表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

69/80

三月明音とかいう女

 まぁ、人には得手不得手というものがある。

 俺はどうにも苦手なのだ、この明音という女が。


「久しぶりだね、元気にしてた?」


「お陰様でね、気楽にやってたよ」

 お前が居なかったからな!


「そっか、よかった。でも私は寂しかったよ」

 そうやって嬉しそうに笑う。

 可愛いんだよなぁ。


 駄菓子菓子、間違えた。だがしかし、別に、本性は性格が悪いとかそんなことじゃないんだ。それならむしろ俺は萌えるのである。

 こいつと関わりたくない理由は単純だ。

 

 命が惜しいからである。

 コイツと絡むと遅かれ早かれ多分死ぬ。殺される。

 

 崖から突き落とされて、ボロボロの凪君カッコいい良いと言われたときは少しドキッとしたが、二度と関わらないと誓った。


 要は昔から苦手なのである。

 昔は俺もなかなかの陰キャだったからなその時からのトラウマとも言える。


 意外なことに、いや、元々真面目なタイプだったっけ?記憶がないや。

 兎に角、午前中は特にちょっかいをかけられることもなく。平穏に日々は過ぎていった。


 なので! 何か起こる前に逃げます!


「佐月くん? 何してるの?」

 屋上でパラセール的なにかを構えていると、後ろから声が聞こえた。


「由美さん」

 声で分かっていたが良かった、明音じゃないようである。

 俺はパラセールのような何かを閉じて由美さんと話をすることにした。

 特に理由はない気まぐれである。


「三月さんと何かあったの?」


「いや、別に何もないけど」


「でも、あの女の子好きの佐月くんにしては珍しいよね」

 あぁ〜、うん。


 まぁ、そうなのだ。

 珍しい。

 俺は崩れるから嫌なのだ。


「う〜ん、まぁ。単純に苦手なだけだよ」


 ん? そういえばなんで由美さんは屋上に居るんだ?

 そろそろ昼休みも終わるんじゃないだろうか。


「そうなんだ」

 一瞬耳を疑った。

 もう一つの人間の声が。いや、女の子の声が聞こえた。


「明音……」


「やっぱり屋上に居た。好きだもんね。高いところ」


「別に今回はそういう理由じゃないけどな」

 それに屋上が好きなのは高いからじゃなくて開けてるからだ。

 教室とか学校とかそういう何かに縛られた閉鎖的空間にいると気分が悪くなる。


 ただの思春期なのだ。


 俺は、女の子が好きなだけで、女の子に好きになってもらいたいのではないのだ。

 

 だから、そう好意MAXで来られても困る。


「えいっ!」

 屋上の端に居た俺を近づいて来た明音が突き飛ばす。


「え、」

 って!


「お前やっぱ俺のこと嫌いだろぉおおおおおおおおおお!」


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
https://ncode.syosetu.com/n1675hm/
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ