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ロキソニンは万能薬とは言えず

ー殺される


キースは覚悟を決めて目を閉じた。


(すまんメリー、椿ー)


……何も起きない。


不思議に思い、キースはそっと目を開けた。


「椿!」


椿 圭介が倒れていた。

その夜。


「いやー、悪かったな、キース。ぶっちゃけ痛すぎて気を失っちまった。途中から覚えてないわ!やっぱ失敗か?まあ失敗したならしゃあないな!残念だけど戦争の間は疎開するしかない」


キースは心ここにあらずという顔で俺を見ている。


「?おい!キース!聞いてんのか?だから疎開先――」


ガシッ! キースが圭介の肩を掴む。


「椿、すまない。私のせいだ。わたしの、わ・た・し……の」


突然、キースが泣き出した。な、な、なんだ、おい?

「どうした?何があった?落ち着いて話せよ」


キースがこれほど取り乱すんだ。恐らくあの訓練の結果、何かが起きた。しかもとびきりクソったれなことがな。そう考えるのが妥当だろう。


「椿、結論から言うと召喚は成功した。身体の感じが違わないか?」


落ち着きを取り戻したキースが告げる。

(感じ?たしかになんか違う。力を持て余すような、よくわからん熱のような感覚がある)

「外に出ようか」

キースが呟き、外に出ていく。

不安な気持ちを隠し、キースについていく。

外に出た。キースは緊張しているのか顔が青ざめている。

「キース、俺なら大丈夫さ。おまえがついてるだろ?」

イケメンかよ。まったく優良物件すぎるぜ。

「椿、まずは思い切り飛んでみてくれないか?」

あ?なんじゃそりゃ?

「なんだ?訳を聞いてい――」「いいから!」

「わかったよ」

変なこと言いやがって。アホみてえだろ、まったく。

「せーの、おりゃ」

ぶわっ

「う、うわっ?なんだこれ??」

一瞬で視界が変わる。下には奴隷館の屋根が見える。

おいおい、なんじゃこりゃ?

っておいおい!どうやって降りるんじゃい!

「う、うわああああ!」

し、死ぬ!

ドン!

いてぇ!って、いてぇくらいか。マジで身体能力上がってんのか?

「な、なんだこりゃ?俺どうなってる?」

キースの顔が悲しみに染まる。

「椿、すまない。どこから説明したらいいか」

キースが動揺してるぜ。ちっ、イケメンモード発動。

「キース!!」

俺はキースを抱きしめる。 


「な、なにする?き、き、貴様にはメリー様がいるだろう!だ、だ、だめだ!」


「キース!俺さ、おまえのこと家族みたいに思ってるんだぜ。一緒にいろいろ乗り越えてきたろ!家族に何されても恨まないよ。おまえなら尚更な」


改めて顔をみる。

「つ、椿……」

ありゃ?完落ちか?また一人落としてしまったか。ふっ、

ってあかん!キースに手を出したらメリーにぶっ殺されるぞ!マジでそれだけはあかん!あかん!止まれ!止まるんだ、俺!止ま、、、いっ、いっけー


「キース」

ゆっくりと口づけをする。


「んん……だめ……ん・ん」


「部屋で教えてもらうな、キース」


「だめ、だめだ、椿」




「スー、スー……んぅ」

(ふむ、キースなら俺の横で寝てるよ)

じゃねえ!何やっとんじゃい、わしは!

こんなん絶対あかんわ。メリーとキースには二人にしかない絆がある。だから、キースには手を出さないと決めてたんだ!身の危険もある!最低だ、俺は!だが仕方ない!俺は下半身の奴隷なのだ。キースだってあえてメリーに言わないだろう。隠し通すしかない!うむ!断固たる決意!絶対に負けられない闘いがここにはある!あるよな?んっ?そういえばなんか忘れてないか?

「って召喚だよ!どうなってるんだ?」

「んんっ……すぅ……」

(はぁ、かわいい顔して寝やがってよ)

明日でいっか。

「で?改めて教えてくれ」

翌日、覚悟を決めたキースは全てを話した。

「ああ、椿、君の召喚従はロキ。最高位の邪神だ。召喚従にはランクがある。例えば私のシルフは2級召喚従。メリー様のイフリートは1級召喚従というようにな。ロキはそのランクのさらに上、特級召喚従に指定されている。正直、現実に発現したのを見たものはいない」

「よくわからんな。強いんだろ?結構じゃないか?」

「強さだけを取るなら最高位だろう。これ(※ロキ)を使いこなせたらだが」

「そんで?何が問題なんだ?」

「召喚従は一度発現すれば二度と外れない。しかし邪神を召喚従として発現させた人間はいずれも波乱の人生を送り、苦しんで死ぬという。すまない、わたしの思いつきがおまえの人生を狂わせた」

はあ?なんだそりゃ?てんめえ!!

「キース!おまえふざけんなよ!散々ビビらせやがって!波乱の人生?これ以上の波乱があるなら見せてみろやあ!今さらそんなもんビビるかい、アホカス!苦しんで死ぬ?死ねんなら今すぐ死にたいわ、ボケ!」

マジであせったぜ!溜めるだけ溜めやがって!

「椿、その、許してくれるのか?私を?」

「アホか?家族だろ?」

はいイケメン特級です。

「ありがとう、本当にありがとう。……決めたよ。私は今までメリー様の為に生きてきた。これからは君を守る為に生きよう」

は?いやいや、待てい!

「ど、どういう意味だ?」

「婚姻だ!私の本気をメリー様もきっとわかってくれる!大丈夫だ!椿!……いや、圭介!」

「結婚しよう」

あかん、ロキだかロキソニンだか知らんけど、わしの召喚従さんや。どうにか助けてくれんかの?

死亡遊戯

ま、まずい。

「子供は何人だ?椿?わ、私は何人でも」

まずすぎる!

「圭介と呼ぶのは慣れないな。婚姻を結んでからにしよう」

も、もう……。

「すまん、椿。私の親は北大陸にいるのだ。一度挨拶を」

「メリーに」殺られる前に「キースを」殺るしかない

勿論、世界イケメン大使である俺様はそんなことはしない。ちょっぴり揺れたけどね。ほ、ほんとだよ。

しかも、強くなったいうても、この前のメリーやクリスほどじゃない。あんなん化物やん。せいぜいこちらの世界で言えば、普通より強い程度だろう。魔法だかも使えんしな。そもそも喧嘩嫌いだし。美しい顔に傷がついたらどうすんねん!

なんだかんだで、明日にはメリーが帰ってくる。少しだけメリーを捨ててキースと逃避行に出ることを考えたが、メリーは俺を死ぬまで追い続けるだろう。そんなプレッシャー人生はごめんだ。

それに、なんかさ、キースはキースでやばいんだよ。

なんつーか、メンヘラーズの素質がバリバリあるんだよな。

昨日もさー、エッチしたあとにさ

「椿、もしメリー様に反対されたら、食事に罠を仕掛けよう!なあに、S級魔物でさえ昏倒させる劇薬だ」

(おまえ、ご主人様命ちゃうんかい)

「椿、話とはなんだ?き、今日は出来れば普通のやつがいいんだが?変な体勢が嫌というわけじゃないけど」

微笑みの爆弾やで。さあやるしかないぜ、椿圭介!舌を回せ!

「……キース。すまないな。いきなり」

不安そうな思い人の顔に、キースは突然不安になる。

「な、なんだ?」

「……キース、俺はおまえと結婚出来ない。実は俺は病気なんだ」

「病気?!な、何の病気だ!く、薬は?」

「薬はない。不治の病だ」

「ど、どんな病気なんだ?最高の治療師を用意するぞ!」

「無駄だ。病名はウッズ病。定期的に複数の女性と関係を持たないと精神に異常をきたし、死に至る恐ろしい病だ」

「ウ、ウッズ病だと?聞いたことがないぞ」

「実は俺はこの世界の人間じゃない。元々別の世界の人間なんだ。信じられないかもしれんが、向こうでは割と有名な病気なんだ」

「ち、違う世界だと!?ま、まさか君はジャンパーなのか?数百年に一度歴史に名を表すあの?」

「さあ?俺がそのジャンパーかは知らないが、俺は家族に嘘は言わない。話を戻すが、一人の女性では半年が限界なんだ!キースを一番愛しているが、メリーも好きだ。俺には二人必要なんだ」

「……理解はした。しかしそれならメリー様に正直に話せば――」

「それはだめだ!!もしメリーが知ったら、メリーは俺と関係した人間を殺すだろう。キース、おまえさえ例外じゃない。おまえを失えば俺は生きていけない」

「し、しかし病気なんだ!仕方がないじゃないか」

「メリーに理屈は通じない。俺が他の女を抱いてるところを見たら逆上し、俺をも殺すかもしれない」

「そ、そんな、じゃあどうすれば?」

「キースには内緒で俺と関係を続けて欲しい。勝手なことはわかってる。でも君がいればどんな辛いことにも耐えられるから」

「……それしかないのか」

「……ああ、でもキースが嫌なら、耐えられないなら、別れるしかない。おまえに嫌な気持ちにさせて生きていけるほど厚かましくない」

「別れ!?別れるなんて無理だ!家族なんだろう?愛してると言ったじゃないか?」

「ああ、愛してる、キース。誰よりも。治療法が確立されればあるいはな」

「……確かに。わかったよ、椿。メリー様には内緒にしておこう。私が治療法を探し当てるまではな!」

「ああ、ありがとう、キース」

ふっ、99パーセントの嘘に1パーセントの真実を混ぜる。ちょろいぜ!

**天才てんさい!**フー!

本日はご主人様帰還の日でありんす。ふー、ここまで長かったぜ!

ガチャ!

「いま帰ったぞ!」

いつものクールな振る舞いでキースが出迎える。

「おかえりなさいませ。メリー様」

「かわりないか?け、圭介は?」

「ここだよ、メリー。おかえり」

相変わらず美しいぜ。唯一俺と美しさを競える女だな。ほんと、メンヘラじゃなければなー。

「お、おう!……おまえ、魔力の質変わったな?何があった」

キースが前に出る。

「椿は召喚従の使役に成功しました」

メリーが花のような笑顔を見せる。何が嬉しいんや?

「なにっ?本当か?でかしたぞ、圭介!キース、何の召喚従だ?」

苦虫を噛んだような表情のキース。

「……邪神ロキです」

ハッとする顔をするメリー。改めて俺の顔を見る。

「ロキ?ロキだと!?ふ、ふは、ふははは!さすがあたしの番いだ!いいじゃねえか!圭介!あんたに何かあったらあたしが一緒に死んでやるよ!地獄でSEXだ!あははははは」

(ここが地獄だよ!馬鹿野郎!)

「なんにせよ、ちょうどいい。来月からあたしは前線に出立する予定だ。圭介は奴隷館に置いていくつもりだったが、ロキを召喚従にしたなら問題ない!圭介、戦場SEXだ!あは、あははは、燃えてきたぞぅ!」

あ?ふ、ふざけんな!前線に出立だと!?いやだ!絶対いやだ!


「ちなみにあのクリスのアバズレの部隊だ。隙みて殺そうぜ!あははははは」


俺は舌を噛んだ。到底死ねるわけないが

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