修学旅行の本番はホテルに着いてからみたいなところある
何だかんだあって夜になりました。
八坂神社みたいな名前のところに行って観光した後、夜飯を食べ俺達はホテルに居た。
「先生、なんで俺たち先生の隣の部屋なんですか?」
「ホテル予約するときの都合上だなぁ。別棟とか階分ける必要もないしなぁ。お前たちだったのは偶然だなぁ」
だなぁ。なんて言い方する先生だったっけ?
成る程つまり見張られてると。
問題児の障害だな。
「そんな、俺たちが何かするとでも思ってるんですか?修学旅行ですよ。お土産代ぐらいしか持ってないし駅の場所だって知らないから交通機関も使えないんです、精々、消灯時間を超えてもトランプしてるぐらいですよ」
嘘だ、俺は駅の場所をバス移動の時に覚えたし金も上限を超えて持ってきている。もしもの時の交通費だ。心配性だししょうがないね。
「まぁ、そうか」
坂口先生は俺達の最低限の生徒としての常識を信じている。
全裸土下座待機を見ていないからだ。
あの日からあの女教師の俺を見る目は生徒を見る目じゃない。てか、これ人間を見る目でもない。何か得体の知れないものを見る目だ。
「じゃぁ、先生も少し混ざります?」
「何にだ?」
「罰ゲームポーカー」
「罰ゲームポーカー?あぁ、まぁ少しなら良いが」
「いや、先生。辞めといた方がいいです。多分教師人生終わります」
「お前らは俺にどんな罰ゲームをさせる気なんだ?!」
「全裸土下座?」
「公開告白?」
俺と慎也は首を捻りながら答えた。
「辞めとくわ」
「そっすね。それが良いと思います。これで俺と慎也合わせて35人ぐらいに嘘告しましたからね。慎也の場合は女子が悲しむ可能性あったんで。先に大々的に嘘告をすると宣言する必要があってそっちのが大変でしたね」
女子の間では慎也の方は告白受け入れシュミレーション。俺の方は告白断りシュミレーションと言われてたらしい。解せぬ。
「そんなに何回もするのか?」
「いや?基本一回ですよ?それに時間切れの方が多かったです」
「ん?どういうルール何だ?」
どうやら先生はルールが分かっていなかったらしい。
考えてみたら俺達(主に俺)が生み出したルールだった。
「めっちゃ革新的なルールですよ」
罰ゲームポーカーは基本ルールは普通のポーカーと同じだ。ただしチップを必要としない。
賭けるものは人としての尊厳だ。
ズバリ、自分で罰ゲームを決めそれを賭けるのだ。
基本は土下座30秒である。
普通のポーカーで言う。スモールブラインドが土下座30秒で。
ビッグブラインドが土下座30プラス『俺は雑魚です』と言うというものだ。
そこから自分で罰ゲームを課して行く。
コールする時は同じ罰ゲームをするというか、同じ程度の罰ゲームを決め言うかだ。
レイズする時は相手の言った罰ゲームよりも重い必要がある。
判断基準は適当でお互いが納得するものなため3人いると壮絶な裏切りと談合合戦になる。と思う。
一応オールインまでは決めてあって路上ライブ5時間だ。
基本警察に補導される。
それ以上のことは基本賭けないことになっている。
「お前らの頭がおかしいことは分かった。てかホントに出来んのかよ」
「やらせる」
「今までに遂行できなかったのって何かあるか?逆立ち歩きで校庭一周お前が失敗したぐらいか?」
「あの時、疲れてたんだよ。今なら出来る」
「───まぁ良いが。俺は他の生徒とかの見回りにってくるからお前らは部屋で大人しくしてろ」
「はーい」
先生が見回りに行ったのを確認した後。
俺はトランプを取り出した。
それを机の上に置き。
椅子を持ってきて座り向かい合った。
「さて、始めるか」
壮絶な戦いの予感がした。
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