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坂口安悟先生

堕落論とか書いてないよね?

うちの先生。いや、漢字違うわ。


「よく来たな」


「げ、坂口先生か。てか早っ」

昼休み生徒指導室に行くと既に坂口安悟先生が待っていた。

あ、担任の先生ね。


「もう、全裸土下座とかされないように先に来たんだよ」

くそ、俺の、反省してるみたいな姿勢を見せることでこれ以上責めづらくする戦法が。

いや、坂口先生は淡々と責めてきそうだけど。


「アレだな。最初に生徒指導室に呼ばれたぶりだろ」

そうだ、最初は勿論担任だった。

その時は確か誤魔化したんだったな。


まぁ多分。


「誤魔化されてくれましたね」


「……まぁ、そうだな。職務怠慢みたいなもんだから言わないでくれよ。面倒くさかったんだ」

一瞬黙った後観念したかのように坂口先生は口を開いた。


「つまり?」


「それはまだだ」

ありゃりゃ、早く帰れると思ったけど坂口先生相手は二人係でもキツイかなぁ?

冷めた人だ。


「終わった人」


「何お前喧嘩売りにきたの?怒られに来たんじゃないの?」


「いやぁ、冷静さを欠かせたら言い負かし易くなるかなって」


「はぁ、お前メンド過ぎね?」

先生の割に砕けた言い方だ。

お前とか言っていいのかな。今の時代。


「先生だって良く言われるんじゃないですか?」


「………やめやめ。やり直し。俺教師、お前生徒な。気まずさを感じろ」


「はい!」

背筋を正して向かい合う。

どうせ昼休み中だけだ。


「そもそも何で呼ばれたか分かってる?」


「………何で、ですか?」


「うん、まぁさ。君達の偉いとこは制服とか何処の学校かをあんまり言ってないこと。ただまぁ警察に聞かれたら言うよね」

あ、

っすー


「そっすかもねー」


「言葉おかしいぞー、」

っく、そうか成る程ね~。

警察も関わったことに関しては筒抜けってことか。


「実はさ、感謝状貰ってんだよ」


「え?」


「ほら、お前ら色々協力してるだろ?」


「それを渡すってことですか?」


「いや?渡さないよ。調子乗るじゃん。もういっそ痛い目見ろって思うけど痛い目みてもやめないでしょお前ら」

ふむ、良くご存じなようで。

まぁ確かに調子乗るかもなぁ。


「まぁさ、別にもう中学生だし中学生だけで街に出ること自体はまだいいんだよ。でもお前ら行動範囲広すぎな?県外の警察から連絡来たんだけど、どゆこと?目撃情報も学校から何キロも離れてたりするし」


「いやぁ」


「どうせお前ら俺達が知ってる以外にも夜遊びなりなんなりしてるんだろ?問題児」

うーん、まぁ、どこまで把握してるのか分からないが否定は出来ない。

それを正直に言うわけでもないけど。


「そんな~。夜遊びとかはそんなにしてないですよ」


「そんで、誰かしら助けてんだろ?」

先生は呆れたように笑ってそう言った。


「お前らそんなに悪いことしてないから、校長室に呼ばれそうになったのも全裸土下座の時だけだから」

マジか、あれ校長室行きかけたのか。


「......感謝の電話が来たんだ。てか偶に来るんだよ。おたくの学校に佐月凪と神崎慎也という生徒は居ますかって。居ますって言ったらさ。先日助けて貰った誰々です。本当にありがとうございますってな。勿論怒られたりもする。苦情もたまに来る。顔と名前さえバレてりゃ学校言わなくてもバレる。まぁ、俺がちょっと居残れば良い話だ。フォローしてやんよ。お前の言った通り俺は青春を終えた人間だ。自分は無事に終えといて邪魔するとかありえないでしょ。ほどほどにな」

そう言ってニッと坂口先生は笑った。


「先生......マジイケメンっすね」


「知ってる」









「先生としてどうなのは思うけど。なーんだ、教師、捨てたもんじゃないじゃん」


「何様だよ」


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