子生徒を刺す new」

 新しい記事が増えていく。

「島崎県で少年逮捕。同級生の女生徒が重傷 new」

「島崎県 行方不明事件と関連か? new」

 

 


 時間の感覚もないまま、必死に情報を探す。

 夢中だったその時……頭に強い衝撃を感じる。

 逆光で見えたその顔と「あカね?」と言ったその声をハッキリと認識して、視界は暗転した。

 16時40分。

 覚えた。許さない。

 

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