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青春とは逃げないことだ

「お、ちゃんと来たか」

 放課後に校庭という約束、ちゃんと守ったらしい。

 明音は慎也に任せて巻いてきた。

 せっかく登場したのに、ほぼ出番ないの可愛そうだな。

 なお、二人はあの後屋上に先生が来て怒られたらしい。

 いや〜、突き落とされて良かったわ。

 ……いや、全然怒られた方が良かったけどね!!


「足、筋肉痛でやばいです。足以外もちょくちょく」

 まぁ、いきなり走ったらそんなもんか。


「じゃあ今日は走るのやめるか」

 そもそも、昨日は陸上部がたまたま休みだったから走れただけだしな。

 うちの学校の謎に設備が充実してるから場所は割と多いのだが、部活ですらない俺らには学校は場所を用意するほど優しくない。後、俺の普段の態度。


「え」


「走る以外のことをする」


「デスヨネー」


 今日やるダイエット。

 それはズバリ。


「筋トレでーす」


「おぉ〜、思った以上に普通だ」


「当たり前だ、楽して痩せて調子乗ったらムカつくから出来るだけ頑張って痩せろ」

 画期的な方法とかサプリとかそういうのを期待していたのかもしれないが、俺達中学生だし、良く知らないから運動させることにした。


「あ、はい」


「まぁ、まずは、プランクかな」

 








 窓から少し校庭を覗く。

 ほら、やっぱり走ってない。


 まぁ、陸上部が走ってるみたいだから走ってないってだけかもしれないけど。


「はぁ、バカらし。興味ないし〜」









「はぁ、やっぱ鬼とか悪魔の類だよ。あの人」

 今日も、なんなら陸上部が終わるまで筋トレをさせられて、結局少し走った。


「……遅かったじゃん」

 ヘトヘトの状態で家に帰ってリビングに行くとソファで姉が寝転んでいた。


「ね、姉ちゃん。居たんだ」

 今は高校2年生らしい。

 俺と違って、なんでも出来るし、モテるし、美人な姉。

 本当に同じ遺伝子が通っているのか怪しくなる。

 正直少し苦手だ。

 

 羨ましがる人も居るかもしれないが、コンプレックスでしかない。


「何。部活?」

 寝転がってスマホを見ながら姉が聞いてくる。


「いや、だ、ダイエット」


「何、ダイエットしてんの」

 一瞬驚いてこちらを向く。そしてすぐに顔を歪めた。

 嫌悪感丸出しの、どうせ続かないだろうって決めつけている目。


「う、うん」


「どうせ続かないんじゃない〜?」

 興味なさげにスマホに視線を戻す。


「いや、今度は……」


「まぁ、確かにアンタは痩せた方が良いねー」

 姉が俺の太った体を見て少し笑いながら言った。


「う、うん」


「どうせ続かないだろうけどね」

 アンタのことだし。

 そう姉が言葉を続けた。


「今度は、今回は! ちゃんと続けるから!痩せる!」


 俺が急に声を荒げたから、姉は目を丸くしながらこっちを向き

「え、あ、うん」

 と声をこぼした。



 夕食の時間になって、ダイニングに行きご飯食べた。


「いただきます」

 ご飯……。食事制限はしなくて良いって言ってたけど。

 

「ごちそうさま」


「あら、もう良いの?」


「うん、今日は良いや」








「たっだいまー」


「おかえり、凪」

 ッスー。なんでお前いるのー。


「明音?」


「学校で全然構ってくれないから、来ちゃった。家」


「ッスー、おーい。玲奈。なんで入れたのコイツ」

 玲奈、というのは俺の妹だ。

 一個下で中一である。同じ中学に通っているが妹は俺と違って真面目だし、顔とか雰囲気とかもあまり似てないので兄妹だとはあまり認識されてない。


 俺は呼ぶと、見計らったかのようにニヤニヤした玲奈が角から出てきた。

「コイツとか酷くない? 久しぶりに会えて嬉しいよ、明音お姉ちゃん」


「玲奈ちゃん……」

 玲奈〜。そいつはお前が思ってる程良い人じゃないぞー。


「正直、変態で、クズなお兄ちゃんとは釣り合わないと思うけど……。まぁ、明音お姉ちゃんが本当にお姉ちゃんになってくれるなら嬉しいけど」


「お前ら仲良いね〜。俺疲れたから、先シャワー浴びてくるわ」


「背中流そうか?」

 ふむ。


「お願いしてもらおうk」


「ダメだからね!! 流石に!」

 危ない、誘惑に負けかけた。

あとは頼んだ

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