表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
5/16

第4章:高橋哲哉教授談(2)

 「・・・ベン・グリオン首相をはじめとする指導者たちは、国内的にも、また対外的にも、イスラエル国家のアイデンティティを強烈にアピールする必要性を感じていました。


 まず対外的には、パレスチナ難民問題の発生や、アラブ諸国との対立から、イスラエル建国や、その対外政策の正当性を、世界に向かって訴える必要性を感じていました。


 また国内的には、建国後十数年を経過して、独立の熱気が薄らぐとともに、ヨーロッパ出身のユダヤ人よりも、中東やアフリカ出身のユダヤ人が多数派を占めるようになり、国としてのまとまり・・・『ナショナル・アイデンティティ』が、揺らぎ始めていました。


 中東やアフリカ出身のユダヤ人は、ヨーロッパでの『ユダヤ人迫害』を経験していないだけでなく、ヨーロッパ系ユダヤ人が優位を占めるイスラエル社会の中で、差別されているという不満を持っていました。


 国民全体を団結させ、イスラエル社会の統一を、いわば『セメントで固める』ような、強烈な国民的事件が求められていたのです。


 こうして、『アイヒマン裁判』は、ナチス戦犯を裁くという、法的な要請と同時に、イスラエル国家の『ナショナル・アイデンティティの構築』という、極めて政治的な要請をもになうものでもあったわけです。」

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ