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プロローグ



ーー神なき時代。

 生命はまだ見ぬ神を探し求め世界中を血眼になって探した。

 地上、空、地底を総じて探索その結果、互いに争いに発展することは至極当然だった。

 生命は何度もぶつかり合い、幾度も散る。

 

 しかし、無意味な戦争を繰り返すことを世界は許せなかった。


 世界の意志である調律環はそんな戦争を拒絶した。それと共に、戦争の根源を排除すべく生命の願いを集め始めた。





ーー偶像崇拝という言葉がある。

 それは、いもしない神を、さもいるかのように振る舞い、狂信し心酔する行為である。



ーー想像妊娠という言葉がある。

 それは、子供が欲しいと強く、強く願った結果、妊娠していないのに、さも腹の中に子を宿したかのような状態になることである。



 この二つにおいて、"強い思い込み"という点が共通する。

 そしてまた、どちらも不完全で存在しない偽りの存在を生む。



ーーしかしもし、強い思い込みの結果生み出された神が偽物ではなく本物の神だったとしたら。


ーーもし、強い思い込みの結果、孕んだ子がそのまま産まれる本物の子供になったとしたら。








 世界の意志たる"調律環"は求められた強い願いに応えた。しかし、調律環は全能ではない。無を有にすることはできなかったのだ。


 そこで調律環がとった行為は"召喚"だった。

 最適な神を探し求めて様々な世界を巡り、そして見つけた。

 その光景は知らぬものが見たのなら、誰しもが世界が神を産んだように見えただろう。








ーー最初の神は調律環からこぼれ落ちた神の種を偶然手に入れた小さな人間だった。

 その人間は圧倒的な力を持ってこう呼ばれる。

 

ーー大いなる神ゴッドヘッド、と。

 最初の神にして最強の神であった。

 それからしばらく、神の時代の到来だ。


 神の力の下で生命は育まれ、さまざまな国は豊かになっていった。魔術という特殊な術もゴッドヘッドが伝え発展させた。


 しかし、そんな黄金時代もいつしか潰えるのが運命というものだ。


 ゴッドヘッドはあまりにも強大で無敵の己の力を畏怖し、とうとう己に手をかけた。


 愛すべき、そして憎き調律環の下で。




ーー神が死んだ。

 その話は世界全域に広がり、世界中からその神の力を我が物にと調律環の元に集まり、争った。


 後に"簒奪大戦"とよばれる世界規模の大戦争である。そしてこの戦いは開闢(かいびゃく)以来最悪の惨事となる。


 神を求めし者達の戦いは激化し、酸の雨を降らせ、大地に穴を開け、空からは数多の星を降らせた。


 そして認められた最強の八名がゴッドヘッドに宿った神をバラバラに引き裂き、それぞれが持ち去った。


 何かに突き動かされるように、各々が小さく裂かれた神を己に宿す。彼らもまた、神の器となったのだ。


 それから再び訪れる安寧の時代。

 しかし、そんな時代がいつまでも続くはずがない。そもそも神が分けられて個人の意思で多数の者がその神の力を行使することを調律環は認めなかった。




 

 世界の意志たる調律環は新たな願いを聞き届ける。


ーーそれは、世界の願い。


 世界は死に腐った神を回収せしめるべく、真の神の器をこの世に召喚する。


 調律環はゆっくりと瞼を閉じ、祈る。





ーーいずれこの世界を、この調律環を破壊し、腐った世界を終わらせてくれとーー












ーー深い森林に悲痛な哀哭が響く。

 樹々の底。


 少女はいた。

 深い紺色の髪を肩で切り揃え、その毛先は中心に向かってくるんとしている。

 前髪は長く、少女の黄色い瞳を隠していた。


 歳は10歳程だろうか。

 そんな少女はその体躯に合わない大きなローブを着ていた。


 地味に見える灰色のローブはよく見ると金やら紫やら細かな模様が端についており、価値が高いことがわかる。


 そんな幼き者はまるで何かを失ったかのように、渇望し、慟哭した。

 




 それを見つめる二つの瞳は嗤うのだった。


「ふむ…。まるで鏡を見ているようだ…これも因果。我が神の導き、か…」


 どこから憂いを感じさせる低い声でそう、呟いた。

 なんとなくプロローグを追加してみます。(いまいちプロローグについてわかっておりませんけども…こんなので良いんですかね…?)

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― 新着の感想 ―
[良い点] 面白いです! [一言] 追ってまいりますので、執筆頑張って下さい!!!
2023/07/08 22:32 退会済み
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